2022年7月31日日曜日

【日記】2022年7月30日(土) 、エチレンガスが熟成の鍵、「バッタを倒しにアフリカへ」を一読

昨日お裾分けでもらったマンゴーについて、同僚が「しばらくリンゴやバナナと一緒に保存しろ」というようなことを言っていた。マンゴー農家がそのように言っていたそうで、何か理由がありそうだけれど瞬間的にはよくわからなかった。少し調べてみたところ、どうやら「エチレンガス」を放出する果物と一緒に保存すると、エチレンバスの作用で熟成の度合いと速度が増すということらしい。天体みたいな単純なものを研究対象としている科学者からすると、植物みたいなものは複雑すぎて全く理解できない。

しばらく前にブームになっていた「バッタを倒しにアフリカへ」(前野 ウルド 浩太郎 著)という本を遅ればせながら一読した。前野さんという若手の昆虫学者が、自身の研究の様子をエッセイ風に綴った本である。研究の話が題材にはなっているが、研究活動を通して触れ合った人々との関わりや、モーリタニアの現地の雰囲気、研究にかかわる様々なトラブル等々について、小気味の良い文体でテンポよく語ってくれている。

話には2つの軸があって、一つはサバクトビバッタという種類のアフリカで時々大量発生して大問題を引き起こすバッタの研究で、もう一つ軸は、まだ定職を得ていない得ていない若手の研究者(ポスドク)が職を得ようと必死に奮闘する「研究者サバイバル物語」である。2つの軸といったが、もしかすると後者の方がメインテーマといえるかもしれない。

本を読ませるための脚色もあるのかもしれないが、本書の中では、前野さんはかなり自分の能力や業績について自虐的な書き方をされている。しかし、実際は海外学振を獲得してモーリタニアにわたり、その後も京大白眉研究員を経て国立の研究所でテニュアトラックの職を得られているので、若手研究者の中ではトップクラスであることは間違いない。

そのような人であっても、研究者が職を得るのが大変であることがこの本を読むとひしひしと伝わってくる。小中学生くらいの年齢の読者がこの本を読むとどのような感想を持つのだろう、といったことを読後にふと考えていた。あまりにも研究者をとりまく環境が過酷なので、やはり研究者を目指すのは諦めようと思うのか、それとも前野さんのように就職が大変でも大好きな研究をやってみたいと思うようになるのか。

ひとつ気になったのは「研究で有名になりたいのではなく、研究するために(就職するために)有名になりたい」というようなことを前野さんが書かれていたことである。前野さんに限らず、最近はまずメディアを利用して知名度を上げて、それを利用して研究資金を調達するといった研究戦略を立てる個人や研究グループが多いように思う。ただ、こういう状況が良いかと言われると、決して手放しで良い状況とは言えないようにも思う。

紙袋に入れて熟成中のマンゴー

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために

2022年7月30日土曜日

【日記】2022年7月29日(金) 、お裾分けのマンゴー、EHTデータ再解析についてのセミナーに参加

中国で贈答品として果物を贈るとき、相手が食べきれないぐらいの量を贈ることも多いようで、同僚からお裾分けを貰うことが時々ある。今日はマンゴーのお裾分けが回ってきた。お裾分けしてもらったマンゴーは卒業生から何かのお祝いとして送られてきたとのことだった。

あまり細かな事情は聞かなかったのだけれど、日本の七五三的な感じの、子供の成長に関係するお祝いごととのことだった。私が赴任する前の卒業生なので私は面識がないのだけれど、就職先を聞いたら誰もが知っている超有名IT企業だった。最近中国では学部卒だと就職難らしいが、博士号があると状況は異なるようだ。

マンゴーを持ってきてくれた同僚としばらく立ち話をして近況を聞いていたら、ハイキングやら研究会やら、休みを利用していろんなところに出かけているようだった。最近では防疫規制のやり方も少しづつ変わってきており、リスク地区が乱立している状態でも移動はそれなりにできるようになってきている。

夕方、日本の某大学主催で行われたオンラインセミナーを聴講した。スピーカーは国立天文台の三好真さんで、トピックは最近話題になっている「ブラックホールシャドー観測のデータ再解析」についてである。日本語のセミナーにも関わらず参加者が150人を超えていた。この件について、VLBI観測や電波干渉計観測に詳しい人達がどのように考えているか興味があったのだけれど、その道のプロが何人か参加していて、彼らからの出た質問やコメントがとても興味深かった。しかし、結局のところ、この件に決着をつけるためには、ブラックホールシャドーを撮像できる十分な性能を持った装置を作って、確認観測をするしかないのだろうと思う。

お裾分けでもらったマンゴー

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)、ラジオ聞き流し

2022年7月29日金曜日

【日記】2022年7月28日(木) 、最初の関門「停留許可申請」が受理された

工作許可を省から市へ移す手続きに必要な証明書類の発行を大学に依頼していたのだけど、なんらかの認証をとるのに手数料が発生したようで300元支払った。なんだかんだでけっこう費用がかかる。自分の都合で手続きが発生しているのなら手数料を払うにしても納得がいくのだが、省から市への業務移管は「お上の都合」なので、この移管に起因する手続きのために費用を申請者側が負担することにはなんだか違和感を覚える。しかし、まぁ、文句を言っても仕方がない。

中国の役所に提出する証明書類の大半はコピーで良いのだが、中国内の在職証明については原本が必要とのことで、朝一に大学の事務サービスセンターに行って在職証明書を取得してきた。在職証明や給与証明等のスタンダードな証明書は、自動証明書発行機で簡単に取得することができる。職員IDでセンサーにタッチして、後は必要な証明書の種類と枚数をメニューから選択するだけだ。非常に便利なシステムなのだけれど、ディスプレイの表示言語が中国語のみなので、この機械の恩恵に預かれる外国人は多くはないだろう。

午後2時に、再び出入国管理局に手続きに行った。これでパスポート更新後、出入国管理局を訪れるのは4回目である。今回の目的は前回と同様、居留証申請の時間を稼ぐために妻の「停留許可」を申請することである。前回足りないと言われた「省に対して工作許可をキャンセルする申請を行った証明書」はしっかりと手元にある。受付でさらに細かい指摘を幾つか受けたがアテンドしてくれた院生さんがなんとか上手く説明してくれて危機を乗り切った。

ここの役所は、他の行政機関のシステムを把握していないことも多く、電子媒体として発行された書類なのに「原本を見せろ」などということを平気で行ってくる。こういう状況を見ると、役所間の連携がとれていないことがよく分かる。あと、嫌がらせなのか、それとも規定で決まっているのかわからないが、出入国管理局の担当官は、私が途中まで書いてアテンドの院生さんに中国語部分を書き足してもらった書類フォームを見て「全部、同じペンで書かないとだめだ」というクレームを付けてきた。結局、全部書き直す羽目になってしまったのだけど、どうも釈然としない対応だ。

とりあえず、紆余曲折はあったが、なんとか今回の手続きの最初の関門「妻の停留許可」の申請書が受理された。後日、停留許可のスタンプが押されたパスポートを自宅に宅配便で送ってくれるそうだ。いつごろパスポートが配達されるのか聞いたのだが、はっきりとした返事はなかった。現在の居留証の期限までには届くはず、とのことだったが若干心配ではある。まぁ、中国に限った話ではないけれど、このパスポートを取り上げて手続きするという方式は、なんとかならんもんか。

珠海市出入国管理局(4回目の訪問)

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)、ラジオ聞き流し

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために

2022年7月28日木曜日

【日記】2022年7月27日(水) 、ようやく届いた工作許可キャンセル証明書

今回のパスポート更新後の後始末のここまでの顛末は以下のような感じだ。
  1. 「パスポート番号が変わったので居留証に登録したパスポート番号を変更してください。あと、妻の居留証の期限が近いので更新をお願いします」と出入国管理局に申し出たら書類不備で断られ、必要書類のリストを渡される。
  2. 必要書類にある書類を取り揃えていったら、工作許可証が珠海市発行のものではなく広東省が発行したものという理由でまた断られる。工作業務が省から市に移管されたので、まず工作許可証を更新せよとのこと。
  3. 工作許可証の更新(市への移動)には時間がかかるので、妻の仮の滞在許可(停留許可)を申請しに出入国管理局に行ったがまた断られる。省が発行した工作許可をキャンセルしたという証明書がいるとのこと。
というわけで、その後、工作許可のキャンセル申請を行い、やっと今朝、広東省から工作許可のキャンセル証明が届いた。明日、再び珠海市の出入国管理局に行って妻の停留許可申請を行う予定だ。しかし、省から市への工作許可業務の移管に関連して、なんで、こんな面倒な作業が必要なのか、未だに理由が良くわからない。工作許可業務を省から市に移管するなら、市が省から情報を引き継げば良いのに、なぜそれをしないのだろうか。

ようやく届いた工作許可キャンセル証明書

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年7月27日水曜日

【日記】2022年7月26日(火) 、ブルーバックスを大人買い、それでもロシアよりはまし

朝、予定を確認するためにiCloudのカレンダーを開けようとしたら「接続エラー」というメッセージが表示されて開くことができなかった。つい先日も同様のエラーでiCloudのメールを使うことができなかった。こういうトラブルがあると、真っ先に思いつくのが「中国のネット規制」の影響なのだけれど、VPNのオンオフと関係なくエラーが出るので、これはおそらくiCloud側の問題なのだろう。

