それで、実際に門の前で妻と待っていると、当然門衛は不審に思うので「どうしたのですか?」と聞いてくる。それで、拙い中国語力の全てを振り絞って、これからコロナワクチンの接種に行くこと、バスがキャンパス内から出発すること、妻がキャンパス内には入れないこと、門で拾ってもらうようにお願いしたこと等々を門衛に説明した。そうすると、意外なことに「どうぞ、入ってください」といった感じで妻と私を中に入れてくれたので、結局バスの出発点にからバスに乗ることができた。
外国人向けのワクチン接種なので、バスには当然学内の外国人が沢山のってくるのだけど、ここ最近ロシア人が急速に増えたようで、あちこちからロシア語が聞こえてくる。西側各国がロシア人研究者の雇用を避ける傾向がある昨今、彼らが就職先を見つけることはかなり困難だろうと思う。とくに基礎科学分野でトップレベルの研究をやろうと思ったら、現状では中国ぐらいしかロシア人には選択肢がないかもしれない。
珠海市で外国人がワクチン接種を行える病院は限られている。ほとんどの外国人スタッフがかかりつけにしている中山大学附属病院ではやってもらえない。附属病院だと英語が通じるスタッフがいるので何か安心なのだけど、コロナ接種の指定病院となっている市内の一般の病院ではそういう訳にはいかない。病院につくと問診票を書かされたのだけれど、アルファベットの国から来た人たちは中国語の書類を全く理解できないので、大学の職員が一生懸命サポートしていた。私も中国語はそこそこ読めるので、周りのアルファベットの国から来た同僚たちを少し手助けした。
問診票を書いた後は整理券を受け取って、順番を待ち、自分の順番が来たら、まず最初に医師の診察を受ける。待ち時間はだいた30分くらいだった。医師の診察では、体温やその他体調に問題がないか質問され、問題ないようなら料金を支払うための伝票をもらう。その伝票をもって別の階の支払い窓口に行って料金を支払うのだけど、支払い用の機械の表示が中国語なので、ここでも外国人スタッフ御一行は大渋滞になっていた。
無事料金100元を支払い終わると、レシートを持って別の階にある受付に行き、そこで整理券を貰って、電光掲示板に自分の順番が表示されるのを待つ。順番が来たら指定された部屋に行きワクチンを打ってもらう。ここでの待ち時間も30分程度だった。その後、観察室に移動し、30分間体調に変化がないか確認して、経過観察が終了したら開放されうという流れだった。
帰り道、大学のバスを利用してキャンパスに入ってしまうと、妻がキャンパス内に閉じ込められてしまうので、タクシーを利用して帰宅した。ワクチンを摂取した病院が偶然イオンモールの近くだったので、タクシーに乗る前に日本食を買い込み、ワクチン接種の晩は期せずして日本食ディナーとなった。日本食ディナーとなると一杯やらないわけにもいかず、焼酎のお湯割りを2杯ほどやってしまったが、明朝の講義は果たして大丈夫か?
ワクチン接種会場の入り口 |
整理券番号が表示されるモニター |
中国語学習
単語と例文の暗記(10分程度)、病院等で会話実践