アイスクリームが食べたくなる原因は、おそらく特徴的な「暖房」にあると思われます。エカテリンブルク市内の暖房は郊外の発電所から送られてくる熱湯で建物ごと温める形式、いわゆる「セントラルヒーティング」です。
この方式の暖房は、秋口に一旦が始まると次の春に停止するまで24時間稼働しっぱなしです。トイレや風呂場まで建物の隅々まで暖めてくれるので、快適に生活できる一方、設定温度が高く、時折暖かいを通り越して暑さを感じることもあります。さらに冬場は空気が乾燥することもあり、高温で乾燥した室内にいると、飲み物が欲しくなったりアイスクリームが食べたくなったりするわけです。
このような状況なので、市内のスーパーでは寒くなってからも多くのアイスクリームが売られています。ロシアのアイスクリームは、日本のアイスクリームと比べると派手さはありませんが、素朴な味わいでなかなか美味しいです。
フレーバー的にはバニラ味とチョコレート味が中心で、マンゴー味などのフルーツ系の商品も最近少し出回りはじめました。ミルク系のアイスクリームは、乳脂肪分が少なめで比較的あっさりしています。あっさり系のバニラアイスは暖房で乾燥した室内の空気と相性が良いように思われます。
ロシアの乳脂肪少なめのアイスクリームはソ連時代からほぼ同じ味のようで、プーチン大統領もこの味のアイスクリームが好物だという話を聞いたことがあります。冬場、ロシアに来られることがあったら、ロシアの冬の風物詩「室内でのアイスクリーム」をぜひお試しください。外で食べると震え上がりますので、ご注意を。
近所のスーパーで購入した最近お気に入りのアイスクリーム |