TwitterのTLを眺めながら朝食をとっていたら、「ブルーバックスの電子書籍が30%オフ」という広告がながれてきて、ついついつられて一気に10冊以上ポチってしまった。ブルーバックスや科学系の啓蒙書を買う時、若い頃は最先端の研究の解説書を買うことが多かったが、最近は大学での講義経験豊富な著者が古典的なテーマをじっくりと解説した本に手が伸びることが多い。本選びの傾向が変わってきた根底には自分が大学で講義をやっているということがあると思う。

さて、難航している居留証の手続きは、とりあえず省に申請している書類の到着を待たねばならないということで、一旦手続きに関わる心配事は横において、今日は朝から秋学期の講義の準備を進めた。居留証関係の手続きが不規則にスケジュールの中に割って入ってくるので、講義の準備がかなり遅れ気味となっている。今日は以前から頭の中で考えていた「天文学における速度系」の解説スライドを一気に10枚ほど作った。

夕方、再び居留証関係の用事が割り込んできた。今度は珠海市の工作許可担当部署が、提出した書類に何やら文句をつけてきたらしい。提出した書類の中に、日本の外務省と法務省、および在日中国大使館の認証がついた文書があるのだけど、その文書の認証部分に書かれたアルファベット表記の外務省の担当官の名前を「中国語に訳せ」というのだ。

最終的には、在日中国大使館が付けた認証文の中に上述の外務省職員の名前の漢字表記が出ているのを学科の秘書さんが見つけてくれて事なきを得たが、それまでに1時間ほどの時間を検索作業等で無駄にしてしまった。

そもそも認証部分は書類の本文ではないし、正式の書類であることは中国の在外公館によって認証されているのに、なぜこのような煩雑な手続きを申請者に要求してくるのかが良く分からない。実際、同じ申請を広東省に対して行ったときは何も問題にはならなかったのだ。珠海市の担当者が規則を理解していないのか、それとも規則がここ1-2年の間に変わったのか、事情は分からないが、とにかくなんでも中国語で書かないといけないようだ。

そんなこんなしているうちに、ロシアのときは「パスポートをロシア語に翻訳せよ(認証も必要)」と言われて困惑したことを思い出した。中国ではパスポートはそのままで受け付けてくれる。困ったときは「それでもロシアよりはまし」と言いながら我慢することが多い今日このごろである。


中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)、ラジオ聞き流し

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために

2022年7月26日火曜日

【日記】2022年7月25日(月) 、「役所の対応が悪い国」ワーストワン

パスポート更新後に中国内で行わなくてはいけない手続きの一つに「SIMカードを買ったキャリアに新しいパスポート番号を届ける」という項目を上げている経験談をネット上で見かけたので、同僚に頼んで中国移動と中国電信に問い合わせてもらったところ、「届け出は必要ない」とのことだった。一つ手間が省けた。

中国に住んでいる日本人はかなり多いはずだが、手続き関係の経験談は役に立たないことも少なくない。これには様々な要因があると思う。要因の一つとして、中国では比較的短期間の間に規則が変更されることが挙げられるだろう。他にも、手続きの内容に地域差があること、身分によっても手続きの内容が変わること、そもそも情報が間違っていること等々、さまざまな理由でネット上の情報を参考にする際には注意が必要である。

午後から、妻の停留許可申請を行うために出入国管理局に行った。これで今回3回目の訪問である。そして、あろうことか、またまた書類不備で追い返されてしまった。妻の停留許可を得るためには、私が省から発行された工作許可をキャンセルしたという証明書がいるらしい。ここの役所は本当に不親切極まりなく、毎回不備な書類を「一点だけ」指摘して、手続きの全貌を説明しない。申請者を何度出直させても平気なようである。

出入国管理局から帰ってきたとたん、今度は工作許可を申請している珠海市当局ら書類不備の通知が来た。日本の外務省の公印証明と、在日本中国大使館と東京法務局による認証付きの中国語翻訳が付いた学位記の中の、僅かな日本語部分(東京法務局が書いた「署名が正しい」という部分)を中国語に翻訳する必要があるというのだ。

この珠海市当局の要求には非常に困惑してしまった。というのも、2年数ヶ月前に、最初に
広東省に対して工作許可申請を行ったときはこの問題は全く問題にならなかったからだ。工作許可業務が市に移管されてから日にちが浅いので現場の担当者が熟練していないのだろうけれど、それにしても対応がひどい。省から市へ業務の引き継ぎが適切に行われていないのだろう。

今まで経験した「役所の対応が悪い国」のワーストワンはロシアだったが、中国はそのさらに上を行っていることは間違いない。現場が不親切というだけでなく、システムとして上手く機能していない部分も多いと思われる。国民向けの手続きはIT化が進んでいて、かなり快適になっているのだろうけれど、役人が直接対応することになる「外国人向けの手続き」となるととたんにトラブルが続出するようだ。

珠海市出入国管理局

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し

2022年7月25日月曜日

【日記】2022年7月24日(日) 、1000ヶ所を超えた中高リスク地区数、近所の派出所からの電話

狭い範囲をピンポイントでリスク地区に指定するように国の方針が変わって来ていることも影響はしているのだろうけれど、それにしてもリスク地区数がなかなか減らない。職場から毎日回覧されてくる中国全土のリスク地区数リストによると、中高リスク地区だけでも1000ヶ所を超えているようだ。珠海市のリスク地区数も相変わらず広東省の中では突出して多い状態が続いている。

パスポート更新後の関連手続きが難航している原因の一つは間違いなくコロナ規制だ。おそらく私と同じようにコロナ規制の影響で重要な行政手続きができずに困っている人も相当数いるのではないかと思う。中国の場合、規制によって出る影響についての対策等をほぼ何も考えずに、問答無用で規制をいきなり始めてしまうので、状況によっては本当に難しい問題に巻き揉まれてしまうこともあり得るだろう。

先週の金曜日に国际旅行卫生保健中心で健康診断書を入手したことで、居留証更新に向けての複雑な手続きの第一段階となる「妻の停留許可申請」に必要な書類がすべて揃った。そういうわけで、明日は出入国管理局に行って手続きを行う予定なのだけど、これまで出入国管理局では、2回も書類不備で追い返されているので、できれば中国人同僚に役所で手続きを手伝ってほしい。しかし、感染状況が相変わらず厳しいために、なかなか一緒に来てくれる人が見つからない。状況が状況だけにあまり無理も言えないし、難しいところではある。とりあえず、一緒に行ってくれる中国人を探しつつ、今日は職場で提出用書類のコピーやスキャン画像の作成を行った。

オフィスで事務作業をやっている最中、役所っぽい固定電話の電話番号から何度もスマホに電話がかかってきたので出てみたところ近所の派出所からの電話だった。つい最近、住民登録をやりなおしたばかりだったので、何か登録情報の不備でも見つかったのかと思ったけれど、要件はそういうことではなく、どうやらコロナ絡みの行動確認と注意喚起のための電話だったようだ。最近珠海市から出ていないか、最近PCR検査をいつ受けたかとかそういう質問をいろいろされた。

名前を聞かれたので「Junichi Nakashima」だとアルファベット綴を一文字づつ言いながら返事したら「中国語の名前はないのか?」と聞いてくるので、「漢字表記の名前はあるが、警察に登録している名前は英語表記だ」と言ったら、「英語は分からないからもういい」と言って電話を切られた。珠海市は外国人住人急激に増えつつあるので、警察もそろそろ英語対応できるように体制を整えた方が良いと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し

2022年7月24日日曜日

【日記】2022年7月23日(土) 、「冷房付検査ボックス」が珠海に登場、案外美味しい中国の鰻

昨日から、うちの社区の検査場にも「冷房付検査ボックス」が登場した。この中に防護服を着た検査官が入って、窓から手だけを出して検体を採取するのだ。先月、広州に行った時、広州市内のあちこちでこの検査ボックスを見かけたが、ようやく珠海にも導入されたようだ。ここしばらく暑い日が続いており、防護服を来た状態では検査官が熱中症になるリスクが非常に高いだろうと思う。現在のペースで検査を続けていくなら必要な設備だろう。

昨日、拱北口岸に健康診断書を取りに行く時、タクシーの車窓から珠海市内の検査場の様子を見ていたのだけれど、どうやら検査ボックスは珠海市内全域で一斉に導入されたようだ。ただし、全ての検査上で導入されたわけではないようで、相変わらず猛暑の中、野ざらしの状態で検体採取をしている検査場もあった。

しかし、それにしても夥しい数の検査ボックスが導入されたので、かかったお金の方も相当なものだろうと想像される。巨額の予算を投じて、このような検査体制の整備を行うということは、中国はまだまだ「ゼロコロナ政策」を続けるつもりなのだろう。いったいこの先、どのような形でこのコロナ禍は収束していくのだろうか。まだまだ先が見えない日々が続く。

今日は「土用の丑の日」とのことで、Twitterの日本語タイムラインには鰻の話題がたくさん流れていた。私は昨日、一足先に珠海市内のイオンで鰻の蒲焼きを買ったのだけれど、値段は1尾おおよそ80元だった。日本円に換算すると約1600円ということになる。日本のスーパーの惣菜コーナーに並んでいる鰻の蒲焼きよりも若干安めかもしれない。イオンのお惣菜コーナーで購入したので、日本人の技術指導が入っているのか、蒲焼の味は上々だった。中国の鰻も十分においしい。(それに、中国で中国の鰻を食べれば「国産」だったりする。)

