2016年8月27日土曜日

【第30回】 エカテリンブルクの市内交通

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>


8月も末となり、そろそろ新年度が近くなってきました。新しくエカテリンブルクで生活を始められる方もおられる時期なので、何か生活に役立つ情報でも書いてみようと思い、今回はエカテリンブルクの市内交通について簡単にまとめてみることにしました。

エカテリンブルク市内の公共交通にはバス、ミニバス、トロリーバス、トラム、地下鉄(メトロ)の4種類があります。地下鉄は駅の数が少ないので(たっと4つ)、市内の公共交通は実質的に、バス、ミニバス、トロリーバス、トラムの4つということになります。なお、市内には流しのタクシーは存在しません(タクシーについては後述します)。

エカテリンブルクのトラム
トラムの内部
バス、ミニバス、トロリーバス、トラムのうち、ミニバス以外は公営で、ミニバスのみ私営です。どちらも利用方法は全く同じなので利用客側から見ると公営私営で違いはありません。エカテリンブルク市内の交通網は比較的よく発達しており、公共交通を利用して基本的に市内のどこにでも行くことができます。

公共交通を利用する場合、まず路線を知らなくてはいけませんが、エカテリンブルク市内の路線は2gisというサイト(もしくは2gisの携帯アプリ)を利用して簡単に調べることができます。2gisのアプリはオフライン対応になっており、ネット接続がない状態でも利用できるのでエカテリンブルクに来られる方は事前にインストールされておくと良いでしょう(iOS版Android版)。

さらに、Yandexマップ(Яндекс Карты)というアプリを使うと、バス、ミニバス、トロリーバス、トラムがあと何分で到着するか調べることができます(情報が不正確な時もありますが、体感的には8割程度は正しいです)。ただし、Yandexマップはオフライン対応ではないのでネット接続が必要です。

バス、ミニバス、トロリーバス、トラムの乗り方は基本的に全て同じです。乗車したら車掌(コンダクター)に料金を支払います。ミニバスの場合、コンダクターが乗車していない場合もあるので、そのような場合は運転手に料金を支払います

料金は、今日現在24ルーブルです(乗車距離に関係なく利用1回ごとに24ルーブルです)。現金で支払うとチケットを渡してくれます(運転手がコンダクターを兼ねている場合は、運転で忙しいため、チケットを渡してくれない場合もあります。)

現金以外にもЕКАРТА(イヨカルタ)と呼ばれるプリペイドカードで支払うこともできます。ЕКАРТАを利用すると若干料金が割引になります。長くエカテリンブルクに住む方は是非ЕКАРТАを持っておかれることをおすすめします。

ЕКАРТА(上が表、下が裏)
ЕКАРТАは、ЕКАРТАマークの掲げられたキオスクで購入することができます。私は最近の値段は把握していないのですが2年前に購入した時はデポジット込みで150ルーブルでした。少し注意が必要なのは、ЕКАРТАのチャージ方法です。バスやトラム等の中ではチャージできません。また、カードを購入した場所でチャージできるとも限りません。カードがチャージできる場所は、ЕКАРТАのWebページ上で確認することができます。(主にスーパーの中などにチャージ用のブースが設けられています。)

普段の通勤通学用の市内移動は、バス、ミニバス、トロリーバス、トラムで十分事足りると思いますが、場合によってはタクシーが必要な場合もあるでしょう。例えば、大きな商品を買って持って帰る場合、空港への行き来、体調を崩して病院に行く場合などは、タクシーが必要でしょう。

上述の通りエカテリンブルク市内には流しのタクシーが存在しないので、タクシーを利用する場合、予め予約の電話を入れる必要があります。しかし、私のようにロシア語が堪能ではない人にとって、電話での予約は少々ハードルが高いに違いありません。

そこで、私はタクシーが必要な場合、UberもしくはGettというシステムを利用しています。どちらもGPSを利用した携帯サービスで、予めクレジットカード番号を登録しておくと、地図上で指定した場所までタクシーが迎えに来てくれます。支払いもカードで行われるのでキャッシュレスで利用することができます。

このシステムが特に便利なのは、行き先を地図上で指定ができるところで、道案内をロシア語で行う必要がありません。時間帯によって利用できる車両の数が少ない場合もありますが、UberとGettを補完的に利用することで、ほぼ24時間いつでもタクシーを利用することができます。