2022年10月30日日曜日

【日記】「中間審査」が心配なので行動開始

2022年10月30日(日) 

明日以降、昨日の日記に書いた「中間審査」の準備等々が予定に割り込んでくるため、スケジュールがかなり逼迫してくることが予想される。とりあえず、朝起きて、中間審査の作業手順を明らかにしておくために、説明書の解読に取り掛かった。

中国語は毎日少しづつ勉強してはいるものの、まだまだ中国語で書かれた書類を理解することは、「読む」と表現するよりも「解読」といった方がしっくりくるレベルである。一応ざっと「解読」したところ、どうやらまずWebフォームに必要な情報を記入し、それ以外にプレゼン用のパワポ資料と申請用のカバーレターを、大学が用意したテンプレートに従って準備する必要があるようだ。

審査手順の7-8割程度は理解できたが、細かなところで分からない項目がまだかなり残っている。さらに、カバーレターは中国語で書く仕様になっているようなので、これは明らかに自分では準備できない。週明けに、中国人同僚にヘルプを求める必要がありそうだ。

Webフォームの動作確認をしようと思ったが、どうやら大学外からサーバーに接続できない設定になっているようだ。学内サーバーにアクセスするためには、大学が用意したVPNクライアントを手元のパソコンにインストールする必要があるらしい。

中国外に接続するためのVPNクライアントとコンフリクトして予期せぬ問題が勃発しないか心配だったが、月曜日まで問題を放置するのも心配なので、学内向けのVPNクライアントをインストールして、Webフォームを確認した。

中国外向け向けVPNと同時に使うと何か予期せぬ問題が発生しそうなので、いちいち切り替えながら慎重に作業を進めた。Webフォーム自体にはアクセスすることが出来たが、やはりどこに何を記入するべきなのか詳細が完全には理解できない。具体的な記入作業は週明けにオフィスに行ってやるしかない。

中間審査に関して、現時点で確認できることを一通り確認した後、来週の平日が多忙になることが既に決定しているので、残りの時間を講義の準備にあてた。しかし、本来は「ダラけようと」思っていた時間だったので、なかなか頭が仕事モードにならない。語学の勉強をやったり昼寝したりして、ようやく夕方から作業にとりかかった。

こういう状況で、やるべきことは明確に目の前にあるのに、体は思った通りに動かないということは、私は生物学的には普通なことだと思っているのだが、現職場はどうも「生物学的に普通でない」行動をしばしば要求してくる。しかし、人間のような生物には十分な休息が必要なのだ。

中国語学習

単語と例文の暗記(30分程度)

【日記】中間審査は突然に

2022年10月29日(土) 

現職の契約期間の途中で、業績の「中間審査」が行われるという話は聞いていたのだけれど、いつごろにどのような手順で行われるか今まで全く知らされず、いったいどうなるのかと思っていたら、今日突然メールで審査を行うという連絡が入った。審査のための書類の提出日が二日後に設定されており、正直なところ軽くパニックになっている。

説明のメールは全て中国語で書かれている。なんとなく概要は理解できるものの、細かい部分で分からないところだらけである。週末だけれども、とりあえず担当者にWeChatでメッセージを投げたところ、細かな情報は職場に行かないと分からないとの返事が返ってきた。

とにかく、この審査、手順も良くわからない上に、そもそもの問題として、コロナ等の問題もあって、達成できていないノルマも少なくないので、かなり心配になってきている。いったいどうなるのか。まぁ、達成できていないノルマに関しては、今ごろ焦ったところでどうにもならないのだけれども。しかし、いつものことではあるが、こういう重要な用事はもう少し早めに連絡してきてほしいものだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(50分程度)

2022年10月28日金曜日

【日記】「雨课堂」を使った講義の準備

2022年10月27日(木) 

明日が講義日なので今日はその準備をしていたのだけれど、明日はちょっと実験的なことを行う予定で、そのためにいつもよりも余計に準備に時間がかかった。「実験的なこと」というのは、最近中国の教育現場で流行しつつある教学システムの一つの「雨课堂」を初めて使ってみようと思っているのだ。(10月22日の日記を参照)

雨课堂は中国の清華大学が開発した教学システムで、教室でのサポートから予習復習、オンライン講義、大学が組織的に導入している場合は、時間割の管理から出欠の確認まで、講義周りのありとあらゆることをサポートしてくれるシステムだ。

このシステムの存在自体は昨年くらいから知っていたのだけれど、うちの大学の講義室のパソコンにはクライアントソフトがインストールされておらず、使用することができなかった。

先週、講義室のパソコンが使用中にフリーズし、あれこれイジっているうちに雨课堂のクライアントソフトがパソコンにインストールされていることに気が付き、これは一度使ってみようと思い立ったのだ。

講義室で使うとなると、操作でまごつくと学生に迷惑がかかるので、今日は慎重にリハーサルを繰り返した。このシステム、教師側の操作だけ理解しても使いこなすことはできず、学生側の操作を十分に理解しておく必要がある。

今日は、普段使っているスマホで教師として、もう一つのスペアのスマホでは学生としてログインして、両面からの見え方を一つづつ確認していった。そんなことをやっていたら、結局今日は、ほぼ丸一日を講義の準備に使ってしまった。

毎度のことであるが、私はどうも講義の準備に時間をかけすぎである。できるだけ、サクッと済まして研究に時間を使いたいと思っているのだけれど、講義の準備をしていると、いろいろと余計なことをやりたくなってきてします。まぁ、しかし、これで講義の質が上がるのであれば、時間をかけたかいが多少はあるというものだ。さて、本番はどうなるか。

雨课堂アプリの操作画面

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年10月27日木曜日

【日記】今日から「5天居家健康监测」が発動、「教学事故」で年末ボーナス20%カット

2022年10月26日(水) 

昨日まで、広州から帰ってきた人に対して「3天居家健康监测」が適用されていたのが、広州で感染者が増加している影響で、今日から「5天居家健康监测」に変更された。つまり、広州から戻ってきた人は5日間「自宅で隔離」となる。

自宅で隔離と言っても、中国の自宅隔離は日本の「自主隔離」とはことなり、場所が自宅と言うだけで「強制的な隔離」である。うちの小区の場合は、玄関ドアが封鎖され、5日隔離の場合だと1、3,5日目にPCR検査が行われ、すべての検査で陰性が確認されてはじめて開放となる。

うちの大学は、広州、深圳、珠海の三つの都市にキャンパスが分かれているので、教員がキャンパス間を移動して、本拠地以外のよそのキャンパスで講義する機会も多い。天文学科の本拠地は珠海なのだが、天文学科の教員の中には、1年生対象の基礎科目の物理を教えている人が少なくない。

1年生対象の講義は広州キャンパスで行われるので、多くの教員が日常的に珠海と広州の間を往復している。大学は、コロナ規制が厳しくなっても、できるだけ「対面講義」を維持する方針らしく、教員にとってはリスキーと思われる要求を出してくることが少なくない。

今回も「5天居家健康监测」が発動されたのにもかかわらず、対面講義をやめるという指示がすぐに来なかった。そして、当然ながら、多くの教員から大学当局に苦情が入ったようだ。大学当局は「広州の宿泊施設にとどまって講義を継続してほしい」みたいなことを最初に返事してきたのだけれど、教員の方も家庭の都合があるので話はそう簡単ではない。どうやら、さらに「上の方」で現在対策が検討されているようだ。

夕方、学内メーリングリストで「教学事故発生」の通知が回ってきた。中国の大学で教学事故などというと、教室で教員が反政府的な話でもしたのかと思われるかもしれないが、そういう政治的な意味での「事故」は稀である。

教学事故で圧倒的に多いのが「遅刻」である。中国の大学は講義の管理が非常に厳しい。特に学部生相手の講義は細かな規定が多く、違反すると「教学事故」となり「罰則」を食らうことに成る。今回は教学自家は「講義に12分遅刻」ということらしく、罰則は「年末ボーナス20%カット」とのこと。なかなかの厳しさである。

こういう厳しい罰則があるので、うちの大学の場合、教員のほとんどは講義開始時間の15ー20分前には講義室に到着してスタンバイしている。日本の大学の講義とは、かなり状況が異なる。


中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年10月26日水曜日

【日記】リスク地区数が数千ヶ所に、眠れぬ夜のオーディオブック

2022年10月25日(火) 

