2022年4月30日土曜日

【日記】2022年4月29日(金) 、「内田・宮川博士」がある意味素晴らしい、高度人材向け所得税減税の還付金

朝食を食べながら地元のニュースを眺めていたら「珠海でもガソリンの値段が上がっている」という記事が出ていた。中国はロシアからの原油の輸入量を増やすという話だったので、この値上げはちょっと意外だった。どういう原理でガソリンの値段が上昇しているのだろうか。

中国の通販サイトを見ていると、インチキ商品というか、誇大広告が過ぎる商品に時々出くわす。今日は行きつけの歯医者さんが「どんなにひどい虫歯でもこの歯磨き粉で歯を磨けばすぐ治る」みたいなことを謳った商品広告にWeChatモーメンツで怒りをあらわにされていた。その歯磨き粉、広告では日本人が開発したことになっていて、開発者の写真も掲載されている。開発者の一人の「内田・宮川博士」がある意味素晴らしい(下の写真参照)。本気で消費者を騙そうとしているのか、ウケを狙っているのか、よくわからなくなってくる。

件の「内田・宮川博士」(写真左)

大学の防疫体制に少し変化が見られ、今日から大学のゲートに電車の自動改札のような機械が設置された。健康コードのスキャン、職員IDのスキャン、顔写真の撮影の3つを行うと自動で扉が開いて出入りできる。今までは、門衛の人が顔を覚えてくれて、IDを見せなくても顔パスで出入りできるようなこともあったが、自動改札が導入されたので、これからはもう顔パスが一切通用しない。

封鎖管理のためキャンパス内に閉じ込められていた学生さんたちは、今日から事前に申告すればキャンパスの外に出て良いことになった。おそらく、上述の自動改札は学生の出入管理を行うために導入されたのだろう。ただし、学生さんたちは、まだ珠海市の外には出られないようだ。それでも一ヶ月半ほどの間キャンパス内に閉じ込められていたのだから、キャンパスの外に出られる開放感は相当なものだろう。WeChatのTLを見ていたら、さっそく遊びに行く相談があちこちで始まっているようだ。

今日は金曜日ということで、毎週恒例の研究グループのミーティングと学生との研究打ち合わせの日だった。お昼休みの後から3時間ぶっ続けてミーティングをやったので、喋り過ぎで若干喉が痛くなった。うちの学生さんたちはみんなよく頑張っているので、来年は豊作になりそう。

しかし、入学当初は英語が苦手だった学生さんと毎日英語で話していると、徐々に英語が流暢になっていくのが分かって面白い。うちのグループに来たら、セミナーも議論も強制的に全部英語でやることになるから英語を使う機会は他のグループで中国人の教員についている学生よりは格段に多くなる。話す相手が日本人でも、使う機会が多ければ英語は上達するようだ。

夜、スマホをいじっていたら、まとまったお金が中国銀行の口座に振り込まれていることに気がついた。どうやら、去年の夏に申請した広東省の高度人材向け所得税減税の還付金がようやく今頃になって振り込まれたらしい。どういう審査が行われていたのか不明だが、申請から振込まで実に8ヶ月以上もかかったことになる。この減税はコロナ禍に対応した措置とのことで、確かに今の状況で一時帰国するのに最低限必要な程度のお金が返ってきた。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月29日金曜日

【日記】2022年4月28日(木) 、夏場の防護服は過酷そう、なにはさておき睡眠は大切

珠海市における最新の防疫規制ルールでは、公共交通機関の利用や公共場所への入場に関しては72時間以内のPCR検査陰性証明、大学キャンパスへの入構には48時間以内の陰性証明の提示が求められる。したがって、相変わらず定期的にPCR検査を受けなくてはいけない状態が続いている。出勤に必要な陰性証明は48時間以内のもので良いのだけれど、急用等で検査に行けない場合を想定して、一応私は毎日出勤前に自宅近くの公共検査ポイントでPCR検査を受けている。

今週に入って気温が急に高くなり、午前中に30℃を超えるようになった。PCR検査場で検査に当たっている担当者はみな防護服を着ているのだけれど、暑い日にはかなりキツそうだ。基本的に検査場の多くは野外に設置されており、当然冷房が効いていない。うちの近所の検査場は海辺なので木陰すらない。誘導係の人が着ている防護服は薄めのものなのでまだ大丈夫だと思うけれど、検体採取を行っている医師の防護服は全身を覆う厚めのものなので、あれは過酷だと思う。

気温が高くなってきたせいか、どうも最近寝付きが悪く、今日は明らかに睡眠不足で調子が悪かった。目下、TODOリストに溜まっている仕事の多くは、論文執筆や講義デザイン等のいわゆる「頭を使う」仕事ばかりで、こういう仕事は睡眠不足だとどうにもならない。仕方なくオフィスのソファーにしばらく目をつぶって横になって、休み休み仕事を進めた。短時間でも横になると多少は生産性が戻るが、それでも、やはり夜間にしっかり眠れたときに比べるとあまり集中力が続かない。やはり、なにはさておき睡眠は大切である。

夕方、某方面から某研究プロジェクト関係のメールが回ってきたのだが、ロシア政権賛成派であろうロシア人が共同研究者に入っていて、また微妙に不愉快な気分にさせられた。この人物にはロシアにいるときに非常に不愉快な思いをさせられたので、個人的な経験と国家としてのロシアの振る舞いが重なり合い、なんとも言いようのないネガティブな気分になった。多くの若者が戦争で命を落としている中、政権支持派の爺さんがのうのうと基礎科学の研究をしている。そんなことが許されてよいのか。まぁ、このような状況が存在する国がまともな国の訳がなかろう。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し。

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年4月28日木曜日

【日記】2022年4月27日(水) 、今年は1日で片付いた国際送金、パスポート写真の撮影も大仕事

今日は外回りの大きめの雑用を2つ片付けた。一つは日本への国際送金、もう一つはパスポート申請用写真の撮影である。国際送金と写真撮影くらい大した用事ではないと思われるかもしれないが、これを中国でやろうと思うと実はかなり大変なのだ。

中国から国際送金を行う大変さは、多くの在中日本人がSNSやブログで語っているので、そちらも見ていただきたいところだが、大変さの程度は住んでいる地域、口座を持っている銀行、本人の中国語能力、所属組織のサポートの度合い等々によって、かなり幅があると思う。最も困難な場合だと大変すぎてギブアップしてしまう人もいるようだが、条件に恵まれてスムーズに行けば1日で終了できる(それでも、半日では終わらない)。

ちなみに私は前回初めて送金した時には、必要書類の準備方法が分からず、役所を2-3箇所まわったり、最初に行った銀行で送金を拒否されたりと幾つかのトラブルに巻き込まれ、最終的に送金に成功するまで合計4-5日を費やした。今年は既に経験の蓄積があるので、かなり手続時間を短縮することができた。送金の具体的な手順については、そのうち時間のあるときにブログ記事にまとめようと思っているので、ご興味の向きはそちらを御覧いただきたい。

送金手続きは大きく2つのパートに分かれており、一つは外貨を購入する手続き、もう一つが国際送金手続きだ。必要な書類が全てもれなく揃っていれば、外貨の購入手続きは2-3時間程度、国際送金手続きは1時間ほどで終了することができる。かなり時間がかかる手続きなので、前回も今回も銀行支店内の「個室」に案内されて、そこで手続きを行った。

銀行側は、給料明細、労働契約書、納税記録、過去の送金記録等々を突き合わせながら、送金しようとしている金額が限度を超えていないか、正当な労働報酬なのかといった事を確認するのだと思うが、とにかく数字ばかりズラッとならんだ数十ページの書類を一行一行丹念に確認するので、この手続には猛烈に時間がかかる。銀行員が行っている作業を目の前で見ていると、本当に大変な確認作業をやっていることが理解できる。1-2人の銀行員がこの作業にかかりっきりになってしまうので、銀行支店によっては国際送金をいやがる支店もある。

私は初めて送金するとき、まず最初に中国建設銀行に行ったのだけど、対応してくれた窓口の銀行員に「今日はもう時間がとれません。申し訳ありません。できたら他の銀行に行ってやってもらえませんか?」と言われた。この銀行員は最初しばらく書類を確認していたので、途中で「ギブアップ」した格好だ。こういう銀行に最初に当たってしまうとメゲそうになってしまうが、次に行った中国銀行では、それなりに時間はかかったがきちんと送金してくれた。なので、今年の送金も中国銀行で行った。

送金手続きは一日がかりの仕事で、待ち時間も長いので、合間の時間を利用してパスポート写真の写真を撮影しに行った。これも、中国でやるとなると簡単な作業ではない。理由は2つあって、一つはパスポート申請用の写真のサイズ規定が中国と日本では異なること。もう一つは日本の写真規定が(病的に)厳格なので、それに準拠した写真を上手く撮ってくれる写真店がなかなか見つからないことだ。

今回利用した店も、ネット上にある日本のパスポート写真の規定を見ながら撮影とプリントをやってくれたのだけど、最終的に規定に収まる写真が出来上がるまでに3回プリントをやり直してもらった。写真店の担当者がパソコンを使って写真を編集している横で、アテンドしてくれた職場の秘書さんが「そこはそうじゃないです。そこはもっと短く、こちらは長く」みたいな細かな指示を辛抱強く出してくれて、なんとか最後には規定に収まった写真ができたのだけれど、時間もかかったし、何度もプリントさせたので追加料金もとられて、どっぷりと疲れてしまった。

まぁ、しかし、外国に出て、外国人として生活するということは、結局はこういう不便と向き合いながら生活していくということでもある。中国生活は大変な部分は確かにあるのだけれども、しかし、中国に来る前にロシア生活を経験しているので、中国の大変さはまだ私は受け入れられるのだ。

銀行窓口のパスワード入力端末

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年4月27日水曜日

【日記】2022年4月26日(火) 、南極望遠鏡のテスト観測、非常に慎重な中国の歯科医

今日は溜まっていた雑用を一山片付けた。まずは、学科から依頼されていた研究グループのメンバーやら業績やらのデータベースへの入力。この手の仕事は、最も面倒な仕事のひとつなんだけど、それでも学科長が自ら作ってくれたWebサービスがまずまず良くできていて、ここに書き込んだ情報を秘書さんたちがあちこちで使いまわしてくれるので、以前に比べるとかなり業績報告関係の仕事が楽になった。

次に、中山大学が南極に建設中の望遠鏡を使った科学研究の提案書を提出した。これは以前からやろうやろうと思っていた案件だったのだけど、他の仕事が忙しすぎてなかなか手がつかなかった。この夏、南極に持っていく装置使って中国内でテスト観測するとのことで、それに向けた観測提案を行った。南極からは北天の観測ができないので、北天の天体をこの装置で観測できる機会は今年の夏が最後となる。

それから、明日、日本への送金とパスポート写真の撮影を行うので関係した書類や資料の準備を行った。国際送金とパスポート写真の撮影なんて日本で行えば簡単な作業だが、これが中国でやるとなると非常に面倒な作業なのだ。国際送金は必要な書類が多いし、パスポート写真も日本の規定通りの写真を準備するにはいろいろと周到に準備しておく必要がある。

それから、昨日治療方針の説明を受けた歯科に希望する治療方法を返事した。そうすると、治療を開始する前に最近の健康診断の結果を見せてくださいという返事が来て少し驚いた。日本の歯科にかかったときに、治療開始前に健康診断の結果を見せてほしいと言われたことは一度もない。私は特に重大な持病があるわけでもないので、こちらの歯医者さんの注意深さには感心するばかりだ。健康診断を見せた後、今後2回分の治療日を決めて予約を入れた。いよいよこれから数年がかりの治療が始まる。

そうこうしていいるうちに南極望遠鏡の責任者から返事が来て、「観測は可能だがマンパワーが足りない」という返事だった。そこで、観測者になってくれそうな若い人たちを探すためにWeChatでメッセージを送りまくる、みたいなことをしているうちに終業時間となった。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月26日火曜日

【日記】2022年4月25日(月) 、歯医者さんによる周到に準備された英語プレゼン、日本人は治療しやすい?

