2022年9月18日日曜日

【日記】単純には比較できない教員の忙しさ、中華料理屋の円卓を囲む意味

2022年9月17日(土) 

今日は土曜日なので職場には行かず家にいたのだけれど、9月中は週2回の講義を抱えているので、家にいるときでも間断なく講義の準備を行っている。上手く作業が進んでいるときには、講義の1日前には準備はだいたいは終了しているのだけれど、中国の職場というのはかなり高い頻度で「突然舞い込んでくる仕事」が発生するので、ある程度のゆとりを常に持っておくことが必要となる。

しかし、今年の9月中はあまりにも忙しすぎて、常に能力の限界の9割程度で仕事している感じだ。こうなると、何か突発的な重要な用事が入ると身動きが取れなくなる可能性がある。上記の予期できない「突発的な仕事」以外に、研究や院生指導においてもノルマがあることも考えると、週二回の講義を受け持つことはかなりギリギリのラインのように思う。

日本の大学の教員は、もっと講義を受け持っているという批判も聞こえてきそうだが、中国の大学の講義は罰則規定付きの厳格なルールで非常に厳しく管理されているので、いい加減な対応ができない。したがって、受け持っているコマ数だけで忙しさの比較は単純にはできないだろうと思う。

昨日の日記にも書いたような事情で、明日は「教員の食事会」がある。学期中の忙しい時期に、なんで食事会なんかするんだと思ってしまうが、忙しい時期なのは全員一緒なので、「それ以上の意味」があるということなのだ。中国で仕事をしていると「中華料理屋の円卓」は、それなりに重要な意味を持つ社交場であったりもする訳だ。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年9月17日土曜日

【日記】宿題がもたらしたポジティブな効果、成功人が周囲の人をもてなす習慣

2022年9月16日(金) 

昨年、初めて大学院博士課程向けの講義を受け持ったのだけれど、私の感覚では博士課程の院生に対しては、講義のときに「宿題」を出すというのはなんだかちょっと違うような気がして、講義の復習は各自の自主性に任せるということにしていた。

しかし、どうも中国人学生の反応を見ていると「宿題を出してほしい」という人が少なくないようだ。学部生なんかにいたっては、大学院生よりもさらに積極的に宿題を求めてきたりする。同僚の講義を覗いてみると、やはり宿題を出している場合が多いようだ。もしかすると、宿題があった方が「勉強している感」が持ててよいのかもしれない。

そういう訳で、今学期は、ものは試しと少し宿題を出してみている。宿題を出した次の講義の冒頭で「宿題のレビュー」をやることにしているのだけれど、昨年までの講義と比較すると、明らかに学生が講義を真剣に聞いてくれている感じがする。こうなってくると、また宿題を出すかということになって、もう4回連続で宿題を出している。

しかし、アシスタントのつかない大学院の講義で宿題の提出確認と採点をするのはかなりの重労働だ。ティーチングの質を上げようとすると、どうしても時間を余計に使うことになる。ティーチングは、質を高めようと思うと再現がなく、いくらでもやることが出てくる。ティーチング以外の他の仕事とのバランスを考えると、適当なところで折り合いをつけないといけないのだけれど、これがなかなか難しい。

夕方、オフィスで次の講義の準備を進めていたら、大型グラントを獲得した同僚が「学科の教員全員に晩飯をおごる会」を催すとのことで案内が回ってきた。正直なところ、学期中の忙しい時期に宴会はいらないと思うのだけれど、職場の様子を見ていると、大きな成功を収めた人が同僚たちをもてなすというのはどうも中国流のマナーのようだ。

国家レベルの大型グラントは、獲得した後が大変らしい。研究費が巨額なだけでなく、多くの人を巻き込んでいるために責任も重い。実際、中国では国家レベルの大型グラントのPIになった若手研究者が「過労死」するケースが最近続発している。宴会を行う背景には、追い詰められて時に、学内行政等で同僚に助けてもらうために周りへの気遣いが必要という意味合いもあるのだろう。私は職域の宴会というのはあまり好きではないのだけれど、郷に入れば郷に従えで、中国で働いている以上、多少の「おつきあい」は必要だと考えている。

2022年9月16日金曜日

【日記】繁忙期に思うこと

2022年9月15日(木) 

9月中は週2回の講義を受け持っているのだけれど、他のミーティング等々との兼ね合いで金曜日の講義の準備がいつもギリギリになってしまいがちである。今週も例外ではなく、まだもう少し講義の準備が残っていたため家にこもって準備を行った。

うちの職場では出勤時間については講義と出席義務付き会議の時間以外は自由裁量なので、家にこもっての仕事はルールの範囲内である。講義期間中は、日中にオフィスを訪問する人の数が増えるので、家にこもった方が仕事の効率が上がる。逆に講義のない時期には相対的に家の方が仕事を妨げる要因が多くなるので、オフィスに言ったほうが仕事の効率は上がる。

なんとか一日頑張って、明日の分の講義準備は終えることが出来た。ちょっと疲れ気味だったけれど、30分ほど仮眠して、さらにその次の回の講義準備にも着手した。毎年9月は学期初めの「てんやわんや」と講義準備等の定例の仕事が重なって大忙しである。研究関連や行政系の手続き等でやらなければいけない用事が溜まってきているのだけど、国慶節が終わるまでは着手できそうもない。

しかし、この忙しい状況でも、さほどネガティブな気持ちにならないのは、やはり過去の経験があるからだろうと思う。研究職に就けなかった時期や有期の職についていた時代の精神的な辛さを思い出すと、やるべき仕事が目の前にあることは幸せなことだと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年9月15日木曜日