広州でまた感染者が増えているようだ。広州で防疫レベルが上がると珠海での生活にもいろいろと影響が出てくる。うちの大学は広州にもキャンパスがあるため、学生、教職員ともに珠海と広州の間を行き来する人が多い。

最近、私の講義を受講している学生の何人かが広州に行ったために珠海で自宅隔離となり、前回と今日の講義はオンラインで配信した。もともとオンラインで配信するように講義を設計していないので、突然オンラインで配信するとなると、教育の質という点でかなり問題が出てくる。

広州の状況が良くないということで、全国的にはどうなっているのだろうかと思い、久々に全国のリスク地区数を確認した。以前はリスク地区数が「数百ヶ所」だと「かなり多い」という印象だったのが、今日の情報では、なんと一桁上がって「数千ヶ所」のリスク地区が政府広報にリストアップされていた。

もうこうなると感染者数がゼロになることは永遠になさそうである。SNS上ではそろそろ中国政府が方針転換するという噂も聞こえてくるがどうなるのだろうか。少なくとも今の防疫ポリシーを変更せずに継続していたら国が機能不全に陥るのは目に見えている。なんらかの方針転換が早急に必要なのは間違いないだろう。

講義をやっている期間はどうしても「インプット量」が減りがちになる。講義準備のための勉強は当然するのだけれど、講義準備の勉強というのは未知のことを勉強するというよりは「復習」の意味合いが大きい。

新たな知識を得るための「インプット」が減ると、どうも知的な活動の調子が全体的に悪くなるような感覚が私にはある。特に、新着の論文や新刊の専門書やは状態的に勉強するようにしたいとは思っているのだけれど、学期中は気がつくと何日も勉強できていない日が続いたりもする。

そんなこんなで、勉強不足の気を紛らわせるために、最近寝付けない夜に「オーディオブック」を聞いている。ただ、オーディオブックでは、その性質上、数式の入った数理的な本を「聞く」ことはできないし、そもそも科学的な内容を扱ったオーディオブックは極めて少ない。

この際、科学書でなくても、じっくりと書かれた本なら分野は何でも良いので、勉強に値する良書をオーディオブックで聞けないものかと思って探すのだけれど、なかなか適当なものが見当たらない。まぁ、それでも比較的マシそうな本を選んで聞いている。しかし、結局、聞いているうちにすぐ寝るので、あまりインプットにはなっていない。結局のところ、私の場合オーディオブックは普段の読書の代わりにはならなさそうである。


中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、ジャズコードI

2022年10月25日火曜日

【日記】台湾有事が近い?、中露を一括りにする荒い言説

2022年10月24日(月) 

一時20℃程度まで気温が下がり、もうこのまま秋が深まっていくのかと思っていたら今日は一転して29℃まで上がった。衣替えしたはずだったのが、再び半袖シャツを引っ張り出すことになってしまった。なかなかすんなりと夏は終わってくれない。

今学期の講義の後半は、時間の一部を同僚とシェアし、残りは学生セミナーの時間に当てる予定なので、自分が行う講義の準備もあと約4回分を残すのみとなった。しかし、そうは言っても秋学期が忙しくなるのはこれからである。

自分の講義が終わったら、期末試験の準備、実行、採点、そして成績評価、それから、グラント申請書の準備、卒業生が放置して出ていった論文の仕上げ等の仕事が待ち構えている。それ以外にも、年度末にかけては、各種の会議や大学院入試の試験管等の業務も次々に入り込んでくる。来年の春節は1月22日ということなので、講義終了後の日程は少し詰まり気味になりそうである。

最近、SNSを眺めていると「台湾有事が近い」みたいな言説が増えているように思う。数日前に報道されたアメリカ政府関係者の発言がその発端だろうと推測している。これに関連して、「今は中国に留学するべきではない、旅行するべきではない、出張するべきではない等々」の発言もSNS上に多く流れているようだ。

しかし、本当に中国への留学や就職を諦めるような状況なのかは甚だ疑問である。アメリカが「台湾有事」を仄めかす背景には、ロシアが不安定化させている世界の状況を利用して、ロシアと中国を一括りにし、自分たちに有利な反中国的な国際世論を形成しようとする意図があるように思う。

私はロシアでも今と同様に地方国立大学で教授として働いた経験を持っている。2つの国を、ほぼ同等な社会的地位から観察してきた私の経験から言えることは、中露は全く異なる国で、一括りにはできないということである。

率直に言うと、ロシアは私が働いていた2014年から2019年にかけての時点で、既に相当危うい国であるという印象を持っていた。例えば、給料の支払いが遅れる、契約書に書かれている内容が履行されないといったことが日常的に発生していた。

日常生活においても、ロシアではインフラ周りのトラブル、社会システム的なトラブル等々、様々な問題が非常に高い頻度で発生する国だった。そして、ロシア語を自由に話せるロシア人であってもそれらの問題を解決することはしばしば容易ではないのである。

SNSを見ていると、中国に住んでいる日本人が、中国で生活する上での様々な問題について投稿しているのを見かけるのだけれど、ロシア生活を経験している私から見ると、どれもそう大した問題ではない。正直なところ、中国の現在の居住環境や職場環境では、ロシアで経験したような「本当の不安定さ」はほぼ全くと言っていいほど感じない。

SNSの日本語コミュニティでは「中露」を一括りにした粗い言説をしばしば見かけるが、中国とロシアは似て非なる国ですらなく「全く異なる国」であることは認識しておいた方が良いだろう。もちろん中国は、日本にとっていつも協力的に動いてくれる国ではないのは確かである。しかし、それと同時に、現時点で中国への留学や就職を躊躇するほどのリスクがあるとは全く思えないのである。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年10月24日月曜日

【日記】一番良い勉強方法は講義すること、PCR検査場が大混雑

2022年10月23日(日) 

自分が学生のころ、大学の講義なんていうのは「教員が既に知っていることをチャッチャと話すだけの簡単な仕事」みたいになんとなく思っていた。しかし、実際に自分が講義する側になってみると、学期を通じて講義をやり通すには相当な量の勉強が新たに必要だし、まず間違いなく、講義室の中でその科目について一番勉強しているのは教員だろうと思う。

率直な意見として、その科目を習得したければ、「講義する側になる」のが一番良い方法だと思うが、残念ながら学生に勉強させるために学生を講師に任命するような奇特な大学は存在しないので教員が講義をするしかない。(もっとも、私の講義では学生にも教壇に立って説明する経験をしてもらっているが。)

今学期、残りの講義回数はあと5回ほどなのだけれど、夏休みに仕込んだ講義ネタの7-8割程度を既に講義したので、もしかすると用意した内容が若干足りなくなるかもしれない。というわけで、今日は手元にある電子書籍の専門書をあれこれと眺めながら「ネタ探し」を行った。

教科書を眺めていると、断片的に面白そうな話題は幾つか見つかるのだけれど、これまで一つの大きなストーリーに乗るように講義を進めてきているので、できるだけ自然にその流れに乗るような話題を探そうと思うとなかなか難しい。結局は、来学期に行おうと計画している講義のパイロット的な内容を話すのが作業効率としては一番良いのかもしれない。

SNSを眺めていたら、隣の中山市で全数検査が行われているとのことだった。どうやら感染者が出たらしい。ネットの地図でリスク地区を確認したところ、数か所の封鎖区域が中山市内に設定されていることを確認した。これはまた珠海にも飛び火してくるかもしれない。

SNS上に流れていた情報によると、中山市のあるPCR検査場で陽性が出たため、そこに来ていた人の健康コードが軒並み「黄色」になったそうだ。黄色になると普通の検査場(プール式)では検査してもらえず、単独検査を行っている特別の検査場に行かなければいけない。単独検査場は普通は近所にはないので、余計な時間を使うことになる。

夕方、月曜日の出勤に備えて近所のPCR検査場に行ったところ、かなり混雑していた。おそらく中山市の状況を受けて、職場や学校から検査を促された人が集まったのだろう。ただ、いつも思うのだが、検査を強制して検査場を大混雑させ、陽性が出た場合に検査場に来た全員に連帯責任のように封鎖管理や黄色コードを食らわせる現行制度はなんとかならないもんだろうか。もう少し賢い方法がありそうなもんだが。

