2016年12月27日火曜日

【第33回】 私が選んだ2016年の主な出来事

今年の出来事で印象深かったものを、自分のツイートを見直しながらまとめてみました。特に6月以降の「出来事の密度」が非常に高い1年でした。残り数日は平穏に過ぎてもらいたいものです。


私が選んだ2016年の主な出来事

1月

*ルーブルの暴落、一時1ドル85ルーブルを超える水準に
*ロシア国内でインフルエンザ大流行

2月

*エカテリンブルク市内で、イスラム国のメンバー7人を逮捕したとFSBが発表
*LIGOが重力波を検出したことを発表
*日本のX線観測衛星(ひとみ)打ち上げられる
*インドで爆発事故が起こり、インド当局が「隕石の落下が原因」と発表、後に隕石説は否定される

3月

*ブリュッセルの空港で爆弾テロ、イスラム国から犯行声明が出る
*フライドバイ航空機がロシア領内で墜落、テロが疑われる、後に、パイロットどうしの言い争いが原因ではないかという調査結果が出る
*韓国のトップ囲碁棋士がGoogleが開発した囲碁ソフト(アルファ碁)に敗れる
*エジプト航空機がハイジャックされる

4月

*X線観測衛星ひとみに致命的なトラブル発生
*東工大の学長が英語で式辞を述べたことが話題となる
*徴兵で集めた兵士が役に立つかたたないかが日本で話題となる
*給付型奨学金創設が提言されるが受給資格を巡って議論となる

5月

*モスクワに4つ目の国際空港が誕生
*中国が「有人月面探査を2036年までに実現する」と発表

6月

*イギリスの国民投票でEU離脱が決定
*イスタンブールの空港で爆弾テロ発生
*中国当局によって拉致された香港の書店店長が香港に帰還
*水素水が大流行、その効果を巡って議論が巻き起こる
*BRICS内での共同研究をサポートする研究補助金の公募がロシアの研究機関で各種出回る
*イギリス国内で、東欧出身者を中心として、外国人に対する差別意識が高まり問題となる。これに対して、ポーランド政府が懸念を表明
*LIGOが2度目の重力波イベントを検出、検出された重力波源はブラックホールどうしの衝突

7月

*トルコでクーデター発生
*ポケモンGOがブームとなる
*相模原市の障害施設に刃物を持った男が侵入し無差別殺傷、19人死亡、26人重軽傷
*元横綱千代の富士が亡くなる
*トランプ婦人のスピーチが盗作ではないかと話題になる
*「軍事研究」を受け入れるかどうかが日本の大学や研究機関で話題となる
*「国歌が歌えない選手は日本人ではない」と森喜朗氏が発言し話題となる
*NASAの木星探査機ジュノーが木星の周回軌道に入る
*東大化学科で講義を全て英語化したため内部の進路振り分けで定員割れ
*台湾の電車内で爆発、24人怪我
*エカテリンブルクで行われる産業見本市(イノプロム)の2017年のパートナー国に日本が選ばれる

8月

*天皇陛下が「お気持ち」発表
*SMAPが解散を表明
*五輪閉会式の演出「安倍マリオ」が話題となる。
*国後島で邦人が足止め、北方領土問題との関連で物議を醸す
*甲子園のグラウンドに女子マネージャーが入ろうとして大会関係者が制止、大きな議論となる
*リオデジャネイロでロシア副領事とみられる人物が強盗を射殺、後に身分詐称だという報道がなされる
*ロシアスポーツ選手のドーピング問題が大きな話題となる。
*日本の電波天文学者なら誰でも1度は行ったことがある八ヶ岳のレストラン「ロック」が全焼
*「プーチン大統領のスケジュール偽装の可能性」を指摘した朝日新聞の記事が話題となる

9月

*東大の研究不正が大きく報じられる
*ウズベキスタンのカリモフ大統領が死亡
*広島カープが新生ロシアが始まって以来初のリーグ優勝
*ロシア下院選

10月

*大隅良典氏がノーベル医学生理学賞を受賞
*米国立天文台からグリーンバンク望遠鏡とVLBAが独立
*国立33大学で定年退職者の補充を凍結
*インドのゴアでBRICSサミット開催
*プーチンカレンダーが日本でブームとなる
*ピコ太郎のPPAPが話題となる
*将棋棋士、三浦九段のソフト打ち疑惑が話題となる
*ボブ・デュランがノーベル文学賞を受賞するも沈黙
*大西宇宙飛行士が地球に帰還

11月

*アメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選
*ウリュカエフ露経済発展相が収賄容疑で逮捕される
*ロシア政府がLinkedInをロシア全土で遮断
*プーチン大統領、スティーブン・セガール氏にロシア国籍を授与
*クレムリン周辺でGPSの妨害が行われる
*東大が女子学生に対して家賃補助を行うことを発表し話題となる
*国立天文台野辺山観測所のある南牧村で死体遺棄事件発生

12月

*山口県長門市で日露首脳会談開催
*アンカラにて、ロシア大使が暗殺される、犯人はトルコ人警察官
*ソチからシリアに向かうロシア機が墜落、乗っていた赤軍合唱団が全員死亡

2016年12月18日日曜日

【第32回】 ロシアの大学改革の現状

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年9月2日金曜日

【第31回】 政治的動向と連動が見られるロシアの研究グラント公募

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年8月27日土曜日

【第30回】 エカテリンブルクの市内交通

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年8月26日金曜日

【第29回】 大学寮玄関の世界地図

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年8月24日水曜日

【第28回】 エカテリンブルクの治安と外務省の海外安全情報

<<<筆者注:この記事は2016年8月24日に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年8月17日水曜日