先週、珠海市内の歯科に初めてかかり、精密検査を受けたのだけれど、今日は検査の結果と今後の治療方針を聞きに行ってきた。5-10分くらいの簡単な口頭での説明を想定していたのだけれど、想像していた説明とは異なり、周到に準備されたマルチメディアなプレゼンが展開されてちょっと驚いた。

まず、最初に検査結果をまとめたパワーポイントの資料の説明がざっと行われた。立体的なCG画像や写真を提示しながら、かなり細かな数値まで示しつつ丁寧に治療すべき問題点とその理由を説明してくれた。その後、3つほどの異なる治療方法を提示してくれて、それぞれ具体的にどのような治療内容なのか、それぞれの方法のメリットとデメリットを細かく説明してもらった。この治療方法についての説明が非常に分かりやすくて感銘を受けた。

例えば、歯ののの部分をけずるか、削るとかみ合わせがどう変化するか、みたいなことを実際に目の前で私の歯から作った模型の歯を使ってやって見せてくれるのだ。また、治療で使う補填物や器具も実際に触らせてくれたりもして、とにかく直感的に分かりやすい説明だった。記憶にある限り、日本の歯医者でここまで丁寧かつ手の込んだ説明はしてもらったことがない(もっとも、最近日本の歯医者にかかったことがないので、今の日本の歯医者事情は私には良く分からない。日本の歯科医療も進化しているのだろうとは思うけれども、どうなんだろうか)。

このような説明は、通常はもちろん中国語で行われるはずだ。しかし、私が外国人ということで担当の歯医者さん(W先生)が一生懸命英語のプレゼンを準備してくれたみたいで、丁寧に準備された英語の予習ノートを見せてくれてちょっと感動した。職業柄、学生のノートはたくさん見てきているのだけど、担当歯科医のW先生の作るノートはクラスでトップクラスの学生が作るノートと共通する空気感があった。というわけで、今後2-3年はかかるであろう治療をW先生にお任せすることは、もう既にプレゼンを聞いている途中にほぼ決めていたのだけれど、「すぐに決めなくてよいです。じっくり考えて決めてください」ということだったので、返事は後日返すということにして今日の診察は終了となった。

W先生は、過去にも日本人を治療したことがあるらしく、「日本人は治療しやすいです」と言っておられた。「どうしてでしょう?」と聞いたら「みなさん歯科医に協力的です」とのことだった。例えば、ある種の矯正治療なんかでは、医師の指示を守らないと治療効果がなかなか出なかったり治療期間が長引いたりするのだそうだ。しかし、日本人の患者の場合は概ね医師の指導に従ってくれる人が多いそうだ。まぁ、これも国民性か。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月25日月曜日

【日記】2022年4月24日(日) 、労働節前の振替平日、散歩中に見かけたコマ回し

来週末から中国では「労働節」の5連休に入るのだが、中国で連休に付き物なのが「振替平日」である。素直に休日を増やせば良いものを、なぜか中国では土曜日と日曜日をカレンダー上で移動させることで大型連休が作られる。そんな訳で、今日は本来は日曜日なのだけど「振替平日」なので世の中は普通に動いている。

振替平日に自分の講義が割り当てられている時は、一週間程度前から「次の日曜日は平日なので間違えないように講義に来てください」というリマインダーが職場から繰り返し送られてくるので心積もりができる。しかし、振替平日に講義を担当しない場合はリマインダーが来ないので平日であることをつい忘れてしまうのだ。今回の振替平日には私の講義は割り振られていないので、今日が平日であることに遅い午後になってからようやく気がついた。今から職場に行っても、もう中途半端な時間だし、とりあえず事務的な連絡にだけすぐ反応できるようにWeChatのだけ自宅のパソコン画面に起動させて、そのまま自宅でリモート勤務することにした。

講義のない日は、事務からの用事にさえ「即レス」を返しておけば、まぁ「勤務」としては一応格好がつく。しかし、当日の朝まで今日は休みだと思っていたところを、突然「平日」ということになってもなかなか頭がすぐに仕事モードには切り替わらない。結局は普段の平日の半分の仕事量も達成できずダラダラとした時間を過ごしていたところ妻が「散歩に行こう」と誘いだしてくれたので、これ幸いと海岸沿いを小一時間ほど散歩してきた。4月末の珠海は、晴れていると暑すぎず寒すぎず本当に気持ちの良い気候である。今日は湿度も低く清々しかった。

そういえば、海沿いを散歩している途中、面白い方法でコマを回している人を見かけた。日本でポピュラーなコマ回しは、予めコマに糸を巻いておいて、コマを投げたときに巻いていた糸が解けることでコマに回転を与えるが、今日散歩中に見かけたコマ回しは、「ムチ」でコマを打ちつけることで回転を与える。ただ、これは技術的にそこそこ難しいようで、良い位置に良い角度でムチを入れないとコマに回転が与えられないどころか回転が止まったりコマが転倒したりする。コマを回していたのは、外見からして近くのIT企業で働いているエンジニアっぽい人に見えたが、この適度な難しさのコマ回しは、パソコン仕事で疲れた時の「気分転換」に丁度良いのかもしれない。

ここしばらく、どうも寝付きが悪く睡眠時間自体は確保しているのだけれど、体感的には寝不足気味である。今年はいろいろと重要なイベントが多くある年で、それにも関わらず病院に行かなくてはいけない突発的な体調の変化があったり、かなり長期間一時帰国できていないせいで処理できていない案件のことが頭に浮かんだり、いろいろな細かな問題が重なって、生活のリズムが微妙に乱れた感じになってきている。こういうときに一番大切なのが睡眠であることは疑う余地はないが、それだけに、最近の寝不足気味な状態は非常によろしくない。やはりこういう時は基本に戻るのが一番なのだろう。昼間の活動性を上げ、午前中に日光を浴び、早く寝る。

散歩中に見かけたコマ回し

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年4月24日日曜日

【日記】2022年4月23日(土) 、日本語弁論大会優勝者とTwitterで遭遇、ドラマで思い出すバブルの残り香

ロシアのエカテリンブルクに住んでいた頃、職場の日本語学科から依頼されて2回ほど地域の日本語弁論大会の審査員を務めたことがある。その日本語弁論大会は、上級者部門、初心者部門、子供部門、ネット動画部門等のいくつかの部門に分かれていたのだけれど、ある年の初心者部門で優勝された人の日本語ツイートを最近良く見かけるようになってきた。ツイートによると、どうやら現在大阪の大学に通われているようだ。弁論大会の時はまだ日本語初心者だったのが、ツイートを見ていると、書く日本語に関してはもうほとんど日本人と区別がつかない。大学に通うだけでなく、学費を稼ぐためにバイトもされているようだ。やはり日本語学習の観点から、学業、仕事、生活を通して日本語世界にどっぷり浸かっている効果は大きいのだろうと想像される。 

この方、Twitterのプロフィールによると将来はジャーナリスト志望とのことで、ツイートでも政治に関する発言が多い。ロシアのウクライナ侵攻に関しては、どうやら反対の立場を表明しておられるようだ。在日ロシア大使館へ苦情のメッセージ等もしばしば送っておられる。しかし、最近ロシアがロシア国外で戦争反対の意見表明を行っている自国民を罰するための法律を作ったことを考えると、この方のこれから先が少し心配ではある。

最近、90年代の日本のテレビドラマにどハマりしている。本来はこの時代のドラマをリアルタイムで観ているはずの世代なんだと思うんだけれど、90年代は大学院入試に向けた受験勉強で忙しかったり、大学院に入った後は研究で忙しかったり、なんやかんやでテレビをほとんど見ない生活をしていた。したがって、当時流行りだったテレビドラマをリアルタイムではほとんど観たことがない。しかし、90年代の空気感自体はリアルに体験してきているので、この時代に作られたドラマを観ていると、最近作られたドラマに比べて、より強いリアリティを感じる。

90年代は基本的にはバブル崩壊後の世界ではあるのだけれど、それでもまだ「バブルの気配」みたいなものは当時残っていたと思う。大学院生のときも、国内移動の旅費や、年1回くらいの海外出張の旅費、論文掲載料、仕事に必要なパソコンの購入費用くらいは、どこかからなんとか出してもらえる感じだった。研究や生活でお金に困っていると、なんやかんやで身の回りの大人がどこかからお金を見つけてきて助けてくれたものだ。90年代のドラマを見ていたら、ドラマのストーリーとは無関係なそういう同時代のことを色々と思い出した。

日本語弁論大会の審査員を務めたときのネームカード

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年4月23日土曜日

【日記】2022年4月22日(金) 、年々厳しくなるファカルティー職の選考基準、ジンと王老吉のカクテルが美味しい

妻が日本のとある役所に確認したいことがあるとのことで問い合わせ方法を調べたのだけど、可能な方法が「電話のみ」だったようだ。日本は相変わらずだなと思う。時差の大きな国に住んでいる人なんかは、問い合わせ方法が電話のみだとほんとに大変だろう。

しかし、日本には自国民が外国に住んでいることを想定していない制度が多すぎる。妻が問い合わせた件も、電話での問い合わせはできたが根本的な問題解決は帰国しないとできないようだ。在外邦人にも必要な手続きなんだけれども。妻によると「ネット対応できなくて申し訳ありません」というお詫びだけは非常に丁寧だったそうだ。おそらく、度重なる苦情によって、こういう対応だけは上手になるのだろうけれど、根本的な問題は放置されたまま。