混雑している無料PCR検査場

中国語学習

単語と例文の暗記(30分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために

2022年10月23日日曜日

【日記】ちょっと苦労した「社会保障番号」の確認、ティーチングサポートソフト「雨课堂」

2022年10月22日(土) 

現在、うちの職場では、学科の教員全員をプロジェクトメンバーとして、広東省が公募している大型グラントに応募するための申請書の準備が進められている。研究案の私の担当分は既に先週の土曜日に執筆し終わって提出済みなのだけれど、応募する際に広東省が発行する「社会保障番号」が必要とのことで、アプリから証明書類をダウンロードして提出するようにとの指示が学科の秘書さんから舞い込んできた。

「社会保障番号」なんていうものが外国人に対して発行されているのか疑問だったが、とりあえず指示されたとおりに広東省の行政サービス用のアプリから証明書をダウンロードしようとした。しかし、例によって「中国人IDがないと手続きできない問題」が勃発し、証明をダウンロードすることができなかった。

役所関係のアプリを使用する場合、本人認証の過程で使えるIDが「中国人IDのみ」であることが多く、外国人は本人認証ができないという問題にしばしば直面する。学科の秘書さんに頼んで、アプリに表示されている問い合わせ電話番号に電話して状況を聞いてみてもらったところ、行政側の担当者は「アプリではなく、行政のホームページからダウンロードしてください」と言っているとのことだった。それで、今度は広東省のホームページから書類をダウンロードしようとしたが、やはり本人認証のところで上手くいかなかった。

本人認証でトラブルのは、まぁ、いつものことなのだけれど、今回の場合はそもそもの問題として「社会保障番号」というものが外国人に発行されているのかどうかが疑問だったので、今度は職場の人事担当の秘書さんに状況を確認してみた。そうすると、どうやら社会保障番号自体は外国人に発行されているとのことらしい。

とにかく、自力では証明証を取得しようがないので、「大学でなんとかしてくれませんか?」と問題を「上の方」に投げたところ、1時間ぐらいで「証明書をとることができました」との返事が返ってきた。どういう方法で書類が取れたのか良くわからないが、まぁ、結果オーライである。

さて、以前、中国のとある大学に勤務している日本人教員の方が「雨课堂」というティーチングサポートソフトを紹介されていた。このソフト、非常に面白くて、オンライン講義を行う機能以外にも、教室での講義を面白くするための様々な昨日が備わっている。

例えば、ちょっとした選択問題を出して、早く答えた学生に教員がポケットマネーで賞金を出すといったことができる。この機能、紹介されていた方の講義で使ったら非常に盛り上がったそうだ。このソフトを知ったのはもう半年以上前の話なのだけれど、うちの大学の講義室のパソコンにはソフトがインストールされておらず、その存在を既に半ば忘れていた。

ところが、先週の講義のときに講義室のパソコンの調子が悪くていろいろといじくり回しているときに、なんと上述のソフトがインストールされていることを見つけたのだ。これは早速、次回の講義で使ってみようと思い、今日は操作手順を確認していた。あまり親切なマニュアルはないのだけれど、なんとなく適当にイジっているうちにおおよその操作方法は理解できた。次回の講義でテストするが楽しみである。

「雨课堂」(RainClassroom)のトップページ

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年10月22日土曜日

【日記】突然増加したオンライン受講希望の学生、徐々にもとに戻りつつあるネット規制

2022年10月21日(金) 

今日は担当科目の講義日だったのだけれども、講義前に数人の学生から突然「オンライン受講」の希望が入った。うちの大学では全ての講義室に、オンライン会議システムを使って講義をストリーミング中継するシステムが整っているので、オンライン受講の希望が入った場合は速やかに対応することができる。

学生に事情を聞いてみたところ、週末に近隣の町にでかけた後、行政当局の指導で三日間の自宅隔離を命じられたとのこと。地元ニュースサイトを見てみたところ、広州方面で再びリスク地区が増加しているようだ。

こんな感じで中国は相変わらずの防疫規制ぶりだが、しかし、その一方で最近、日本への飛行機の直行便が少しづつ復活しつつあるという話も聞く。もっとも私は「超」がつくほどの「出不精」なので、正直なところコロナ規制下でもそれほどストレスは感じていない。

むしろ、完全にコロナ前の状態に戻ってしまうと「面倒な出張」が増えてしまうので、ある程度の規制を続けてほしいと思っているくらいだ。まぁ、しかし、中国政府が最終的にコロナ問題をどのようにランディングさせるつもりなのかについては、政治的に興味のある問題ではある。

夕方、利用しているVPN会社から「党大会に向けて強化されていたネット規制が落ち着いてきた」という連絡が入った。ネット規制にせよ、コロナ規制にせよ、あまり極端なことをすると国の経済発展に悪影響を及ぼすだろう。これからスターリンクのような国境をまたぐネットプロバイダーがいろいろ出てきそうだが、中国は、将来的にネット規制をどうするつもりなのだろうか。

今学期は、昨年の秋学期と同じ科目を教えているのだけれども、二度目ということでかなり教え方がこなれてきていて、講義に詰め込む情報量が昨年の1.5倍ほどになっている。うちの大学院に入学してくる学生は宇宙論系の分野を志望する人が多いのだけれど、昨年は時間の都合で宇宙論関係の話は何も出来なかった。今年は少し観測的宇宙論に関わる話なども入れることが出来ているので、まぁ、我ながら少し進歩したような気がしている。

2022年10月20日木曜日

【日記】終戦直後の卒業生のインタビュー、望遠鏡時間の購入交渉開始

2022年10月19日(水) 

朝、WeChatの職域グループチャットを開けたら、終戦直後の卒業生が天文学科に最近多額の寄付をしてくれたとのことで、そのOBのインタビュー動画が回覧されてきた。ちょっと見てみたけれど、やはり話は、このOBが青春時代を過ごした戦中から戦後の話が中心となる。そうなると、どうしても話が「日本から被った被害」に及ぶのは必然である。そのOBが話している側で、若い学生が熱心に話を聞いている様子も映っていた。まぁ、なんというか、「侵略戦争なんてするもんじゃない」っていうのが率直な感想である。

ところで、私は某人材計画を通して現職場に雇用されている。この某人材計画で採用された人には赴任時にかなりまとまった金額の研究立ち上げ資金が提供される。実験系の研究者だったりするとあっというまに使い切る金額のようだけれど、私のようにパソコン一台あれば研究できるタイプの研究者にとってはかなり持て余す金額だ。

当初、使い切るのは不可能だと思っていたのだけれど、いろいろと周囲の人の意見を聞いていると、外国の望遠鏡の観測時間を購入するという人が少なからずいて私もこの話に乗ることにした。外国の望遠鏡時間は、日本円換算で数千万円レベルではとても売ってもらえず、数億円程度のお金が必要となる。これは単独の研究者では無理だが、中国の今の予算状況から言うと、同じ望遠鏡を使いたい研究者を数人から10人程度集めれば十分に可能なレベルである。

中国の研究者の中には、欧米の望遠鏡時間を購入するために研究者グループを作って欧米の研究機関と交渉してくれる代表者みたいな人が何人かいる。私は同僚の紹介で、とあるリーダー役の人を紹介してもらい、まずは全予算の半分ほどを使って昨年望遠鏡時間を購入した。

しかし、まだ、予算が半分ほど残っているので、どうしたものかと思っていたのだけれど、今日、再び西欧のとある望遠鏡の観測時間が買えるかもしれないという話が舞い込んできた。前回の経験から言って、外国の望遠鏡時間を買う作業はかなり複雑だ。交渉を始めてから契約書にサインするまで半年から一年は見ておかないといけない。とりあえず、予算の有効期限もあるので、すぐに作業を開始することにした。個人レベルだと「お買い物」は楽しいものかもしれないが、研究費を使い切るのは結構骨が折れる作業だ。


中国語学習

単語と例文の暗記(15分程度)

2022年10月19日水曜日

【日記】無くなった中間試験習慣、電子決済アプリの本人認証再び

2022年10月18日(火) 

これまでうちの大学では、各学期の10週目が「中間試験週間」に指定されており、その週は講義がお休みになって、集中的に中間試験を行う段取りとなっていた。今学期も同じだと思っていたが、念のため教務に中間試験期間を再確認したところ、驚いたことに「今学期は中間試験週間は特に設けない」との返事が返ってきた。

