2023年2月14日火曜日

便利なAIツール

昨年末にChatGPTが発表されて以降、さまざまなAIツールが立て続けに発表されており、研究者をとりまく状況が大きく変わりつつあるように感じている。

最近、とくに面白いと思ったツールの一つが「SCISPACE」というだ。ChatGPTのような普通のAIチャットでも、上手く使えば論文の要約をやってもらうことは可能だが、このサービスのすごいところは、論文のPDFファイルを読み込むと、まるでその論文の著者と議論しているような感じでチャットできるところなのだ。

これから先の研究の展望や、その研究のセールスポイントみたいなこと尋ねると、まるで著者が答えるような感じで質問に答えてくれる。チャットの答えの中で、PDFファイルをアップロードした論文以外の他の論文についても言及してくれるので、もしかすると著者よりもAIの方がその論文や研究分野について理解しているのではないかと錯覚してしまうぐらいである。(もしかすると、そうなのかもしれないが)

こういうツールがキャリアの最初から存在することになるこれからの若い研究者はいったいどのような人生を歩んでいくことになるのだろうか。論文を素早く読んで、要点を的確に把握し、多くの論文を勉強する中で次の研究アイデアをひねり出すみたいなスキルは、今までの研究者には必須だった訳だけれど、これから研究者を目指す若い人は、苦労して外国語の論文を読みこなす練習をする必要はなく、最初からAIが代わりにやってくれる。

その浮いた時間を上手く使うことができれば、科学は猛烈な発展をとげるかもしれない。いや、しかし、AIに頼っていると研究者の頭が悪くなって、逆に科学が後退するみたいなことはなかろうか。AIの登場で、ついいろいろと考えてしまう今日このごろである。


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