夕方、妻と近所に用足しに出た帰り、小区の門の前で小さな子供が門衛に対して元気いっぱいに「帮忙开一下门!谢谢!」と大声で言っていた。「門を開けてください」という意味なのだけど、なかなか丁寧な言い方でとても参考になった。こういう生きた中国語に触れられることは、中国で生活しながら中国語を学ぶ最大のメリットだと思う。中国に住んで中国語を学習していれば、身の回りの中国人はみな私の語学教師みたいなものだ。

冷房付き検査ボックス

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年7月23日土曜日

【日記】2022年7月22日(金) 、停留許可申請に必要な書類が揃った、PCR検査に関するジレンマ

朝8:30ごろに玄関の呼び鈴がなり、何かと思ったら料金着払いの宅急便だった。心当たりが無かったので一瞬誤配ではないかと思ったのだけれど、宛先ラベルを確認したら「中岛老师」と書かれていたので間違いなく自分宛てである。とりあえず配達料11元を支払って中身を開封してみたら、大学が妻の停留許可申請のために準備してくれた「サポートレター」が入っていた。コロナ規制のために現在キャンパス間の人員の行き来がストップしているので、広州キャンパスの事務が宅急便で自宅宛に送ってくれたようだ。

これであと国际旅行卫生保健中心が発行した健康診断書が揃えば、出入国管理局で妻の停留許可を申請することができる。30日間の停留許可申請が認められれば、その猶予期間を利用して、工作許可の更新申請と、妻と私の居留証の更新申請を行うことができる。この先もまだまだ続く長い手続きの重要な最初の一歩だ。

当面の間、頻繁に役所巡りをすることになるので、PCR検査の陰性証明を切らす訳にはいかない。とにかく、一日一度は検査を受けているのだが、ときどき都合の良い時間に検査場が開いていなくて困ることがある。感染者数が増えてくると、検査場の数も増え、受付時間もながくなるのだが、感染状況が落ち着いてくると検査場の受付時間が短くなる。感染者が多いと、生活に支障が出るので当然困るのだけど、感染状況が落ち着いて検査場の数が減り、受付時間が短くなると、これはこれでまた不便が生じる。ちょっとしたジレンマである。まぁ、PCR検査の必要が完全になくなれば一番良いのだけれども。

午後3:30に健康診断書が発行されるので、再びタクシーで国际旅行卫生保健中心を訪問した。健康診断のときはいろいろと複雑なやりとりが必要だったので、中国人同僚にアテンドをお願いしたが、今回は書類の受け取りだけということで、妻と二人で行ってきた。予想通り、とくに複雑な会話が必要となることもなく、スムーズに健康証明書を受け取ることができた。

これで一応、停留許可に必要な書類は全て手元に揃ったことになる。来週、再び出入国管理局に行って、停留許可の申請を行う予定だ。過去2回、出入国管理局に行くたびに書類不備で追い返されていて、あの役所に行くのは若干トラウマになりつつあるが、とにかく粛々と手続きを進めるしかない。

とりあえず1段階目の手続きの書類が揃ったことで少し安堵したので、国际旅行卫生保健中心からの帰り道、日系のスーパーに立ち寄って夕食用のお惣菜を買い込んだ。日本食が食べたくなったらいつでも簡単に食べられるのは中国の良いところだ。かつて住んだアメリカやロシアではこうはいかなかった。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年7月22日金曜日

【日記】2022年7月21日(木) 、ギリギリのタイミングでの封鎖解除、国际旅行卫生保健中心での健康診断

朝起きてすぐに、コロナの感染状況を確認するために珠海市の公式WeChatアカウントを眺めたら、国际旅行卫生保健中心への道を塞いでいた封鎖地域が開放されたという一報が出ていた。もう一日も猶予がないこのタイミングでの開放は奇跡に近い。今回の居留証更新手続きは、本当に何もかもがギリギリのタイミングだ。薄氷を踏む思いとは、まさにこんな感じだろう。早速職場の同僚と連絡を取り合って、健康診断の予約を午後に入れてもらった。

午前中は、職場に行って妻の停留許可申請に必要な書類の収集と整理を行った。作業を行いながら秘書さんから聞いた話では、中国の役所で手続きするときに認証付きの証明書を求められた場合、基本的に「コピー」を提出すれば良いらしい。「以前、原本を出して返してもらっていない」という話を職場の秘書さんにしたら「なんで原本を提出するんですか!」と逆にお小言をもらってしまった。

役所から渡された必要書類のリストと、手元にある書類を一つ一つ突き合わせてみたところ、まだ準備できていない書類が後2つあることが分かった。一つは上述の国际旅行卫生保健中心が発行する健康診断書で、もう一つは工作許可証の手続きに時間がかかる理由を大学が公式に説明したサポートレターである。後者については既に学科と学部の秘書さんが大学と掛け合ってくれているので、私は健康診断書の方を早急に準備せねばならない。

健康診断を行う国际旅行卫生保健中心は、拱北口岸という地域にあるが、このあたりは一昨日までコロナ規制の影響で近づけなかった地域だ。厳密に言うと封鎖地域ではなかったが、封鎖地域によって道が寸断されていたので、私の居住地域からはアクセスできなかったのだ。

封鎖地域が開放されてからまだ24時間たっていないので、拱北口岸の近辺は規制のなごりでピリピリしているのかと思っていたのだけれど、実際に行ってみると特に普段と何も変わった様子はなく、ごく普通の日常がそこにはあった。市の広報が出している情報によると、国际旅行卫生保健中心の近辺には、まだ高リスク地区が幾つか残っているのだが、かなりピンポイントで狭い地域を封鎖しているようで、封鎖された地域以外は全く普段と変わらない様子だった。

出入国管理局に提出する用の健康診断は、健康かどうか確認するというよりも、特定の伝染病等に罹患していないことを証明するためのものなので、職場の定期健康診断なんかに比べると項目数が少ない。メニュー的には、血液と尿の検査、心電図、胸部レントゲン、視力検査、腹部超音波、内科の問診といった内容で、1時間弱で全部終了した。

帰宅後に衛生保健センターからちょっとした情報確認の電話があり、自分の中国語力では対応不可能かもと一瞬思ったが、何度も聞き返しながら会話を続けて、なんとか要件を済ますことができた。傍から見るとささいなことだろうけれど、自分としてはかなりアドレナリンがでる経験だった。

そんなこんなで、まだ切羽詰まった状況であることには代わりはないが、一応解決に向けて順調に行動を進めている。次の関門は、出入国管理局で妻の停留許可申請が受理されるかどうかである。これは100%受理されるという保証はないらしい。さてどうなるか。


珠海国际旅行卫生保健中心

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年7月21日木曜日

【日記】2022年7月20日(水) 、居留証更新の困難はまだまだ続く、サポートレターの「神通力」に期待

さて、今日も居留証の更新問題の対応で明け暮れた一日だった。いろいろ調べた結果、妻の居留証の更新に必要な私の工作許可の更新が、居留証の期限までに間に合うとは思えないので、妻が居留証の期限を超えて中国に滞在するための停留許可を申請する準備を始めた。しかし、どうも停留許可申請もそれほど簡単ではないようだ。先述の「工作許可業務の移管問題」がここでも悪い方向に作用している。

停留許可申請を行うためには「珠海市科创局」という珠海市の役所に既に工作許可申請書を提出済みであることを証明する「外国人釆华工作许可受理单」が必要だが、これを得るには「广东省外国专家局」という役所が発行する「外国人来华工作许可注销证明」が必要となる。現在はこの「外国人来华工作许可注销证明」を取得するための申請をやっているのだけど、これもなかなか手数と時間がかかる。

居留証更新の手続きが(あちら側の理由で)期限までに間に合いそうにないから停留許可を申請しようとしているのだけど、その停留許可申請がまた(あちら側の理由で)期限までに間に合わないかもしれないという、もうなんともかんともな状況である。

あと、緊急の停留許可を申請するのに「广东出入境检验检疫部门出具的《健康证明》」(つまり、健康診断書)が必要なのも非常に厄介だ。この場合の健康証明は、「国际旅行卫生保健中心」という特定の医療機関が発行したものでなくてはならない。ところが、珠海市の国际旅行卫生保健中心は、コロナ規制で設定されている「リスク地区」の中にあるため簡単には近づけないのだ。

上述のような申請に関わる問題点を学科や学部の秘書さんに説明をしているうちに、大学が申請困難な理由を説明した「サポートレター」を公式に出してくれることになった。このレターが停留許可申請において「神通力」を発揮してくれれば良いのだが。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年7月20日水曜日

【日記】2022年7月19日(火) 、封鎖覚悟でキャンパスに出勤、永久居留証申請のモチベーションが上昇

今日は「工作許可」の更新手続きを進めるために、一度入ったら出られないことを覚悟して準封鎖管理下にあるキャンパスに出勤した。念のため多少の着替え、洗面用品、常備薬を持参して出勤。(結果としては閉じ込められずに帰宅することができたのだが、防疫レベルが上がるたびに職場に閉じ込められる心配をしなくてはいけないのもなかなかのストレスだ。)

国民向けの手続きの多くが高度にIT化されている中国でも、外国人向けの手続きとなると、その多くは紙の書類が要求される上に、サインに次ぐサイン、スタンプに次ぐスタンプのオンパレードとなる。なので、複雑な手続きを進めているときにコロナ禍が「盛り上がり」を見せると、たちまち大変な事態となる。

