<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>
ここ1-2年、ウラル連邦大学には施設設備関係の予算が連邦政府から潤沢に割り振られているようで、大学の施設のあちこちで細かな改善が行われています。例えば、講義棟などのトイレが綺麗に改装されたり、壁が塗り直されたり、物置部屋がオフィスに改装されたりしています。
そのような中、昨年の年末、私が住んでいる大学寮の玄関にもおそらくこのような類の施設設備費によって、
大きな世界地図が貼りだされました。大学寮側の当初のアイデアとしては、
大学寮に住んでいる住人の出身地を地図上に書き込んで、住人同士の交流を推進しようと考えていたようです。
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大学寮玄関に貼りだされた世界地図 |
しかし、この地図、
貼りだされた当日からテンヤワンヤの大騒ぎになりました。まず最初に台湾からの留学生が、台湾が中国大陸と同じ色で塗られていることに抗議したそうです。その後、クリミア近辺や東アジア近辺などの色分けについて様々なクレームが入り、結局その日のうちに地図が大きな布で覆い隠されてしまいました。
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布で覆われた世界地図 |
私は最終的には地図を剥がしてしまうのだろうと予想していたのですが、大学寮の対策は斜め上をいっていました。最終的にどうなったかというと、
地図上の問題の有りそうな場所を、全て大学寮の学生パーティーの写真を貼って見えなくしてしまったのです。
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問題のある場所が学生パーティーの写真で隠された地図 |
今のところとりあえずこの状態で問題は落ち着いているようですが、世界中から人が集まってくる大学寮なので管理者ももう少し慎重に物事を考えるべきだという気がします。ロシアの大雑把さを感じる出来事でした。