妻が上述の問い合わせのために国際電話をかけるというので安い方法が何かないかと思って少し調べてみたが、結局のところ、中国移動のSIMカードから+81を付けて普通にかけてもそれほど料金は高くないようだ。10分以上話して12元程度だった。国際電話なんて滅多にかけないので通話料の感覚が20年くらい前で止まっている。

今日は試験期間中恒例のファカルティー会議が行われた。人事関連やら、各プロジェクト関係の進捗報告やら、コロキウム運営関係やら、予算のやりくりについてやら、なんやかんやと議題が多くいつも3時間ほどかかってしまう面倒な会議だ。オミクロン株の感染がまだ完全に収束していないということで、前回に続いて今回もオンラインで行われた。オンラインに会議だと、他のオンライン会議を掛け持ちする人もいるようで、途中で別の会議の音声が漏れ聞こえてきていた。中には「別の会議が重要なところに差し掛かったのでちょっと抜けます」とか正直に言う人もいたりして、まぁ、中国のこういう気を使わない感じは嫌いではない。

会議では、新しいファカルティーメンバーを選ぶ選考の進捗報告が行われたけれど、話を聞いていると、選考基準が本当に厳しくなってきていると思う。「日本で職がないから中国で就職する」といった意見をSNS上で時々みかけるが、もはやうちの大学に関してはそういう状況ではない。そもそもファカルティー職の書類選考を通過するためには、どこか別の場所で既にファカルティー職に就いていることが要求されるので、職がない人は選考の対象にすらならない。おそらく中山大学と同等以上の水準の中国の大学の天文学分野では似たような状況だろうと推測されるので、これから研究者を目指すのは本当に過酷だと思う。

金曜日ということで夜は軽く一杯。最近気に入っているのがジンをノンシュガーの王老吉で割ったオリジナルカクテルだ。適当に思いつきで作ってみたところ、ジンのジェニパーベリーの風味と、王老吉のハーブ系の風味がピッタリあってとても美味しく、最近定番の「お始めの一杯」となっている。

ジン(桜尾)とノンシュガーの王老吉

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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年4月22日金曜日

【日記】2022年4月21日(木) 、パスポート更新作業の洗い出し、中国におけるパスポート更新にまつわる3つの苦情

徐々にパスポート更新の時期が近づいてきたので、今日は更新に関連して必要な作業を洗い出した。夫婦でパスポート更新の時期が10ヶ月半ほどずれているのだけど、後々の便宜のために、今回は二人の更新可能期間が重なっている一ヶ月半ほどの間に更新して次回からの更新時期を統一しておくことにしようと思っている。したがって、今回のパスポート更新はスケジュールがかなりタイトだ。加えてコロナ禍の影響で、状況がどのようになるか予見不可能な部分があるので、とにかく早めにやるべき作業を具体的にリストアップしておくことにした。具体的な更新手順や更新後の関連手続きについては、全て作業が終わった後にブログ記事としてまとめようと思っている。

パスポートの更新手順自体は一見してそれほど難しくはない。更新の事前申請をメールで行い、予約した日に、申込書類、写真、更新手数料を持って受け取りに行くというだけのことである。日本国内で更新をするのであれば、この手順で特に何も問題はないだろう。ただし、中国で更新する場合には、問題(というか苦情)が3つある。

1つ目は写真だ。日本のパスポート写真は、縦横のサイズだけでなく、写っている顔のサイズ、余白のサイズがミリ単位で指定されている。さらに、背景の色、背景と人物部分のコントラスト等にも厳格なルールが設定されており、外国のそのへんの写真屋で適当に「パスポート用」とだけ言って写真を撮ってもらうと大抵受け付けてもらえない。これまで、アメリカと香港で2回パスポートを更新したがいずれも領事館で写真にいちゃもんをつけられ、ルールに沿った写真を準備することに大変な時間と労力を費やした。どうしてん、日本の役所(政府?)は、こういうところをもう少し便利になるように考えないのだろうか。そこまで写真のルールに固執するのであれば、写真撮影は領事館が行うべきだろう。

2つ目は、料金の支払方法だ。在広州日本領事館では更新手数料を現金でしか受け取らないそうだ。中国ではもはや現金はほぼ使わない。実際、今年に入ってから私は一度も現金を手にしたことがないし、手元に現金を持ってもいない。このような国に設置されている領事館が、なぜ現金で支払いを求めるのか理解不能である。

さらにもう一つの問題(苦情)は、パスポート更新に際してパスポートの番号が変わることだ。中国では外国人のありとあらゆる個人情報がパスポート番号で管理されているので、パスポートの番号が変わることで、ありとあらゆる手続きをやりなおさなくてはならない。ざっと数えただけでも9件以上の案件についてパスポート番号の更新に伴う手続きのやりなおしが必要だ。中国では特にパスポート番号が変わることの影響が大きいが、番号が変更されることで不都合が起こる国はおそらく中国だけではないだろう。とにかく、日本の制度は外国に自国民が住んでいることを想定していないものが多すぎて困る。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月21日木曜日

【日記】2022年4月20日(水) 、毎年恒例の煩雑な国際送金、スマホ送金に高まる期待、魅力のある中国の理財商品

 昨日の日記でも少し書いたが、中国から日本への送金は可能ではあるが幾つかの書類を揃えて窓口で直接行う必要があるのでかなり面倒である。中国に来る前は、奨学金の返済や年金保険料の支払いのため、必要な金額をその都度居住国から日本に送金していたのだけれど、中国では手続きの煩雑さのために同じようなペースではとても送金できない。したがって、これまでのところ、年に一回程度、次の一年間に必要になるであろう金額をまとめて送金している。

ただ、最近の噂では、必要な手続きを最初に行っておけば、中国銀行のスマホアプリから外国送金が出来るという話もあるようだ。これが本当に可能であれば大変便利なのだが、まだ情報の真偽が未確認なので、とりあえず今年は今まで通り窓口で送金する予定である。

窓口での送金に必要な書類は次の4つである。1.完税证明、2.劳务合同、3.收入证明、4.护照。2は現職の契約書、4はパスポートなので、これらは既に手元にある。1は納税証明書で、初めて送金した年はこれの取得方法が分からずかなり苦労した。取得方法が最初から分かっていれば話は簡単で次のようにすればよ。まず、近くの税務署に行って「个人所得税」というアプリをアクティベートしてもらう。そして、このアプリのQRコードスキャン機能を使って「自然人电子税务局」という税務署のウェブサイトにログインする。そうすると、メニューから納税証明書をダウンロードできる。ダウンロードしたPDFファイルには電子証明がついており、印刷したものを銀行に持っていけばそのまま通用する(ただし、カラーで印刷する必要あり)。

3は給与明細で、職場に言えば発行してもらえる。中山大学ではオンラインシステムからExcelファイルをダウンロードできる。ただし、プリントアウトしただけでは銀行では通用しないので、紙に印刷して職場の現金出納係でハンコをついてもらう必要がある。とりあえず、今日のところは1のカラー印刷と、3のスタンプ取得を職場の事務に依頼した。

スマホアプリからの送金についても少し調べてみた。中国銀行のスマホアプリの国際送金のページを開くと、「中银e令」もしくは「中银e盾」と呼ばれる機能をアクティベートすることで国際送金ができるというメッセージが表示される。問題は、法的に外国人にこれらの機能を利用する権利があるのかどうかである。中国ではさんざん調べた挙げ句、結局「外国人には権利がない」という結論に到達することが少なからずある。上述の送金の件で中国人同僚に付き添ってもらって銀行窓口に行く予定なので、このあたりしっかりと確認してこようと思う。

あと、今年は送金で窓口に行ったときにやらなければいけないミッションがもう一つある。銀行アプリの「理財」機能のアクティベートだ。中国では投資信託商品の利率が日本に比べると非常に高い。一年間手元にあるお金を預けておくだけで1万元程度の利益は普通に出てしまう。しかし、投資信託等の理財商品を買うためには、対応した機能のアクティベートが必要なのだ。中国の銀行アプリは多機能でとても良くできているのだが、とにかく、あらゆることにいちいち規制がかけられており、利用しようと思うたびに窓口でのアクティベートが必要となる。

中国銀行アプリの国際送金画面(アクティベート前)

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)、音読(20分程度)

2022年4月20日水曜日

【日記】2022年4月19日(火) 、現行のゼロコロナ政策から脱するための戦略、中国銀行のスマホアプリから外国送金が可能?

最近急速に円安が進んでおり、ついに今日、1元が20円の大台に到達した。対ドル、対ユーロだけでなく対元でも円安が進んでいるところを見ると、円そのものの価値が下がっているということなのだろう。背景にある経済的なメカニズムは私には良くわからないが、外貨建てで給料をもらいつつ奨学金を返済したり年金の保険料を払ったりしている身としては元高円安は助かる。

午前中、自宅近くの公共の検査ポイントでPCR検査を受け、そのまま出勤する予定だったが、雨具を持たずに家を出たところ検査が終わった後に雨に振られてずぶ濡れになってしまい、予定を変更して一旦帰宅した。家に帰って着替えたり濡れた荷物を乾かしたりしているうちに時間が遅くなってしまいオフィスに出ていく気力が失せたので、今日は家で仕事することに予定を変更した。これから中国ベイエリアは雨季に入り雨の日が多くなるのだけれど、連日、雨の中PCR検査の陰性証明を維持しなくてはいけないと考えると気が滅入ってくる。とりあえず珠海市当局が公表しているスケジュールでは、5月15日まで公共検査ポイントでの検査が継続されるそうだ。

WeChatのモーメンツに、鍾南山らによる「現行のゼロコロナ政策から脱するための戦略」についての記事が流れてきた。ワクチン接種が進み、治療薬ができればゼロコロナ政策をやめられる、という主張のようだ。スケジュール的なことには一切触れられていなかったが、現状、中国におけるワクチン接種がまだあまり進んでいないこと、治療薬も認可には時間がかかることを考えると、ゼロコロナ政策を脱するにはまだ1年くらい(それ以上?)は見ておかないといけないのかもしれない。


夕方、いつも中国語のメッセージしか送って来ない中国銀行からいきなり英語のショートメッセージが届いた。何かと思ってメッセージを読んでみたら「外国人向けの"BOC compass"というWeChatミニアプリを開発したので使ってみてください」とのことだった。早速インストールしてみたところ、いろいろなサービスについての説明が英語で書かれている。