中間試験を行う場合は、通常の講義時間を利用してやれということらしい。つまり、中間試験を課さない講義科目は試験の代わりに講義を行わなくてはいけないらしい。この状況を知らないで第10週に突入したら、講義をすっ飛ばして「教学事故」を起こしてボーナスが減額されるところだった。

過去にも書いたことがあるかもしれないが、うちの大学は(おそらく中国のほかの大学も似たような感じだと思われる)講義の管理規定が非常に厳しい。5分以上の遅刻、5分以上早い終了は「教学事故」扱いとなり、年末のボーナスが減額となる。そんな分けなので、遅くとも、講義開始の15分くらい前になると各教室にすでに教員がスタンバイしている。この時間管理の厳しさは日本の大学ではちょっと考えられないだろう。

先日の日記に、電子決済アプリで本人確認のための情報提出を求められた件にふれたが、あれから、さほど日数が経過していないのにもかかわらず、今朝再び同じ情報の提出を求められた。アプリの指示通りに情報を記入していったところ、前回よりも記入する項目数が少なく、パスポート番号に関しては記入する必要がなかった。

そういえば、赴任直後に電子決済アプリを使い始めたときにも、あまり日数を置かずに複数回、本人認証手続きを要求された記憶がある。もしかすると、本当に書き込んだ住所地近辺に留まっているかどうかを確認している、みたいなことはあり得るのかもしれない。


中国語学習

単語と例文の暗記(15分程度)

2022年10月18日火曜日

【日記】歯医者、講義準備、そして道徳教育の宣誓書

2022年10月17日(月) 

過去の日記にも書いている通り、今年の5月から「歯の矯正治療」を始めた。初期の頃の精密検査やら抜歯やら装置の装着やらのセットアップの時期が終了した後は、だいたい月一のペースで通院し、矯正装置の調整を行っている。先週矯正装置の調整をやったばかりなので、本来ならば次の調整日は来月の筈なのだけど、装置の一部が歯から脱落してしまい今日は緊急で歯医者に行ってきた。

先週、定例の調整に行ったときには、大型連休明けでクリニックがかなり混雑していた。完全予約制の歯科クリニックなので、通常は自分以外の他の患者を待合室で見かけることは少ないのだけれど、先週は同じ時間帯に3人も患者が待合室で待っていた。歯科医も、次から次に診療台を移動しており、見た目から知て忙しそうだった。今日はもう完全に元に戻っており、早めにクリニックに着いたら、すぐに診療室に通してくれて、時間よりも早めに治療を開始してくれた。

歯医者に行った後は自宅に戻ってひたすら講義の準備を進めた。秋学期の最後は毎年恒例の政府系グラント申請の準備で忙しくなるので、とにかく講義準備はさっそと終わらせて少しでも学期の後半に向けてゆとりを作っておきたい。

今年の講義で何を教えるかは基本的には既に決めているのだけど、講義の準備をしていると、あれも入れておけばよかった、これも話したかった、みたいなアイデアがいろいろと浮かんできて、関連した本を読み始めたりするともう無限に時間を使ってしまう。ティーチングというのは時間をかけはじめると、いくら時間があっても足りなくなるものだ。

夕方、職場から連絡があり、なにやら「道徳教育関連」の書類にサインする必要があるとのこと。どうやら、最近全国的に行われている「道徳関連」の書類で、「道徳関連の講義を聞いて、試験を受けて合格しました」といった感じの宣誓書にサインする必要があるそうだ。そういえば、少し前に「出来の悪学生は無視してよい、yes or no」みたいな問題をたくさん解く試験らしきものをオンラインで受けさせられたが、あれのことだろう。

中国語学習

単語と例文の暗記(15分程度)

2022年10月17日月曜日

【日記】「生まれつきの愛国世代」に関する雑感

2022年10月16日(日)

さて、今日から例の「党大会」が始まった。外交面等から今回の党大会がどのような意味があるのかといったことについては、西側メディアが繰り返し報じているので、自分から見ようと思わなくてもある程度の知識は入ってくるのだけれど、私個人として興味があるのは国家間の問題よりも「生活への影響」である。とりあえず、習近平の演説をざっと聞く限り、大局的にはそれほど大きな方向転換はなさそうである。

しかし、今の中国は、若者の中にあからさまな「愛国心」を示す人が多いのが特徴的だなと思う。私と同世代くらいの中国人だと、二人っきりで話をしているときは「党批判」的な話をする人も決して珍しくはない。おそらく、貧困な時代の中国を知っている世代だからだろう。

今の大学生や大学院生は、物心ついたときから既に中国はそこそこ裕福で、さらに彼らが成長するとともに増々裕福な国になっていっている。学生さんたちが「党にどこまでもついていきます」みたいな文言をSNSに流している背景には、一つには「とりあえず政治的に正しいことを言っておく」みたいな空気もあるのかもしれないが、もう一つの側面としては純粋に自分の出身国に自信を持っているということがあるのだろう。

ただ、若い時代に持つ母国に対する無条件の自信というのは本当に危ういものだと思う。私が小中学生だった1980年代の日本で、30ー40年後に日本がここまで衰退することを予想していた人が話してどれくらいいたであろうか。むしろ、今の中国の若者と同様に「日本みたいな平和で裕福な国に生まれて良かった」と思っている若い人が多かったんじゃなかろうか。

ロシアにいたときも、60才よりも上の世代、つまりソ連時代に青春を迎えていた世代と話をしたときに同様の雰囲気を感じた。彼らもまた、ソ連時代は良い時代で(崩壊前の衰退期を除く)、青春時代の楽しい思い出とともにソ連時代を懐かしむ話をいろいろとしてくれた。そして、その後に続くのは、ウクライナ関連の微妙な話だったり、ときには日本の領土問題の話しが出て気まずくなったりもしたものだ。

私は、なんとなくの素人考えではあるが、結局のところ、このような「生まれつきの愛国世代」が政権の中心となると国は衰退するのではないかと思っている。今のロシアはまさにそのような状況になっているといえるだろう。日本もそうだろう。戦争をしらず、戦後の高度成長期で良い思いをした世代が今の政治の中心を担っているである。彼らは愛国を叫び、そして国を衰退させているように見える。今の中国の若者が政権を担うのは、これから30-40年先くらいだろうか。そのころ、今の中国はどうなっているだろうか。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、ジャズコードI

2022年10月16日日曜日

【日記】7連勤開けの土曜日に急に舞い込んだ仕事

2022年10月15日(土) 

7連勤後の土曜日がようやくやってきた、と思ったのも束の間、土曜日の朝起きて、WeChatを確認したら職域のグループチャットに何やら不穏な着信が入っていた。何かと思って確認したところ、とあるグラントプロポーザルの執筆を一部分担して欲しいという依頼が舞い込んでいたのだった。

学科の教員全員を共同研究者として、広東省が公募している大型のグラントに応募しようという話が進んでいることは少し前に聞いていた。しかし、計画のコアになるテーマを専門とする教員が中心となってプロポーザルの準備を進めているとのことだったので、もう私には本文執筆の分担は回ってこないのだろうと想像していた。ところが、〆切間際になって、やはり共同研究者全員の専門で何か少しづつインプットがあった方が良いということになったらしい。

〆切は月曜日とのこと。しかし、学期中は他にも多くの〆切を抱えながら日々仕事しているので、この仕事を月曜日まで先送りにする訳にはいかない。仕方なく、金曜日の晩酌の酔いがまだ微妙に残っている体に鞭を打って、適当に思いつくことを英語で殴り書いて提出した。後は、中国語に翻訳する段階で中国人同僚たちがなんとかしてくれるだろう。

もう長いこと研究者をやっているので、研究テーマを適当に何か書けと言われたら、A4一枚くらいの文章はすぐにでっち上げることができる。しかし、勉強せずに頭の中にある知識だけを使って研究テーマをでっち上げると、当然ながら内容は浅くなる。まぁ、私が書いた部分だけでは計画としては話にならないが、30人くらいで少しづつアイデアを寄せ集めるような形で作る研究計画なので、私のアイデアも、その一部としては一応の役目は果たすであろう。

2022年10月15日土曜日

【日記】振替平日後の7連勤、講義準備に夢中になる日々

2022年10月14日(金) 

国慶節の後の土日が「振替平日」となったので、今週は今日まで7連勤することとなった。その結果、いつもの週よりも一回多く講義したので、今週はかなり忙しかった。今学期は通常でも週二回の講義が入っているので、一回増えると三回講義することになる。