【第27回】 エカテリンブルクの夏

エカテリンブルグで夏を経験するのは今年で2回目になりますが、昨年の夏よりも今年の方が明らかに暑い夏となっています。昨年の自分のFacebookポストを見返していると、8月中旬頃には既に最低気温が10℃近くになり、木々が色づき始めている、というようなことを書いていたのですが、今年はそろそろ8月も下旬になろうとしているのにまだまだ暑い日々が続いています。

職場の30才ぐらいの同僚に今日聞いた話では、彼が子供の頃には(つまり20年ほど前)、夏場にエカテリンブルグで気温が30℃を超えることはかなり稀だったそうです。冬場の寒さが厳しいエカテリンブルグでも地球温暖化の影響は如実にあらわれているようです。

暑い8月のある日のウラル連邦大学自然科学研究所の中庭
エカテリンブルグは冬場の最低気温が-40℃を下回ることもあるため、低温対策のインフラはしっかりと整っています。しかし、その反面、夏場の暑さに対する対策はそれ程手厚くはありません。自宅の大学寮の部屋では個人で購入した扇風機を使っていますが、職場である大学のオフィスには冷房も扇風機もありません。

基本的にエカテリンブルクでは「冷房は贅沢品」という認識のようです。実際、暑いと言っても日本のように気温が体温を超えるようなことはありませんし、日中30℃を超えても、夜間には10℃台まで気温が下がることが多いので、冷房がなくてもなんとか耐え忍ぶことは可能です。あと、湿度が比較的低いのも助かります。

聞いた話では、ロシアには「気温が高くなると労働時間を短縮しなくてはいけない」という法律があるそうで、計算上は34℃になると、1日の労働時間は1時間ということになるようです。ただし、この法律には罰則規定がないため実際に法律に厳密に従っている職場はあまり無いようです。

私の職場の同僚たちの夏の過ごし方を見ていると、あまりにも暑くなると有給休暇をとって突然夏休みにしてしまう人もいます。そういう場合は、涼しい山間部にキャンプに行ったり、最近は郊外に大型のプールリゾートができているので、そういうところに行く人もいるようです。やはり、自宅に冷房施設を持っていない人が多いので、涼しいところに行く、というのが夏休みの典型的な過ごし方のようです。

ちなみに私のブログはエカテリンブルクで生活されている方にも読んでいただいているようなので、今日同僚に教えてもらったウラル連邦大学のプールのWebアドレスを書いておきます(YouTubeに紹介の動画あるのでその動画も貼っておきます)。ここのプールは比較的料金が安く、大学関係者だとさらに割引が聞くのでお得だとのことです。
http://urfu.ru/ru/sports/swimming-pool/


2016年4月21日木曜日

【第26回】 若手天文学研究者にとってロシアは希望たり得るか

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年4月9日土曜日

【第25回】 日本大使館・領事館から離れた遠隔地でパスポートを紛失した場合の対応

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>

2016年4月7日木曜日

【第24回】 政府系グラント公募の結果 ― またヤラれてしまいました

昨年末に、政府系の研究費補助金公募に応募していたのですが、結果として再び落選してしまいました。これで、2年連続の落選となりました。ロシアで研究費を獲得することは、現時点では非常に難しいということを痛感する結果となってしまいました。

以前にも少し書いたと思いますが、ロシアでは政府系の研究費の分配において、極端に強い地域バイアスが存在し、モスクワとサンクトペテルブルク以外の研究機関から出された研究提案は滅多に採択されません。今回も、採択されたプロジェクトの一覧に出ている研究機関は、ほとんどがモスクワかサンクトペテルブルクに立地しており、地域バイアスの強さを再確認しています。

地域バイアス以外にもう一つ気づいたこととして、ロシアの古典的な最高学位である「доктор наук(ドクトル・ナウーク)」の保持者がPIを務めるプロジェクトばかりが採択されていることが挙げられます。外国人スタッフが保持しているPhDは、ロシアでは「кандидат наук(カンジダート・ナウーク)」と呼ばれるドクトル・ナウークよりも一段低い学位に相当すると規定さられているため審査過程において不利になるようです。

実際的にはドクトル・ナウークがロシア外のPhDよりも優れているということは感がられず、むしろ逆に外国でPhDを取得した研究者のほうが研究能力や実績は上なのではないかと思います。したがって、このようなバイアスは不幸へというばかりでなく、グラント運営の効率から考えても決して良いものとは言えないと思います。

今回の公募では競争率もかなり高く、採択率は5-6%程度でした(分野ごとに若干採択率はことなります)。高い競争率に加え、上記のバイアス問題もあり、政府系グラントを獲得することは今後もかなり難しいのではないかという気がしてきています。(地域バイアスに関しては、政府が対策を考えているという話は聞こえては来ますが、実際に有効な対策がとられるまでには時間がかかりそうな気がします。)

今後の対応としては、地方政府等が運営するグラントや、政府系のグラントでも特定の国との2国間共同研究に特化したグラントなど、対象者が限定される公募に焦点を絞って応募していく作戦に切り替えていこうかと考えているところです。

2016年1月11日月曜日

【第23回】 ロシアの研究グラント事情

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>