2016年4月21日木曜日

【第26回】 若手天文学研究者にとってロシアは希望たり得るか

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年4月9日土曜日

【第25回】 日本大使館・領事館から離れた遠隔地でパスポートを紛失した場合の対応

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年4月7日木曜日

【第24回】 政府系グラント公募の結果 ― またヤラれてしまいました

昨年末に、政府系の研究費補助金公募に応募していたのですが、結果として再び落選してしまいました。これで、2年連続の落選となりました。ロシアで研究費を獲得することは、現時点では非常に難しいということを痛感する結果となってしまいました。

以前にも少し書いたと思いますが、ロシアでは政府系の研究費の分配において、極端に強い地域バイアスが存在し、モスクワとサンクトペテルブルク以外の研究機関から出された研究提案は滅多に採択されません。今回も、採択されたプロジェクトの一覧に出ている研究機関は、ほとんどがモスクワかサンクトペテルブルクに立地しており、地域バイアスの強さを再確認しています。

地域バイアス以外にもう一つ気づいたこととして、ロシアの古典的な最高学位である「доктор наук(ドクトル・ナウーク)」の保持者がPIを務めるプロジェクトばかりが採択されていることが挙げられます。外国人スタッフが保持しているPhDは、ロシアでは「кандидат наук(カンジダート・ナウーク)」と呼ばれるドクトル・ナウークよりも一段低い学位に相当すると規定さられているため審査過程において不利になるようです。

実際的にはドクトル・ナウークがロシア外のPhDよりも優れているということは感がられず、むしろ逆に外国でPhDを取得した研究者のほうが研究能力や実績は上なのではないかと思います。したがって、このようなバイアスは不幸へというばかりでなく、グラント運営の効率から考えても決して良いものとは言えないと思います。

今回の公募では競争率もかなり高く、採択率は5-6%程度でした(分野ごとに若干採択率はことなります)。高い競争率に加え、上記のバイアス問題もあり、政府系グラントを獲得することは今後もかなり難しいのではないかという気がしてきています。(地域バイアスに関しては、政府が対策を考えているという話は聞こえては来ますが、実際に有効な対策がとられるまでには時間がかかりそうな気がします。)

今後の対応としては、地方政府等が運営するグラントや、政府系のグラントでも特定の国との2国間共同研究に特化したグラントなど、対象者が限定される公募に焦点を絞って応募していく作戦に切り替えていこうかと考えているところです。