三回分の講義を準備するためにはそれ相応の時間が必要で、私の場合は週三回(6校時)の講義は、研究グループのミーティングや、学生とのセミナーや打ち合わせが間に入ることを考えると、ほぼ限界の仕事量に近い。まぁ、瞬間的なことなのでエイヤッと乗り切るしかないのだが。

講義がある時期は確かに忙しいのだけれど、私は講義することや講義準備のために勉強することは嫌いではない。むしろ、やっていると面白くなってきていくらでも時間を投入してしまうので、研究の方が疎かになるという問題が発生するくらいである。

今日は次の講義で扱う「様々な天体までの距離決定方法」を勉強し直しながらまとめていたのだけれど、天体までの距離決定方法という分野は、天文学の中でも特に先人の知恵がぎっしりと詰まっている分野で、勉強しているととても面白い。

1800年代後半に、近傍の星までの年周視差が初めて計測されたのだけれど、ほぼ同時期に3人の天文学者が年周視差の計測に成功している。いろいろと資料を調べていると、この3人の研究者の先陣争いは相当苛烈だったようだ。1800年代後半の天文学者が当時使えた装置というと、小口径の望遠鏡と写真乾板ぐらいなのだが、これだけの道具で、どの星が近いか全くわからない状況で良く年周視差の計測に成功できたものだと思う。

彼らの戦略を見ていると、現在の天文学者の視点から見てもいろいろと学ぶものがある。また一方で、近代になってから考案された遠距離天体の距離測定にもいろいろな知恵が詰まっており、興味が尽きない。来週の講義は面白くなりそうだ。

2022年10月14日金曜日

【日記】エスカレートする◯大会の影響

2022年10月13日(木) 

来週月曜日から例の「党大会」が始まるわけだけど、生活圏の中にさらに変化が見られるようになってきた。ネット規制とコロナ規制が普段より厳しくなっていることは先日の日記に書いたが、コロナ規制についてはさらに厳しくなり、明日から職場に入るためには24時間以内のPCR検査の陰性証明が必要となるそうだ。

こうなると、もう自動的に毎日検査を受けないといけない。ネット規制は相変わらずで、通常なら安定していることで有名な某VPNサービスが、最近の一週間ほど非常に不安定な状態となっている。また、明日は職場の守衛室が「緊急事態」に備えての訓練を行うとのことで通知が来ていた。

ネット規制や守衛室の訓練はなんとなく党大会との関係性が想像できなくもないが、コロナ規制については、党大会が近づくとなぜ厳しくなるのか、正直なところ関連性がよく理解できていない。「党に忖度している」という話をしばしば聞くのだけれど、党大会が近づくと何か地方政府に特別な査察でも入るのだろうか。まぁ、それは良いとして、ネット規制とコロナ規制は早く元の状態に戻っていただきたいものである。

今日は講義の日なのでここまで。これから講義の復習を軽くやって、出勤する。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年10月13日木曜日

【日記】決済アプリの「本人認証問題」その後

2022年10月12日(水) 

さて、昨日の「本人確認の書類提出」の件について、続きを記しておこうと思う。パスポート更新後、銀行に登録しているパスポート番号をまだ更新できていないことが問題を複雑にしていることは昨日書いた。とりあえず、新パスポート番号を決済アプリに書き込むと銀行口座と連結できないことは100%確実である。

そこで、本人証明書類として古いパスポートの番号と写真をダメ元で提出してみた。次の日の朝、状況を確認されたところ、何やら決済サービスから通知が届いていた。過去の経験から、無事受理されていれば返事は来ないはずなので、この時点で既に嫌な予感しかしない。

メッセージを開けて、注意深く中国語を眺めてみたところ、やはり「不受理」であると書かれている。しかし、理由は明確には特定はされておらず、さまざまな可能性が列挙されている。なので、パスポートが原因で不受理なのか、それ以外が原因なのか特定ができない。

ただ、提出した古いパスポートの写真を改めて見直してみると、自分の指が写っており、なおかつ画像が若干斜めになっている。そういえば、可能性のある不受理となる理由の中の一つに「証明書類の写真の品質が低い」というのがある。

そこで、再度証明書類をオンラインで提出できないものかと決済アプリを操作してみたところ、どうやら、もう一度提出できるらしいことが分かった。ただし、2回目はルールがより厳しくなるようだ。まず最初に決済アプリと外部アプリとの連携を全て消去し、なおかつ決済システムにチャージされているお金を銀行口座に移して残金をゼロにしないといけない。そうしないと手続きが進められない仕様になっている。

また途中でトラブりそうな嫌な予感がしたが、仕方がないので言われたとおりに作業を行った。設定をもとに戻すの面倒だが仕方がない。決済システムを通販アプリ等から完全に切り離した後、今度は品質の良いパスポート写真を添えて個人情報を提出した。

さて、これでどうなったかというと、とりあえず提出してから24時間経過しても不受理の返事は届いていない。過去の経験から判断して、おそらく受け付けてもらえたようだ。まぁ、しかし、いずれにせよ、早く銀行に行って正式の手続きをしなくてはいけないのは確かである…。お金周りに関しては、中国ぐらしは外国人にとって本当に面倒なことが多い。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年10月12日水曜日

【日記】電子決済システムにおける「本人認証」

2022年10月11日(火) 

相変わらず今週は「綱渡りのスケジュール」が続いており、なかなか朝にゆっくりと日記を書く時間が取れないのだけど、昨日の件だけ状況を記しておこうと思う。昨日の日記に書いた「11日の朝に発生したトラブル」というのは、電子決済システムにおける「本人認証」の問題である。

中国の電子決済システムを使っていると、1年に一回程度のペースで本人かどうかを認証するために情報入力を要求される。情報を入力しないと決済システムが使えなくなり、日常生活に多大な問題が発生するのだ。

通常であればパスポートの写真と自分の写真をアップロードし、後は住所やら職場名といった細かな個人情報を入力するだけのことで、面倒ではあるが大きな問題にはならない。ところが、現在の私の状況では、もう少し複雑な問題が存在する。

6月末にパスポートを更新し「その後の後始末」が大変だったことは、この日記でも7月から8月にかけてかなり細かに記したが、実は、この後始末がまだ完全には終了していないのだ。その残っている後始末の一つに「銀行での登録パスポート番号の更新」がある。

中国の銀行は、窓口手続きに時間がかかることが多い。また、うちの近所の銀行は外国人の手続きに慣れていないため、いつも話がこじれる。なので、半日以上時間を割いて手続きを手伝ってくれる中国人を見つけないといけない。しかし、現在の職場は学期中で皆忙しい。

私自身も忙しいのでなかなか時間がとれない。そんなこんなでパスポート番号の更新が遅れているのである。最終的な期限までは、まだ数ヶ月あるので、講義期間が終わったら行こうと考えていた。

ところが、ここにきて急に本人認証の要求が舞い込んできて焦ったのである。なぜならば、上記のような理由で、居住登録の際に届けているパスポート番号と、銀行に届けているパスポート番号が一致していないからだ。この状態で本人確認書類として新しいパスポート番号を入力すると、銀行と電子決済システムの間の接続が切れてしまう。しかし、古いパスポートだと別の問題が発生するかもしれない。

とりあえず結論だけ言うと、最終的には問題をギリギリ回避する方法が見つかったのだけど、今日はもう時間がないので、また明日続きを記すことにする。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年10月11日火曜日

【日記】トラブル続き

2022年10月10日(月) 

基本的にこの日記は1日遅れで、前日のことを次の日の朝に書いているのだけれど、11日の朝になって、ちょっとややこしい問題が発生した。さらに、昨日からこまかなトラブルが続いていて、そちらの対処にも追われている関係で、今朝は日記を書く時間が取れない。詳細はまた落ち着いたら日記に書くつもり。

2022年10月10日月曜日

【日記】金曜日扱いの振替平日、近づく党大会とその影響

2022年10月9日(日) 

今日は日曜日だけれど「金曜日扱いの振替平日」に指定されているため出勤した。振替平日が金曜日扱いになると、講義も金曜日の時間割に従って行われる。私は現在金曜日の講義を担当しているので通常通り講義をした。当然ながら今週は「もう一度普通の金曜日」がやってくるので、一回余計に講義を準備しなくてはいけない。この不規則なスケジュール、事前に分かっていればまだ良いのだが、振替平日が何曜日扱いになるかは、かなり直前になってから発表されるのでかなり厄介である。