とりあえず、今回の手続きの手順としては、まず広東省に対して工作許可の取り消し願いを出し、それが受理された後、珠海市に工作許可申請を行わなければならない。この二段階の手続きにおいて、省と市の両方に、似たような紙の書類を大量に提出しなくてはいけない。省と市の間で情報が共有されていれば、手続きを簡素化できるどころか、そもそもこのような工作許可申請のやりなおし自体が必要ないのではないかとも思う。まぁ、お役所仕事は世界中どこに行っても同じような感じである。

書類を準備する作業を手伝ってくれている学科の秘書さんが「今まで税金関係の手続きを省が発行した工作許可番号で処理していたので、今後、税金の手続きでトラブルが発生すると思います」という意見を言ってくれたのだけれど、今のところ税金のことを考えるゆとりがない。とりあえず、不法滞在にならないことが最優先である。

ところで、中国には「永久居留証」という制度がある。これは、他所の国の永住権みたいなものなのであるが、普通の居留証よりも更新手続きが楽ということいがい大きなメリットはないというのがSNS上でよく見かける意見である。しかし、居留証更新で「大トラブル」を今回経験してみて、居留証更新の煩雑な手続きから開放されることだけでも、永久居留証をとることにはかなりのメリットがあるような気がしてきた。今回の問題が一段落したら、ぼちぼちと永久居留証の申請方法を調べてみようと考えている。

夜、寝る前にWeChatで珠海市の広報記事を見てみたら、どうやら感染者増加のペースが少し落ちてきたようだ。今回の観戦が勃発した当初は、幼稚園でのクラスターが発生したりして、1日あたり10人以上の感染者が見つかっていたが、昨日今日は1-2人の増加に落ち着いてきた。とにかく、早く落ち着いて頂きたい。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年7月19日火曜日

【日記】2022年7月18日(月) 、日中で大きく異るコロナ対策、さらなる問題が浮上してきた居留証更新申請

報道を見ていると、京都は新規感染者数が連日2千人を超えている状態で祇園祭をやっているようだ。一方、私が住んでいる広東省珠海市は、新規感染者が20人程度見つかったということでほぼロックダウン状態になっている。祇園祭の宵山の人混みの写真を見ていると大丈夫なのかなぁと思う一方で珠海市の機能不全ぶりを体験している身としてはゼロコロナ政策も、いい加減いろいろとキツくなってきている。どっちが正解なのか。どちらかが正解ではなく、もしかすると、どっちも間違いという可能性もあるような気がする。

さて、今日は居留証更新申請に必要な工作許可の更新を行おうとしているが、ロシアの前職場で勤務していたことを示す認証付き証明が必要とかで、一瞬、これはもう完全に詰んだかと思った。しかし、大学から役所に問い合わせてもらったところ、なんとか手元に残っている「戦前」に取得した証明書のコピーで勘弁してもらえる可能性が出てきた。

しかし、困難はまだ終わらない。他にも大学が封鎖されている状況では取得が困難な書類がある。まず「現職の在職証明」が必要なのだけど、これはキャンパス内の担当部署に行かないと発行してもらえない。

また、必要書類リストの中に「無犯罪証明書」というのがあるが、最初に省に対して工作許可を申請したときにこの書類は免除されたので手元に原本もコピーもない。本当に必要なのか再度確認してもらっているところだ。以前工作許可業務をやっていた「省」と、業務が移管された先の「市」との間で全く意思の疎通が取れていない感じだ。

「外国人体格检查表」というのもやっかいだ。この書類を揃えるためには「国际旅行卫生保健中心」というところに行って健康診断を受けて、「国际旅行健康检查证明书」という書類を作ってもらわなくてはいけない。しかし、国际旅行卫生保健中心という施設は、現在コロナのリスク地域に囲まれている状態で、アクセスできる道路がなさそうだ。

こんな状態で、果たして無事に居留証を更新できるのか、不安は増すばかりだ。しかし、どう考えても自分に何も落ち度はなく、完全なる不可抗力なので、あまり悩んでいてもしかたがない。とりあえず、やるべき手続きを粛々と進めていくしかない。

中国語学習

単語と例文の暗記(30分程度)

2022年7月18日月曜日

【日記】2022年7月17日(日) 、難航を極める居留証の更新申請、ゴタゴタしている中の誕生日

珠海市から工作許可をもらうための申請書を作っているが、学歴とか職歴とかを書く欄があって嫌な感じがしてきた。学歴と職歴に関する証明書類が必要にならなければよいが。確か、最初に省に工作許可を申請したときはものすごく苦労して認証付きの証明書類を集めたような記憶がある。

とりあえず、広東省に対して工作許可を取り消してもらうための申請書、珠海市に対して工作許可書を発行してらうための申請書、それぞれの申請フォームを埋めて学科の担当秘書に回した。まだまだ必要な(そして面倒な)手続きが発覚しそうな悪い予感がする。

居留証の手続きが難航している上にコロナの感染が広がっており、なんだか落ち着かない気分ではあるが、今日は誕生日なので、ちょっとだけ上等な中華ワインを開けた。中国ワインはいろいろ試してみて、かなりアレなやつもあったけれど、张裕と长城は間違いない。

誕生日のお祝いに開けた「张裕五星」

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単語と例文の暗記(30分程度)

2022年7月17日日曜日

【日記】2022年7月16日(土) 、更に増える感染者、居留証申請の前に労働許可の更新が必要

珠海市内の感染状況がなかなか厳しい状態になって来ている。どうして広東省の中で珠海だけが突出して感染者が多く出るのか理由がよくわからないが、最初に幼稚園で発生したクラスターの規模が大きかったことは要因の一つかもしれない。今日の最新の市の広報によると、今回の流行が始まってからの累積感染者数が100人を超えたようだ。感染者が累計10人程度のときに濃厚接触者数が3500人程度だったので、単純に考えると濃厚接触者数は万単位まで増えている可能性がある。

珠海はかなり厳しい状況になってきているが、防疫レベルは同じ中国の中でもかなり異なるようで、比較的感染状況がましな地域からは「オフライン研究会」の誘いが来たりする。しかし、今の珠海の状況を考えると、よほどのことがない限り市外に出るのは得策ではなさそうだ。一度市外に出たが最後、隔離なしで戻ってこられる保証はどこにもない。

朝、学科から問い合わせてもらっていた省の労働許可業務の担当者から返事があった。現在は、労働許可関連の業務が省から市に移管されたので、まず広東省に対して労働許可をキャンセルする手続きを行い、それから市に対して新たに工作許可証の取得申請を行う必要があるそうだ。もう、本当に大変だ。次から次に新しい手続きが湧き上がってくる。しかし、とにかく言われた手順に従って手続を進めるしかない。

今日の午後、市から工作許可をもらうための申請書を作っていたのだが、学歴とか職歴とかを書く欄があって「嫌な予感」がしてきている。学歴と職歴を書くということは、これらに関する証明書類が必要になる可能性がある。確か、最初に省に工作許可を申請したときはものすごく苦労して認証付きの証明書類を集めたような記憶がある。いったいどうなるか。

珠海市内で感染者が見つかった場所

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単語と例文の暗記(30分程度)

2022年7月16日土曜日

【日記】2022年7月15日(金) 、防疫レベルがさらに上昇、さらに難航する居留証の更新申請

珠海市内で見つかった感染者数が更に増え、市の中心部は中高リスク地区で埋め尽くされるような状態になってきた。今朝から、病院が急患以外の診療を停止し、市外行きのバスの運行が止まった。レストランは出前の営業はやっているものの店舗内で食事することはできなくなった。公園や遊歩道等の公共スペースは柵で囲われて立入禁止になっている。市内の観光地も全面的に閉鎖されているようだ。近隣に封鎖された建物も出てきた。徐々に通常の生活を継続することが難しくなってきており、非常に圧迫感を感じる。

建物の封鎖については、今年の1月に私が住んでいるマンションが封鎖された時とは方式が異なっているようだ。以前は建物内に濃厚接触者が出た場合、一律に三日間封鎖されていたが、現在のルールでは、住人全員のPCR検査での陰性が確認され次第開放されるようだ。隣の建物は一旦封鎖されたが今朝起きたら既に開放されていたので、封鎖から24時間以内に開放されたということになる。広い範囲を全面的に封鎖するのではなく、ピンポイントで封鎖して、できるだけ早急に開放するという感じの対応に変わってきている。

さて、居留証の更新手続きの件だが、出入国管理局がリスク地区の近くにあるため、いろいろとややこしい状況に陥りつつある。まず問題なのが、現場で通訳してくれる同僚が見つからないことだ。リスク地区に行くと健康コードが「黄色」になって生活に支障が出るので、みんな行きたがらないのだ。もちろん、同僚の反応は理解できるし、だれか個人を非難するつもりは全くないが、国策の人材計画で招聘した外国人労働者が、ゼロコロナというこれまた国策で困った状況に陥いっているのだから、職場はきちんと組織として面倒を見てくれよという気持ちはどうしても沸き起こってくる。

最終的には、本当にありがたいことに「黄色コード覚悟」で助けてくれる人が見つかり、とにかく出入国管理局へ行くことができた。しかし、今度は別の問題が発生してしまった。前回、あれだけ必要書類を確認したのにも関わらず、また書類不備が見つかってしまったのだ。係官によると「工作許可証の発行者が市ではなく省になっているので受け付けられない」とのこと。最初、言っている意味が全く分からずしばらく役所でフリーズしてしまった。

係官の説明と同僚が調べてくれたことを総合すると、2019年までは広東省が工作許可を出していたのだが、2020年以降、市レベルで工作許可を出すようにシステムが変わったらしい。それで「まず工作許可を適切なところから取り直せ」と係官は言うわけだけど、そもそも、なんで省が正式に出した書類が無効なのかは意味不明である。そんな感じのことを通訳してもらいながら係官とやりとりしていたら「昼休みの時間なので、窓口をしめます」と言われて、役所から追い出されてしまった。結局、詳細不明のまま、一旦出直すことになった。

その後、同僚が問い合わせてくれた情報によると、「 广东省外国专家局」というところからパスポート番号が変わった証明を取って出入国管理局に提出しなくてはいけないようだ。もう、これでは今日中の申請書提出は完全に不可能である。役所が不親切なのと、コロナ規制の関係で協力してくれる人が見つからないのとで、今回の手続きは本当に難航している。

2022年7月15日金曜日

【日記】2022年7月14日(木) 、次々に封鎖される建物、果たして居留証申請は可能なのか?

