2022年10月17日月曜日

【日記】「生まれつきの愛国世代」に関する雑感

2022年10月16日(日)

さて、今日から例の「党大会」が始まった。外交面等から今回の党大会がどのような意味があるのかといったことについては、西側メディアが繰り返し報じているので、自分から見ようと思わなくてもある程度の知識は入ってくるのだけれど、私個人として興味があるのは国家間の問題よりも「生活への影響」である。とりあえず、習近平の演説をざっと聞く限り、大局的にはそれほど大きな方向転換はなさそうである。

しかし、今の中国は、若者の中にあからさまな「愛国心」を示す人が多いのが特徴的だなと思う。私と同世代くらいの中国人だと、二人っきりで話をしているときは「党批判」的な話をする人も決して珍しくはない。おそらく、貧困な時代の中国を知っている世代だからだろう。

今の大学生や大学院生は、物心ついたときから既に中国はそこそこ裕福で、さらに彼らが成長するとともに増々裕福な国になっていっている。学生さんたちが「党にどこまでもついていきます」みたいな文言をSNSに流している背景には、一つには「とりあえず政治的に正しいことを言っておく」みたいな空気もあるのかもしれないが、もう一つの側面としては純粋に自分の出身国に自信を持っているということがあるのだろう。

ただ、若い時代に持つ母国に対する無条件の自信というのは本当に危ういものだと思う。私が小中学生だった1980年代の日本で、30ー40年後に日本がここまで衰退することを予想していた人が話してどれくらいいたであろうか。むしろ、今の中国の若者と同様に「日本みたいな平和で裕福な国に生まれて良かった」と思っている若い人が多かったんじゃなかろうか。

ロシアにいたときも、60才よりも上の世代、つまりソ連時代に青春を迎えていた世代と話をしたときに同様の雰囲気を感じた。彼らもまた、ソ連時代は良い時代で(崩壊前の衰退期を除く)、青春時代の楽しい思い出とともにソ連時代を懐かしむ話をいろいろとしてくれた。そして、その後に続くのは、ウクライナ関連の微妙な話だったり、ときには日本の領土問題の話しが出て気まずくなったりもしたものだ。

私は、なんとなくの素人考えではあるが、結局のところ、このような「生まれつきの愛国世代」が政権の中心となると国は衰退するのではないかと思っている。今のロシアはまさにそのような状況になっているといえるだろう。日本もそうだろう。戦争をしらず、戦後の高度成長期で良い思いをした世代が今の政治の中心を担っているである。彼らは愛国を叫び、そして国を衰退させているように見える。今の中国の若者が政権を担うのは、これから30-40年先くらいだろうか。そのころ、今の中国はどうなっているだろうか。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、ジャズコードI