2018年2月4日日曜日

【第51回】連邦大学の給料支払は滞る?

ロシアに関するステレオタイプの一つに「給料の支払いが滞る」というものがあるようです。実際、10年ほど前までは、現金出納係の怠慢で給料の支払いが滞るといった事態が多くの公的機関で発生していたようです。

最近では横領等の不正に対して厳罰が課せられるようになったこともあり、現金出納係の怠慢等が原因のトラブルは減ってきているようです。しかし、それでも給料の支払いが十分スムーズかというと、そうは言い切れません。

ただし一応断っておくと、私の職場の場合「年単位」では契約書との辻褄が合うようにきちんと給料が支払われています。しかし、「月単位」くらいになると、支払いが遅れることも時々あります。

例えば、昨年は給料が支払われなかった月が2回あり、さらに年度前半の6ヶ月間は支払われる振込額が非常に少ないという事態が続きました。しかし、後半になると前半の穴埋めをするように大きな金額の振込が続き、最終的には契約書との辻褄が合う状況に至りました。

赴任して間もない頃、同僚たちに嫌がられながらも、給料がコンスタントに支払われない原因についてあちこちの部署に聞き込み調査を行いました。私があちこちで聞いた話を総合して考えると、不定期支払いの主たる原因は、どうやら連邦政府から大学への資金振込の時期がランダムであることが原因のようでした。

とはいえ、給料支払周りの状況が何もかも悪いままかというとそういう訳でもなく、徐々に改善されているという印象もあります。例えば、赴任当初は印刷された支払伝票が配られていたのが、2年ほど前にオンラインで明細を確認できるようになるなど、システム面での改善は見られます。

日本人的な感覚で言うと、給料の支払日が一定しないのはややスリリングではありますが、これは末端の問題というよりも国レベルの問題のようなので、政府にもっとしっかりしてもらうしかなさそうです。

今年は積雪が少なめのエカテリンブルク
(2018年2月撮影)

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