自宅マンションの隣の棟に濃厚接触者が出たため、隣の棟が「封鎖管理」に入った。建物の中に入ることはできるが一旦入ったら外には出られないようだ。うちの棟に飛び火してこなければ良いが…。お願いだからマンションの封鎖管理は居留証の更新が終わってからにしてほしい…。

今年の1月に濃厚接触者が出た建物は無条件に三日間封鎖されていたが、居民委員会からの通知を見ていると、今回は一旦封鎖した後、全居住者のPCR検査をやって、全員陰性なら即開放されるようだ。この半年ほどの間に微妙にルールが緩くなっている感じがする。

職場からの帰りに隣の建物への通路を見たら柵で封鎖されていた。まだ全員の陰性は確認されていない模様。陽性者が出たら小区ごと封鎖か…

封鎖された隣の棟への通路

夜、広州キャンパスから居留証更新に必要な書類が届いたのだが、珠海市内が厳戒態勢になって来たため、手続きがややこしい状況に陥りそうだ。現在、関係者と対応を協議中だけれど、果たしてどうなるか。


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単語と例文の暗記(10分程度)

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2022年7月14日木曜日

【日記】2022年7月13日(水) 、幼稚園で発生したクラスター、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初画像

今朝の珠海市政府広報によると、市内に10ヶ所以上の中高リスク地区が設定されたようだ。見つかった感染者は20数人程度で、今のところ全てが特定の幼稚園で発生したクラスターによるものらしい。ネット上では、昨日から「珠海市が全面ロックダウンする」という噂が広がっていたが、珠海市広報には「今のところロックダウンする予定はない」と書かれていた。

感染者が20人以上まとめて出たら、昨年の今頃であればおそらく市内全域ロックダウンをやっていただろう。今回は、感染者と濃厚接触者の住居を「ピンポイント」でリスク地区に指定している。上海が大規模ロックダウンで混乱した後、中国内の他の地域ではこのピンポイント方式が主に適用されるようになってきたようだ。

夏休みの時期なので、最近、中国内のいろいろな(オフライン)研究会からお誘いを受ける。しかし、今の珠海の状況や、まだ居留証の更新申請が終わっていないこと、出先でコロナ規制に巻き込まれる可能性、秋学期の講義の準備がまだ終わっていないこと、等々を考えると、今このタイミングで省外に出るのはリスクが高すぎな気がして断り続けている。率直に言うと、省外の研究会どころか、市内の出入国管理局まで居留証の更新に行けるかどうかでヤキモキしているぐらいなので、今年の夏、省外に出る気はほぼゼロである。

さて、今日はNASAが打ち上げたJWST(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)が初めて撮影した画像が公開され話題を読んでいた。天文学者が見ると、一瞬でその凄さが分かるのだけれど、TwitterのTLを見ていると、一般的には「それほど凄いとは思わない」「どこかで見た画像のような感じ」といった反応もちらほらと流れていた。確かに一見するとハッブル宇宙望遠鏡(HST)の写真と似た印象があるので、世間的には目新しさを感じなかった人もいるのかもしれない。

JWSTで撮影された惑星状星雲の赤外画像

この画像の何が新しいかというと、まず最初に強調すべきことは「観測波長」であろう。HSTは可視光線で観測する宇宙望遠鏡だったが、JWSTは「赤外線」で観測する宇宙望遠鏡なのだ。この差は非常に決定的で、見えるものがHSTとJWSTでは全く異なる。そして、次に重要なのが解像度(角度分解能)だ。JWST以前の赤外観測は、解像度が低く、HSTや電波干渉計の画像と直接比較することは困難だった。

今のところ、最高の角度分解能を達成できる観測波長は電波だが、それに次ぐ分解能を赤外線で達成することができるようになったわけだ。この「赤外線で高い分解能が達成できる」ことの科学的なインパクトは非常に大きい。私もこれからおそらくJWSTのデータで仕事することになるだろう。これからの研究の展開が楽しみである。

夜、そろそろ寝ようかと思っていた時、以前の職場の同僚から久々に連絡が入った。なんだかんだあってまた新しい職(研究職)を探すとのことで推薦書を頼まれた。彼は、この就職難のアカデミアにあって、なんだかんだでいつも最終的には良い職を見つけてしまう稀有な能力の持ち主なので、きっとまた良い職を見つけることだろう。


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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、リードシートIII

2022年7月13日水曜日

【日記】2022年7月12日(火) 、珠海市内で感染者見つかる、外国に郵便物に送ることの困難さ

珠海市政府の広報によると、珠海市内で感染者が一人見つかったようだ。過去の例から考えると、一人感染者が見つかると、濃厚接触者が数十人程度見つかり、濃厚接触者の居住地域が封鎖管理されることになる。感染者が一人で済むということは殆どなく、だいたいその家族とか、同じ職場に感染者がさらに見つかるので、おそらくこれからの数日間、封鎖区域が増加していくだろう。とにかく私は居留証の更新を控えているので、都市全体のロックダウンや、行政機能の停止だけは状況がややこしくなるので勘弁してほしい。

市内の感染者がゼロで推移している間は、自宅近くの無料検査場でPCR検査を受けて陰性証明をキープしているのだけど、感染者が出てくると、「プール式検査」をやっている検査場だと、感染者に巻き込まれて強制隔離される確率が高くなってくる。広東省の他の都市では、感染者が見つかった検査場で検査を受けた人全員が強制隔離の対象となったそうだ。こうなってくると、PCR検査が「ロシアンルーレット」のような状況を呈してくる。いろいろ考えて、結局今日は職場でPCR検査を受けた。まぁ、どこで検査を受けても、プール式検査を受けている限り、巻き込まれるときは巻き込まれるのだけれど。

先日来、居留証の更新申請に関連して戸籍謄本の写しの取得について日記に何度か書いているが、将来に備えて公印証明付きの戸籍謄本の写しを1部取り寄せておくことにした。先述の通り、日本の行政書士に必要書類を送って取得代行してもらうのだけれど、書類を送る際にまたちょっとしたトラブルに遭遇した。

まず、郵便局のEMS便を使って書類を外国に送る時、中国人の場合はスマホアプリから申し込むと玄関先まで集荷に来てくれるのだけれど、外国人はこの集荷サービスを利用することができない。DHLを利用する場合は、集荷に来たときにパスポートを見せればよいらしいが、どうやら珠海は集荷サービスの対象外地域らしいのだ。どちらも窓口に行けば送れそうだが、うちの近所には郵便局もDHLの窓口もない。タクシーに乗って窓口に行こうかと考えたが、どちらもコロナの「中高リスク地区」の中、もしくはすぐ近くなのだ。

結局、職場の秘書さんに頼んで発送してもらうことにしたのだけれど、こういう郵便物の発送のような基本的なサービスが「外国人だから」という理由で利用できないとなると、仮に永久居留許可なんかをもらったとしても、純然たる外国人は、働いている間しか中国には住めないという気がしてしまう。

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単語と例文の暗記(10分程度)

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2022年7月12日火曜日

【日記】2022年7月11日(月) 、日本人とおぼしき急患、戸籍謄本の取得代行手続きその後

今日は矯正治療の装置調整日ということで歯医者に行った。午前10時の予約だったのだけれど急患が入ったとのことで小一時間ほど待たされた。その急患は日本語通訳を連れた日本人男性と思しき人物だった。私が通っている歯科は英語が問題なく通じるので、ここに中国人の日本語通訳を連れてくるということは、英語も中国語も話せないということになるが、いったいどういう仕事をしている人なんだろうか。

最近は、日本の給与水準が下がりすぎている関係で、中国では日本人エンジニアの獲得競争が激化しているとも聞く。もしかすると当の急患はIT系の技術者だろうか。担当のW先生は、自分のせいで治療が遅れたわけでもないのにずいぶんと恐縮されていた。しかし、私としては、急患で来てもきちんと対応してくれることが分かって、この歯科医院に対する信頼が増したのだった。

さて、先日の日記にも書いた通り、幾つかの日本の行政書士事務所に戸籍謄本の取得代行等について問い合わせをした。いろいろと考えて、既に今回利用する事務所を一つに絞り、他に対しては依頼しないという返事をしたのだけれど、そのうちの一つから、最初に送った質問に対して大変丁寧な回答を送ってきてくれた事務所があった。専門家としての情報提供も本来はお金をとることができるサービスある。こういう対応をしてもらうと、次はこの事務所を利用したくなる。久々に日本の良質のサービスに触れた感じがした。

