とりあえず、ホテルから広州南駅にタクシーで移動した。広州南駅はとにかくでかい。電車の駅というよりは国際空港のような雰囲気すら漂っている。ただし、窓口、改札、インフォメーション全てにおいて、英語は全く通じないので、ここで問題が発生したら中国語で乗り切るしかない。
行きと違って、帰りはネットでチケットを購入した。以前YouTubeで中国の鉄道移動に関する動画を見たときの記憶では、まずは窓口で「発券」する必要があったはずだった。そこで、まずは、駅構内を動き回ってひたすらチケットカウンターを探したのだけれど、どこに行っても有人のカウンターが見つからない。仕方ないので、インフォメーションで知っている限りの中国語を並びたてて質問してみたところ、どうやらアプリでチケットを購入した場合は発券なしで直接電車に乗れるようだった。YouTubeの動画は1年ほど前のものだったが、いろいろと変化が早い中国のことなので、1年も前の情報は古すぎるということだろう。
というわけで、改札に向かったのだけれど、高速鉄道の自動改札は中国人IDか永久居留証がないと通れない。珠海の駅だとパスポートでも自動改札を通ることができたが、広州南駅ではなぜかパスポートでは通れなかった。仕方なしに有人改札に言ったのだけれど、これがかなりの混雑ぶりだった。
有人改札に並んでいる人はお年寄りが多かった。みなさん、手には中国人IDを持っている。有人改札の駅員を見ていると、お年寄りのIDカードをただ単にスキャナーでスキャンして通していたので、あれだったら自動改札でも普通に通れそうな感じである。多分、機械が苦手とか、そういうことなのだろう。私のように絶対有人改札でなければ通れない乗客は10-20人に1人ぐらいの割合だったと思う。
さて、有人改札は結果としては通れたのだけれど、なかなか大変だった。パスポートの確認ということで、駅員がパスポート番号をいちいちタイプしてデータベースにアクセスし確認を行う。私の場合、行きと帰りでパスポート番号が変わっているので、案の定データベース上に番号が見つからず、さらに時間を食った。この間、何百人単位で並んでいる乗客全員が待たされることになってしまい、ついに並んでいた乗客の一部がブチ切れ始めた。さらに起こった乗客の何人かが改札を強行突破し始めた。駅員も、もういいやという感じで通過させていたが、まぁ、とにかく大変だった。
中国の鉄道移動は、今回の私のような特殊事情がなければ、おそらくもう少しスムーズだと思う。しかし、全体的な印象としては、中国の高速鉄道は、システムが外国人が利用することをあまり想定しているとは思えない。なので、今回のように特殊事情が重なると、いろいろと辛い交通機関ではある。
なんとか鉄道に乗り込んで、珠海の駅についたら、今度は駅の外に出る前に到着した乗客全員に対するPCR検査が行われていた。ここでさらに30分ほど足止めを食らった。その後、タクシーで自宅に向かったが、小区の入り口では、守衛が、スーツケースを持っている私達夫婦を目ざとく見つけて「市外からお帰りですか?その場合、報告書を書いてもらいます」と声をかけられて、また足止め。守衛に教えてもらいながら報告書フォームを埋めてようやく自宅に帰ることができた。
広州はリスク地区でもないし、珠海と同じ広東省内の近隣都市なんだけど、それでも移動はとても大変だった。これが省外、国外となると…、うん、ちょっと想像したくない。
中国語学習
単語と例文の暗記(10分程度)、中国語会話実践練習