講義の後、修士課程の新入生が事務手続きのためにオフィスにやってきたので少し話をした。新入生はまだ私との英会話に慣れていないので、会うたびに必ず少し雑談することにしている。若さによる順応力というのはすごいもので、英語を使う頻度を上げれば必ず英会話能力は向上する。講義のクラスで多くの大学院生に接している経験から、指導教員が外国人か中国人かの違いは英語能力の向上という観点から、かなり決定的要因だという印象を持っている。

学部生の場合は、卒業研究の短い期間を除くと特定の指導教員につくことはないので、幼少期からの親の教育方針によって英語力に差がついているという印象がある。これは大学院の学生についても同じことが言える。

しかし、大学院生の場合、大学院入学後の環境がまた英語能力に変化をもたらすのだ。大学院では指導教員と密接にコミュニケーションをとりながら研究を行う。そのため、大学院で外国人教員につくか中国人教員につくかの違いは、幼少期からの家庭環境に匹敵するくらい、英会話運用能力に影響を及ぼすようなのだ。

実際、私についている学生は、1年たつとかなり英会話能力が向上する。去年入学してきた学生は、入学直後には、私と話すときに、英語が得意な同級生や他の中国人教員を「通訳」として連れてきたりしていたが、今では私と普通に研究上の議論をできるようになっている。今年の新入生の成長具合も非常に楽しみだ。

さて、今月16日から5年に一度の「党大会」が始まるのだけれど、生活の中にも徐々に影響が出始めている。顕著な影響は2つあって、防疫規制とネット規制だ。コロナ防疫の強化は非常に顕著で、感染者がゼロなのに予防的にロックダウンする街が出てきているようだ。うちの職場でも、ここ最近毎日のように「全数検査」が行われている。

ネット規制も、今回はかなり強力に行われているようだ。私は、これまで10種類弱のVPNサービスを実際に試し、最も安定している2つを選んで利用している。自身の経験からも、他の在中外国人の評判からもこの2つのサービスは極めて安定している、と思っていたのだけれど、そのうちの一つがついにここ一週間ほどでつながりにくくなっている。

ネットが中国外につながらなくなるかもしれないという状況は、中国に住んでいる外国人にとってはかなり不安なものである。まぁ、それは「お上」も承知しているはずで、だからこそ安定しているVPNサービスが少数生き残っているのだろうとは思う。だけれど、これをやり過ぎると外国人は中国を離れていっちゃうよ、きっと。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年10月9日日曜日

【日記】西シベリアの夏と中国ベイエリアの冬

2022年10月8日(土) 

昨日まで30℃超えの気温が続いていたが、今朝は25℃まで下がり、ようやく秋っぽい気候となってきた。中国ベイエリアの夏は、雨が多い上に気温が高く不快度が高いのだが、冬は一転して、寒すぎず適度な気温で湿度が低く、とても快適である。

中国に来る前に住んでいたロシアのエカテリンブルクという街は「西シベリア」に位置しており、冬は過酷で夏はとても快適な気候だったが、湿度や気温を調べてみると、西シベリアの夏と中国ベイエリアの冬はちょうど同じような気候である。湿度が低めで20℃前後くらいの気温が続く。今年もようやく過酷な夏が終わり、快適な冬が近づいてきた。

さて、今日は土曜日だったのだけれども、連休明けの「振替平日」なので普通に出勤した。うちの職場だけが平日扱いなのではなく、公官庁を含め、国全体が平日として行動するので、外に出ると土曜日の気配はどこにもない。完全なる平日である。

連休中の外出を制限するための「トップダウンの政策が疑われる様々な〆切」が連休明けの振替平日に設定されているため、職場内のグループチャットに多くのメッセージが流れていた。みなさん、連休中に必死に書類を作っていたようである。

中国の大学で3年ほど働いてみて思うのは、学生も教職員も、基本的には、国からトップダウンで降ってきた政策に文句をあまり言わず、かなり従順に従うことだ。影でも文句を言うという人も中にはいるのかもしれないが、少なくとも表面的には見えてこない。なので、全体的に、イヤイヤ従っているというよりは、「国のやることに従っておけば、そう大きな間違いはないだろう」と信頼しているという雰囲気なのである。やはり、これが成長著しい現代中国の特徴なのであろう。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために

2022年10月8日土曜日

【日記】混雑する無料PCR検査場、休日でも夜間でも学生の質問に対応する教員

2022年10月7日(金) 

連休最終日だけれど今日は出勤した。連休明けの土日は恒例の「振替平日」となるため、講義の準備を済ませておかないといけない。結局のところ7連休と言っても、本当に休めるのは2日程度である。まぁ、そうは言うものの、職を得られない苦悩に比べれば、目の前にやるべき仕事があるというのは幸せなことではある。

明日から学校や職場が再開ということで、それに備えて「陰性証明」を取得するために、今日は街の中の無料検査場がどこも混雑していた。自宅近くの無料検査場には検査待ちの列ができていたので、職場の検査場に行ったのだけれど、こちらも同じように長蛇の列が出来ていた。ただ、職場の検査場は検査官が非常に迅速に作業するので混雑している割には待ち時間は短い。コロナ禍勃発直後には検査場でかなり待たされたものだが、あの時から比べると検査官の「練度」の上がり方には著しいものがある。

今年の秋学期は、昨年の秋学期と同じ科目を担当しているのだけど、コマ数を数えてみると、どうやら昨年よりも5校時ほど多く講義しなくてはいけないようだ。なぜこのような差が出てくるかというと、振替平日のスケジュールが予め定まっていないからだ。上述の通り、連休前後の土日は平日になるのだけれど、振り返られた平日を「何曜日として扱うか」は各職場の判断に任されている。

この曜日の割り振りによって講義数が増えたり減ったりするのだ。今年は、カレンダーの並びが悪く、やたら多くの講義が土日に振り返られてしまい、結果として去年よりも5校時多く講義しなくてはいけない。年度初めに振替平日の割り振りを決めておいてくれれば予定が立てやすいのだけれど、いつも直前になってからスケジュールが決まるのが中国流である。

夕方、オフィスで仕事をしていたら、大学院生が研究の相談にやってきた。大学院生に限らず、中国の学生は、休日だろうが夜間だろうがお構いなしにいつでも教員に質問をする。欧米なんかでは「オフィスアワー」みたいなものを作って学生の質問時間に規制をかける教員が多いが、中国でそういうことをしている教員はあまりみかけない。

学生も、直接オフィスに来たり、SNSを使ったりと方法は様々だが、24時間いつでも質問を投げかけてくる。これに対応するのはかなり大変なのだけれど、多くの中国人教員は職務時間外であっても学生の質問に対応しているようだ。学習熱心な学生と、いつでも学生の質問に対応する教員がいる職場を見ていると、中国の国力には、まだ相当に伸びしろがあるだろうと思わざるをえない。


ある日の講義開始前のスクリーン

2022年10月7日金曜日

【日記】機能不全なロシア社会とリンクするウクライナ情勢

2022年10月6日(木) 

ロシアがウクライナに侵攻してから8ヶ月ほどになる。戦時の報道というものは信用できないとは言うものの、各国の報道を見渡してみると、ロシアが劣勢に立たされていることはほぼ間違いなさそうだ。最近では、劣勢を挽回するために大量破壊兵器をロシアが使用するのではないかという話もチラホラと取り沙汰されている。

私はロシアの地方都市(エカテリンブルク)に5年間住んでいたのだけれど、ロシアという国の印象を一言で言うと「社会システムがガタガタの国」という感じになる。実に多岐にわたる場面において、社会システムが正常に機能しないことによるトラブルに遭遇した。

トラブルに遭遇する場面は実に多様で、ほぼ生活のすべての局面を覆い尽くすと言っても過言ではない。日常的に利用する商店から、職場、病院、役所、銀行、ありとあらゆるところで問題が発生するのだ。

そういうときに、問題を解決する方法の一つが「上からの鶴の一声」である。システムが機能しないということは、問題を現場レベルで解決できないということでもある。そうなると「上の方」からの「指示」が必要となる。