今回、日本の行政書士事務所に相談をして戸籍謄本の写しの代行申請に関していろいろと情報を得たのだけれど、重要な点としては「中国にいる状態でも、中国語翻訳と認証の付いた戸籍謄本の写しを取得できないことはない、ただし時間と手間がかかる」ということである。遅くとも必要となる予定日の3ヶ月前(できたらもう少し早く)から手続きを開始するべきだろう。

早くから手続きを始めなくてはいけない理由は主に2つある。一つは、認証付き中国語翻訳を日本の行政書士事務所で所得してもらうためには、在外公館での署名(拇印)認証が必要なことだ。これは、日本領事館がある大都市に住んでいる場合は大きな問題とはならないと思うが、領事館のない場所に住んでいると、コロナで移動規制が厳しい現状では難問となり得る。

2つ目の理由は、中国日本間で紙の書類をやりとりしないといけないことだ。申請書は自筆での署名と捺印が必要で、わざわざEMSやDHL等で申請書を送らなくてはいけない。書類に不備があれば再送する必要があるかもしれないし、最終的に出来上がった書類を受け取るのもやはりEMSやDHLで行うこととなる。最近の中国では、外国から来る郵便物の検疫に非常に時間がかかることが知られており、これも難しい問題となり得る。

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単語と例文の暗記(30分程度)

2022年7月11日月曜日

【日記】2022年7月10日(日) 、徐々に見直されつつある業績評価方法、様相が一変した珠海大剧院

今朝は「スマホとパソコンの充電器を持っていない状態で出先の建物に封鎖され大慌てする」という夢で目が覚めた。今の中国では、外出中に予期しない場所で封鎖管理に巻き込まれるという可能性が常にあるので、常日頃からフル充電のモバイルバッテリーを持ち歩いているのだけど、そういうことを気にしているから今朝のような夢を見るのだろう。

週末ということで、遅めの朝メシを食べながらWeChatを眺めていたら、職場の管理職が以下のようなキャプチャー画像をグループチャットに流していた。学術論文誌ごとのノーベル物理学賞の受賞対象になった論文数の統計だ。

グループチャットに流れてきたキャプチャー画像

基礎科学系の研究者の世界ではNatureとScienceという2つの雑誌に掲載された論文が高く評価される傾向があり、この2つの雑誌に論文が掲載されるとグラントが採択されやすくなったり、職を見つけやすくなったり、ということは常日頃からよく言われることである。しかし、ノーベル賞受賞数という観点から見ると、NatureとScienceはそれほど大したことはないということを上の統計は示唆している。

最近、中国の大学では、どの学術誌に論文を出したかで業績を評価する習慣を廃止しようという動きが出てきている。NatureやScienceへの出版を巡って神経をすり減らしている研究者も少なくないわけだけど、上の統計を見るだけでもNatureやScienceにこだわるのがナンセンスであることが分かる。もっというと、ノーベル賞にこだわることも純粋に科学的な視点からはナンセンスだろう。

夕方、珠海のランドマークの一つ「珠海大剧院」まで妻と散歩に行ってきた。コロナ禍のため観光地にはあまり近づかないようにしていたので、珠海に来てからは初めてだ。珠海大剧院には、コロナ禍が勃発する前、就職面接で珠海に来たときに関係者に連れて行ってもらったのだけれど、久々に訪れてみて、あまりにも様子が変わっているので驚いてしまった。

大劇場の横に、スーパーや飲食店が入ったモールがあるのだけれど、そのモールの中のお店が沢山潰れて空き店舗だらけになっていたのだ。間違いなくコロナの影響だとは思うが、今の御時世、こういう観光地はなかなか大変だと思う。大劇場の中も以前は自由に出入りできて、今後一年くらいの間の各種公演やコンサート等のポスターを見ながら気に入ったチケットを買うといったことができたのだけど、今はネットで公演のチケットを買った人以外は劇場の中に入れないような規制が行われていた。

珠海大剧院

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単語と例文の暗記(30分程度)

2022年7月10日日曜日

【日記】2022年7月9日(土) 、戸籍謄本の準備に四苦八苦

ここ2週間ほど、かなり予定が立て込んでいて忙しかった。一昨日の日記で触れたように、居留証の更新申請が想像以上に大変で、その対応でメンタルエネルギーを使い果たした感じである。最初に必要書類のリストが明らかになったときに一番焦ったのが「妻との関係を証明する書類」だ。この書類、日本人の場合は「公印認証と翻訳付きの戸籍謄本の写し」ということになるのだが、これを準備するのは日本国内にいても大変で、ましてや中国からとなるとかなりの時間と労力がかかる。

ただ、日本の外務省での公印証明、及び中国語翻訳と在日本中国大使館の認証のついた戸籍謄本の写しを、日本国内の業者(行政書士)に取得代行してもらって取り寄せることは不可能ではない。ネットで検索すると、いくつかの代行業者がヒットする。ただし、代行して貰う場合でも、手続きはかなり複雑である。

ある行政書士事務所に問い合わせたところ、認証を取る過程で印鑑証明をとる必要があるらしく、これは外国に住んでいると取得することは不可能だ。少し調べたところ、在外邦人が印鑑証明の代わりに使える証明として署名証明というものがあり、在外日本領事館で取得することができるそうだ。しかし、これを取得するためには領事館のある都市まで出かけないといけない。コロナ規制が強い現在の中国で移動することは様々なリスクをともなう。

また、必要書類が整った後も、申請手続きは全て「紙の書類」で行うことになるので、日本にEMS等で申請書を送り、さらに出来上がった書類を日本から同様に送ってもらう必要がある。以前同種の手続きを日本にいるときに行った経験から、この手続には中国からの書類の送付がない場合でも一ヶ月半程度はかかる。したがって、中国と日本の間での紙の書類のやりとりや在外公館にでかけて行う手続きにかかる時間を考慮すると、書類の準備期間を入れて、おそらく2-3ヶ月程度はかかるだろうと想像される。

日本の業者での翻訳は諦めて、日本の外務省と在日本中国大使館の公印証明付きの戸籍謄本の写しを取り寄せるだけなら、多少手続きが簡略になるので、1-2ヶ月程度で手続きが済むかもしれない。この方法で翻訳なしの公印証明付きの戸籍謄本の写しを取り寄せて、中国内の公認翻訳業者を探して認証付きの翻訳を作ってもらうというのも別解にはなりそうだ。この場合、中国での翻訳作業にどれくらい時間がかかるかは未知数である。いずれにせよ、私の場合は8月6日がデッドラインなので間に合いそうにない。

手元に公印証明のついていない、日本の役所でもらったままの状態の戸籍謄本の写しが一通あったのだが、発行日が古い上に公印証明がないので、このままでの使用は難しい。同僚に頼んで、出入国管理局に戸籍謄本に要求される条件を正確に確認したところ、発行日の関する規定はなく古いものでも受け付けてくれることが分かった。しかし、やはり公印認証は必要なようだ。

ここからの展開が急だった。私はてっきり最初に居留証を申請したときに出入国管理局に公印証明付きの戸籍謄本の写しを取り上げられたとばかり思っていたのだけれど、同僚の話では、出入国管理局の担当感は、「戸籍謄本の写しは手続き後に返却した」と言ったらしい。

もうそこから全力で戸籍謄本の写しの大捜索を開始した。家の中とオフィスの中、隅から隅まで探しまくって、なんとオフィスの書類棚の一番奥底から認証付きの古い戸籍謄本の写しを発見した。出て来た時は安堵感で本当に腰が砕けた…。

居留証申請問題でゴタゴタしながら、一方では指導している学生たちの夏の大一番「大学院生ワークショップ」にも参加して、学生たちの英語研究発表の審査員を務めた。ワークショップは2日間あって、1日目の午後は「戸籍謄本の大捜索」のため参加できなかったのだけれど、それ以外は参加してなんとか役目を果たした。しかし、なんというか本当に大変でいっぱいいっぱいの数日間だった。願わくば来週は平穏に過ごしたい。

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ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年7月9日土曜日

【日記】2022年7月8日(金) 、問題解決の目処はたった、唖然とするニュース

戸籍謄本の写しの問題は、なんとか目処がたった。しかし、今日も早朝からとてつもなく忙しいので、また詳細は追々書くことにする。あまりにも忙しすぎて、しばらくTwitterを見ていなかったのだけれど、先程Twitterをあけて、「安倍元首相銃殺」のニュースをみて唖然とした。日本が変な方向に進まなければよいが。

2022年7月8日金曜日

【日記】2022年7月7日(木) 、想像以上に大変な居留証の更新申請

居留証の更新申請について、大学で詳細を調べてもらったところ、妻との関係証明が必要とのこと。つまり、日本人の場合は「戸籍謄本の写し」が必要ということになる。これは外国に住む日本人なら分かってもらえると思うが、外国で戸籍謄本の写しを入手することは非常に困難なのである。基本的には日本国内の本籍地の役所で発行してもらうしかない。また、戸籍謄本の写しは日本語で書かれているため、その後外国の役所に提出するまでにさまざまな手順が必要となる。なんとか問題を解決するために現在方法を模索しているところだ。

こういう不安定な状況の中でも、仕事の方は待ったなしである。明日から大学院生ワークショップが始まるし、来学期の講義の準備も進めなくてはいけない。少し切羽詰まっているので、今日の日記はここまで。

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単語と例文の暗記(10分程度)