それで、最初に目が行ったのが「外国送金」の項目だ。中国から外国へ送金すること自体は可能なのだが、外国人が送金する場合はいくつか用意しなくてはいけない書類があり、けっこう手続きが面倒なのだ。どうせ、外国人向けの送金手続きの詳細が書かれているだけなのだろうと思いながらチラチラと英語の説明を読んでいたら、意外や意外、携帯電話から送金が可能というようなことが書かれている。昨年の送金のときに経験した手続きの煩雑さを考えると俄に信じがたい。ただ、もしこの説明が本当だとしても、窓口に行って様々な書類を提出してアプリの送金機能を「アクティベート」する必要はあるようだ。それにしてもスマホから送金できれば大変便利なので一度同僚に支店まで同行してもらって窓口で直接確認してみる価値はありそうだ。

「BOC compass」の案内

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)、音読(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月19日火曜日

【日記】2022年4月18日(月) 、減少傾向に入った中高リスク地区数、珠海での初歯医者経験

オミクロン株の感染が広がり始めてからというもの、毎朝「中高リスク地区数」の推移を確認しているのだけど、最近ようやく減少傾向に入ってきたようだ。しかし、上海では感染者数が依然として多く、相変わらず大規模なロックダウンが続いている。それを考えると、上海以外の他の地域で中高リスク地区が解消されていくのも若干不自然な感じがしないでもない。

SNS情報によると、上海の方では混乱を早く解消するためにリスク地区指定の基準を変更するかもしれないという噂があるそうだ。もしかすると他の地域ではそれに先行して既に基準が変更されているのかもしれない、などと思ったりもする。まぁ、ここはトップダウンの国なので、末端の視点からはお上側の挙動原理はなかなか分かりづらいものがある。

20年前に審美治療した歯が壊れたので珠海市内の歯医者を探して予約したという話を先週の水曜日の日記に書いたが、今日その歯医者に行ってきた。自宅からタクシーで20分程度と比較的便利な場所にある。目下、コロナの規制が強化されている関係で、クリニックに入る前にPCR検査の陰性証明を見せ、パスポート番号や連絡先等を所定の書類に記入してサインしないとクリニックに入れない。この入場手続は、クリニックの建物の前に設置されたテントで行う。クリニック自体は英語でコミュニケーションがとれるという話だったが、コロナ関係の手続きは全て中国語だった。ただ、こういう手続にはもうなれっこなので中国語でも特に問題はない。

予約していた時間よりも20分以上早く着いてしまったので、待合室でしばらく待っていた。待合室には、平日にも関わらず他に3人ほどの患者がいたので、そこそこ流行っているようだ。10分ほど待ったところで、予約よりも早めに助手の人が呼びに来てくれて診察室に通された。診察台は全部で10台以上あったので、やはりそれなりに大きなクリニックなのだと思う。クリニック内の設備はどれも新しく、受付の対応も良く、とても好感が持てた。

担当してくれた歯科医は女性で、流暢に英語を話す人だった。本人は「私は英語が得意ではないです」と言っておられたが、非英語圏のいくつかの国・地域で歯医者経験のある私の目から見て、十分に安心して診てもらえるレベルの英語だと思う。

とりあえず今回は壊れた歯を治してほしいという話をして、そのついでに長年気になっていた「かみ合わせ」の問題も相談してみた。私はもうかれこれ20年間外国の職場を転々としてきており、なかなか腰を据えて歯の治療をする時間がこれまでとれなかった。歯磨きだけはしっかりしてきたので虫歯こそないものの、口の中にはかなり様々な問題を抱えている。過去に何度か歯列矯正を歯医者に進められたことがあるが、いつ移動になるか分からない身分だったのでなかなか時間のかかる治療を開始できずにいた。

そんなこんなの事情を含めて今日会った歯科医になんとかならないかと相談したところ、一通り口の中を診察した後、考えられる治療方法、それぞれの値段、治療期間、メリット、デメリット等々を非常に丁寧に説明してくれた。さらに具体的な治療プランについては、精密検査の結果が出た後に説明してくれるとのことだった。というわけで、今日のところは精密検査を受けて帰ってきた。今後、しばらくこの歯医者に通うことになると思うので、歯医者関係の話題がこの日記にも時々登場することになるだろう。

今日行った歯科クリニックの待合室

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、会話実践(歯科クリニック)

2022年4月18日月曜日

【日記】2022年4月17日(日) 、ルーティンと化す毎日のPCR検査、検査場横で釣りをする人たち、PCR検査が感染源?

住宅小区に入るために要求されるPCR検査の陰性証明は「72時間以内」へと若干緩和されたのだが、相変わらず職場に出勤するためには常に「24時間以内」の陰性証明が求められている。したがって、日曜日の今日も私は検査を受けなければならない。もはや、近所の公共検査ポイントで受けるPCR検査が毎朝のルーティンと化している。洗面、朝食、PCR検査がワンセットみたいな感じだ。

PCR検査の順番待ちの列

今朝、PCR検査の列に並んでいたら検査場横の海で歓声が上がっていたので、何ごとかと思ったら、釣り客が大きな魚を釣り上げているのだった。PCR検査に並んでいる人たちも暇なので、魚を釣り上げた人に「すごいね!」「大きいね!」みたいなことを話しかけており、そうこうしているうちに、魚を釣った人がわざわざ列の近くまで魚を持って見せに来てくれた。みんなが「大きい大きい」と大騒ぎしていたので、私も検査が終わった後に釣り上げられた魚を見に行ったら、確かに大きくて、1メートルくらいはありそうだった。検査場横の海(唐家湾)で釣りをしている人は多いのだけれど、あまり魚がいないのか、私は今まで魚を実際に釣り上げている場面に遭遇したことがない。なので、私はこの海にはあまり魚がいないのではないかと思っていたが、やはりそこは海なので魚がいないということはないようだ。

釣り上げられた魚の周りを取り囲む検査帰りの人たち

釣り上げられた魚

検査の列に並びながらTwitterを眺めていたら、上海で20日間封鎖管理下にあった人がPCR検査で陽性になって隔離施設に移送されたというツイートが流れてきた。ツイートによると、PCR検査の時と、配達された食料の受け取りの時以外は全く外に出ず、ずっと検査でも陰性が続いていたのが、いきなり20日目に陽性になったとのことらしい。

もうこうなってくると、感染経路がPCR検査か食料の配達ということになってくるので、現行の封鎖管理があまり意味をなしていないことになる。さすがに検査を行わず、食料配達も無しで封鎖管理を継続するわけにもいかないだろう。上海の方では封鎖管理を行う基準を緩和して、封鎖区域を減らしていく方向に防疫政策を変更するという噂も出回っているらしい。そもそもの問題として、住宅小区には1万人近く人が住んでいる大きな小区から、1000人程度以下の小さな小区まであるわけで、大きな小区を2週間連続で全員の陰性を確認するまで封鎖し続けるというのは相当に無理があるように思う。さて、これからどうなるのか。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年4月17日日曜日

【日記】2022年4月16日(土) 、週末だけれども卒論原稿へ対応、90年代のトレンディドラマで感じる時代の変遷

卒検の学生さんが卒業論文の初稿を中国語で書き上げて送ってきたのだけれど、私は中国語で書かれた原稿の細かなチェックが出来ないので、週末なのに申し訳ないと思いつつ、同じ研究グループの同僚に原稿のチェックを依頼した。今の職場は職務上の〆切を、なんの躊躇もなく土日に設定するし、仕事関係の連絡も土日祝日関係なく送ってくる。今回の卒論初稿の〆切も例外ではなく、日曜日が〆切だ。なので、学生さんは教員に原稿を見てもらうために金曜日の深夜に原稿を送ってきたりするわけだけれど、こんな状況に日本の大学教員が遭遇すれば怒る人も少なからずいるだろう。しかし、中国人の同僚たちは慣れっこなので、金曜日の夜に原稿の確認をお願いしても快く引き受けてくれる。本当にありがたい。

Twitterを眺めていたら、ここしばらく研究職への就職問題について意見を述べている人が再び増えているようだ。日本で新年度が始まった直後であることと関係しているのかもしれない。今日見かけたツイートの中に、日本の研究職市場に関して「競争原理を導入することで表面的には生産性が上がっているように見えて、実は生産性が高いと見せかける技術に長けただけの人が生き残る場合が多いため、本来学問の発展に必要な人が研究職から排除されており、本質的なところで学問が衰退する原因となっている」と主張しているものがあった。これは日本に限らず、私が経験してきた外国の職場でも、似たような傾向があったように思う。で、どうしたら良いのかとなると、なかなか難しいのだけれども。

週末ということもあり、今日はお昼からはボケ~っと、たまたま目についた1990年代中盤頃のトレンディドラマを眺めて過ごしていた。この時期、私は大学院入試に向けた受験勉強で忙しかったり、その後は大学院で研究に没頭していたりしていて、テレビを全く見ていなかった。なので、世代的には知っているはずの超ヒットドラマでも、タイトルぐらいは知っていても中身は全く知らなかったりする。四半世紀を越えて初めて90年代のトレンディドラマをみると、世代的に時代背景に馴染みが深いだけにストーリーにぐいっと引き込まれる。気がついたら四話くらいまで一気に見てしまった。

しかし、90年代中頃くらいだと、現在の日本といろいろと状況が違っていて面白い。今日観たドラマの主人公は、年齢が24才の設定なのだけれど「紙の新聞」を読んでいるシーンが何度も登場していた。これは今の感覚だとかなり不自然だろう。他にも、年齢設定が30才の登場人物を「おじさん、おばさん」としてイジるシーンがあったり、手紙や葉書で登場人物が連絡を取り合っていたり、時代を感じるシーンが多くあった。しかし、確かに1990年代中盤くらいだと、手紙やハガキを普通に書いていたし、携帯電話もまだあまり普及していなかった。考えてみるとこの25年の間の世界の変わりようといったら、相当なもんである。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し。

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年4月16日土曜日

【日記】2022年4月15日(金) 、迫る卒論初稿〆切、卒論は中国語縛り、大学院生と学部生の英語力

今朝もいつも通り近所の公共検査ポイントでPCR検査を受けてから出勤した。外国人は公共の検査場に入るときに見せる証明書の種類が中国人と異なるため、検査が始まった初期の頃は、自分が外国人で中国人用のアプリを使えないことを毎回説明しないといけなかった。しかし、最近では係の人もなれてきて、比較的スムーズに検査場に入場できるようになって来ている。

金曜日は恒例の研究グループミーティングの日だが、学部の4年生からは「卒論初稿の〆切が近いため欠席します」という連絡があった。初稿〆切の段階ではまだ完全に原稿を書き上げる必要はないが、研究動機、初期結果、最終的な卒論のアウトラインは提示する必要がある。ただ、今年うちのグループで研究している4年生は非常に優秀で、査読論文用の英語原稿を準備しているレベルなので、卒論の方はそれほど心配はしていない。しかし、大学が英語で書かれた卒論原稿を受け付けてくれないので、かなり書き上げた英語原稿を卒論に使い回すことが出来ず、中国語で卒論を書き直さなくてはいけない。このルールは、ちょっと非効率な感じがしてしまう。