【日記】「今日言って今日」の推薦書依頼、大学院生の机が足りない

2022年9月14日(水) 

秋学期も3週目に入った。そろそろ一回目の疲れが出てくる頃である。もう少し時間が経過して体が学期中のペースに順応してくると一日単位で疲労と回復のバランスをとることができるようになってくるのだけれど、最初の2-3週間は、体の何処かにまだ「夏休みモード」が残っており、なんとなく気が急いた感じで日々を過ごすことが多い。

今朝、いつものようにWeChatを覗いたら、かつての同僚から研究職応募用の推薦書依頼が舞い込んでいた。「締切は今日なんだけどなんとかならないか」とのこと。あまり詳しいことは個人情報なので明らかにすることは出来ないが、私とほぼ同世代の人で、かなり切羽詰まって職を探している様子だった。

最近推薦書を書いたことのある人であれば、以前書いた内容を下敷きにして短時間で推薦書をでっち上げることはそれほど大変ではないが、この人の場合は前回推薦書を書いたのはもう10年前で、かなり大幅な書き直しが必要となる。関係性の薄い人なら「今日言って今日」の推薦書依頼は断るところだけれど、かつて同じ釜の飯を食った仲間でもあるし、講義準備で忙しい中、なんとか時間を絞り出して2時間ほどでほぼスクラッチから推薦書を書き上げた。上手く職が見つかれば良いが。

研究グループに新しく加わった修士課程の新入生にオフィスの場所を確認したところ、まだ机を割り当ててもらっていないとの返事が返ってきた。なんだか妙な話なので、学科事務に状況を確認したところ「今年は大学院への新入生の数が多くて、まだ全員分の座席スペースを確保できていない」とのことだった。現在、あわてて院生部屋を増設しているのだそうだ。

とにかく、今年は大学院への入学者数が一気に増えた。おそらく、うちの大学院が「天文学一级学科博士点」という中国内の大学院としての最上級格付けに認定されたことと関係しているのだと思われる。私は実感として良くわからないのだが、一級大学院の博士号とそうでない大学院の博士号とでは、就職時の評価が異なってくるのだそうだ。

「一级学科博士点」に選ばれて大学院の新入生が増えただけでなく、学内の内部進学者も増加した。これまでは学部卒業生が進学する場合は、ほとんどが外部の大学院に流れていたが、今年は学部で成績上位だった学生が何人かそのままうちの大学院に残ったようだ。そんなこんなで、今年は優秀な大学院生がどっと入学してきて、職場が活気に満ちている。しかし、教員側がどこまで頑張れるか、それはそれでまた別の問題である。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年9月14日水曜日

【日記】宿題が講義室にもたらしたポジティブな効果、天文学初心者セミナー開始

2022年9月13日(火) 

今日は、午前中に講義、午後から研究グループの学生とのセミナーがあった。昨年から秋学期には大学院博士課程向けの講義を受け持っている。大学院生向けの講義ということで、学生も忙しいだろうとの配慮をして、去年は宿題を出さなかったのだけれど、どうも中国の学生からは「宿題を出してほしい」という要望を聞くことが多い。そこで、今年はできる範囲で宿題を出している。「できる範囲」というのは、大学院講義で宿題を出すのは実はけっこう大変な作業なのだ。

学部講義の場合はティーチングアシスタント(TA)を雇用することができる。TAには宿題を出したかどうかの確認をやってもらったり、採点後の宿題の点数の集計などを手伝ってもらうことができる。簡単な宿題の場合には採点や学生への指導を手伝ってもらうこともある。このTA制度がなければ、宿題をコンスタントに出すことはかなり大変な作業となる。TAには通常、大学院博士課程の学生を雇用することになっている。つまり、大学院博士課程対象の講義を行うに際しては、TAとなってくれる人がそもそもいないのだ。これは教員としてはけっこう辛い。

まぁ、しかし、ものは試しと、多少忙しさが増すことを覚悟の上で、今学期は宿題を出してみている。結果としては良い感じに作用しているように思う。宿題を出した後、次の回の講義で宿題の答え合わせをするのだけれど、自分たちが考えて提出した宿題に関する話なので、学生さんの方も講義の他の部分よりも高い集中力で答え合わせの部分を聞いてくれるようだ。

やはり、学生に「主体的に講義に参加している」という意識を持ってもらった方が講義の質は良くなるようだ。主体的に参加してもらうというと、講義中に学生を指名して質問に答えてもらったり、教室で学生間の議論を喚起したりという手法をまず思いつくが、これは今の職場の講義室ではなかなか上手くいかない。なぜかというと、言語の問題があるからだ。

すべての学生が流暢に英語を話すわけではないし、そこそこ英語が話せる学生であっても、大勢の同級生の前で発言をするとなるとどうしても身構えてしまうようだ。昨年は、講義室で頻繁に学生に話しかけて、講義に主体的に参加してもらおうとしたのだけで、案の定上手くいかなかった。去年の段階では、予想もしていなかったことだが、今年は宿題が講義室の空気を変えてくれている。異国で悪戦苦闘している外国人教員としては僥倖である。

午後からは、学生さんとのセミナーを行った。今日のセミナーは、天文学の学習経験を持たない修士課程新入生を対象とした「天文学基礎トレーニング」セミナーだ。基本的に、私と一緒に研究する学生さんが対象なので、英語のトレーニングも兼ねている。中国語で書かれた天文学の教科書を読んで、その内容を英語で発表するということを繰り返していく予定だ。私としては、このセミナーを通して、天文学の基礎知識と英語力の両方を身に着けてほしいと思っているのだけれど、果たしてどうなるだろうか。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)