2022年7月7日木曜日

【日記】2022年7月6日(水) 、ようやく終了した論文の手直し、通常の夏は実は忙しかった

ここしばらくの間、パスポートの更新とその事後関連手続きの手配で忙しく、本業がややおろそかになっていたが、研究グループの若手から依頼されていた論文の手直しをようやく終了して原稿を返送した。若手研究者が一刻も早く論文を投稿したい気持ちは痛いほど良く分かるので、論文の手直しだけは仕事が遅れると罪悪感が芽生えてきてしまう。

自分がポスドクだった時、所属していた研究グループのリーダーが困った人で、若手の原稿の原稿が長期間自分のところで止まっていても平気な人物だった。結局、彼は最終的に「クビに近い形」で研究所を去っていったが当然であろう。

一般的に言うと、論文は早く出せばよいというものではない。研究の質(論文の質)も当然大切である。しかし、この価値観を、アカデミアの強烈な競争にさらされている若手研究者に押し付けるのは酷というものである。若手を特に急かす必要はないとは思うが、私自身は、少なくとも研究グループのリーダーが若手の論文出版を遅らせるようなことがあってはならないと思っている。

珠海で迎える夏は今年で三回目となる。赴任後最初の2年間はコロナ禍の影響で、ありとあらゆることがイレギュラーだった訳だが、今年は最初の2年間に比べると、少し平常に近い感じで夏のスケジュールが動いている。通常に近いスケジュールになって気づいたのは、夏の職場は想像以上に忙しいということである。

講義がない時期に研究に専念できるかというとさにあらずなのだ。実は、夏の間は「夏のイベント」が目白押しなのである。例えば、大学院生を選抜するためのサマーキャンプ、大学院生のサマーワークショップ、学外の各種サマースクール、学外の研究会、こういった行事の多くが今年はオフラインで行われる。そして、そのいくつかにはデューティーとして参加しなくてはいけない。

外国人同僚の中には、このような夏のイベントにはお構いなしにバケーションを取る人もいる。しかし、いろいろ気を回す日本人気質の私としては、このクソ忙しい時期に長期間のバケーションをとることができない。あと、忙しいということは、それなりに職場で必要とされているということでもある。アカデミアで無職の危機に何度もさらされてきた人間としては、忙しいというのは決して苦痛ばかりというわけでもない。忙しさの中に多少の安心や充足感を見出している自分もいるのだ。

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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、リードシートIII

2022年7月6日水曜日

【日記】2022年7月5日(火) 、「サマーキャンプ」の交流会、ちょっと嬉しかった学生コメント

午前中は「サマーキャンプ」の学生と教員のオンライン交流会に参加した。サマーキャンプというのは、バーベキューやキャンプファイヤーで楽しむキャンプではなく、一種の「大学院入試」である。参加者は中国内の大学の学部生で、名目上は学科の研究施設を見学したり、教員から研究や大学院生活についての話を聞いたりするイベントであるが、その実態は「大学院入学者選抜」である。サマーキャンプで行われるイベントを通じて学生の力量を見極め、優秀そうな参加者に対して「大学院に入学する権利」を与えるのだ。

もはや、実質的にサマーキャンプが大学院入試であることは学生も心得ているし、スケジュールの中にも「面接」の時間が組み込まれている。したがって、学生と教員の交流会も、その意味としては入学者を自分のグループに引き入れるための「勧誘合戦」である。今回の交流会、当初私は参加する予定ではなかったので、特に何も準備していなかったのだけれど、突然「何か話してください」と司会者から振られてしまい、アドリブで数分間話すことになってしまった。全く何も準備していなかったので、学生が何か理解してくれたかどうか非常に怪しい感じだった。次回は、それなりに準備しておきたいと思う。

サマーキャンプの交流会が終わった後は、講義レポートの採点をやっつけた。今学期は、教員持ち回りで自分の研究を学部生に紹介する講義の当番にあたっていたのだけれど、その講義についてのレポートである。この講義のレポートは、自分が気に入った教員に提出する仕組みになっており、自分を選んでくれる学生が少ないと仕事量が減って楽ではあるが、それはそれで悲しいものである。

外国人教員の場合、英語で講義するので、学生の方からすると外国人教員のレポート課題を選択することのハードルは高い。この講義を担当するのは2回目なのだけど、実際、最初に担当したときは私のレポート課題を選択した学生は0人だった。今回は二人が選択してくれて、しかも一人はきっちりと英語でレポートを書いてくれていた。提出されたレポートは、学期末試験を兼ねたレポートなので講義への要望もいろいろと書かれている。「こういう感じの外国人教員の講義をもっと増やしてほしい」っていう意見も書いてあって、ちょっと嬉しかった。

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単語と例文の暗記(10分程度)

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SimplyPiano、エリーゼのために

2022年7月5日火曜日

【日記】2022年7月4日(月) 、入出国管理局での手続き、給料未払いを警察に相談するおじさん

入出国管理局で居留証の更新申請を行うために午前5時半に起床。入出国管理局は一日中開いているので、午後から行くという選択肢もあったのだけれど、外国で役所仕事をやるとトラブルが発生して、その対応に時間がかかるというのが相場である。というわけで、午前中から行動することにした。

本来は午前8:30に入出国管理局に到着する予定だったのだけど、雨のせいでタクシーがなかなかつかまらずに到着時間が30分ほど遅れた。雨が降ると、途端にタクシー配車アプリでのタクシー確保が難しくなる。入出国管理局でサポートしてくれる同僚も同様の理由で30分遅れの到着となったが、入出国管理局は雨のせいか空いており、特に待たされることはなかった。

玄関での防疫管理は非常に厳重で、体温を測られた上に健康コードアプリの画面の写真まで撮られた。この防疫管理、役所によって厳しさに差があり、入出国管理局は非常に厳しかったが、後で行った警察は「ユルユル」で、健康コードの確認もなければ、そもそも警官がマスクをほとんど着用していなかった。

入出国管理局の受付で、とりあえず同僚に通訳してもらいながら手続きを行おうとしたのだが、案の定、新旧パスポート以外にも必要な書類がいくつかあり、とてもじゃないが今日中に申請書を提出することは不可能であることがわかった。新旧パスポート以外に必要な書類は以下の通り。

  1. 境外人员临时住宿登记表
  2. 証明写真("数字相片回执"付き)
  3. 关于为XXX理居留许可的函(職場で作ってもらう。テンプレートを見せてもらった)
  4. 珠海市科技创新局准予行政许可决定书(3と同様)

1は警察署で、2は数字相片回执を含めて証明写真屋で入手できる。3と4は職場で作ってもらう。ということで、今日のところはまず警察署に行って1を入手することにした。(じつは、この必要書類リストが分かるまで多少の紆余曲折があったのだが、それはここでは割愛する。)

というわけで、境外人员临时住宿登记表を入手するために自宅近くの派出所に行ったら、60前後くらいのおじさんが何やら少し感情的に窓口で話をしていてかなり待たされた。同行してくれた同僚に何を話しているのか聞いたところ、勤め先からの給料の支払いが滞っており、警察に苦情を言いに来ているとのことだった。

コロナ禍で景気が悪くなる前は会社の給料未払いなんかに警察が介入することはなかったらしいが、最近は警察が積極的に介入する姿勢を見せているとのこと。ゼロコロナ政策で経済が悪くなっていることに対する政府の対応の一環ということらしい。

給料を払ってもらえずに感情的になっているおじさんの話を熱心に聞いている警官を見ながら「警官の態度が本当に良くなった。20年前だったら警官に何か困ったことを相談するなんてありえなかった」と同僚が言っていたのが印象的だった。

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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、リードシートIII

2022年7月4日月曜日

【日記】2022年7月3日(日) 、台風でバルコニーが破損、役所に行くためのPCR検査

台風による風雨のピークは既に過ぎたが、今日はまだ台風の影響が残っており一日中風が強かった。予想通り、バルコニーの物干し台が破損してしまった。風雨が収まったら修理を依頼せねばならない。WeChatを開けたら、先手を打つかのようにマンション管理会社から「現在、台風で壊れた公共施設の復旧作業に追われており、戸別の修理の対応は少し遅れるかもしれません」というメッセージが入っていた。

さて、パスポート更新後の手続きで一番急がなくてはいけないのは居留証の更新だ。規定を調べてみたところ、これはパスポート更新後「10日以内」に行わなければ処罰可能性があるようだ。赴任後に移民局で居留証の申請を行ったときの感じでは、珠海の移民局では、誰かに通訳に入ってもらわないと手続きは不可能だと予想されるので、学科の秘書さんに移民局への同行を依頼した。しかし、どうやら来週は非常に忙しいらしい。そこで、仕方がないので同じ研究グループの同僚に同行をお願いしたところ快諾してもらった。

次に問題となるのがPCR検査の陰性証明だ。現在、役所を含め公共の場所では48時間以内の陰性証明の提示が求められる状態が続いているが、土日に来た台風の影響で私も同僚も陰性証明の有効期限が切れている。明日行くためには今日中に検査を受けなくてはいけない。ところが、台風の影響で近所の検査場は閉鎖されたままだ。

そんなわけで、月曜日に検査を受けて火曜日に移民局に行くしかないかと思っていたのだけれど、火曜日は火曜日で本来ならば大学院入学希望者の面接等の重要な案件があるので、できれば月曜日に移民局の用事を済ませておきたい。しかし、検査場が開かない限りはどうしようもない。

半ば諦めていたところ、WeChatの地域コミュニティのグループチャットを眺めていたら、少し遠方の検査場が再開したという噂が流れ始めた。その検査場まで行って今日中に検査を受ければ、月曜日に役所に行っての手続きが可能となる。そこで、同行を快諾してくれた同僚に検査に行ってくれるか尋ねたところOKとのことで、それを受けて、私と妻も急遽タクシーに乗って検査にでかけた。

というわけで、なんとか月曜日に移民局に行く準備はととのった。移民局で必要な書類について十分に調査できなかったが、もうしょうがない。あとは、明日移民局に行ってから確認しようと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために

2022年7月3日日曜日

【日記】2022年7月2日(土) 、強力な台風来襲、中国に「漂着」する研究者

昨日の時点では、台風は西に逸れる可能性もあったのだが、予報進路の比較的東寄りの経路をとったようで、今日は昼から非常に強い風が吹いた。珠海に引っ越してきた直後にも大きな台風が来て、マンション小区内の木々がなぎ倒され、バルコニーの物干し台が破損するなどの被害が出たが、今回もそれに匹敵する被害が出そうだ。

珠海の唐家湾沿いは、台風が来ると海の方向から風が吹く。海から来る風は遮るものが何もないため弱められることなく強いまま吹き付けてくる。しかも今回は、風が強くなる台風の進行方向右側に珠海が入ったためさらに風が強くなったようだ。おそらく、バルコニーの物干し台が再び破損することは確実なので、また修理の手配をしないといけない。昨日の日記にも書いた通り、今日と明日はPCR検査が受けられないだろうから、月曜日以降のスケジュールの調整も必要そうだ。

今日は「中国で働く日本人研究者」に関する記事が某大手新聞に掲載されたため、Twitterのタイムラインに「人材流出」に関するツイートが多く流れていた。日本の報道を見ていると、日本から中国に研究者が直接移動しているような印象を受けるが、中国で働く日本人研究者の多くは、中国に来る前に西側先進国でポスドクやファカルティー職等を経験している人が多い。今の中国の採用基準では、西側先進国での研究経験が重要視されるので、日本から直接移籍する(できる)人は減少しつつあるように思う。

私の職場にいる外国人教員を見てみると、日本人以外の外国人教員も、語学教員を除くと、やはり母国以外の西側先進国で教員経験があるが多い。色んな国を巡った後に中国に行き着いている人たちなので、人材流出というよりも「人材漂着」といった方が言葉としてはしっくり来るような気がする。

私の外国人同僚たちは、いずれも研究者としての業績がすごい人ばかりだ。しかし、具体的に国名は出さないが、私を含め外国人教員の母国を見ると、基礎科学の研究職を得るには困難が伴いそうな国ばかりだ。最近、日本語メディアで「人材流出」という見出しを見かけることが多いが、これは日本に限った話ではないと思う。今は、西側先進国や戦争を始めたロシア等から中国に移籍する研究者は相当数いると思われる。流出させている各国政府は特に何か対策を講じることもなく、中国はあふれた人材を採用し続けている。漂流しているところを助けてもらった一研究者としては、拾ってもらった国で教育研究に勤しむだけである。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年7月2日土曜日

【日記】2022年7月1日(金) 、ブラックホールの撮像データ再解析、根強く残る日本の学校歴差別意識

例の「ブラックホールシャドー撮像のデータ再解析」の結果についての記者会見が国立天文台で行われたようで、公式ページにPR記事が出ていた。シャドー構造の大きさに対応するUV台が欠損していること、シャドーサイズを予め仮定してイメージングを行っていること等をEHTC側がどのように説明するのか大変興味があるところである。私は今のところ、再解析の結果の方に説得力を感じている。

参考リンク:M87銀河の中心の電波観測データを独立に再解析

来週、パスポート更新後の関連手続きを順次行おうと思っているのだけれど、折悪しく台風が接近している。現在、公共の場所に入るためには48時間以内のPCR検査陰性証明が必要なので、月曜日に役所に行くためには、土日のどちらかで検査を受けておく必要がある。しかし、困ったことに台風の影響で近所の無料検査場が閉鎖されるようだ。一番緊急を要するのが妻の居留証の更新で、これの申請期限が来週の水曜日に迫っている。さて、どうしたもんか。

Twitterを眺めていたら、今日は日本の悪しき「学校歴差別意識」全開のツイートがたくさん流れていた。「Fラン大学まとめ」だったり「中高一貫男子進学校の肯定」とかその類。Twitterの論調を見ていると、残念ながら、入学時点で学力が低い学生が集まる大学をひとまとめに「Fラン大学」と呼び、その在学生、卒業生、教員を一纏めにして貶める人間が大量に存在する。ある属性の人間を一纏めにして貶める行為は全て差別である。しかし、何故か日本では学校歴差別を差別とは思っていない人が多くいて驚く。

同じ文脈で、日本における「中高一貫男子進学校」のあり方には相当問題があると思うが、Twitterを見ていると、そこに何の問題も感じない人の方が多いようだ。「中高一貫男子進学校」自体は、私は存在しても良いとは思うが、ある意味「特殊な人達」が集まる学校なので、その狭い学校コミュニティーの中で「考えが偏る」ことは十分に考えられる。

怖いのは、中高一貫男子進学校出身者が有名大学の入学者枠を寡占し、さらには、この国に蔓延る学校歴差別意識と相まって、出身者の多くが社会の中枢的ポジションに就いてしまうことだ。そうなると「中高一貫男子進学校のノリ」で社会が動かされてしまうことになるだろうし、実際に日本の社会はそうなっているように思う。(もう、私はこれについては半ば諦めているのだけれど…)

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単語と例文の暗記(10分程度)

2022年7月1日金曜日

【日記】2022年6月30日(木) 、防疫規制で関門の多い鉄道移動、有人改札でちょっとした混乱が発生

今日は移動日ということで、まずはコロナ規制の状況が大きく変わっていないかどうかをWeChatで確認した。特に大きな問題はないようだった。しかし、目下珠海側の規制が厳しいので、珠海から広州に来るときよりも、広州から珠海に向かう場合の方が関門が多い可能性がある(実際そうだった)。あと、今回は広州でパスポートを更新したので、行きと帰りでパスポート番号が異なっている。これも移動に際しての懸念材料だ。

とりあえず、ホテルから広州南駅にタクシーで移動した。広州南駅はとにかくでかい。電車の駅というよりは国際空港のような雰囲気すら漂っている。ただし、窓口、改札、インフォメーション全てにおいて、英語は全く通じないので、ここで問題が発生したら中国語で乗り切るしかない。

行きと違って、帰りはネットでチケットを購入した。以前YouTubeで中国の鉄道移動に関する動画を見たときの記憶では、まずは窓口で「発券」する必要があったはずだった。そこで、まずは、駅構内を動き回ってひたすらチケットカウンターを探したのだけれど、どこに行っても有人のカウンターが見つからない。仕方ないので、インフォメーションで知っている限りの中国語を並びたてて質問してみたところ、どうやらアプリでチケットを購入した場合は発券なしで直接電車に乗れるようだった。YouTubeの動画は1年ほど前のものだったが、いろいろと変化が早い中国のことなので、1年も前の情報は古すぎるということだろう。

というわけで、改札に向かったのだけれど、高速鉄道の自動改札は中国人IDか永久居留証がないと通れない。珠海の駅だとパスポートでも自動改札を通ることができたが、広州南駅ではなぜかパスポートでは通れなかった。仕方なしに有人改札に言ったのだけれど、これがかなりの混雑ぶりだった。

有人改札に並んでいる人はお年寄りが多かった。みなさん、手には中国人IDを持っている。有人改札の駅員を見ていると、お年寄りのIDカードをただ単にスキャナーでスキャンして通していたので、あれだったら自動改札でも普通に通れそうな感じである。多分、機械が苦手とか、そういうことなのだろう。私のように絶対有人改札でなければ通れない乗客は10-20人に1人ぐらいの割合だったと思う。

さて、有人改札は結果としては通れたのだけれど、なかなか大変だった。パスポートの確認ということで、駅員がパスポート番号をいちいちタイプしてデータベースにアクセスし確認を行う。私の場合、行きと帰りでパスポート番号が変わっているので、案の定データベース上に番号が見つからず、さらに時間を食った。この間、何百人単位で並んでいる乗客全員が待たされることになってしまい、ついに並んでいた乗客の一部がブチ切れ始めた。さらに起こった乗客の何人かが改札を強行突破し始めた。駅員も、もういいやという感じで通過させていたが、まぁ、とにかく大変だった。

中国の鉄道移動は、今回の私のような特殊事情がなければ、おそらくもう少しスムーズだと思う。しかし、全体的な印象としては、中国の高速鉄道は、システムが外国人が利用することをあまり想定しているとは思えない。なので、今回のように特殊事情が重なると、いろいろと辛い交通機関ではある。

なんとか鉄道に乗り込んで、珠海の駅についたら、今度は駅の外に出る前に到着した乗客全員に対するPCR検査が行われていた。ここでさらに30分ほど足止めを食らった。その後、タクシーで自宅に向かったが、小区の入り口では、守衛が、スーツケースを持っている私達夫婦を目ざとく見つけて「市外からお帰りですか?その場合、報告書を書いてもらいます」と声をかけられて、また足止め。守衛に教えてもらいながら報告書フォームを埋めてようやく自宅に帰ることができた。

広州はリスク地区でもないし、珠海と同じ広東省内の近隣都市なんだけど、それでも移動はとても大変だった。これが省外、国外となると…、うん、ちょっと想像したくない。

広州南駅の構内

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、中国語会話実践練習