前回の教授会で大学院生の英語力を向上させるために、できるだけグループミーティングは英語でやるという方針になった。天文の大学院生を見ていると、不自由なく英語で科学的な議論ができるのは1割程度で、全くコミュニケーションがとれない人も1割ほどいる。そして、残りの8割はなんとかギリギリコミュニケーションがとれるといった感じである。一方、学部生は非常に優秀で5割程度の学生は英語で科学的な議論が可能なレベルである。

中山大学は学部レベルでは全国屈指の入試難関校の一つで、そのため学部生の英語力も平均的に高い。また、中山大学の学部生の多くは卒業後に欧米の大学院への進学を希望しているため、入学後も英語の練習を続けている人が多く、これも学部生の英語力が優れている要因となっている。一方で大学院生は、中山大学よりも学部入学試験の難易度が低い大学から入学してくる場合が多く、どうしても平均的に英語力が低くなる。また、国内の大学院に進学する人は、英語が苦手で外国への進学をあきらめている場合も多いため、これがまた英語力が低くなる要因となっている。

うちの研究グループは私がメンバーなので、外国人のメンバーがいない他の研究グループに比べると英語を使う頻度は高いはずだ。それでも1年以上グループにいながら一言も英語を話さない学生が少数いる。下手くそでも頑張って私と英語でコミュニケーションをとっている学生は、少しづつ英会話能力が向上していっているのだけれど、全く英語を話さない学生は、話さないがゆえにさらに話せなくなっているという感じである。「下手だから英語が話せないのではなく、話さないから英語が下手なんだ」と言うのが私が学生たちを観察していて到達した結論である。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月15日金曜日

【日記】2022年4月14日(木) 、行動制限強化と検査場で見かける車椅子、気を使う成績評価基準に関する会議

細かなトラブルが立て続けに発生し若干メンタル的に疲労気味だったので昨夜は睡眠時間をたっぷりと10時間とった。メンタル的に疲れてきた思ったらたっぷりと寝るのが一番の特効薬だ。3日連続で10時間寝れば、相当参っているときでもなんとか調子が戻ってくる。

ここ最近、お上からの「検査に行け圧力」がどんどん強くなってきている。定期的にPCR検査に行って陰性証明を維持しておかないと、商店街に入れなかったり公共交通機関が利用できなかったり、最近では自宅のある住宅小区に入れないなど、かなり厳しい行動制限が行われている。

行動制限の中でも特に注意しなくてはいけないのが医療機関への入場規制だ。現在、珠海では医療機関を利用するためには48時間以内のPCR検査陰性証明が要求される。陰性証明を提示できないと治療をしてもらえない。急患の場合でも陰性証明がない場合は、まずPCR検査を行い陰性を確認してから治療を行うことになっている。

検査の結果がでるまでにはどんなに早くても数時間はかかる。そうなってくると、当然ながら、一刻を争う患者は命を落とすことになる。報道やSNSに流れてくる情報を見ていると、もう、かなりの人数の人が病院で陰性証明を提示できないことが原因で命を落としておられるようだ。非常にばかげた状況だと思うが、今のところ改善される様子は見られない。

この医療機関での陰性証明提示ルールは過去にも何度か導入されていた時期があったが、これが始まるとPCR検査場で見かける車椅子が増えてくる。体が不自由な人は、それほど行動制限が強くない時には検査をサボってしまうことも少なくないのだろうと想像されるが、医療機関への入場規制がかかるとなると、そうも言ってはいられないのだろう。今日みたいな炎天下、長時間野外で車椅子の人が検査の列に並ぶのは大変だろうと思う。これからベイエリアは雨季に入るのだが、雨の中で検査となるとさらに大変だ。ゼロコロナ政策を続けるならば、それに付随するこういった問題を速やかに解決していかないと、そう遠くない将来、人々の我慢が限界に達するだろうと思われる。

今日は、同じ科目を教えている5人の教員が集まって成績評価基準に関する会議を行った。学部生の成績はその先の進路がかかっていて敏感な問題なので非常に気を使う。コロナ規制の関係等々で、5人のうちの1人が珠海に戻って来られない状がいた続いており、彼がオンラインで講義を行った場合、講義のクオリティーと公平性が保たれるのかということが少し問題となった。まぁ、しかし、今後のことを考えると、オンラインでなんとかする方法も確立しておかないと、対面講義だけにこだわっていると現場が崩壊しかねない。

車いすに乗ってPCR検査を受ける人

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)、ヒアリング練習(5分程度)

2022年4月14日木曜日

【日記】2022年4月13日(水) 、歯のトラブルから歯科医物色、香港でチェーン展開している歯科を発見、WeChatで予約成功

昨夜歯を磨いているときに20年ほど前に審美治療した歯が壊れてしまった。こういうトラブルへの対処って、外国に住んでいると通常でも少しハードルが上がり気味なのだけれど、現在はオミクロン株流行でいろいろと防疫規制が加わっているので、医療関係のトラビル対応は通常よりもさらに面倒くささが増している。しかし、そんなことを言っていても、壊れた歯がもとに戻るわけでもないし、放っておくと不快極まりないので治療できる歯科を探し出した。

もちろん珠海市内に歯科医院は無数にあるのだけれども、問題は中国語に難のある外国人を快く受け入れてくれるかどうかという点である。あと、当然ながら歯科としての評判も気になるところである。以前こういうこともあろうかと、時間のあるときに少し珠海市内の歯科について調べていた。その時の記録によると、自宅からタクシーで20分くらいのところにある歯科が、外国人に割合評判が良いようだ。それを思い出して、再びその歯科医院の名前で検索をかけて詳細を調べたところ、どうやらこの歯科医院は香港でチェーン展開している歯科医院の珠海分院のようだ。確かにそれならば、ある程度英語で対応してくれることにも納得ができるし、歯科としての技量もそこそこ期待できるだろう。

次にその歯科医院に連絡をとらなくてはいけないのだけれど、電話だと中国語会話でもたつく可能性があるので、できれば文字ベースでやりとりをしたい。そう思ってWeChatで検索をかけたところ、公式アカウントがヒットした。公式アカウントに書かれた案内を頼りにWeChatから友達申請を送ったところすぐに返事が返って来た。最初英語でメッセージを送ったのだけれど返事は中国語だった。しかし、文字ベースのやりとりであれば中国語でなんとか大丈夫だ。

現在の歯の状況、中国語があまり話せないが治療してもらえるかどうか、みたいなことを中国語と英語のちゃんぽんで質問したところ。「とりあえず、うちの先生に見てもらいましょう」「まず、予約を入れてください」という返事が中国語で返って来たので、月曜日に予約を入れた。中国語のやりとりだったけれども、「地図検索で出てくる場所は分かりにくいので、この地図を参考にしてください」などと言ったアドバイスもくれて、なんとなく親切な感じがして好感を持てた。さて月曜日に現地でどうなるか。

WeChat上での歯科医院とのやり取り

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し。

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III、

2022年4月13日水曜日

【日記】2022年4月12日(火) 、業績評価は四段階、鬱だと辛い中国社会、構内でキャンプする学生たち

昨日の日記にも少し書いたのだけど、2日ほど前に昨年度の業績評価の結果が発表された。業績評価は「優秀、合格、基本合格、不合格」の四段階で行われる。管理職等、通常の仕事のノルマ以外に大学や学科の雑用を沢山こなしている人は「優秀」と判定される。研究とティーチングのノルマをだいたいこなしていれば「合格」となる。ノルマ(数値目標)は5年単位で設定されているので、研究成果が出でない年やティーチングを全くやらない年が5年のうち1-2年くらいあっても大目に見てくれる。ただ、これが何年も続くと問題となってくる。

今年は「不合格」の判定を食らった人がおり、その人が不合格判定は不当であるというアピールを公共の場で行ったので、昨日から少し騒ぎとなっていた。私とは所属学科が異なる人なので、どういう状況なのか直接知らない人なのだけど、本人が職場全体に投げたメールによると、2-3年ほどの間、メンタル的に苦しい時期があり、研究の生産性が著しく低下したのだそうだ。しかし、ティーチングは人一倍こなしてきたので、研究の生産性がゼロであっても不合格はありえないだろう、というのが本人の主張のようだ。大学に提出した業績書類をメールで本人が不特定多数にばらまいていたので眺めてみたが、たしかにティーチングの量はとても多い。しかし、研究はまったくやっていない。これは、審査する方にしてみるとなかなか判断が難しいだろう。

これから大学に意義を申し立てるとのことで、最終的にどうなるかは分からない。ただ一連のことの成り行きを見ていて、 中国って、鬱病みたいな状態になるとかなり辛い社会なのかもしれないと思った。ロシアの前職場だと、鬱っぽいスタッフや高齢のスタッフがユルユルと仕事していても誰も文句言う人はいなかった。もちろんロシア式だと組織として生産性は上がらないが、精神的に追い詰められることは少なさそうだ。

最近、構内の芝生の上や池の周りにテントを張ってキャンプしている学生を見かけるようになってきた。キャンパスが封鎖されて一ヶ月くらいになり、学生たちのストレスも相当溜まっていることは想像に難くない。相部屋の学生寮に長くいたら、それが息が詰まるだろう。キャンパス外に無断外出した学生に対して罰則を与えるという通知が時々流れてくるが、まぁ、なんかそろそり「行き過ぎ感」が漂ってきている今日このごろである。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)、ヒアリング練習(30分)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月12日火曜日

【日記】2022年4月11日(月) 、来る日も来る日もPCR検査、中山大学天琴研究センター開所6周年、業績評価で荒れるWeChat

現在、キャンパスに入構するためには24時間以内のPCR検査陰性証明が必要で、自宅に帰るのにも48時間以内の陰性証明が必要となっている。したがって、とにかく毎日来る日も来るPCR検査を受け続けなくてはいけない。自宅近くに無料で検査してくれる公共の検査ポイントが有るのだけれど、朝様子を見に行ったら大混雑していたので、近所での検査は諦めて、今日は職場の検査場を利用することにした。「陰性証明がなければ自宅に出入りできない」という規制を始めれば、公共の検査ポイントが混雑するのは当然の成り行きである。最近、珠海市全体で一斉検査を行うと、検査の結果発表が大幅に遅延するというトラブルが頻発している。果たして今回はどうなるか。

大学の検査場は学内全数に対して検査を行う時は午前10時から、一部に対して検査を行う場合は午後2時半から開場することが最近通例となっている。今日は珠海市の通達によって、市内全数に対して検査を行うことになっているので、朝10時から検査場が開いていた。仕事の途中で検査に行くと仕事の切れ目と検査時間が上手く合わなかったり、せっかく調子に乗りつつある仕事への集中力が途切れたりするので、出勤時間を少し遅らせて検査を受けてからオフィスに行くことにした。現在キャンパスが封鎖されている関係で、近所の人が大学で検査を受けることがないので、学内の検査は比較的待ち時間が短い。