例えば、私は職員寮に住んでいたのだが、赴任時に注文した備品がいつまでたっても届かない。壊れた玄関の鍵もいつまでたっても修理してもらえない。そこで、あるとき別件で副学長に会ったときに(この別件もまたトラブルであるが)、寮でのトラブルについて相談したところ、ようやく問題が解決する方向に動き始めた。

他に「もっとすごいトップダウン」を経験したことがある。赴任してから3-4年目のことだっただろうか、給料がいつまでたっても振り込まれず、いったいどうなるのかと、なんども職場に問い合わせていた。この件がどうやって解決されたかというと、驚いたことに「国から直接」私個人の銀行口座にお金が振り込まれたのだ。

送金元の名前が「連邦政府」だったので、当初、何かの犯罪に巻き込まれたのではないかとすら思ったのだが、銀行の窓口で状況を確認してみたところ、末端の公務員の支払い問題を解決するために連邦政府が直接お金を振り込むことはロシアではときどきあるとのことだった。つまり、国が連邦大学の現金出納係を信用していないという訳だ。

このように社会システムに問題を抱える国ではあるが、「軍だけは特別」という意識をなんとなく私は持っていた。こう考える理由の一つには「ステレオタイプ」があるだろうと思う。ロシア軍は、ソビエト時代の強大な軍隊の流れを組んでいるわけで、どんなに社会システムが杜撰であったとしても、軍だけは機能するだろうと、私みたいな素人が考えるのは、それほど不自然なことではないだろう。

また、ロシアに住んでみると、軍にだけはお金をかけていることが日常経験としてよく分かる。ロシアの軍関係の施設は、街の中に散在しており、日常的に目にすることになる。そのような街の中にある軍の施設は、他の公的施設と比べて外観が綺麗だ。また、軍学校への進学を希望する成績優秀な若者も多い。こういう状況なので、なんだかんだ言っても「軍は強いだろう」という想像は自然としていた。

しかし、最近の報道は「ロシア軍も、やはりロシアなのだ」という当たり前の事実を世に知らしめているように思う。社会の機能不全をそのまま戦地に持っていっている、そういう感じだ。ロシア社会の中では、最後は「トップダウン」で問題を解決することが常となっている訳だが、これは戦地だとどうなるのか。

ロシアの中の問題は、「トップダウンのレベル」を連邦政府まで上げていけば解決することも多いだろう。しかし、トップダウン戦略は、「トップが持つ圧倒的な権力」が前提となっている。ロシア以外の国と相対している戦地では、「トップが持つ圧倒的な権力」とは軍事力ということになるのだろうけれども、軍隊が機能不全を起こしていたのでは、もはやこの前提はなりたたない。さて、この先、いったいどのような展開がまっているのだろうか…

中国語学習

単語と例文の暗記(15分程度)

2022年10月6日木曜日

【日記】やる気にスイッチが入らない連休明け、驚愕の超高精度時間計測技術

2022年10月5日(水) 

連休5日目だがそろそろ仕事を再開しないと連休明けの講義に準備が間に合わなさそうなので今日は休日出勤した。コロナ前は、長期連休に職場に行くとほとんど誰も人がいなかったものだけれど、コロナ禍勃発以降は、大学に居残る院生が一定数いるので休暇中の職場もそこそこ賑やかである。教員の方は流石に休んでいる人が多いが、それでも一部の教員は連休中もオフィスやら実験室にこもって仕事しているようだ。

四日間、フルにボーっとしていたので、なかなかやる気にスイッチが入らなかった。濃いお茶をすすり、しばらくSNSを眺め、休み前にどこまで仕事を進めていたかを徐々に思い出し、オフィスに来てから2時間後にようやく仕事に着手した。一度始めれば集中力が一気に高まるので、あとは一気呵成に作業を進めることができる。3時間ほど作業して一応今日の目標ラインまで作業を終えることが出来た。

今日講義スライドを準備していた単元は「天文学で使用する時間システム」に関するもので、その中で「1秒の定義」について触れる予定だ。国際単位系における「1秒」は、現在はセシウム原子を使った原子時計に基づいて定義されている。より具体的に言うと、セシウム133原子の基底状態にある超微細構造線の周波数が基準となっている。

このあたりの話は、天文学的な観点からもいろいろと話を派生させることができるので、天文学入門講義で扱うのにはとても良い教材だと思う。セシウム133の超微細構造線から派生して、天文観測で扱う超微細構造線の話をしてもよいし、原子時計の話から超長基線干渉計観測について話すこともできる。とにかく「1秒の定義の話」は天文学の教材としてなかなか便利なのだ。

今日のノルマを達成した後は、いろいろとスライドに書いたことの発展事項や裏付けをとるための調べごとをして過ごした。一つ面白かったのは「現在の最先端の原子時計はどの程度の精度を達成しているのか?」という疑問について調べた結果だ。この問題はなかなかに興味深くて、現在は「光格子時計」という技術を使って10のマイナス18乗秒という精度を達成しているようだ。

上述のセシウム133の超微細構造線を使った原子時計の精度は10のマイナス18乗秒程度と言われているので、それと比べて実に1000倍もの精度を達成しているわけだ。光格子時計もストロンチウム原子を用いた原子時計の一種なのだが、私のざっぱな理解では、光格子時計の中では、100万個程度の原子時計を一度に使って平均をとるようなことが行われている。平均をとることによって計測精度が上がるというわけだ。精度の凄さもさることながら、アイデアがとても面白い。この技術もきっと近い将来ノーベル賞をとることだろう。


光格子時計の概念
(上記リンク先より引用)

中国語学習

単語と例文の暗記(5分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、ジャズコードI

2022年10月5日水曜日

【日記】そろそろ始まる卒論シーズン、ノーベル賞受賞者グループ出身の同僚

2022年10月4日(火) 

連休四日目。当初は2日ほど休んだら仕事を再開する予定だったけれど、やる気が行方不明になっており、今日も無為無策な一日を過ごした。しかし、経験的に、ダラダラしてしまう時は休みが必要なときでもあることは良く分かっているので、そういうときは体の欲するままにダラダラすることにしている。学期後半の講義の準備をそろそろ始めなくてはいけないので、この連休中、フルにダラダラできるのも今日あたりが最後となるだろう。

某キュレーションメディアを眺めていたら、「AI Programmer」というWebサービスを紹介する記事が出ていた。どんなものかと実際に試してみたところ、コーディングして欲しい内容を日本語で指示すると、それを実現するコードが返ってくる。もちろん、そんなに複雑なコードは作ってくれないのだが、ちょっとど忘れした関数を調べる目的なんかにはかなり使えそうだと思った。まぁ、言ってみれば、非常に高機能な検索機能が付いたプログラミング言語のチートシートといったところか。

私が学生の頃にプログラミング言語の学習をしようと思ったら、まずは「紙の本」を買うところから始めていたし、しばらくプログラミングから離れて関数名なんかを忘れると、再び紙の本をひっくり返しながら、時間をかけて調べ直しながら作業しなくてはならなかった。あの時代と比べると、本当にあらゆることが便利になってきている。

数日ぶりに職場のメールを確認したところ、学部生の卒論テーマを考えるようにとの指示が教務から入っていた。昨年は卒論を学術論文として出版したいという意欲のある学生がいたので、それに合わせて高度なテーマを設定したが、今年はそういう学生がいないので、比較的短期間にできる簡単なテーマを設定する必要がある。さて、今年は何をやってもらおうか。

今日は、今年のノーベル物理学賞の受賞者発表の日だった。今年は量子情報分野の基礎研究が受賞対象となり、パリ・サクレー大学のアラン・アスペ教授、クラウザー研究所のジョン・クラウザー博士、そしてウィーン大学のアントン・ツァイリンガー教授の3人が受賞された。

WeChatモーメンツに流れてきたメッセージによると、うちの職場のフランス人同僚はアラン・アスペ教授のグループ出身だそうだ。うちの職場が採るべきところからきっちり人を採っていることを再認識した。件の同僚の話では、アスペ教授は実験が素晴らしいだけでなく、とても良い講義をする人らしい。そして、師匠の影響なのか、アスペ教授の弟子にも良い講義をする人が多いとのことだ。まぁ、そういうティーチングもしっかりやる人だからこそ影響力が大きくなるのだろう。ノーベルレクチャーが楽しみである。

今年のノーベル物理学賞受賞者

2022年10月4日火曜日

【日記】益川さんの「チャーミングさ」、防疫規制で変化する商店街の様子

2022年10月3日(月) 

