2022年10月15日土曜日

【日記】振替平日後の7連勤、講義準備に夢中になる日々

2022年10月14日(金) 

国慶節の後の土日が「振替平日」となったので、今週は今日まで7連勤することとなった。その結果、いつもの週よりも一回多く講義したので、今週はかなり忙しかった。今学期は通常でも週二回の講義が入っているので、一回増えると三回講義することになる。

三回分の講義を準備するためにはそれ相応の時間が必要で、私の場合は週三回(6校時)の講義は、研究グループのミーティングや、学生とのセミナーや打ち合わせが間に入ることを考えると、ほぼ限界の仕事量に近い。まぁ、瞬間的なことなのでエイヤッと乗り切るしかないのだが。

講義がある時期は確かに忙しいのだけれど、私は講義することや講義準備のために勉強することは嫌いではない。むしろ、やっていると面白くなってきていくらでも時間を投入してしまうので、研究の方が疎かになるという問題が発生するくらいである。

今日は次の講義で扱う「様々な天体までの距離決定方法」を勉強し直しながらまとめていたのだけれど、天体までの距離決定方法という分野は、天文学の中でも特に先人の知恵がぎっしりと詰まっている分野で、勉強しているととても面白い。

1800年代後半に、近傍の星までの年周視差が初めて計測されたのだけれど、ほぼ同時期に3人の天文学者が年周視差の計測に成功している。いろいろと資料を調べていると、この3人の研究者の先陣争いは相当苛烈だったようだ。1800年代後半の天文学者が当時使えた装置というと、小口径の望遠鏡と写真乾板ぐらいなのだが、これだけの道具で、どの星が近いか全くわからない状況で良く年周視差の計測に成功できたものだと思う。

彼らの戦略を見ていると、現在の天文学者の視点から見てもいろいろと学ぶものがある。また一方で、近代になってから考案された遠距離天体の距離測定にもいろいろな知恵が詰まっており、興味が尽きない。来週の講義は面白くなりそうだ。