キャンパス内に設定されたPCR検査場

オフィスのある天琴プロジェクトの研究センターに到着したら、玄関になにやら飾り付けが施されていた。どうやら、研究センターの開所6周年ということらしい。私が所属している天文学科は、天琴プロジェクトとは直接の関係はないのだけれど、天文学科のビルが完成するまで天文学科が天琴センター内に間借させてもらっている関係で、今のところ私は毎日天琴センターに出勤している。

開所6周年を迎えた天琴センター

夕方、なにやらあまり上品でない言葉をWeChatグループに連発で投げている人がいて、何かと思ったら、昨年度の業績評価で悪い評価を付けられたスタッフが文句を言っているのだった。気持ちは分かるけれど、優秀な評価をもらった他の同僚たちの名前を上げて暴言を吐いたりしても何も得することはないだろう。しかし、業績評価でキャリアが詰んでしまうということもある訳で、明日は我が身である。メッセージを読んでいると、2年ほど前にメンタル疾患で仕事が全くできなかった時期があったようだ。そういうことは、とりあえず通常の審査では考慮されていないらしい。これから異議申し立てをするようだが、さてどうなるか。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ヒアリング練習(30分程度)

2022年4月11日月曜日

【日記】2022年4月10日(日) 、広州で新規感染者22人、珠海市でも新規制始まる、検査場は過去最大級の混雑

朝、朝食を食べた後に近所の検査ポイントで明日の出勤に備えてPCR検査を受けた。帰宅後WeChatの着信を確認したところ、地域グループに「明日から、住宅小区に入る時にPCR検査の48時間以内陰性証明が必要になる」というニュースが流れていた。このルールが厳密に適用されると、外出中に陰性証明の期限が切れた場合帰宅できなくなる。今までも公共の施設に入るために陰性証明が必要という規制は何度か行われてきたが、自宅マンションの敷地に入るのに陰性証明が要求されるというルールは初めてだ。

地域のグループチャットで新規制の通知を見かけた後、マンション管理会社と職場からも同じ規制について注意喚起のメッセージがWeChatに入ってきた。職場からは念押しのため2回もメッセージが来た。これだけひつこく通知が来るところを見ると、どうやらこの新規制はかなり「本気のやつ」らしい。

しかし、陰性証明がないと自宅に入れないという規制が始まると、例えば、PCR検査を受けていたとしても、スマホを紛失するとか故障するとか、PCR検査の結果発表が遅延するとか、そういう理由でも帰宅できない状況が発生しそうで非常に心配になってくる。今までの中国の防疫対応を見ていると、必ずこのような理由で帰宅できない人が出てくるだろうと思う。

陰性証明が切れると生活に支障が出るということで妻が慌てて検査を受けに出かけて行ったのだけど、妻が検査ポイントに到着したときには、新規制の通知を受けて既に「過去最大級の混雑」が始まっていたようだ。結局、妻は昼間に検査を受けるのは諦めて、日が暮れてから出直したのだけど、夜になっても混雑ぶりは変わらず、2時間弱ほど並んでようやく検査を受けることができたようだ。

地元政府の発表が急だったせいか、検査場が閉まる午後8時になっても全く混雑は解消されず、検査時間が1時間延長されたが、家の窓から検査場の様子を見ていると、午後9時になってもまだかなり長い列が残っていた。おそらく、この分だと明日の出勤に支障を来す人が相当数出てくるだろう。

珠海市CDCのWeChat公式アカウントを見ていたら、広州発珠海行きの長距離バスの具体的な便名を挙げて「このバスに乗っていた人はすぐに連絡してください。また指示があるまで外出しないように」という不穏極まりない緊急通知が出ていた。その後の報道によると、どうやら広州の白雲区で22人の新規感染者が見つかったようだ。おそらくオミクロン株の感染だと思われるので今後の感染状況が大変危惧される。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、音読(1時間程度)

2022年4月10日日曜日

【日記】2022年4月9日(土) 、フェンス際で語らうカップル、原始惑星状星雲から始まる壮大な宇宙のストーリー

キャンパス内の学生に対する封鎖管理が始まってもう一ヶ月くらいになるが、WeChatのモーメンツへの学生たちの投稿を見ていると、キャンパスのフェンス際に座り込んで外を眺める学生がいたり、カウンセラーに相談に行く学生がいたりして、かなりストレスが溜まっているように思える。最近、フェンスを挟んで会話しているカップルを時々見かけるのだけど、あれなんかは、もうなんだかもう悲劇の一場面のようにさえ思えてくる。

中山大学珠海校区の東側はビーチに面していて本来は非常に開放的な雰囲気なのだけれど、封鎖管理が始まってから、学生が外に出られないように、簡易な金網のフェンスで覆われてしまった。キャンパス内はかなり広いのだけれど、それでも外に出られないとなるとストレスが溜まるのだと思う。

私はどちらかというとインドア派で、数日の連休ぐらいだったらずっと家にこもって本を読んでいたりすることも多い。なので、自分が封鎖管理を経験するまでは、そのストレスの程度がリアルには想像できなかった。結局のところ、自分が封鎖管理を経験して思うのは、引きこもっているのと閉じ込められているのとでは心理的に大違いだということだ。この「閉じ込められているストレス」は、閉じ込められている空間の広さとは無関係に存在するのだと思う。家を封鎖される場合でも、区画単位の封鎖でも、閉じ込められれば程度の差こそあれストレスは必ず感じる。

研究グループのポスドクさんが頑張りで、私も共同研究として参加しているプロジェクトの論文がついに出版された。原始惑星状星雲と呼ばれるタイプの天体の分子ガス中にどのような分子が存在するかをスペインの電波望遠鏡を使って調べたという内容だ。原始惑星状星雲というのは、太陽程度の質量の星が進化の末期にたどり着く天体だ。

我々の太陽もこれから50億年ほどたつと原始惑星状星雲となる。太陽ぐらいの質量の星は、その一章の最後に大きな変身を遂げる。今まで丸かった形が球対称から外れた形に変わり、また星から吹き出される風(恒星風)の中で様々な分子や塵が作られる。この星から吹き出された分子や塵の多くは、壊れずにそのまま宇宙空間に放散されていく。そして、星から宇宙空間にばらまかれた分子や塵は、新たな星の材料になったり、場合によっては宇宙空間でより複雑な分子が形成される材料になったり、さらには、複雑な分子から生命の材料となるかもしれないタンパク質が合成されたり、そんな感じの壮大な宇宙のストーリーの出発点となる。このような動機が背景にあるため、世界中の天文学者は進化末期の星の分子を詳しく調べているのだ。私たちの研究は、まぁ、ごくごく小さな一歩ではあるが、それでもこういう小さな一歩の積み重ねが、やがては大きな一歩へとつながっていく。科学とはそういう営みである。


最近出版された論文の表紙


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し。

2022年4月9日土曜日

【日記】2022年4月8日(金) 、出勤前のPCR検査、外国人スタッフ向け中国語講座再開、ミーティングラッシュの午後

職場では連休明けの3日間のうち1日目と3日目にキャンパス内の全数PCR検査を行うということになっており、今日は3日目なのでキャンパス内の体育館で午後からPCR検査が行われる。しかし、今日の午後はミーティングの予定がびっしりと詰まっていて、とてもPCR検査に行く時間が取れそうにない。妻が近所で見かけた張り紙によると、自宅マンション近くの公共検査ポイントが今日もやっているらしく、朝出勤前にそこに行ってみたところ、混雑もなくスムースに検査を受けることが出来た。出勤後、公共の検査ポイントで検査を受けた場合、学内の検査をスキップしてもよいか念のため確認したところOKとのことで、午後からのミーティングラッシュに対応する目処がたった。

2年前に赴任した当初、外国人スタッフ向けの中国語講座が職場で開講されていたが、コロナ禍勃発後に中断になっていた。この外国人スタッフ向けの中国語講座、今学期からオンライン講座として復活するとのことで職場から連絡が来た。週2回1時間づつの講義があり、それ以外にアプリを使っての宿題がでるそうだ。このオンライン講座、家族も参加できるとのことで妻に興味があるかどうか尋ねたら参加したいとのことですぐに申し込んだ。私は今学期は本業が忙しいので残念ながらスキップすることにした。少し仕事にゆとりが出来たらそのうち参加してみたい。

上述の通り昼からは怒涛のミーティングラッシュだった。ミーティングといっても事務的な会議ではなく、今日のミーティングは全て研究の議論を行うものなので楽しい時間でもある。研究グループのミーティングでは、博士課程の院生さんが進捗を報告したのだけれど、毎回あれこれと議論しているうちにかなり面白い方向に仕事が進んできている。データは、まぁ、比較的平凡なデータなんだけど、解析方法がとにかくユニークで面白い。上手くまとめれば良い研究になりそうだ。

グループ会議のあとは、自分の学生さんたちと個別にミーティングをした。二人のうち一人の仕事は良い感じにまとまりつつある。あとは頑張って論文の執筆を進めるのみだ。論文の仕上げが始まったら指導教員の方が忙しくなる。この夏は私もそうとう頑張らないといけない。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し。

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年4月8日金曜日

【日記】2022年4月7日(木) 、世界史における動乱期と安定期、上海の検査のPPAP、スター研究者のセミナー

朝食を食べながら不穏な世界情勢を伝える国際ニュースを見ていたら、以前ネットで見た高校世界史の講義を思い出した。その講義では、世界情勢には安定期と動乱期があり、この2つは連続的に入れ替わるのではなく、安定期が100年弱ほど続いた後、ある日突然動乱期に入り、世界が大混乱する時期が10年程度続く。そしてまた100年程度の安定期に入る、ということを何度も繰り返しているという話だった。その流れから類推すると、今世界は間違いなく動乱期に入っているので、おそらく今後10年程度は今のような感じで推移するのだろう。願わくば、生きているうちにもう一度安定期に入ってほしいが、果たしてどうなるのか。

上海の方のコロナ感染は未だに収束する気配が見えない。PCR検査のキャパが完全にオーバーしているようで、抗体検査も併用されているようだ。Twitterで上海在住の方が「PCR検査→PCR検査→抗体検査のコンボです」とツイートしておられるのを見ていて、次にPCR検査が来たら「PPAP」だななどとどうでもいいことを考えてしまった(抗体検査は英語でAntibody test)。

今日の仕事の前半は、ひたすら学生のレポート課題を採点していた。不用意に採点が大変な課題を出してしまったので後始末が大変である。一日に5-6件しか処理できず、まだあと一週間程度かかりそうだ。

昼下がりにPCR検査を受けに行った後は、卒研の学生さんが書いた査読論文の原稿の改訂をすすめた。非常に優秀な学生さんなのだけど、とは言っても学部生が初めて書いた論文なので、どうしても英語表現は全面的に書き換える必要がある。しかし、解析自体はしっかりしているので、こういう論文原稿はまだ手が入れやすい。なんとか卒業式までには完成させたいところだ。

夕方、学科のコロキウムに少しだけ顔を出した。最近非常に忙しいので最初から最後まではセミナーを聞けないのだけれど、スピーカーが有名研究者とあってセミナー室もオンラインも大盛況だった。最近、欧米のスター研究者が中国主催のオンラインセミナーに登場する機会が多いようで、案内がいろんな大学や研究機関から毎日のように送られてくる。たまに時間がある時に聴講しているのだけど、参加者が数百人はあたりまえで、中には1000人を越えるようなセミナーもあって驚く。オンラインセミナーの桁違いの参加者を見ていると、中国の天文学コミュニティーの大きさを感じる。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し。

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年4月7日木曜日

【日記】2022年4月6日(水) 、予想外に早く結果が出たPCR検査、前職場の学長懇談会、受験生からの合格報告

今日の出勤に備えて昨日の午後4時前に公共のPCR検査ポイントで検体採取をしたのだけれど、朝ステータスを見てみたら、驚いたことに昨日の午後10時前には結果が出ていた。これまでの経験では、公共の検査ポイントでPCR検査を受けると結果が出るまでに長時間を要する場合が多く、検体を採取したその日のうちに結果が出ることは過去には一度もなかった。もしかすると珠海市の検査体制が強化されたのかもしれない。

朝食を食べながら、ロシアの前職場(ウラル連邦大学)のウェブサイトをちらちらと見ていたら、学長と留学生の間で懇談会が行われたようで、その様子が広報記事として公開されていた。記事を見ていると、懇談会というよりも学長に対して「陳情する会」といった感じだった。私がウラル連邦大学で働いているときにも常に感じていたことだが、とにかくあの大学では、ありとあらゆる事柄が機能不全で、物事が全く解決しない。そして、最終的には、本来は組織の末端で解決されるべき細かな事案を、学長や副学長に直接陳情して解決してもらう、といった事態がしばしば発生する。

今回の懇談会も似たりよったりのようで、経済制裁下で発生しているトラブルを解決すべく留学生が学長にさまざまな要望を伝えたようだ。記事を見ていると、ロシアと外国との間でのお金や物資のやりとりについての質問が多くでたようだ。母国からの仕送りや奨学金で生活している学生にとっては「外国からロシアにどうやって送金すればよいのか」という問題はかなり深刻だと想像される。

大学側はロシアの銀行が発行する「ミールカード」もしくは、中国系の「銀聯カード」を使用するように提案したようだ。しかし、ミールカードは、旧ソ連圏以外ではほぼ扱いがないだろうから、実質的な選択肢は中国系の「銀聯カード」に限られる。確かに銀聯カードを扱っている国はかなり多いので、出身国の銀行口座に紐づいた銀聯カードがあれば母国の銀行のお金をロシアでルーブル現金として引き出すことができる。

ウラル連邦大学のウェブサイトに出ている最近の留学生の写真を見ると、私がいたころとはかなり留学生の国籍が変化しているようだ。見た目から判断して、おそらく今いる留学生はほとんどが中央アジア、もしくはエジプトを始めとする中東からの留学生ではないかと想像される。ロシアのウクライナ侵攻以前は、日本からの留学生も常に数人以上いたのだけれど、全く様相が一変している。西側先進国からの留学生があの大学に留学することは、もう向こう数十年はないような気もする。

今日は、学生のレポートを採点したり、院生が書いた観測プロポーザルを改訂したりしているうちにあっという間に一日が経ってしまった。最近、どうも時間の経過が早く感じられてします。

夕方、私を受け入れ希望教員にしてして大学院修士課程を受験していた学生さんから連絡があり、無事合格したそうだ。とりあえず目出度い。外国人教員のもとで研究するのはなかなか大変だとは思うけれど、ぜひ頑張ってほしいと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月6日水曜日

【日記】2022年4月5日(火) 、終りが見えないオミクロン株の流行、連休明けも準封鎖管理継続、ノンシュガー王老吉をまとめ買い

オミクロン株流行による防疫強化が始まってもうそろそろ一ヶ月近くになる。職場の準封鎖管理も依然として継続されており、なかなか終わりが見えてこない。当初は吉林省で感染者が多く出ていたが、現在は感染の中心が上海に移っている。上海の封鎖管理は大規模かつ相当厳しいもののようだ。しかし、あれだけの規模の封鎖管理をやっていながら、今日の報道でも前日より感染者数が大幅に増加したという話が出ていた。

数日で抑え込めるのであれば、防疫戦略として選択し得る一つの方法だとは思うのだけれど、一ヶ月近くも続くといろいろなところに深刻な問題が出てくる。中でも特に深刻な問題は医療の麻痺で、例えば、喘息の発作を起こした人や、透析治療が必要な人などが封鎖管理の影響で適切な医療を受けることができず命を落とすといったケースが現実に出てきているようだ。コロナの感染を防ぐためにコロナ以外の病気で命を落とす人が増加するようではもはや本末転倒だろう。そろそろ現行の防疫戦略を見つめ直す時期がきているように思う。

今日は三連休の最終日だが、連休明けもキャンパスの準封鎖管理を継続するという通知が来たので、キャンパス入構に必要な24時間以内のPCR検査陰性証明を取得するため、近所の検査ポイントに検査に行ってきた。連休中は公共の検査ポイントが増設されているせいか、混雑はそれほどでもなく、待ち時間は10分ほどだった。

社会距離をとって列を作るための目印
(公共のPCR検査ポイントにて)

連休中に珠海市の外に出た人については、キャンパス入構前に自宅で3日間健の康観察を行う必要があるそうだ。新しいルールがどんどん加えられるので、今現在の防疫ルールがどうなっているのかよく分からなくなってきている。

ところで、私は「王老吉」という中国の飲み物が大好きだ。王老吉は「涼茶」というジャンルの飲み物らしい。以前はほぼ毎日飲んでいたのだけれど、砂糖が入っているので毎日飲むと糖分の取り過ぎとなるので最近はひかえていた。ところが最近、SNSを見ていてこの王老吉に「ノンシュガー」バージョンンがあることを知り、さっそく試してみたところ、多少ライトな感じではするもののオリジナルの味が上手く再現されておりとてもおいしかった。というわけで、通販で2箱(12本)まとめ買いしてしまった。ノンシュガー王老吉は、そのまま飲んでももちろん美味しいのだけど、例えば「ジン」なんかをこれで割るとかなりイケた感じのカクテルが出来上がる。

まとめ買いした「ノンシュガー王老吉」

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)


ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年4月5日火曜日

【日記】2022年4月4日(月) 、家族連れで賑わう海浜公園、密越境者対策の有刺鉄線、西側に逃げ出そうとするロシア人科学者

連休初日の昨日、良い天気だったので唐家湾沿いの海浜公園まで妻と散歩に出かけた。今年の清明節の連休はずっと晴天続きの予報が出ており、昨日今日とずっと快晴だ。目下コロナ規制が強化されている関係で遠出できないこともあり、海浜公園は近隣から来た家族連れで賑わっていた。海浜公園には芝生が植えられた広い広場があり、そこに多くの人がテントを張って思い思いの時間を過ごしていた。デリバリーサービスで公園まで食事を届けてもらって、海を見ながら食事を楽しんでいる家族も見かけた。

家族連れで賑わう海浜公園

中にはかなり巨大なテントを張っている人もいた。下の写真のテントなんかは、3世代家族ぐらいがゆとりを持って使えそうなサイズだ。

大きめのテント

最近、唐家湾の岸壁沿いには、香港からの密越境者対策で有刺鉄線が隙間なく設置されている。以前はここで釣りをする人を多く見かけたのだが、最近は有刺鉄線が設置された影響で釣り客が減ったようだ。

密越境者対策の有刺鉄線

ニュースを眺めていたら、ガーディアン誌に「‘No hope for science in Russia’: the academics trying to flee to the west」という見出しの記事が出ていた。ロシアの科学研究に未来を見いだせなくなった科学者たちがロシアに見切りをつけて西側に逃れようとしているという話題だ。しかし、この記事でも述べられているように、実際に西側に逃れることのできるロシア人科学者はそう多くはないだろうと思う。そもそも、現在のような問題が起こる以前から西側の研究職はサチった状態になっておりほとんど空きがない。また、ソ連時代とは異なり、現在のロシアは、分野での差はあるにせよ、全体としてはそれほど科学研究のレベルが高いとは言えなので、積極的にヘッドハンティングする研究機関もあまりないだろう。まぁ、いずれにせよ、ロシア人科学者にとってはこれからは受難の時代になるだろうと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月4日月曜日

【日記】2022年4月3日(日) 、すわ封鎖管理か?、発熱を伴う急患の受け入れ先、査読誌への投稿に挑戦する卒検生

マンションの管理会社から「自宅マンションの建物内に隔離部屋が設定された」という通知が来た。またマンションの封鎖管理が始まるのかと思って一瞬緊張感が走ったけれど、管理会社の説明によると、香港から帰ってきた家族に対する規定通りの戸別封鎖で建物全体には影響しないとのことだった。うちのマンションは1月に一度封鎖管理されているため住人が敏感になっており、マンションのWeChatグループに問い合わせのメッセージがいくつも投げられていた。

Twitterを見ていると、とある在中日本人の方が発熱を伴う病気にかかり、病院の受診で苦労しいる様子をツイートされていた。二日前の日記に、耳のトラブルで中山大学付属病院を受診したときの話を書いたけれど、あの時は発熱を伴わない症状だったので話は比較的簡単だった。目下コロナ規制の関係で、珠海でも発熱を伴う病気にかかった場合には診てもらえる医療機関が非常に限られてくるようだ。私が耳のトラブルでお世話になった中山大学付属第五病院は発熱を伴う急患を現在受け入れていないという看板が玄関に掲示されていた。

噂では、最近の中国では、発熱を伴う症状やPCR検査陰性証明の不備で病院をたらい回しにされたり、そもそも救急車が来てくれなかったりといった問題で命を落としてしまう人が出てきているようだ。コロナ規制のためにコロナ以外の病気で亡くなる人が増加するなんていう状況は本末転倒も甚だしいが、どうも現実にそういう状況になりつつあるようだ。やはり、そろそろ中国は、コロナ規制の方法を見直す時期に来ているような気がしないでもない。

上述の在中日本人の方のツイートを見ていると、中国で働きながら一時帰国時に日本の医療を受けることを考えておられるようで、それを見ていて、中国にいながら加入でき国外での医療費もカバーしてくれる外国人向けの健康保険をちょっと調べてみた。例えば「health insurance in china for foreigners」みたいなキーワードで検索をかけると色々と保険商品がヒットする。ただ保険料は相当高いようだ。

中山大学の教員は大学附属病院の医療を2割負担で受けることができ、しかも国際医療センターを通して英語通訳もついてくれる。こういう恵まれた福利厚生が提供されているので、私自身は今のところ健康保険には加入していないのだけれど、一般的には中国の大学に赴任する場合は健康保険が必要となるだろう。しかし、保険のプランの選択は判断が非常に難しそうだ。

連休ではあるが、果敢に査読誌への投稿に挑戦している卒検の学生さんの論文イントロに手を入れて返送した。英語表現は原型を留めないくらい大幅に書き直したけれど、必要な情報はしっかりと書き込まれていた。こういう原稿は直しやすい。中山大学の学部生の優秀さを再確認した。

マンション小区内で見かけた野良猫

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年4月3日日曜日

【日記】2022年4月2日(土) 、準封鎖管理さらに一週間延長、「天文データ解析」クラスを参観、修士課程の口頭試問

ここ2週間ほどキャンパス内で毎日行われているPCR検査が9日まで延長されるという通達が来た。毎日のPCR検査はキャンパスの準封鎖管理を維持するために必要で、PCR検査を更に一週間延長するということは、おそらくキャンパスの準封鎖管理も一週間延長されるということなのだろう。今回の全国的なコロナ感染のエスカレーションは、なかなか終わりが見えてこない。今学期の終わりごろ、広州に行ってパスポートの更新を行う予定なのだけれど、無事に更新できるかどうか少し心配になってきた。

来週の火曜日(4月5日)は、中国では「清明節」と呼ばれる祝日で、明日から日月火と三連休になる。清明節には冥幣と呼ばれる「あの世の紙幣」を燃やす習慣があるのだけれど、マンションの管理会社から「バルコニーで冥幣を燃やすな」というメッセージがWeChatで送られてきた。マンションの建物内で冥幣を燃やして防火装置を作動させてしまう人が毎年いるそうだ。

昨日の日記にも書いた通り、今日は土曜日だけれども職場では月曜日のスケジュールで講義が行われる。私は今日は自分の講義はないのだけれど、学期ごとに2回行わなくてはいけない講義参観のノルマをこなすために同僚が教えている「天文データ解析」のクラスにお邪魔した。今日の講義では、可視スペクトルデータの解析方法についての講義が行われた。この講義科目は今年から新しく立ち上がった科目で、私も電波天文学パートを担当している(私の講義は既に終了)。計算機室で解析ソフトを使ってデータを実際に解析することで天文学に関する理解を深めることを目的とした講義だ。天文の教員が何度も議論を重ねながら立ち上げた講義科目で、教育的にはとても優れた内容だと思うのだけれど、いかんせん、とにかくこの講義は教員泣かせで、準備に非常に時間がかかる。今日の同僚のクラスでも、学生に解析ソフトを用いてスペクトルを操作してもらうときの技術的な準備が不十分で、学生が設定時間内に練習問題にとりかかることができていなかったようだ。来年に向けて改善すべき点(技術的な問題)は多い。

今日は講義と並行して修士課程への入学希望者の面接が行われていた。私は今回は面接官ではないのだけれど、私を受け入れ希望教員に指名して出願してきている受験者についてだけオブザーバーとして面接に参加させてもらった。修士課程の面接は、まず入学希望者に自己紹介をしてもらう。その後英語力を見る口頭試問と物理学の基礎知識を見る口頭試問が行われる。口頭試問の問題はその場でくじを引いて決めるのだけれど、正直言ってかなり問題に当たり外れがある。その辺は試験官も心得ており、例えば観測志望の学生が理論の難しめの問題を引いてしまって四苦八苦しているような場合には、もう一回くじを引き直させたりすることもある。しかし、毎回思うけれど、口頭試問って、あれは学生の立場からするとすごく緊張するだろうなぁと思う。

「天文データ解析」の授業が行われている教室

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年4月2日土曜日

【日記】2022年4月1日(金) 、中露は本当に親密なのか?、聴覚の問題は完治、明日は土曜日だけど月曜日扱い

最近国際ニュースを眺めていて、どうも西側のメディアはウクライナ侵攻とからめて中露の関係が密だというストーリーを作りたがっているような感じがしている。しかし、両方の国に住んだ経験から言って、(少なくとも私が見ていた大学界隈の民間レベルでは)中国とロシアが親密とはとても思えない。中国人を蔑むような発言をするロシア人はたくさん見てきたし、中国の方は中国の方で、ロシアに興味が無いという人がほとんどなんじゃなかろうか。

まぁ、国際政治の場における駆け引きなんかを考えると、中露を「親密」ということにしておいた方が分かりやすいプロパバンダを作りやすいのかもしれない。しかし、例えば、2国間の親密度を量るパラメータとして「国際結婚しているカップル数」みたいなものを用いると、多分中国とロシアよりも、中国と欧米各国の方が実はずっと親密なんじゃないかと思ってしまう。うちの職場やマンション小区だけを眺めてみても、中国人と西側先進国出身者のカップルはゴロゴロといるが(多くは奥さんの方が中国人)、中国人とロシア人のカップルなんて身の回りにはいない。

昨日、聴覚に違和感を覚えて病院に行ったのだけれど、その後ぐっすりと寝て、病院でもらった薬を2回飲んだらほぼ完治した。ネットで医者に処方された薬や症状について調べていたら、私の聴覚の問題はどうやら「低音障害型感音難聴」と呼ばれるもののようで、早めに治療すればほとんどが完治するという解説を見かけた。昨日病院に行って正解だった。

今週の日曜日から中国では「清明節」で三連休となるのだが、中国では連休の前後にほぼ必ず「振替休日」が設定される。つまり、土日を移動させて連休を設定する訳だ。そこまでして平日をキープしなくてもいいんじゃないかと思うが、まぁ、中国で働いている限りは現地のルールに従って生活するしかない。

個人的には土日が移動するのは、まぁ良いのだけれど、この制度で困るのが、振替平日が何曜日の扱いとなるかが直前まで発表にならないことだ。平日を何曜日の扱いにするかは国レベルではなく各組織ごとに決めるようだ。今回の清明節に関しては、うちの職場では明日の土曜日が月曜日扱いとなるのだけど、ほんの2-3日前に大学からこの件に関する通知が来た。振替平日の曜日によっては講義を前倒しでやることになったり、実習講義の解説授業と実習の日程が入れ替わったりと、大学教員の立場としてはなかなかにやっかいな問題が発生することがある。このシステム、細部について大雑把でも許される中国だからこそ成り立っているような気もする。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年4月1日金曜日

【日記】2022年3月31日(木) 、附属病院の耳鼻咽喉科、充実の福利厚生、厳しい病院内の防疫管理

3日ほど前から、なんとなく聴覚に違和感を覚え始め、昨夜は明確に右耳で低音が聞き取れないことを自覚したので、今日は大学付属病院で診察してもらってきた。中山大学には附属病院が8つほどあるらしいが、珠海にあるのは付属第五病院だ。第五病院には国際医療センターという部署が存在し、外国人が診てもらうときにはこの部署を通して予約を入れるとなにかと便利だ。

国際医療センターを利用すると、症状から必要な医師を判断して予約を入れる、病院内の外来や検査室を回る時に英語の通訳がついてくれる等のサービスを受けることが出来る。国際医療センターの利用料金は1回100元だ。

これまで私は、5カ国・地域で20年間生活する中で医療機関には何度もお世話になってきたけれど、率直にいって、(外国人からみた)医療サービスの利用しやすさという観点では中山大学付属第五病院がダントツのベスト・オブ・ベストだと思う。ほとんど日本の病院と同じような感覚というか、もしかすると不遜な態度を取ってくる医師がいない分、日本以上に医療を利用しやすいとさえ感じることもある。

中山大学の教職員は大学附属病院の医療を2割負担で利用することができる。中山大学の医学部は中国でも屈指の名門で、中山大学が教職員に提供している福利厚生の中でも、この附属病院の医療サービス提供は目玉中の目玉のようだ。しかも、規定を読んでいると、どうやら定年退職後も継続して大学附属病院を2割負担で利用できるらしい。つまり、中国人スタッフが珠海で余生も過ごすようなケースでは、中山大学に一度就職すれば生涯を通じて医療費を8割補助してもらえることになる。

今回は耳のトラブルということで、国際医療センターを通して耳鼻咽喉科に予約を入れてもらった。待合室のモニターを眺めていたら、プライバシー保護のため名前の最初と最後の1文字だけ表示されていた。病院の患者管理システムには、漢字で名前を登録しておいた方が何かとスムーズという話だったので、私も漢字で患者登録をしている。したがって、順番待ちの画面には「中*一」と表示されるのだけれど、「中*一」に当てはまる中国人の名前って存在するのだろうか、などと考えながら順番を待っていた。順番待ちは5分程度。これも100元を支払って国際医療センターを利用している場合は、通常の待ち時間よりも短くなるようだ。

耳鼻咽喉科の待合室のモニター

診察の流れは基本的には日本の病院と同じで、まず最初に医師に診察してもらう。そこで、どのような検査を行うか指示があり、検査室に行って検査をする。その後、検査結果をもって診察室に戻ると、投薬やら治療やらのアドバイスを医師がくれるので、院内の薬局やその他処置室等に行って治療を受ける。私は国際医療センターを通して申し込んでいるので、この間ずっと英語を話せる看護師が付き添ってくれた。

日本の病院と異なるのは支払い方法だろう。各項目ごとに前払いでこまめに料金を払う。例えば、診察の前に17元、検査の前に170元、耳掃除の前に300元とかそんな感じだ。支払いは病院の中のあちこちに設置されている自動支払機もしくは料金支払い窓口で行う。今回の料金は、国際医療センター利用、聴力と耳の内圧の検査、耳のリンパ液の循環を促進する薬、耳の掃除、コロナのPCR検査で合計831.36元だった。私は2割負担なので、実際に負担する金額は約166元ということになる。

聴覚検査室の看板

目下、コロナの厳戒態勢がしかれている関係で、今日は検査室や診察室に入る度にあちこちでPCR検査の陰性証明の提示を求められた。私は職場から常に24時間以内の陰性証明を維持するように言われているので問題なかったけれど、PCR検査を怠っていると病院を受診する時に問題が出そうだ。中国内の他所の街では、陰性証明がないために病院の受診を断られ命を落とした人もいたと聞く。ルール上は急患には陰性証明を求めないことになっているらしいが、行政と現場の連携が上手くいかず、トラブルになることもあるのだろう。
72時間以内陰性証明を求める掲示

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)