連休が始まる前は「連休中に論文の執筆を進めよう」などと殊勝なことを少し考えていたが、こういう考えが実現したことは未だかつて一度もない。休みの日に研究が進むこともあるのだけれど、そいういう場合の研究は予め「TODOリスト」に入っているものではなく、休日のゆとりのある時間の中で、ふと思いついて始めた勉強や計算やらがきっかけだったりすることが多い。しかし、あまりにも忙しい期間が続くと、数日程度の連休では疲労を回復させることだけで精一杯となり、「ゆとりから始まる研究」まで行き着かないことが多い。

数日前に読んだ益川敏英さんの自伝で益川さんの「チャーミングさ」にハマってしまい、休みを利用してもう一冊似たようなエッセイを読んだ。今回読んだ本は「ノーベル物理学者が教える「自分力」の磨き方 Kindle版、益川 敏英 (著)」だ。


益川さんのキャラが良いなと思う理由は、言動から人生を楽しんでいるでいたであろうことが良く伝わってくるところだ。本書によると、益川さんは一時期クラシック音楽にハマって、自宅のオーディをが故障するまでの10年間ほどの間、物理学の論文をほとんど書かなかったらしい。

今の時代では考えられない話だが、しかし、そういう行動が許されるゆとりのある時代の空気と、物理学以外のことでも、興味のあることは何でもとことん楽しんでしまう益川さんのキャラが上手くマッチして、大きなイノベーションに結びついたのではないかという気がする。2つほど、目に止まった文章を引用しておこうと思う。
大切なのは、「憧れ」です。人生は一度きりですから、「憧れ」を追求して悪いことなどありません。「自分が何をしたいか」「何に興味があるのか」を曖昧にしたまま生きていくことは、とてももったいないことだと思います。

 今いちど、子どもの頃に抱いた「憧れ」を思い出してください。そこから才能を見極め、自分力を高めて創造性を発揮していってほしいのです。

夕方、近所の商店街まで、散歩がてら妻と歩いてでかけ、途中にある無料PCR検査上で検査を済ませてきた。国慶節ということで商店街には国旗が飾り付けられてはいたが、できるだけ外出しないようにとの勧告が地元行政当局から出ているため、人出はとても少なかった。

私は普段、滅多に実店舗で買い物しないので、商店街に行くのはおそらく数ヶ月ぶりだったと思う。久々に行くと閉店している飲食店がさらに増えていた。こう頻繁にコロナ感染による外出規制をかけられたのでは、飲食店が耐えられないのは理解できる。非常に厳しい防疫規制を行っている中国だが、店舗経営者に対するサポートは限定的だと聞く。ただ、飲食店が潰れる一方で、飲食以外の店が多数オープンしていて、まだ根本的なところで「ビジネスの火」みたいなものは消えていないという感じはした。

防疫規制の影響で人が少ない近所の商店街

2022年10月3日月曜日

【日記】在中日本人研究者に関する新聞記事、久々に眺めたロシアのローカルニュースサイト

2022年10月2日(日) 

また日本の新聞に「在中日本人研究者」に関するインタビュー記事が掲載されたらしく、今朝はSNSに多くのリンクが流れてきた。日本のメディアが在中日本人研究者を扱う時は「日本人研究者が中国で働くことが日本の国益にならないから、なんとかしなくてはいけない」といった論調になることがほとんどである。私はこの論調に全く同意しないので、「在中」を理由にした日本メディアからの取材依頼には一切応じないことにしている。しかし、相も変わらず、同じような記事が何度も出てくるものだ。

どうせ、こういう記事を書くのであれば、在中の日本人研究者だけさくっとインタビューするのではなく(もうそういう記事は既にたくさん出ているし)、中国の人材計画で招聘された様々な国籍の研究者をじっくりとインタビューして、さらに中国の大学の様子も現地に来てしっかりと時間をかけて取材して、中国の人材計画の全体像を浮き彫りにするような重厚な記事を書いてほしいものだ。

連休ということで時間があったので、久々にe1.ruの最近の記事をざっと眺めてみた。e1.ruというのは、ロシアのエカテリンブルクという都市の地元ニュースサイトだ。私がエカテリンブルクに住んでいた5年間の間、毎日眺めていたサイトである。

プーチンが部分動員を発表する以前に一度e1.ruを見たときには、戦争を意識させるような記事は少なめだったが、今日見てみたら様相が一変しており、「動員」に関連した記事が大量に掲載されていた。私はこのニュースサイトの「平常時のトーン」を知っているだけに今のロシアの混乱ぶりが非常に生々しく伝わってくる。

動員に関しては、対象外とされているはずの重篤な病気の人や高齢者、子供の多い家庭の男性等も無差別に招集されていることが記事から見て取れる。近隣の小さな村で「アル中患者以外、男性は全員招集された」といった記事も出ていた。他にも、男性社員の多くが招集されたため中小企業の経営が行き詰まっているといった記事や、持病持ちの人が徴兵された場合に薬は携行できるのか、何を持っていくと役に立つか、といった動員された人の心配事に関する記事も出ていた。

正直なところ、私はプーチン政権を支持しているロシア人に同情するつもりは全くない。私がロシアに住んでいるときにも、年配のロシア人に領土問題に関して絡まれたりもしたものだが、そういう連中については、これから衰退(そしておそらく崩壊)していくロシアの中で、じっくりと責任をとっていただきたい。ただ、反政権的なロシア人が多くいるのも事実で、そういう人たちが招集されて命の危険にさらされることは本当に不憫で仕方がない。まったく、不幸な状況になってしまったものだ。



中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

2022年10月2日日曜日

【日記】移動が抑制されている連休の状況、出前の「北京ダック」が安くて旨い

2022年10月1日(土) 

国慶節の連休1日目。朝起きて、例によってWeChatを開け、最新の状況を確認したところ、なにやら管理会社から不穏なメッセージが舞い込んでいた。小区の出入り口が一箇所を除いて閉鎖されたらしい。「小区」というのは、中国独特の概念で説明が難しいが、「地域行政における最小単位」という説明がおそらく正解に近いだろう。

小区は塀で囲まれていることが多く、普段は幾つか塀に設置された門から自由に出入りできるが、コロナの感染者が見つかるなどすると、門が閉められて封鎖されてしまう。考えてみると、小区というシステムはコロナ前から中国に存在するわけで、中国という国は、常日頃から必要に応じて人々の移動を制限するための環境を整備していたということになる。

まぁ、それはさておき、マンション管理会社からの連絡によると、うちのマンションがある小区は一つの門を残して他の門を閉め、残った一つの門を通過する住民全員に対してPCR検査をおこなう意向だそうだ。さらに「急用がない限り外出するな」というお達しが回ってきた。

さらに、今度は職場からのメッセージが舞い込んできた。中国語を注意深く読んだところ、広東省の大型グラントに学科全員をメンバーとして応募するとかで「休み中にプロポーザルを分担して準備しましょう」という話らしい。原稿の〆切が連休最終日に設定されている。

平日ならグラント関連のメッセージが来ても何も不思議ではないが、連休の初日にこういう比較的大きな仕事を強制的に教員に割り振ってくるという状況には、どうも不自然なものを感じざるを得ない。SNSを見ていると、全国的に人の移動を抑制するような動きがあちこで見られる。広東省の大型グラントの急な公募も、もしかすると関係者を準備に専念させて移動させないことが真の目的なのかもしれない、などと勘ぐってしまう。

さて、とりあえず連休初日ということで、夕食はごちそうを誂えた。まぁ、ごちそうといっても、出前サービスの範囲内で美味しそうなものを選択しただけなのだけど、それでもやはりそこは中国のこと、近所にも美味しいものが豊富にある。

今夜選んだメニューは「北京ダック」と「お好み焼き」だった。どちらも、安くて旨い。特に北京ダックは、これだけ本格的なものを日本円にして僅か1200円程度(二人前)で食べられるのだから、嬉しくなってくる。お好み焼きも日本の店で通用するレベルの味で、しかも1枚800円程度と安い。アメリカやロシアに住んでいた時期を思い起こすと、今は食に関しては本当に天国のような環境である。

出前で誂えた北京ダック

ネギ、キュウリ、甜麺醤を添えて皮にくるんで食べる。
この皮がまた非常に旨い。

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために