2021年12月31日金曜日

【日記】2021年12月30日(木) 、期末試験の準備開始、ズルに厳しい中国の大学、来週は面接ウィーク

Twitterを眺めていると、日本語のTLには「今日が仕事納めで、次の〆切が1月4日」みたいなことを言っている人がけっこういる。日本で働いていると、実質的に正月休みなんていうものが存在しないなんていう人も相当数いるのだろう。

今日から期末試験を行うための手続きが正式に始まった。定期試験を行う場合、自分以外にもう一人試験監督が必要となる。試験監督になれるのはポスドク以上のスタッフだが、講義を担当している副教授以上のスタッフはそれぞれの試験で忙しいので、基本的にはポスドクか研究員の人にお願いすることになる。とりあえず、同じ研究グループのポスドクさんに依頼して、まずは副試験監督を確保した。副試験監督が決まったら、次は希望する試験期日を添えて教務部に試験室の割当を依頼する。その一方で、問題用紙と解答用紙を作成して教務に印刷を依頼する。まだまだ他にも手続きがあるが、とりあえずはここまで処理しなくては次に進めない。

年度末ということで税金関係の手続きがいろいろと降ってくる。夏に申請した広東省の高度人材向けの所得税減税のステータスを確認してほしいという知らせが事務から回ってきたので確認したが、減税自体は認められているはずなのに還付金がまだ振り込まれていない。まったくどうなっているのか。お役所仕事はどこの国も似たりよったりだ。

期末試験に関しての注意事項が教務から回覧されてきた。どこの単元から出題するとか、ここを勉強しておけば単位をとれる、みたいなことを学生に言わないようにという通達が来ていた。なかなか厳しいことを言う。ズルをさせないという発送は理解できるが、全くヒントを与えない状態で大量に落第者がでると、それはそれで担当教員としては困ったことになるので難しいところである。

来週は面接ウィークで、大学院入試の面接と教員候補者のジョブトークが2つある。教員候補者は2人にまで絞られており、今回は両方とも西側先進国の外国人だ。教員の選考基準も年々厳しくなってきている。中国移籍を考えている人は、コロナ禍が収まる前に行動を起こした方がライバルが少なくて良いかもしれない。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年12月30日木曜日

【日記】2021年12月29日(水) 、ボーナスに直結する業績評価、アメリカ人以外で初?、業者によるオフィスの清掃サービス開始

朝、電気ストーブを二台点けてさらに電気給湯器からお湯を出したらブレーカーが落ちてしまった。電気ストーブを二台使いたくなるような寒い日ってベイエリアでは年間に数日しかないものだから、ブレーカーが落ちる上限をなかなか学習しない。

ニュースを眺めながら朝食を食べていたら、日本政府が「2020年代後半には日本人宇宙飛行士の月面着陸の実現をはかってまいります」と表明したという記事が出ていた。「アメリカ人以外で初となることをめざす」ということらしい。なんという時化た目標なんだろう。どうして、世界一番乗りとなる課題に取り組まないのか。この程度の目標だと、また民間に先を越されそう。国家が月に行ったところでカネがかかるばかりで大したインパクトがあるとは思えないが、YouTuberが「月に行きます」だったら企画としてはかなり面白い。

この季節、学内のいろんな職種の同僚の「年間業績評価」のアンケートが回ってくる。こういう評価は全て直接的に年末ボーナスの金額と直結している。あからさまなのになると選択肢がボーナスの金額だったりするものもある。この同僚どうしの相互評価でボーナスが決まるシステムは、ハラスメント防止にそれなりに役になっているような気がしている。

先日、西側の某Webサービスを利用する際の住所証明として賃貸契約書を使おうとしたら上手く行かなかったという話を日記に書いたが、この件どうやら賃貸契約書が住所証明に使えないわけではなく、賃貸契約書に加えて不動産証書と物件の持ち主のIDのコピーを添える必要があるということらしい。賃貸契約を結んだときに集めた書類のスキャン画像を作って再び住所証明書類として提出してみた。さて、どうなるか。

毎週金曜日は自腹で買った掃除機でオフィスの床を掃除する日にしていたのだけど、一ヶ月ほど前から業者が掃除に入ってくれるようになったので時間を節約できるようになった。細かいことではあるけれど時間を節約できることに職場がお金を出してくれるのはありがたい。

今日の学生セミナーは原始ブラックホール関係だった。日本人著者の重厚な論文を、学生さんが要点をかいつまんで要領よく紹介してくれた。私は相変わらず素人質問を連発。

参考リンク:Primordial Black Holes - Perspectives in Gravitational Wave Astronomy -

来週は博士課程編入の院試面接が行われる。昨年天文の面接は一つの面接室で収まったが、今年は天文志望の受験生が多くて面接室を2つにするとのこと。なかなかの人気ぶり。

さて、秋学期の講義も残すところあと1回。徐々に秋学期も終盤が近づいてきた。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月29日水曜日

【日記】2021年12月28日(火) 、日本は学校歴差別社会、推薦書を頼まれる季節、アメリカで飛び交う大量の推薦書、消えるメール

企業が出身大学名で就職希望者を選別する「学歴フィルター」が最近Twitter上で話題になっているが、それに関連して「日本は学歴社会ではなくて学校歴社会だ」というツイートが流れていた。まったくその通りだと思う。下手すると日本では出身高校で社会階層が分かれている感じすらする。日本の相当多くの社会問題の根源は、この「学校歴差別」にあると私は思っているのだけど、この先この状況が改善されるともとても思えない。一度被差別側に回ってしまったら、尊厳をもって生きていくためには、もはや外国に拠点をおいて生きていいくしか方法ないのかもしれない。

この季節は「推薦書」を集中的に依頼される時期だ。今日も1月1日〆切の推薦書を10数通提出した。そういえば、私らの世代の指導教員世代の日本人には英語で推薦書を書くのを億劫がる人が多くて、外国にツテができるまでのキャリアの初期のころは推薦書集めが大変だった記憶がある。私は師匠が在外経験のある人だったからまだ良かった方なのだけど。

かつて、アメリカでオフィスメートだったアメリカ人ポスドクと同じ時期に職を探していたことがあり、その時、お互いの進捗について時々話したりしていたけれど、「ボスに推薦書何通頼んだ?」と聞いたら「300通くらいかなぁ」とか言っていて、そんなの絶対日本人に頼めないと思ったことを思い出した。まぁ、アメリカ人教員の場合、1枚だけ推薦書を書いて、その後のコピーや発送は秘書がやってくれたりするので大量の推薦書の発送が可能なのだとは思う。

しかし、メールボックスに届いていた推薦書依頼メールの数が学生が依頼してきた推薦書の数よりも少ないことに気がついた。西側から「edu.cn」ドメン宛に発送されたメールってときどき届かないことがあるように思う。(今回の場合は、先方がまだ依頼メールを送っていないだけだった)。

1月下旬に珠海で予定されている星周化学関係の研究会、結局コロナの影響で「ハイブリッド形式」ということになったが、次から次に「不参加表明」と飛び込んでいる模様。やはりオンラインだとモチベーションが上がりにくいのかもしれない。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年12月28日火曜日

【日記】2021年12月27日(月)、まだ旧暦では11月、面倒な住所証明、大量の推薦書依頼、健康診断のアレンジ

日本はそろそろ年末年始のお休みに入る人が多くなる時期だが、中国では西暦の正月はごく普通の祝日の一つで大型連休とはならない。むしろこれから春節(旧暦の正月)に向かってさらに忙しくなる時期だ。今日は11月24日(旧暦)。まだまだ旧暦の年末まで先は長い。

講義クラスの学生さん数人に「帰省の予定が立てられないので期末試験の日程を早く決めてください」というリクエストをもらった。確かにそろそろ日程を決めるべき時期だ。期末試験をやるのは今年が初めてなのでいろいろとルールを確認しながら作業をすすめることになり、どうしても慣れている中国人教員に比べるといちいち時間がかかる。どうやら、副試験監督をやってくれる人を探さないといけないようだ。

とある西側のサービスを利用するのに現住所を証明する書類が必要とのことで、中国語で書かれた賃貸マンションの契約書のコピーを送ったら「受け付けられない」という返事が返ってきた。銀行関係は全てペーパーレスだし、水光熱費関係は大家の名義だし、住所証明って簡単ではなさそう。Twitterでもらったレスによると、住所登録した近所の警察署に行くと住所を証明する書類を出してくれるらしい。しかし、中国の役所にいくというのは今の自分の中国力では、まだまだハードルが高い作業だ。(行けば行ったでなんとかなるような気はするが)

少し論文を書き進めて一区切りついたので、今度は留学志望者から頼まれた推薦書(かなり大量)をやっつけねばならない。最近、研究職の応募書類に関しては書類審査が通った人に対してだけ推薦書を要求するというパターンが徐々に増えてきている気がしているが、大学院留学に関しては相変わらず応募の段階で推薦書が要求される。同じ人の推薦に関しては、一つ書いたら後は、多少大学によって修正するにせよ基本的に大筋の部分は使い回すのだけど、それでも応募用のWebシステムが各大学でかなりバラバラなため、案外手間がかかる。一人分を一日で処理するのはちょっと厳しい。

忙しすぎて、健康診断のアレンジをすっかり忘れていたが、問い合わせていた健康管理センターの医師から連絡があり、予約してくれるそうだ。中国人の場合、オンラインで予約できるので簡単なのだけど、外国人は病院のオンライン予約システムを使うことが出来ない。あと、予約だけしても言語サポートがないと厳しいので、特殊なルートで予約を入れて英語の話せる医師か看護師についてもらう必要がある。私の場合、去年健康診断を受けたときに英語の話せる病院スタッフ数人とWeChatアカウントを交換しているので、そこを起点に交渉をしている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2021年12月27日月曜日

【日記】2021年12月26日(日) 、広東省内の一人あたりGDPランキング、ロシア人が抱くソ連時代への思い

今学期はずっと土日のどちらかは出勤していたのだけど、どうにも今日はやる気が起こらず、こういうときに頑張ってもろくなことがないのは分かっているので休養することにした。中国語学習のルーティントレーニング以外、本当に何もせずにひたすらボケっとしていた。

中国関連のツイートを眺めていたら、広東省内の都市ごとの一人あたりGDPのランキングが流れており、珠海市は2位とのことだった。珠海市はこじんまりした目立たない町なので、一人あたりGDPが深圳についで2位というのは意外な気もするが、そう言われてみれば思い当たるふしがないこともない。中山大学がある香洲区近辺は新興地域で、IT企業の社員や大学の教職員が主な住人だ。市街地の方に行くと、昔から住んでいる人もある程度はいるのだろうけれど、それでも基本的には遠方から来た高度人材が多く住む地域だ。それがおそらく一人あたりGDPが高くなっている原因なのだろう。
広東省内の一人あたりGDPランキング

今日はネット記事を見る以外の行動をほぼ何もしていないが、ロシアから日本に来て声優として活躍しているジェーニャさんという方のインタビュー記事を興味深く拝見した。日本にはソ連の国家や軍服がかっこいいみたいなところから「ソ連好き」になる人達がいて、そういう人たちを見るとあまり良い感じがしないということだった。私がロシアに住んでいたときに知り合ったロシア人の中にも、このジェーニャさんと同じことを言っている人たちがいた。

最近、日本語メディアでは「ソ連時代は良かった」「ソ連時代に戻りたい」といったロシアの人々の中に存在する懐古主義的な意見にフォーカスがあたることが多いように思うが、実際にいろんなロシア人と話をするとソ連はもうこりごりという人も決して少なくなかったように思う。特に、ソ連時代は良くなかったと思っている人には女性に多かったと記憶している。子供のとき人形の一つも買ってもらえなかった、化粧品もまともなものがなかった、あんな時代はもうこりごり、というような話は何度も聞いた。一方で、教育が良かった、文化芸術が良かった、といったポジティブな面を表に出してくるのは男性に多かったと思う。同じ時代でも視点が変わると見え方も変わるのだろう。


中国語学習


単語と例文の暗記(10分程度)

2021年12月26日日曜日

【日記】2021年12月25日(土) 、手慣れてきたセルフカット、お粥とイエーガーマイスター、JWSTの打ち上げ成功

土曜日ということで今日は家で休養。しばらく散髪していなかったので、久々に「セルフカット」でスッキリした。外国に出てからというもの、散髪は自宅で妻に切ってもらうか、もしくは自分で切っている。最近はセルフカットにもかなり手慣れてきた。長さ調整機能付きの電動バリカンとスキバサミを使って自分でササッとやってしまう。かかる時間は15分くらい。最初の数回は難しいと感じたが、慣れてしまえば簡単である。ポイントは、手のひらで頭髪の上から髪の毛を触ってみて、全体的に均質な厚さになっているかを確認しながらカットすること。鏡に写った頭髪の状況を見ながらカットすると失敗する。あくまで手のひらで感じる毛量を指針とする。この方法でカットすると、鏡で直接確認できない後頭部も上手にカットすることができる。

土曜日ということで、夕食は恒例の出前。今日は、ちょっと内臓が疲れ気味ということもあって、お粥と野菜を多めの中華メニューを発注した。中国のお粥は出汁が利いていて雑炊のような感じでとても美味しい。こちらでは朝食に食べる人が多いようだけど、内臓が疲れている時に夕食に食べるのも悪くない。

内蔵が疲れてお粥を求めるような状態ではあったのだけど、とはいえ土曜日は貴重な「飲酒可能日」でもあるので、やはり何か少し呑みたい。最近、内臓が疲れ気味のときには「イエーガーマイスター」というドイツのリキュールを飲むことにしている。このイエーガーマイスター、「ドイツの養命酒」という異名を持つくらいで、56種類のハーブが使われており漢方薬のような香りがする。多少好き嫌いはあるかもしれないが、私のようにハーブ好きな人だと、おそらく味も美味しいと感じるのではないかと思う。私はだいたいロックかソーダ割りで飲むことが多いが、トニックウォーターやオレンジジュース等の柑橘系の割材で割っても美味しいと思う。

夜9時過ぎ、ついに「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」が打ち上がった。打ち上げ後の状態も今のところ順調なようだ。この宇宙望遠鏡、打ち上げが何度も延期されて、当初の計画から打ち上げが10年以上遅れたので、一時は「Just Wait Space Telescope」とか「宇宙のサグラダファミリア」などと揶揄されていた。総予算も約1兆円まで膨れたそうだ。しかし、中止せずに打ち上げまでたどり着いたのはさすがアメリカといったところだ。観測は半年後から始まるとのことで、どういう結果が出てくるのか非常に楽しみだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2021年12月25日土曜日

【日記】2021年12月24日(金) 、思い出すロシアの院生の言葉、リスク地区100ヶ所オーバー、論文執筆開始

最近、ロシアがウクライナに武力行使するのではないかという話題をTLで良く見かける。ロシアのネガティブなニュースを見かけるたびに、ロシアの職場にいた時の院生さんが「対外的に嫌われる政策ばかりとるので今の政権は嫌いです」と言っていたのを思い出す。

そうこうしているうちに中国国内の中高リスク地区がまた増えてきた。特に西安市にリスク地区が多いようだ。100ヶ所も封鎖地区ができてしまうとあちこちで生活に大きな影響が出ているだろう。この先、どういうタイミングで中国はこの強力な防疫規制を緩和していくのだろう。なかなか先が見えない。

うちの職場では、新しい講義科目を担当するときには審査を受けなくてはいけないのだけれど、今日ようやく来学期用の模擬講義の審査が終了した。まだまだ忙しい日が続くがとりあえずストレスフルな用事が一つ片付いた。

卒研生の研究で良い結果が出てきたので、いよいよ査読論文用の原稿作りにとりかかった。この研究、留学に向けて論文を出版したいという学生さんの希望で、通常の卒研の開始時期よりも1年以上早くから始めたもので、学生さんも一生懸命頑張っているのだけど、卒業までに絶対に出版しなくてはいけないという制約があるので指導する方としてもかなり大変だ。とにかく、この冬休みが勝負どころ。

期末試験が近づいてきたので、学生から講義で話した内容について質問される機会が増えてきた。教室で質問してくる分には良いのだけど、中にはSNSを介して質問してくる学生もいる。多くの場合、質問に答えるには多少数式を書いたり図を示したりする必要があるので、そういう場合はSNSで質問されても返答にこまる。SNSで質問してくる学生は、だいたい英語が苦手な学生に多い。会話だと分かりづらいので、文字で質問しようということになるのだろう。しかし、英語で会話するのも教育の一環なので、こういう学生にはオフィスに来て質問するように指導している。実際に、面と向かって黒板の前で図や数式を使って説明すると、ほとんどの学生は英語で説明しても理解できるようだ。

私のオフィスが入っている天琴センタービルのエントランスホールの工事がようやく完成し、完成記念のこけら落としとして何やら写真展が開催されていた。ざっと見た感じ国威発揚的な内容の写真展だったようだけど、詳細はよくわからず。とにかく、見事に閑古鳥が鳴いていた。

エントランスホールで開催されていた写真展

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月24日金曜日

【日記】2021年12月23日(木) 、横断歩道での自転車通行規制、模擬講義の準備、データ・アーカイブを眺めて気分転換

3日ほど前から通勤路の途中にある横断歩道に警官が来て「自転車から降りて、自転車を押して横断報道を渡るよう」に指導している。他の横断歩道ではこのような規制はしていないので、あそこで何か事故でもあったんだろうか。

最初、警官に注意されたときに何を言われているか分からなかったので何度も聞き返していたら、周りの人にジローっと眺められてしまった。こういうとき、台湾や香港だと周りの人がすぐに助け舟を出してくれるが、大陸側だと微妙に状況がことなるように思う。おそらく、絡んでいた相手が警官だったので、周りの人が関わりたくないという思いがあるのかもしれない。

最近あまり見かけないWeChatグループが突然浮上してきて「あぁ、また何か仕事が降ってきたか」と思って覗いたら「グループ解散」だったということがここ数日連続している。年度末なのでWeChatグループも整理整頓の時期のようだ。

春学期に受け持つ講義科目の模擬講義の準備が一応終了。こういうの、準備にこだわりだすと無限に時間がとけていく。しかし「模擬講義による審査で不合格だと担当できない」みたいなことを言われると、どうしても多めに時間を使ってしまう。

夕方エネルギーが尽きてしまったので、某有名望遠鏡のデータ・アーカイブをぼぉ~っと眺めていた。観測から5年以上経過しているにも関わらず論文が一つも出ていないデータが相当な数存在する。こういう専有期限切れのデータは、ルール上はもともとのプロポーザルの目的に書かれた方向性に沿って解析して論文を出版したって構わないのだけど、さすがにオリジナルのプロポーザルに書かれた解析をそのままやるのは気が引けてしまう。しかし、間違いなく宝の山ではある。

ぼぉ~っとついでに、上記の某データ・アーカイブからダウンロードしたデータを解析する環境を整備しておこうと思って、久々にVirtualBox上にFedoraをインストールしはじめたりした。データを眺めて面白いデータが有れば、卒論のネタにでもしてみるか。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年12月23日木曜日

【日記】2021年12月22日(水) 、まだまだ遠い年末、学内セミナーを行脚する卒研生、外国人に不利なティーチング評価

ここしばらくTwitterのTLに「掛け算に順序がある」と主張する学校教員のツイートがしばしば流れてくる。何をアホなことを言っているんだろうかと思って、少しTLをさかのぼって主張を見てみたのだけれど、もうこれは疑似科学的な主張以外の何物でもなく、ため息しかでてこない。一連のツイートを見ていて、アメリカに長く住んでいた某知人が「アメリカに長く住んで一番良かったことは、子供に日本の教育を受けさせなくてすんだこと」と言っていたことをふと思い出した。

日本語のTLを眺めていると、年末感満載である。一方、私の職場はと言うと、まだまだこれから年末に向けて忙しくなっていく時期だ。今日は旧暦でいうと11月19日なので、旧正月の大晦日まではまだあと一月以上残っている。

講義期間も残すところわずかとなってきたので期末試験の規則を調べているのだけど、いろいろ規定が厳密なようだ。一週間前に教務に問題用紙を提出し問題用紙と解答用紙は教務が準備する、試験室は普段の講義室とは異なる部屋が指定される、試験監督は講義担当教員以外にもう一人つく、なおかつそれ以外に各教室を回って監督する巡回監督もつく等々。

香港大の昔の職場(HKU/LSR)から年末のグリーティングが流れてきたのだけど、引用されているオフィスの写真を見て、あそこの窓からの景色を思い出した。サイバーポートオフィスの窓からの景色は綺麗だった。手元にはあまり良い写真が残っていないけれど、一枚だけ残った写真は以下のような感じ。

香港大学サイバーポートオフィスの窓からの眺め

私が香港大にいた10数年前は、まだ香港と大陸の大学との間での交流はあまり多くなかったけれど、今では香港の大学もベイエリア地区でひとくくりになっている感じだ。

今すぐに用事はないのだけど、英語を話せる歯科医が複数在籍していて外国人からの評判も良いという珠海市内の歯医者の噂を聞いたのでメモ。Webに書かれている電話番号にかけると英語で対応してくれるとのこと。

参照リンク:珠海思迈口腔门诊部

うちの卒研の学生たち、学院内で行われているセミナーや研究グループ会議等の研究関連の集まりに18回以上参加するという義務があるそうで、出席記録表にサインをちょいちょい求められるのだけど、サインしながら「頑張りや」などと声を書けていて、ふと八十八ヶ所巡りのお遍路さんみたいだなと思った。

年度末の業績評価書類が飛び交う季節になった。外国人は評価ポイントの高い学部必修科目を教えられないので、けっこうな時間をティーチングに費やしている割にティーチング評価が低くなる。このシステム、なんとかならんのだろうか。

2021年12月22日水曜日

【日記】2021年12月21日(火) 、季節外れの雨、あしたは冬至、自力で健康診断のアレンジ、博士編入の願書到着

通常なら今の季節は乾季なので毎日ずっと晴れの日が続くはずなのだが、季節外れの台風が接近しているせいか、昨日からずっと雨がふっている。南国の冬の雨は最悪だ。北国のように、もっと冷え込んで雪が降るのでればまだ良いが、気温10数℃で雨が降ると、暖房施設が貧弱な南国では本当に寒くて不快。

研究グループのポスドクさんが北米の共同研究者にとある理論計算の相談を持ちかけるメールを送っていた。中国は今年度末の追い込みで大忙しの時期なんだけど、うちのポスドクさんは非常に頑張ってくれている。ただ、北米に今の時期にガッツリ仕事系のメールを送っても、おそらく返事は来年まで返ってこないだろう、と思ってCCされてきた文面を眺めていた。

そういえば明日は冬至ということで、職場でグリーティングメッセージが流れてきた。今日は旧暦の11月18日なので、まだまだ中国の年末までは先が長い。

職場から送られてきたグリーティングカード

12月には毎年職場で健康診断が行われる。去年の健康診断のときは職場の秘書さんに無理を言ってありとあらゆる手続きや申込を手伝ってもらったのだけど、昨年附属病院の医師や看護師の方たち数人とWeCahtアカウントを交換しておいたので、今年はそこを起点に自力でもろもろ手続きを進めている。去年検査に付き添ってくださった医師は既に他の部署に移られていたけれど、別の英語を話せる医師を紹介してもらった。今年もなんとかなりそう。

今日は、日本で言うところの大学院の「博士編入」の願書が審査のために送られてきた。去年もそうだったけれど、卒業学部や修士での専攻分野が見事にバラバラ。学部からずっと天文出身な人は1人だけだった。また来年「天文学入門講座」をやることになりそう。

去年も博士編入の面接官をやったが「実学系分野じゃないと大学院に行っちゃダメと親に言われてしぶしぶ工学系の修士課程に入ったのですが、天文をあきらめきれなくて応募しました」という受験生が何人かいた。実学系から基礎研究に鞍替えしてくる人がたくさんいるところが今の中国の国力を表しているようにも思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年12月21日火曜日

【日記】2021年12月20日(月) 、警察署からの呼び出しが来た件、役所にたらい回しにされて2時間ロスト、期末試験の準備

今年はずっと暖かくて、職場では春まで暖房は不要かと思っていたが、ついにこの冬初めてホットカーペットを棚の奥から引っ張り出した。

先週末、マンションの管理会社経由で「近くの警察署まで境外人员住宿登记 に来てください」というメッセージが来たのだけど、何も登録情報を変更していないのになぜ連絡が来たのかが分からず、とはいえ、もし違法状態を放置していたとしたら大変なので、同僚にお願いして警察に電話して確認してもらった。

しかし、やはりそこはお役所のこと、そう簡単に要件が片付かず、2時間弱に渡ってさんざん関係部署をたらい回しにされた挙げ句、ようやくなんとか理由がわかった。どうやら外国人登録の担当部署の警官が近隣のマンション管理会社に対して、マンションに住んでいる外国人全員に警察に行って住所登録するように無差別に言って回るように依頼したらしい。既に登録している外国人は対象外なので、まったく迷惑な話だ。自分の時間も同僚の時間もかなり無駄にしてしまった。

やはり珠海公安のページにも登録内容に変更がなければ再登録する必要なないと書かれている。

持有居留证件的外国人在居留证件注明的地点住宿的,无需重复申报住宿登记。

参考リンク:在珠外国人服务指引 

あいかわらず年度末で大忙しなので、失った時間を取り返すべく、昼下がりから全力で仕事。今日はさらに期末試験の準備を進めた。作問は終了しているのだけど、問題用紙には大学の統一基準があるので指定のフォーマットにそって問題用紙を作らなくてはいけない。これが案外手間がかかる。テンプレートが中国語で書くように出来ているので英語で書くといろいろと細かな設定を調整する必要がある。あと同様に問題用紙に合わせて解答用紙も作成せねばらならい。

さらに、模擬授業の準備。スライドは作ったので、あとは授業のリハ。細かなことにこだわりだすと時間が無限に過ぎていくので、適当なところで切り上げるしかない。年度末は障害物競走のごとく時間が過ぎていく。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月20日月曜日

【日記】2021年12月19日(日) 、再び増加するリスク地域、留学先のコースワークを気にする学生さん、模擬講義の準備、軌道に乗り始めた研究

ここしばらく中高リスク地区がじわじわと増加してきているので、最新のリスク地区情報を確認することが再び朝の日課となりつつある。今朝の情報によると珠海からすぐ近くの东莞市に中リスク地域が8ヶ所出現したようだ。东莞市からだと珠海に通勤してくる人も少なからずいるはずで、これはもう、いつ珠海に飛び火してきてもおかしくない状況だ。しかし、とにかく職場にいるときに封鎖管理が始まるのだけは勘弁してほしい。

季節がら留学希望の学部生さんの相談を受けることが多くなってきた。うちの大学の学生さんたちが希望する留学先は基本的にアメリカが多い。学生さんの話を聞いていると、留学先の大学院がどういう講義科目を開講しているかも結構気にしている様子だ。私が日本の大学院に進学する時は、各大学院が開講している講義科目なんて全く気にしていなかったが、やはり北米の大学院はコースワークをしっかりやるので、学生の方もそこに注意がいくのだろう。

年度末で仕事が山積しているので、日曜日だけれどオフィスに行って仕事をこなした。とりあえず、まず期末試験業務を一区切りつけようと思い、期末試験の問題を完成させた。そして、ついでに試験勉強のヒントを書いた文章を作って学生に配布した。「ど真ん中に打ちごろのストレートを投げるから、空振りするなよ!」みたいな感じである。大学院の講義で筆記試験なんかやらなくてもよいと個人的には思うけれど、規則で必修科目は筆記試験をきっちりやらないといけないので仕方がない。

その次は、模擬講義の準備を行った。うちの職場は新しい講義科目を受け持つときには、学期が始まる前に同僚たちの前で模擬講義を行って審査を受けなくてはいけない。初任者研修のときの模擬講義ほどシリアスな審査ではないようだけれど、それでも同僚の前で講義するというのは独特の緊張感がある。という訳で、過去の模擬講義でネガティブコメントを食らった失敗を繰り返さないように入念に準備とリハを行った。こういう仕事は日曜日向きである。平日だとオフィスに訪問者が来るのでなかなか集中してリハが出来ない。

後は某天体の輻射輸送モデルを作るための意見交換等々、研究関係の仕事を少しこなした。完成まではもうしばらく時間がかかりそうだけど、徐々に形になってきた。この調子で行くと2022年にはなんとかいくつか論文が出せそうな雰囲気だ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、リードシートIII

2021年12月18日土曜日

【日記】2021年12月18日(土) 、週末も舞い込む学生からの質問、電気バイク一斉取締の影響か?、お好み焼き専門店おでん開始

年度末で多忙すぎて、ついつい土日も仕事してしまいたい欲求に駆られるが、土曜日は強制的に休養日にした。いくら多忙であっても仕事のペースには緩急をつかねいと必ず限界が来る。

そうは言っても、学生からの質問等は土日も休みなく舞い込む。彼らにとっては一生に一度の卒研、一生に一度の留学準備、卒業がかかる試験等々の重大な質問であり、なんとか土日でも教員から返事をもらえないものかと思って質問してくる。こちらも、様々な仕事のなかで、学生の対応は一番大切にしたいと思っているので、自分のコンディションと相談しながら返事をちょこちょこ返したりはする。

土曜日の夕食は出前をとることにしている。今晩は「おでん」が食べたいと思い、以前利用したおでん専門店のメニューを出前アプリ上で確認したら、なんと配達エリア圏外となっている。その後、いくつかの店のメニューを眺めていて気づいたのだけど、今まで配達可能エリア内だったお店のいくつかかが配達エリア外に変わっていた。はっきりとした理由は分からないが、おそらく最近行われた電気バイクの一斉取締と関係しているのではないかと推測している。出前の配達員の大半は電気バイクを利用しているし、あれが一斉に禁止されたらかなり困るだろう。

電気バイクは確かにあまり歓迎された乗り物ではないと思う。歩道や自転車道を車道を走るエンジンバイク並みの速度で走り抜けていくし、バッテリー充電時の爆発事故も多発している。しかし、電気バイクがなければデリバリー業は成立しないくらいに普及していたので、そう簡単には完全禁止にはならないのだろうと思っていたが、そこはやはり中国のこと、多少の不都合が発生しても禁止するときはバシッと禁止してしまう。まぁ、いずれ何らかの代替手段が出てくるのだとは思うが。

そんなこんなで、おでん専門店が利用できず、とはいえ胃袋は既におでんモードに入っており、なんとかならないものかと出前メニューを物色していたら、なんとなんと、近所のお好み焼き専門店がおでんを始めたようで、こちらはすんなりと注文できた。珠海の日本食事情も徐々に改善されている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

【日記】2021年12月17日(金) 、「居候三杯目にはそっと出し」な心境、ボーナスは完全歩合制、1限は午前8時開始

年度末が近いということに加えて、私は11月に着任したので、今の時期は年度末の事務処理以外に公私に渡るいろいろな物事の更新手続きや審査等が集中して押し寄せてくる。こういうとき、どうしても自分ではこなせない問題が出てくるので、中国人スタッフにヘルプを求めるのだけど、中国人スタッフも年末で忙しいので話の切り出し方がなかなか難しい。

中国人IDがないと処理できない系の問題はまだ比較的ヘルプを求めやすいが、「中国語力があれば自分でできるやろ系」の問題に対してヘルプを求める時は、着任からの時間が経てば経つほど「居候三杯目にはそっと出し」な心境になってくる。

日本では年末ということでボーナスに関する話題がTwitterに流れていた。中国の大学にもボーナスはあるのだが、うちの職場のボーナスは「完全歩合制」なので、論文なし&ティーチングなし&指導学生なし&獲得グラントなしだと0元となる。赴任した最初の年はコロナの影響でティーチングなしで、論文も出せずグラント獲得にも失敗したのでボーナスは日本円で約7000円だった。今年はティーチングをこなして学生の指導もしているので、多分、もう少し貰えるはずだ。

春学期の担当科目、教務からの通知によると、週2回あって両方とも1限目からということになりそうだ。それで、1限目の開始時刻を調べたら、なんと午前8時…。これは大変そうだ。

今日は金曜日ということで定例の研究グループの会議の日だ。通常だと研究に関する考え事ができるので金曜日は一週間の中でも比較的楽しい日なのだけど、年度末ということで、他に処理するべき問題が山積しており、なかなか研究だけに意識を集中することができない。今日はなんとか期末試験の問題を作り終えて、受講している学生さんたちに試験対策のアドバイスをまとめた資料を作った配った。来週も、来学期の講義担当科目の打ち合わせやら、トライアル講義やら、学生さんやポスドクさんの論文の仕上げやら、研究会で頼まれているトークの準備やら、怒涛の日々が続く。旧正月まであと2ヶ月弱の辛抱。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月17日金曜日

【日記】2021年12月16日(木) 、年度末で殺気立ってきている職場、中国語の打ち合わせはケセラセラ

年度末が近づいてきており、職場が徐々に殺気立ってきている。この既設は周りにヘルプを求めづらい状況になるのだけど、こういうときに限って中国語話者のヘルプが必要になったりする。自分でこなせる仕事も増えてきて入るが、まだまだ言語的な理由で自分では処理できないことも少なくない。

この既設、さまざまな打ち合わせが行われるが、多くの打ち合わせはまとめた書類の提出に締め切りがあるため、〆切が近づくとバタバタする。〆切直前に(中国語の)議論が二転三転して話についていけなくなるとお手上げ。もうあとはケセラセラだ。

延々と中国語での議論が続いた後に「How do you think?」とそこだけ英語で言われたとしても「一応気を使ってくれてありがとうね」と素直に思える在外研究生活20年目。

卒研生が卒業研究を開始することに同意するという書類をWeb上で提出しなくてはいけないのだけど、大学からWebシステムの操作について何の説明もなかったので、結局指導している学生に指導されながら記入して提出した。

年度末のスケジュール帳にほぼ余白がなくなってきたところで突如健康診断の予約を入れていないことを思い出してしまった。上手く予約が取れるか。

とりあえず〆切が近いものからやっつけていかなくては行けないのだけど、今日は来学期の講義担当科目のシラバス執筆、今学期担当している講義科目の期末試験の作問、卒研生の面談指導等を粛々と進めた。今の職場は、事前の予告なく突然仕事が降ってくる上に、降ってくる仕事量が年末に向かって増えていくことは承知しているので、何事も前倒しでやっつけておくのが吉である。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年12月16日木曜日

【日記】2021年12月15日(水) 、学生さんからの良い知らせ、初の実験科目担当、素晴らしい卒研の結果、素早い公安の反応、アメリカの公募倍率

水曜日ということで今日は学生セミナーの日だ。セミナーと言っても講義の一環としてやっているので学生は出席の義務がある。このセミナー、講義科目としては前半の講義パートとワンセットになっており、講義に基づく筆記試験で50点、発表と質問で50点、この2つを合計して60点以上獲得しないと単位は取れない。今年から立ち上がった講義で、博士課程から天文学に専門を鞍替えしてきた学生さんに天文学のイロハを学んでもらうのが目的だ。

今学期から突如始まった講義科目で、担当者が誰も手を挙げず、なぜか私が学期開始の2週間前に目的だけ与えられて担当することになった。正直、自分としてはかなりシッチャカメッチャカな内容になってしまって学生には申し訳ないと思っていたのだけど、今日のセミナーの終わりに学生が一人やってきて「この講義のおかげで視野が開けた感じがします。他にもそういっている学生が多いです」と言ってくれた。かなり苦労しながら講義を組み立ててきたので、正直非常に嬉しかった。

来学期は学部生向けの天文学データ解析の実験科目を担当することになっている。この講義向けに、FASTのデータを使わせてもらえるかどうか頼んでいた人からOKの返事が返ってきて一安心した。とあるセミナーで「研究の目的からするとコンタミがひどくて難しいデータ」ということを聞いたのだけど、そのコンタミが実習教材としてはお誂え向きで、提供を依頼したら快く応じてくれた。とてもありあがとい。学生としても、中国が誇る最先端の望遠鏡のデータで実習できるのはきっと面白い経験だろうと思う。

卒研生がなり面白い結果が出してきた。必ず論文にせねばならない。春節前にどこまで論文原稿を仕上げられるか。しかし、まさか同時期に研究を始めた大学院生を追い越して卒検の学生が先に出版できそうな結果を持ってくるとは思っていなかった。うちの学部生は本当に優秀だ。

帰宅してスマホを見たらマンションの管理会社からメッセージが入っており、何かと思ったら、賃貸マンションの契約を更新した途端(前の契約が切れた途端)に公安から呼び出しが来たようだ。どうやら住居登録情報を更新する必要があるらしい。しかし反応が早い。そんな手続きがある事をすっかり忘れていた。これは一人では処理できないので、だれか中国語を話せる同僚のヘルプが必要だが、このクソ忙しい時期に上手くヘルプを見つけることができるだろうか。

Twitterを見ていたらアメリカの数学のファカルティー公募で競争率が430倍とかいう話題が流れていた。そういえば昔応募したハワイ大学のエントリーレベルのファカルティー公募の倍率も400倍超えているという噂だった。当時の所属先のボスから「マウナケアにある全ての望遠鏡をフル活用した研究計画を書け」ってアドバイスされたが上手く書けなかった…。100倍を超えると、もうちょっとやってられない感じはする。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月15日水曜日

【日記】2021年12月14日(火) 、新しい担当科目、ハイブリッド方式の研究会、コロナ規制で通販キャンセル、中国トップ10大学の学部生の実力

来学期の新しい講義科目を担当するので今日は午前中からその打ち合わせ。来学期に担当するのは実験科目で、普通の講義科目とルールがいろいろと違って若干混乱気味である。ただ、講義で扱える内容の自由度が高い科目で、教える方としては面白い。

新しい講義を担当する場合、うちの大学では「トライアル講義」という試験みたいなものがあり、他の教員の前で講義の一部をやってみせないといけない。実験科目の場合、自分で考えた教材を使うので、既存の教科書に沿って教えるというわけにもいかないず、事前の「仕込み」に時間がかかる。そんなこんなで、当面忙しくなりそうだ。

半年延長になっていた中国国内の某研究会がハイブリッド方式で開催されるという案内が来た。地元開催なので当然参加する予定なのだけど、半年前とは研究の状況がいろいろと変わっており、トークタイトルを変更する旨、実行委員に連絡を入れた。しかし、コロナがなかなか収束しない状況で、いったい、どれくらいの人が参加するのだろうか。

夕方、通販サイトの京东で電化製品を頼んでいた店から「コロナ規制で店が封鎖されて発送できないのでキャンセルしてください」というメッセージが来た。このパターンのキャンセル要請は初めてだ。どこの地域の店なのか見てみようと思ったのだけど、店舗のページには店の住所は掲載されていなようだ。

寝る前にWeChatを開けてみたら、卒検の学部生さんが解析結果を表したグラフを送られてきていた。これが非常に面白い結果で、こういう良い結果を見ると、頭はすぐに論文執筆モードに切り替わる。あと、もういくつか追加の解析を行えば立派な査読学術論文になるだろう。「有利な条件で留学するために卒検で査読学術論文を出版したいです」と言ってきたときには、まぁ、卒検の結果で論文が出せる確率は良くて10%か、ぐらいに考えていたが、完全に過小評価だった。あらためて中国トップ10大学の学部生の実力を思い知った。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年12月14日火曜日

【日記】2021年12月13日(月)、国家哀悼日、英語を頑張る院生さん、まとめノート脱稿、これからが忙しい季節

今日は南京事件の国家哀悼日ということで通販アプリ等のトップページが白黒画面になっている。法律的には、今日は「エンターテイメント禁止」だそうだ。通勤時に近所の小中学校の横を通ったら、特別の朝礼が行われていた。政府が行う国家哀悼行事が午前10からとのことで、職場でも何か関連行事があるのかと思っていたが、大学の中は特に普段と何も変わらなかった。

どこの国に住んでいるときも、その国ごとにナショナリズムが盛り上がる日というものはあるものだ。外国人居住者としては、居住国に敬意を示すという意味でも、自分の身の安全を守るという意味でも、その「ナショナリズムが盛り上がる日」の意味合いくらいはしっかり知っておくべきだろう。

私個人としては、今日もいつもと同様に淡々と仕事をこなす普通の一日だった。今日は院生セミナーの司会進行役をやる日だ。今日の発表担当の学生さんは「英語が苦手なので台本を書きましたが全部暗記したのでできるだけに見ないで話します」とのことで頑張って台本を見ないで話してくれた。この学生さん、9月の入学当初はほとんど英語が話せなかったが、この3ヶ月の間に目に見えて英語力がついて来ているのが分かる。英語全般の能力を急激に伸ばすのは難しいにしても、英語で研究発表能力に特化して考えれば、英語台本を作ってそれを暗記して発表するということを何度も繰り返していれば、短期間でかなり上達できるだろうと思う。

自分が担当した講義のまとめノートをようやく脱稿して学生さんに配布した。本当は、余談で話したことを付録として付け足したかったのだけど、どうしても時間が取れずに断念。今回は、試験範囲をまとめるだけでタイムアップとなってしまった。余談で干渉計の原理やメーザー発見の話等をして、自分としては余談の方が面白い内容だと思っていたので、冬休みに時間のゆとりが出来たら書き足したいと思っている。

12月も中旬となり、さらに忙しさが増してきた。これから1月末に向けて爆発的に忙しくなって行くことは分かっているので、メンタル的なコンディショニングの重要性がより増してくる。ただそうは言っても、やはりロシアのときに比べると、状況はうんとマシである。ロシアのときは、強烈に急かされて猛烈に追い込んで仕上げた書類を提出したら「それは、もう要らない」みたいなことが何度もあり、あれはメンタル的に非常に辛かった。中国の場合、ロシアに比べるとシステムがしっかりとしているので、理不尽な骨折り仕事というのはほとんどない。それだけでも中国に移籍してきて良かったと思っている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月13日月曜日

【日記】2021年12月12日(日) 、モバイルSuicaへのチャージ、香港のポスドク求人、働きながら学位取得

日本国内でiPhoneウォレットに中国の銀行が発行した銀聯カードを登録してそこからモバイルsuicaにチャージできたというツイートを見かけたのであまり期待せずに試してみたのだが、やはりチャージできない。こいうのは、中国にいるとたいがいダメ。しかし、もし日本に一時帰国したときに出来るとしたら便利そうではある。

WeChatの職域グループに香港中文大学のポスドク求人が回覧されてきた。分野は星間物質の観測的研究と装置開発で契約は2+1年。以前は、香港と中国の大学の間には溝があったと思うが、民主化運動激化の後、急速にシステム的な統合が進んでおり、香港と大陸の大学の間での行き来が増えてきた。政治的にはいろいろな思いの人がいるのだろうけれど、基礎科学に関する研究リソースが少ない香港の大学にしてみると、大陸と交流するメリットは少なくないだろうと思う。そんな訳で、香港中文大学のポスドクは、外国人にとっては中国へのコネを作るという意味でも悪くないのではないかと思う。

参考リンク:Postdoctoral Positions in Observational Astronomy and Astronomical Instrumentation

北京大学警備員が余暇を利用して大学に通い大学卒資格を取得したという記事がネットニュースに出ていた。こういう感じで、働きながら上位の学位を取得してキャリアアップを狙うというのは、中国ではよくある話だと思われる。うちの職場の秘書さんの中にも秘書業をやりながら大学院にも籍をおいておられる人がいる。

参考リンク:北京大学警備員 余暇を利用して学位を取得

日曜日午前の少し遅めの時間にオフィスに出て、一日中ひたすら講義ノートの執筆を進めた。なんとか今週中には、一応期末試験の範囲のノートを書き終われそうなところまできた。これを書いている間に山のように仕事がTODOリストに連なってしまったので早く終わらせねばならない。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年12月12日日曜日

【日記】2021年12月11日(土) 、文字ベースでのコミュニケーション雑感、香港マカオ系の茶餐廳の点心で一杯

最近忙しすぎて週末も溜まっている仕事をこなさなければという思いがつきまとうのだけど、経験上、土日両方を仕事日にしてしまうと、長期的にはメンタルコンディションが悪化して行くことになる。なので、できるだけ土日のうちどちらか一日は仕事から距離を置くようにしている。というわけで今日は休養日にした。

日本語話者は漢字の知識があるので、欧米系言語が母国語の外国人に比べると中国語の読み書きについて有利であることは間違いない。WeChat等で文字をやりとりしながら、地元の業者や店を利用したりも出来る。ただ、いつも文字ベースでのコミュニケーションが上手くいくかと言うとそうとも限らず、電話や口頭での対応しかしてくれない人もいたりする。

先日、自宅の水回りで問題が発生し、マンションの出入り業者に修理に来てもらった。そのとき、業者と中国語でやりとりしていて一部理解できないところがあったので、スマホでタイプしてとお願いしたら快く応じてはくれたものの、ごく短い文章をタイプするのにかなり長い時間を要していた。

職場の同僚から聞いた話では、普通語の読み書きが出来ない、もしくは得意ではないという人が、中国にはまだかなりの割合でいるそうだ。その同僚の両親や親戚も携帯アプリから通販を利用したりすることは億劫とのことで、いつも同僚が代わりに注文してあげているそうだ。中国のこういう状況は、大学という特殊な環境で仕事をしているとなかなか気づきにくい。

土曜日ということで、夕食は恒例の出前。今晩は香港マカオ系の茶餐廳から点心をいろいろとって、それをつまみながら先週取り寄せておいたサントリーのレモンチューハイで一杯やった。サントリーの缶チューハイを飲んでいると、目の前に日本の居酒屋の情景が浮かんでくるようだ。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月11日土曜日

【日記】2021年12月10日(金) 、18年前の自分の論文、コロナ規制でセミナーがオンライン化、会議と打ち合わせの一日

職場の「年末夕食会」の開催希望日に関するアンケートが回ってきた。そういえば去年はコロナで夕食会が流れたのだった。今年はどうなるか。しかし、中国では、新暦の年末年始は休みになるわけではないし、基本的には忙しい時期でもあるので、できればこういう懇親行事は期末試験が終わった後にしてほしいところではある。

研究グループのセミナーで、ポスドクさんがある論文の一部をスライドの中にコピペして示していて、それを「なんか、ゴツゴツした英文やなぁ」などと思いながら見ていたら、なんと18年前に書いた自分の論文だった。しかし、若いときの論文なので、英語がこなれていないのは仕方ないとして、内容的には案外鋭いことや示唆的なことを言っており自分で感心してしまった。

今日は本来ならば、北京からゲストが来てグループ会議と学科コロキウムでお話してもらう予定だったのだけれど、コロナ規制の影響で急遽オンラインになってしまった。オンラインコロキウムは発表者が移動しないで済むし、適当に聞き流しながら他の作業をこなしたりできるので便利ではあるけれど、話す方の立場としては難しい面もあるように思う。やはり聞き手の表情が見えないというのは、話していてなんとなく不安になるものだ。

会議とコロキウムの後は、学生との研究打ち合わせを2つこなした。2つのうちの一つは、ようやくデータ解析の目処が立ち、論文を書き始められる状況になってきた。しかし、まだまだここから先が長い。論文を執筆した経験がない学生さんの中には、解析がある程度進むともう研究が終了したような錯覚してしまう人がいるが、研究開始から論文出版までを時系列で見た場合、原稿に着手した時点では、まだ全体の50%まで到達していない場合が少なくない。まぁ、あまりディスカレッジするような事ばかり学生さんに言っていても良くないので、厳しいこととを言ったら次は励まして、励ましたらまた厳しいことをいって、学生さんとの仕事はそれの繰り返しだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月10日金曜日

【日記】2021年12月9日(木) 、あまり見ない反露ツイート、外交ボイコット雑感、続く移動規制、中国からのPayPal払い

 日本の実業家の前澤さんが国際宇宙ステーションに到着したとのことで、それに関連するニュースが沢山流れてくる。日本の民間人がロシアにお金(100億円)を払って宇宙旅行を行った初めてのケースということでニュースになっているのだけど、反露的な日本語ツイートをほとんど見かけないのは興味深い。数年前に北方領土絡みのニュースがたくさん流れていた時期だったらもう少し世間の反応が違ったのかもしれない。もし、これが仮に中国に100億円払って打ち上げてもらっていたとしたらどういう反応になっていただろうか。

北京オリンピックに対して、中国の人権問題を理由に米英豪加が「外交ボイコット」を表明したようだけれど、これらの国々、特に米英がこれまでに殺した民間人の数を考えると、よくこのようなことを臆面もなく言い出せるものだと呆れてしまう。世の中、正義を振りかざす人間や組織、国家ほど恐ろしいものはない。

明日北京から来る予定だったゲストがコロナ規制のため急遽キャンパスに入れなくなり、急遽色々と予定が変更になった。一旦リスク地域が10箇所程度にまで減り、この調子でいつものようにゼロまで到達するのかと思っていたのだけど、今日現在再び40以上にまで再び増えている。どうやら、今回の変異株は感染力がかなり強いらしい。しかし感染力が強くなる一方で、病毒性は弱まっているという話もある。もしそうだとすると、いったい中国はどの時点で現在の超強力な規制を終了にするのだろうか。中国のことなので、科学的に安全と判断した途端に強制的に元に戻すような気もするが。

ついに卒検の学部生さんが査読論文の原稿を書き始めて良さそうなレベルまで解析を進めてきた。今から6月の卒業までに出版を間に合わせないと。本人は「一ヶ月位で出版できますよね!」とやる気満々なので、一ヶ月は無理だとしても、半年でなんとかケリをつけたいところ。

数日前に、中国の銀行が発行した銀聯のクレジットカードをPayPalに紐付けられることが分かった。したがって、原理的には大学が研究費使用のために申請してくれた銀聯クレジットカードでPayPal払いで、西側のwebサービスをいろいろと利用できることになる。PayPal払いできるサービスの中には中国で規制されているサービスも存在するため、その辺の扱いがどうなっているのか関連部署に確かめたところ、研究関連のサービスであればPayPal払いしてよいようだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII


2021年12月9日木曜日

【日記】2021年12月8日(水) 、電動バイクの一斉取締、中国の友人間互助ネットワーク、中露は夢の生命線

以前から電動バイクは違法だけれど取締が行われない「グレー」な乗り物であることは知っていたのだけど、今朝、とうとう通勤路で電動バイクの一斉取締が行われ、道が大混乱だった。取締の様子を見ていると、どうやら電動バイクは没収されるようで、道路脇のトラックの荷台に電動バイクが山積みになっていた。デリバリーサービスの配達員なんかはほとんどが電動バイクを利用していると思うのだけど、ああいったサービスは今後どうなるんだろうか。

来年は1月1日が土曜日なので、今年は1月3日(月)が休みになるようだ。つまり1月1日の土曜日から3日までが休みとなる。正月三が日が休みなんて、まるで日本みたい。(しかし、3日から仕事だと思っていたので、講義予定を調整しないといかん)

学生さんのトークで厳しいコメントが教員から飛んだりすると、セミナーが終わった後同級生が駆け寄って来て「大丈夫だよ!」と励ましながら、どうやったらプレゼンや研究が良くなるか学生同士で議論したりしていて、そういう場面をみると、中国(主語大きい)はもっと強くなるだろうなと思ってしまう。

中国の大学教員って学生に厳し目の人が多いような印象があるけれど、学生の「友達ネットワーク」による互助システムがかなり有効に機能していて、難しい状況に対応しているのではないかとなんとなく想像している。

今日、実業家の前澤友作さんがロシアのロケットで国際宇宙ステーションに行くとのことで、関連のツイートがたくさんTLを流れていく。前澤さんはロシアのロケットに乗せてもらって、研究者は中国に雇ってもらって「中露は夢の生命線」って感じ。

卒検の学部生さんとミーティング終了。めちゃくちゃ優秀。アメリカの大学院に進学希望とのことで、将来が楽しみだ。

来学期新しい講義科目を担当するのでまたトライアル講義をせねばならん。トライアルでどの単元をやるか、いつもすごく迷う。トライアル講義のスケジュールを見たら、今回はやたらとトライアルを受ける人が多い。一年生の講義が広州キャンパスに移るので担当科目が変わる人が多いのだろう。熱統計力学は担当希望者が定員を上回っている模様。教員に人気のある科目らしい。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月8日水曜日

【日記】2021年12月7日(火) 、ポピュリズム科学、香港健康碼による往来開始、教学事故発生

朝、ネットニュースを眺めていたら「来春にも隕石(いんせき)学の歴史を書き換えるような大発見を発表できる見通しだ」というコメントがJAXAから出ていた。こういう発言は、いろいろな意味で健全な科学の発展を阻害する行為だし、思っていても言うべきではないと私は思う。

以前、このような話を日本の知り合い研究者にしたところ「お金をとるためには世論に訴えないといけないので仕方がない」という反論をされたことがある。もう、そうなると科学言うよりもポピュリズム政治そのものだし、そういう反応をされてしまうと、日本には、最早まともな科学研究をできる環境は存在しないのかなと思わざるを得ない。

12月10日から、「香港健康碼(Hong Kong Health Code)」というアプリを利用すると、香港とメインランド中国の間を隔離無しで行き来できるようになるそうだ。しかし、香港に行っている間に感染状況によっては突然移動が遮断される可能性もあるので、まだ今のタイミングでは香港に行くきは起こらない。しかし、徐々に移動規制が緩和されていることは良いニュースだと思う。

一昨年職場が取得してくれたビジネス用のクレジットカード(公务卡)をPayPalに紐づけて使えることが分かった。PayPalを使うと、かなり多様なWebサービスを利用することが出来るので大変便利だ。

夕方、「教学事故発生」とかいう通知が職場で回ってきたのでどんな事故かと思ったら、講義開始が5分遅れたというのが一件と、7分遅れたいうのが一件の合計2つだった。5分遅刻とか7分遅刻で年末ボーナス2割減額されるそうだ。うちの職場は講義の開始終了時刻に本当に厳しい。私は遅刻が恐ろしいので、いつも開始時刻の15分前位くらいに講義室に行くようにしている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年12月7日火曜日

【日記】2021年12月6日(月) 、院生セミナーの進行役、特異値分解、講義ノート執筆、完成間近の大学院生寮

午前中は大学院博士課程院生セミナーの司会進行のデューティーをこなした。今日は特異値分解を使ったデータ解析の話が出て、私はそのへんド素人なので基本的なことをたくさん質問していたら「先生、線形代数が分かってませんねー」と学生さんに言われてしまった。「私らの世代が学部生のときにそんなん習わへんかったんやでぇ」と言い訳しておいた。

上記の件、その場で完全に理解できなかったので、オフィスに戻ってからあれこれ調べて復習したところ、それほど理屈は難しいものではないことが分かった。要は固有値分解の応用問題だ。ただ、やはり学部生のときには勉強した記憶がない。画像の圧縮や、機械学習を使った画像解析等で必須の数学知識のようで、現在の学部教育では線形代数の講義の中で教えることが多いようだ。

参考リンク:分解すると見える世界 ー特異値分解ー

オフィスに戻ってきたとたん、学部学生さんからWeChatで卒検に関する質問が入った。込み入った内容だったので、少し長めの返事を返したのだけどどうも要領を得なかったようで、さらに質問が返ってきた。黒板に図とか数式を書いて説明すればすぐに伝わる内容なのだけど、SNSのメッセージで文字のみで説明するのは非常に面倒くさい。という訳で、次回のミーティングで議論することにした。

昼下がり以降終業時間まではひたすら講義ノートの執筆に取り組んだ。やっと8割くらいまで完了できたが、残りの単元は数式が多いのでパソコンで入力するのに時間がかかる。講義のときは、スライドを作る時間を節約するために、黒板に数式を書いて、その写真を撮ってスライドに貼り付ける等の荒業を使っていたが、来年、もう一度同じ講義を担当することを考えると、ここできちんと数式をタイプしておいた方が良いだろうと思い、ちまちまとキーボードを叩いている。

帰り道に工事中の大学院生寮を見てみたら、建物の上の方から防護ネットが徐々に外され始めていた。いよいよ完成が近づいてきたようだ。近年中国では急速に大学院進学者数が増加しており、大学院生用の寮も不足気味となっている。この新築寮はそれを補うためのものだ。中国の大学は、基本的に学部から大学院まで全寮制だ。寮がどれくらい住みやすいのか私は中にはいったことがないのでなんとも言えないが、ただ非常に安い値段でキャンパス内に住居を学生に提供することは、経済的な面で学生に対する強力なサポートになるだろう。また、大学内に住んでいると通勤時間がほぼゼロなので、時間を有効に使うことが出来る。これも全寮制のメリットだろう。噂によると、大学院生用の新寮は個室になるそうだ。個室になったら、外国人留学生も来やすくなるだろう。

完成間近の大学院生寮

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2021年12月6日月曜日

【日記】2021年12月5日(日) 、外国行きの環境依存性、週末も学生さんと研究、講義ノート執筆、松茸が大量に到着

学部生が留学するかどうかは学業が優秀かどうかよりもどこの大学に通っているかという環境依存性が大きいというツイートがTwitterに流れていて反響を呼んでいるようだった。これは、自分の経験と照らし合わせても、そうであって不思議ではないと思う。私が外国に行くことを現実的な選択肢の一つとして考えられるようになったのは、総研大に進学して周りに外国経験者がごろごろいる環境に移ってからだった。それまでは理屈の上では外国に留学したり就職したりするということがありえることは分かっていても、自分が現実的な選択肢の一つとして考えることができなかった。目の前に経験者がいて話が聞けるとか、話をしなくても自分と同じ属性の人間がたくさん外国に行っているという環境要因はかなり重大な作用を人間の心理に及ぼすのだろうと思う。

午前中は自宅で卒検の学部生さんの質問に対応。週末も熱心に研究を進めているようだ。中国に来る前は、週末に仕事のメール等が来ても次の平日まで無視していたのだけど、中国に来てからは土日でもある程度の仕事はこなすことにしている。一つの原因としては、学生さんたちが寮生活をしており、彼らの頭は基本的に学期中ずっと「オン」になっているということがある。しかし、彼らの仕事スイッチは、長期休みに入るとずっと「オフ」になるため、時間にゆとりが出来る長期休みに学生さんと研究を進めようなどと思っていると上手く行かない。学生さんと研究を進めようと思ったら、学期中は土日も仕事をして、そのかわり、長期休みには自分も休むという仕事パターンの方が中国では上手くいくようだ。

午後はオフィスに行って、ひたすら講義ノートの執筆をすすめた。今学期は、立ち上げたばかりの科目を担当しており、スライドもあまり綺麗に整理できていないため、この講義ノートを書き上げないことには学生さんたちも試験勉強で困るだろうことは必至。という訳で、現在の最重要課題の一つになっている。

週末の楽しみとして先日注文していた松茸が午前中のうちに届いた。一番上等のセットは売り切れとのことで多少形が歪な松茸が届いたけれど、それでも立派立派。業者から送られてきたSMSメッセージによると、注文していた商品が売れ切れとのことで、少し多めに入れてくれたようだった。

届いた松茸
おまけも入れてくれたために量がたくさんあったので、ホイル焼き、鶏松茸鍋、松茸ごはんと3つのメニューでガッツリと松茸を楽しむことができた。比較のため、日本の通販サイトで同種の松茸の値段を確認したところ、おそらく数万円分の価値はあるだろうと思われる。それを中国では数千円で買えてしまうのだからお得な話だ。

松茸のホイル焼き

松茸の鍋

松茸ごはん

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2021年12月5日日曜日

【日記】2021年12月4日(土) 、まだ年末年始は遠い、アメリカの銃乱射事件、本格的な日式おでんに遭遇

中国に来る前の職場は、多少の前後はあるものの 12月くらいになると年末モードに入って、パーティーがあったり帰省や旅行で職場から人が少なくなったりして少し職場がゆったりしはじめる感じだったけれど、中国の場合は新暦の12月にはさほど大きな意味はない。1月1日だけは休日になるのだけど、1月1日ですら「明日は休日なので間違って講義室に行かないようにしてください」みたいな案内が流れるくらいで、ごく普通の休日といった雰囲気である。中国の年末年始はなんといっても旧暦の年末年始が中心で、今年は新暦の2月1日が旧正月なので、まだまだ先は長い。

ネットニュースを見ていたら、アメリカのミシガン州で少年ご起こした銃乱射事件が報じられていた。このニュースを見て、アメリカの最近の銃乱射事件の発生具合はどうなっているのだろうかと思って、久々にGUN VIOLENCE ARCHIVE(GVA)のページを見てみたら、ミシガンの事件と同じ日にも同程度の銃乱射事件が別の場所で起こっており、その二日後にはさらに別の場所で同じような規模の銃乱射事件が起こっている。時々思い出したように銃乱射事件のニュースが報じられるが、今回ニュースになっている程度の事件は毎週のように発生しているのが実情のようだ。「銃を持つ自由」なんていうものが本当に必要な自由なのか、甚だ疑問だ。

参照リンク:GUN VIOLENCE ARCHIVE

土曜日なので例によって夕食は出前をとった。今晩は最近オープンしたお店の「おでん」を頼んでみた。スープは普通のスープ以外に「辛いスープ」も選べるようだけど、メニュー写真の絵面を見ていると辛いバージョンは最早おでんというよりは「火鍋」にしか見えなかったので無難に普通のスープを選択した。珠海あたりで食べられる日本食は、どこか中国風にアレンジされているものが多いのだけれど、意外や意外、ここのお店のおでんは、完璧に日本の味が再現されていた。確実にリピありである。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2021年12月4日土曜日

【日記】2021年12月3日(金) 、松茸がグレードアップ、発表当番制に移行、放送遮断に対する雑感

週末の楽しみとして松茸を注文していたのだけど、業者から 「大きい松茸が品切れなので、小さいのを多めに送っていいか」というメッセージが来た。それから、商品を変えてもいいかとか、配達が遅れるかもとか、話が二転三転した後、結局最初に払った金額のままグレードが上の商品を送ってくれるということになった。ラッキー。(松茸なんて、自然に生えてくるのを収穫しているのだろうから、なかなか受注量の調整とか難しそうだ)

今日は定例の研究グループ会議の日だ。この会議、当初は解析中のデータとか最近読んで気になった論文とか適当に話題を持ち寄ってそれをネタにお茶を飲む時間だったのだけど、最近学生さんが増えてランダムにやっていると収拾がつかなくなってきたので、来週からは順番を決めて話すことになった。

会議の後は、学生さんと個別に議論したり相談に乗ったりする時間にしている。今ぐらいの時期から留学希望者が出願の準備を始めるので、進学相談も増えてくる。しかし、留学希望者にとっては、このコロナ禍の世の中はそうとう大変だと思う。普通だったら学部を出たらすぐに留学したいところだろうけれど、学生さんの話を聞いていると、中国でとりあえず修士課程に籍を置きつつ様子を見るという人も増えているようだ。

日本のニュースを眺めていたら、中国の放送遮断に言及しているものがあった。中国のテレビの放送遮断ってよく日本でニュースになるけれど、あれで情報をコントロールされている人って職場には誰もいないんじゃないだろうか。うちの職場の党関係のおえらいさんなんかも、英語の勉强も兼ねているのかオフィスでBBCを流しっぱなしにして仕事していたりするぐらいだし。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年12月3日金曜日

【日記】2021年12月2日(木) 、広東天文学会に入会、松茸の配送が遅れそう、日本の帰国者の取り扱い

先日中国天文学会への入会申請書を出したのだけど、中国天文学会の会員になるためには、まず広東天文学会の会員になる必要があるようで、とりあえずそれが今日認められたらしい。というわけで今日から広東天文学会の会員だ。中国天文学会の方は現在審査中とのこと。人定作業がかなり厳密な感じだ。各省ごとに天文学会があるというのも驚き。中国の天文学人口の巨大さを感じる。広東天文学会のWeChatグループの参加者数を見ていると、広東省だけで日本天文学会くらいの規模がありそう。

週末に食べようと思って、火曜日に通販で松茸を注文していたのだけど、業者から「大きい松茸が品切れなので、小さいのを多めに送っていいでしょうか」というSMSメッセージが来た。「それでいいから早く送って」と返事。この調子だと週末には間に合わないかもしれない。

今日は、講義も会議もない一日だったの、ひたすら講義ノートの執筆を進めた。学生さんが期末試験の勉強に使いやすいように、さっくりとまとめようと思っているのだけど、それでも19回分の講義内容を一応読んで分かる形でまとめようと思うととてもA4用紙100ページでは収まらない。

日本が帰国者・入国者の取り扱いを巡ってまたゴタゴタしているようだ。中国は集中隔離をやっているので、規定通りに隔離はされるけれども外国にいる中国人が帰国できないってことはない。報道によると、日本では日本国籍者も帰国が困難になる可能性があるそうだ。それを受けて、私が「帰国後の隔離を徹底すればよい」とツイーとしたことに対して「人権侵害になるから中国のような措置はとれない」というクソリプの極みのようなクソリプが返ってきた。このクソリパーさんは、集中隔離をしないことが原因で鎖国した場合に日本に帰れるなくなる人の人権はどうなるのか考えたことがあるんだろうか。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年12月2日木曜日

【日記】2021年12月1日(水) 、12月だけど新年は遠い、博士課程院生セミナー、人間ドック並みの健康診断

ひんやりとした朝で久々に電気ストーブに火を入れた。しかし、今年は明らかにストーブを使う頻度が去年よりも低い。先週は週末までの「心の支え」としてふぐ鍋セットを通販で買ったのだけど、今週は何にしようかとしばし迷った後、そろそろシーズンも終わりそうということで「松茸」を発注した。楽しみ。

TwitterのTLを見ていると、今日から12月ということで「ああ、もう年末」みたいなツイートがたくさん流れてくるけれど、中国は旧正月までは休みにならないのでまだまだ先は長い。新暦の12月になったら、中国外の年末感に流されないように旧暦カレンダーを確認しながら生活するのが私のライフハックだったりする。今日はまだ10月27日(旧暦)。

考えてみると、中国に赴任してから一度も中国の外に出ずに3回目の12月を迎えている。

博士課程院生のセミナー終了。今日の発表はパルサー関係が2本。FASTができた関係でパルサーをやっている人が増えているのだけど、この分野にも面白い問題が色々あるようだ。デューティーとはいえ中国の博士課程大学院生が今取り組んでいる研究の話を次々に聞けるというのは非常に貴重な機会だと思う。

しかし、天文学全分野に分散している博士課程大学院生全員の発表に何か質問しようとすると、自分の知識不足を痛感する。もっともっと勉強したいが、一方で残りの人生の長さがそろそろ見えてきてもいる。時間を無駄にできないと思う今日このごろ。

職場で仕事していると、たまにVPNなしだとNASA/ADS(天文学の論文検索サイト)にアクセスできなくなることがある。しばらく待つと元に戻るのでネット規制アルゴリズムの誤判断なんだろう。

中国の他の大学に勤務する日本人の方が「職場の健康診断は人間ドックなみ」という内容をツイートされていた。うちの職場の健康診断も結構メニューが多くて、ほぼ人間ドックみたいな感じだ。あと、外国人は希望すれば別の日に英語の話せる医師に結果を説明してもらったり、必要に応じて追加の検査をやってもらえたりする。通常の検査は全額職場が出してくれて、追加部分は2割負担。今まで経験した外国の職場の中で、今の中国の職場が職員の健康管理に一番気を使ってくれていると思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年11月30日火曜日

【日記】2021年11月30日(火) 、米国の仮想敵国に住んで8年目、ひたすら講義ノートの作成、中国連続滞在3年目に突入

TwitterのTLに流れてきたツイートをチラッと見て「銀河とブラックホールの共産化」って見えたので、なんの話だろうと思ってもう一度よく見たら「共進化」だった。ロシアから中国と、アメリカの仮想敵国に8年目ともなると、共進化が共産化に見えてしまうようだ。

今日はひたすら講義ノートの作成を行った。講義ノートの作成といってもこれから行う講義の準備ではなく(その意味もなくはないが)、主に「後始末」の意味合いが大きい。学期直前に新規科目の講義を引き受けた関係で、教材の準備が不十分なまま学期に突入してしまったので、学生が読んで勉強できる教科書的な資料がない。一応ネタにしている本のページは毎回知らせているのだけど、幾つかの本に分散しているため学生からみると勉強しにくいであろうことは重々承知である。という訳で、期末試験の勉強に使ってもらえるように、一応読んで分かるレベルの講義のまとめを書いているわけである。しかし、執筆時間があまりないので間に合うか微妙なところではある。

中国に赴任した直後にコロナ禍が勃発したために、もう2年以上日本に帰国していない。外国で仕事し始めて約20年になるが、2年間以上日本に一時帰国しなかったのはこれが初めてだ。これまでは一時帰国したときに常備薬等幾つかの物品を日本で調達していたのだけど、流石に2年以上帰国していないと、日本で調達していたほぼ全ての物品が底をついてしまった。

中国には様々な日本商品が入ってきているので、通販サイトを探していると、日本で買っていた商品と同じものを中国でも買えることがある。ただし、外国人が輸入製品を買う場合には規制があって、全ての商品を買えるとは限らない。中国内の業者が輸入して既に国内にストックがある商品は外国人でも買えるが、外国から取り寄せになる商品については中国籍をもっていないと購入できない。このあたりの規制が中国生活でちょっと厄介なところである。

そんなこんなで、最近これまで調達していた物品の代替品を中国で探している。中国製でも、よく探すとそれなりの品質の代替品が見つかることも少なくない。また、日本以外の国から中国に輸入されている商品の中で代替品が見つかる場合もある。そんなこんなで、多少の規制があるとはいえ、なんとかかんとかコロナ禍の時代を一時帰国せずに生きることができている。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

【日記】2021年11月29日(月) 、有料観測時間の利用方法を模索、徐々に迫る年度末の繁忙期

野辺山観測所の45m望遠鏡の有料観測が始まるということで、支払い方法に関する問い合わせが送られてきた。これを受けて、職場の関係者と相談しているのだけど、問題点が大きく2つある。一つはどうやって日本の国立天文台に支払いを行うか。

日本の方から届いた問い合わせは「銀行振込で払いますか、それともカードにしますか」という単純な内容のものなのだけど、中国から外国の公的機関へ研究費で支払いを行うにはものすごく煩雑な手続が必要で、振り込みかカードかという問題を遥かに超えた複雑な問題だったりする。

外国の望遠鏡の有料観測時間を中国の研究者が購入する場合、中国の大きな研究機関が代表機関となって中国内の需要をとりまとめて、そこが法的な専門家を雇って手続きを代行してもらい、一括して先方に代金を振り込むという方法をとることが多い。少し関係機関に問い合わせを入れたところ、今回の野辺山45m望遠鏡に関しては、中国内でまだ代表機関が定まっていないようで、手続きがかなり難航しそうな雰囲気である。

もう一つは観測の問題。昨日も少し書いたのだけど、現状ではリモート観測できないと観測を実行することは難しい。少し状況を調べてみたところ、現状のシステムではリモート観測にはかなりの回線速度が必要になるようだ。中国から外国向きの回線はそれほど太くないので、このあたりの不安もある。とりあえず、少しづつ問題を洗い出している状況。

それ以外にも、講義ノートの執筆やら、学生セミナーのオーガナイザー業務やら、年度末高齢の雑用やら、なんやかんやと忙しい日々である。最近、朝に短時間のピアノ練習すらできない日が続いており、これではいかんと反省しているところ。趣味に全く時間が割けないような生活はまともな生活ではない。建て直さないと。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年11月29日月曜日

【日記】2021年11月28日(日) 、遠くから聞こえる歌声、日本はなぜ敗れるのか 敗因21ヵ条、野辺山45m望遠鏡の有料観測

朝起きたら、「アザーン」みたいな音が遠くの方からかすかに聞こえてくるので、中国ベイエリアにも「そういう人たち」が流入してきたのかと思ったのだけど、しばらく聞いていると、どうも演歌のような歌謡曲をカラオケで歌っている声のようだった。妙な節回しの割には張りのある声で、遠くから届くかすかな音として聞くとアザーン的な響きに感じてしったようだ。以前の居住地で、朝大音量でアザーンを流す人たちに地元住民が迷惑するという事件があった。まぁ、中国でそういうことはまさかないだろうとは思うが。

朝食を食べてコーヒーを飲みながら『日本はなぜ敗れるのか 敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)』(山本 七平 著)のお試し版をちょっと眺めていた。冒頭の冒頭の「敗因二十一ヵ条」を見ているだけで、宜なるかなって感じだ。

「敗因二十一ヵ条」1

「敗因二十一ヵ条」2

いよいよ野辺山45m望遠鏡の有料観測が始まるということで、中国から利用するための下調べを開始した。コロナ禍が勃発する前に情報が出回っていてが、あれから状況が色々変わっているので、もう一度慎重に確認しないといけない。技術的にはリモート観測ができるかどうかが大きな問題となる。野辺山45m望遠鏡は比較的最近まで現地に行っての観測が要求される望遠鏡だったのだけど、コロナ禍の現在、外国から現地に行っての観測は実質的に不可能である。

午後からはオフィスに行って、講義のまとめーノートの執筆をすすめた。学生の期末試験の勉強に使ってもらえるように、なんとかあと2-3週間で第一稿を仕上げたいのだが、さてどうなるか。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年11月28日日曜日

【日記】2021年11月27日(土) 、バスケットボールの声援、中国内の生活格差、増える日本食店

午前中、自宅の窓の外から「加油!加油!」という声援が聞こえてくるのでバルコニーに出て見てみたら、半年ほど前に海辺にできたバスケットボールコートに人だかりができていた。そういえば、マンション小区でバスケットボール大会をやるというパスターが張り出されていたようなかすかな記憶が蘇ってきた。子供がたくさん参加しているようで、どうもその親たちが声援を送っているらしい。

うちのマンション小区、コロナ感染の状況が少し落ち着いて以降、様々なイベントを次々に開催しており、数日前は「ピアノコンクール」を開催するという案内が回ってきた。こういう文化的なイベントが成立するところを見ると、中国ベイエリアは少し特殊な地域なのだなと実感する。

私の同僚の一人なんかは貧困地域から大学院まで進んで研究者になった人だけれど、彼の話を聞いていると、親戚で字が読めるのが彼だけだったり、お金のない親戚に頼まれて電化製品等の物品を買って送ってあげていたり、ベイエリアとはかけ離れた中国が存在することを実感する。

最近、うちのマンションの近所では日本食系のレストランの開店が続いている。外国で食べられる日本食と言うと「寿司」「ラーメン」が定番だが、これ以外にうちの近所には「お好み焼き」「日本式弁当」などの専門店があり、最近「おでん」「たこ焼き」の専門店がオープンした。多少は中国風にアレンジされているとはいえ、これだけいろいろ出前で日本食を選べるというのは嬉しい限りだ。博士号取得直後から約20年間外国で暮らしているが、日本食環境としては今が一番恵まれていると思う。

昨日の夕食は、通販でとりよせた材料を使った「ふぐ鍋」だったので、今晩は中華にしてみた。当たり前ではあるが、中華に関しては出前を取るときに実質無限に近いくらい選択肢があるので毎回迷う。今日は、初めての店を利用してみた。基本的に、中華で味が大外れすることはほとんどない。ただ、鳥や魚料理の骨の処理等で、丁寧な店とそうでない店みたいな差はでてくる。今日頼んだ店は味は美味しかったのだけど、魚の骨の処理が雑で少し食べにくかった。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

【第70回】中国で研究職(ファカルティー職)を得る方法(私見)

中国の中山大学に赴任してから早いもので2年になる。私が移籍した後も、日本の研究者の間で中国移籍への関心がさらに高まっているようで、目立たないようにひっそりと生活している私のような研究者のところにも移籍に関する問い合わせがときどき舞い込んできたりする。過去2年の間に、もうかれこれ10回近くは中国移籍に関する質問に対してメール等で返事しただろうか。という訳で、今後の(時間節約の)ために少しここに私見をまとめておこうと思う。

私は日本の研究職に対する就職活動をほとんど行ったことがないので、日本の就活の状況と対比して中国の状況を語ることができない。私が個人の経験をもとに比較できる対象としてはアメリカやヨーロッパ等に対する就職活動しかないので、そこから話を始めようと思うが、実のところ根本的なところでは中国への就職活動と、欧米への就職活動と間に大きな差は存在しない。研究職の就職活動として一番基本であるところの、研究者としての実績と経験を積み、就職希望先の要望とマッチするような研究計画を作り、書類選考で選ばれたら周到に面接の準備をして上手くアピールするみたいな部分は全く同じである。中国就活の特徴が出てくるのは、もう少し別の部分だと思われる。

自分が中国に対して行った就職活動の経験と、赴任して以降、人事選考過程を内部から見てきた経験等から判断して、中国の研究機関に就職活動を行う上で鍵となってくる要素は主に以下の2点だと考えている。(念のためもう一度強調しておくと、以下の話は、既にある程度の業績があることを仮定した上での話である。)

  1. 採用された場合に確実に着任するという印象を選考側に与えられるかどうか
  2. 欧米経験があるかどうか

最初の点について、端的に言って中国に一度も来たことのない人にオファーが出る可能性はそれほど高くないというのが私の理解である。私の職場に関して言えば、過去に中国の大学へ留学した経験や、中国の研究機関でポスドクとして働いた経験がない人に対しては、現在実質的にオファーを出していない。理由は単純で、中国未経験者のオファー拒否率が高いからだ。もともと、中国未経験者のオファー拒否率は高かったようだが、コロナの影響でさらに最近拒否率が上がっており、事務的な負担が増えてしまったため、拒否される率が高いカテゴリーの人には当面の間オファーを出さないということになっている。

したがって、もし中国へ移籍を希望する人で、上記のような中国経験を持たない人は、まず中国の大学を訪問するなどして、中国に来ることに抵抗がないことを行動でアピールすることが就活の前提条件として必要だろうと思われる。現状ではコロナ禍の影響で、中国へ来ることは難しいように思われるかもしれないが、これは逆に言うと、うまく状況を利用すれば他の候補者と差をつけるチャンスでもある。2週間の隔離を覚悟の上で中国へ来て、1-2ヶ月ほど中国内を渡り歩きながら、幾つかの大学でまとめてセミナーするというのはかなり効果的な就活だと思う。

2つ目は欧米経験の有無である。うちの職場を含め、中国の大学にファカルティー職として採用される外国人を見ていると、母国以外で働いたことがない人はかなり少数派だ。うちの職場に限っては、ほぼ全員が欧米経験(留学または就職)を持っている。この状況から判断して、欧米経験を持っていることが有利に働くことはほぼ自明である。ただし、例外として、中国外で既に確固たる地位(テニュア付きの教授等)についている人の場合は、移籍に成功しているケースもある(私がこのケース)。実績を見ている限り、中国未経験の日本のポスドクが、中国のファカルティー職に応募しても、おそらく現状では採用されるチャンスはそれほど高くないと思う。

あと、特に中国に限ったことではないが「分野のマッチング」は重要だと思う。私が現職場に就職したときは、専門分野を拡張したいということで既にいるメンバーの専門と被らないことが条件だったようだ。これもマッチングの一つの形態である。一般的には現在既にいる教員との分野的マッチングが重要となるケースが多いだろう。いずれにせよ、研究機関ごとにターゲットなる人材の特徴が異なるので、就職希望先のファカルティーメンバーと連絡をとって、必要な人物像を事前に調査しておくことは必要だと思う。中には中国の大学の方から特定の候補者に声をかけるような場合もあると思われるが(実際に、有力な候補者に声をかけることが奨励されている)、こういう場合は既にマッチングはとれていると考えて間違いないので、採用される確率はかなり高いだろうと想像する。

とりあえず、今のところ私が考えていることは以上のようなことである。多少なりとも参考になれば幸いである。

2021年11月27日土曜日

【日記】2021年11月26日(金) 、研究打ち合わせ、相変わらず優秀な学部生、煩雑な学会入会申請、Monkey47は美味い

TwitterのTLを眺めていたら、 先生と呼ばないと怒る人がいたり、先生と呼んだら怒る人がいたり、こういうの面倒だと思ったら外国に行ってしまうのも悪くない。

今日は金曜日ということで、研究グループ会議と学生さんとの研究打ち合わせの日だ。日々忙しい中にあって一番楽しい日でもある。うちの学部生はホント優秀。毎週会うたびに感心させられる。大学院生も少しエンジンがかかってきたようでちょっと安心した。博士課程の3年間なんって、ぼやっとしているあっというまに過ぎてしまう。博士号をとってしまった後はある程度ライフワークバランスを考えながら仕事する必要があると思うが、博士課程の3年間くらいは寝食を忘れて研究に没頭するぐらいでちょうどよいと私は思っている。

研究打ち合わせの後は、大学院講義で話した内容のまとめノートの執筆をすすめた。今年はじめての立ち上げた講義できちんとした教科書がないためスライドをベースに講義をすすめたのだけど、これだけでは試験勉強がやりにくいだろうとおもって急遽簡単なノートを作ることにした。試験が終わったらさらに内容を書き足して、来年教科書として使えるくらいに内容を充実させたいと目論んでいる。

一月ほど前に、中国の某学会に入会するための申込書をオンラインで提出したのだけど、オンラインでの申込書以外に紙の申込書も提出しなくてはいけないようだ。申請書に書く情報も履歴だけでなく主な業績一覧等も必要で、過去に入会したどの学会よりも手続きが面倒だ。中国の組織に入ろうと思うと、常に厳密な人定調査がつきまうとう感じだ。

土曜日ということで夕食時に恒例の晩酌。今晩はドイツのジンとトニックウォーターでジントニックを作ってみた。このMonkey47は、ジュニパーベリーの香りが鮮やかに立ち上がるとてもジンらしいジンで、ジン好きにはたらない。肴は、昨日通販で材料を仕入れておいた「ふぐ鍋」。通販のふぐ鍋セットについてきたスープが案外和風テイストでとても美味しかった。

Monkey47とドイツ製トニックウォーター

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年11月26日金曜日

【日記】2021年11月25日(木) 、院生さんの指導方針、ふぐ鍋セットを発注、上海の大学で封鎖管理勃発

次に何をするべきか自分で考えられない院生さんには私はヒントだけあげて自分で考えるように促すのだけど、それだと研究の進捗はどうしても遅れ気味になってしまう。とある同僚は、自分で判断できない院生には、ものすごく具体的に一週間分の作業を指示して仕事をとにかくすすめさせるという。どちらが良いか、ちょっと判断しかねている。将来的なことを考えると、自分で方向を決めながら仕事していく能力を身に着けて欲しいというのが私の本音ではあるが、大学院は修業年限が決まっているので、時間との兼ね合いもある。

以前の職場では学生の能力分布に下限があったので、ヒントをあげて自分で考えて貰う方法で通すことができたけれど、現職場では異なる指導パターンを準備しておいた方が良いのかもしれない、と少し思い始めている今日このごろ。

週末に届くように通販で「ふぐ鍋セット」を発注したので、とりあえずそこを目標に仕事をすすめる。

相変わらず、日本では人気付きの研究職の割合が増えているようだ。研究職を任期付きにすればアクティビティが上がるっているのは、例えて言えば、マラソン選手に短距離走を走らせて「100mは12秒で走れたね。このペースで42.195キロ走れば、きっと世界トップレベルのタイムが出るよ。頑張って」みたいな感じかも。

どうやら上海の方の大学で感染疑いがでてキャンパスごと封鎖管理が始まったようだ。今まであまり真剣に考えたことがなかったが、大学キャンパス内で感染者が出てキャンパス内で隔離とかなったら教員はどうやって生活すれば良いんだろう。オフィスのソファーとか昼寝用に準備しているウレタンマットを使って寝られないこともないけど2-3週間とかなるとちょっときつい。

広州発の感染拡大のときに中山大学広州キャンパスが一時的に封鎖されたけれど、あのときの封鎖は全員の陰性を確認するまでの間、丸一日ぐらいだったと思う。まぁ、陽性が出たら強引に隔離に入るんだろうけれど大変だろうなぁ。数日分の着替えくらいはオフィスに置いておいた方が良いかもしれないな。

上海の封鎖管理のツイートを見ていて、とりあえず明日職場へ持っていく荷物の中に洗面用具を加えた。着替えは普段から少しオフィスにおいているのだけど、もう少し増やすか。後は、エアーベッドとかドライシャンプーとか買っといた方が良いか。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年11月24日水曜日

【日記】2021年11月24日(水) 、増える風邪っぴき、中国の大学の給料水準、宇宙論と系外惑星が人気、大学教員の呼び方

講義室に行く前にWeChatを確認にしたら、風邪をひいた学生さんから病欠の知らせが入っていた。ここ2-3日で急に気温が下がったせいか風邪気味に見える人を周りにちらほらと見かける。南国の夏仕様の建物だと15℃くらいまで下がるとけっこう寒いので季節の変わり目は要注意だ。

TwitterのTLに南京大から天文のファカルティー公募が出ているという情報が流れていた。給料はエントリーレベルでも40万元以上とのこと。副研究員(日本の助教に相当)で40万元だったら中山大学よりも少し良い給料水準だと思われる。

中国の大学の給料は、多いとか少ないとかいろいろ憶測を呼んでいるようだけれども、中山大学に「教授→教授」という移籍で来ると(正確情報は自分の経験上このパターンについてしか分からない)、リタイアまでに貰える給料は日本の国立大学の教授職で貰える給料と同じ程度か若干多いくらいだと思う。(うちの場合は、給料以外にそこそこ大きな金額の「移籍一時金」がもらえるが、これも勘定にいれての話)。なので、収入が大幅に増えることはないにせよ、中国に移籍したからと言って、大幅に収入が減って家のローン支払い等の生活設計が狂うということはないだろうと思う。

午前中は、学生セミナーのオーガナイザー業務をやってきた。今日は宇宙論と宇宙論よりの銀河の話の二本立て。発表者2人はどちらもすごく優秀でこちらが勉強になった。しかし、昔は優秀な学生ってみんな宇宙論をやりたがっていたような記憶があるけれど、今は宇宙論と系外惑星で人気を二分している感じかな。今の中国だと、どちらの分野でも学べる大学がたくさんあって、天文やりたい人にとっては本当に恵まれた環境だと思う。

日本では、中国で働く日本人研究者に文句を言う人がいるようだけれども、そういう話題をTwitterで見ていて、ロシアで働いているときに出張先でポーランド人のタクシーの運ちゃんに「ロシアで働くくらいならポーランドで働けば良いじゃないか。ワルシャワ大学の方が良い大学だぞ」と言われたのを思い出した。

どうも、ここしばらく、学生が大学教員をどのように呼ぶのが正しいのか、みたいな話題をTLでよく見かける。私は呼ばれるがまま全く何も訂正しないので、結構呼ばれ方のバリエーションは多い。最近だと、professorか Junichiが多いけれど、Junichi-sensei, Junichi-san, Nakashima-san, senseiとかもあるかな。中岛,中岛教授,中岛老师もある。中国語のときは「中岛」と呼び捨てでも気にならない。唯一カチンとくるのは日本語で話しているときに先輩づらした人間から「中島」と名字を呼び捨てにされるときくらいか。私は年下だろうが後輩だろうがよほど親しい人以外は絶対に呼び捨てにはしないので。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

【日記】2021年11月23日(火) 、寒い朝、教育方針理解度試験、冷房運用終了、増えるロシア系研究者の中国移籍

今朝は16℃と急に気温が下がった。中国ベイエリアの建物は基本的に暑い夏に対応するために設計されているので、15-6℃まで気温が下がると体感的には非常に寒く感じる。とりあえず、クローゼットの奥からウインドブレーカーを引っ張り出した。

ここしばらく中国政府が教育に関するポリシーをいろいろと発表しており、国の教育方針の理解度を確かめるための試験みたいなものを職場でやらされた。試験はオンラインで行われ、問題を見て答えを選択肢から選ぶ形式だった。出題はもちろん中国語で行われる。なので、完全に隅々まで問題文の意味を理解できたわけではないが、漢字の知識と多少の中国語の知識を総動員して解読すればなんとか推測はできる漢字だった。

しかしこの試験、どの選択肢も中国政府が言いそうな内容ばかりで、最初はかなり微妙な違いを探さなくてはいけない難しい試験に見えたのだけど、後で聞いた話では、答えを複数選ぶ形式の問題については、どの答えを選択しても正解ということだった。yes or noを答える問題は「困った学生を見放してはいけない」とか「学生と不倫関係になってはいけない」とかに大してyes or noで答えるという、まぁ、アレな問題ばかりで、中国語の初心者でも0.1秒で答えを判別できるレベルだった。というわけで、見事に100点を獲得。

急に気温が下がったと思った途端に職場で「今年の冷房の運用を終了する」という知らせが舞い込んできた。昨日はまだ少しオフィスで冷房をつかったのだけど、大丈夫だろうか? 年内、もう一回くらい、冷房を使いたい日が来そうな気もするが。

TwitterのTLを見ていたら、アメリカの大学で働いている有名な数理物理学者が中国に移籍するという話が出ていた。どうもロシア系の人らしい。最近、ロシア系の研究者の中国への移籍が増えているような感じがしている。典型例は欧米で既にファカルティー職についている人が移籍してくるパターン。政治的なあれこれを考えると、ロシア系の人は欧米にいるより中国にいる方が居心地は良いのかもしれない。

今日はなかなかに忙しい一日だった。共同研究で参加している研究の論文の英文修正やら、担当している講義の期末試験用の要点ノートの執筆やら、来学期に担当する予定の講義科目の打ち合わせやら。しかし、自分の専門とする仕事で忙しいというのは幸せなことである。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年11月23日火曜日

【日記】2021年11月22日(月) 、季節外れの雨、久々の論文執筆、学部講義担当の打診、学生の強烈な上昇志向

久々に朝から雨。台風が来ているわけでもないのに、中国ベイエリアで11月下旬に雨が降るなんて珍しい。昨年はベイエリアらしからぬ低温が続いて氷河期でも始まるのかと思ったが、今年は一転して気温高めで推移している。

今日から博士課程学生向けの講義がセミナー形式に変わったので、担当教員としてセミナーの仕切りをやってきた。英語で話すということで発表する学生さんは緊張気味の様子だったけれど、今日の学生さんはすごく上手に発表していた。自分がD1の時のことを考えると、とても今日の学生さんのレベルには到達していなかったと思う。

今学期はティーチング系の仕事が忙しすぎてなかなか研究の時間がとれないでいるが、今日はかなり久々に論文のLaTeX原稿をいじっていた。しかし、文章をコメントアウトしようとして「#」とタイプして、「あれれ!」となってしまった(LaTeXのコメントアウト記号は「%」)。いくらなんでもLaTeXのコメントアウト記号を忘れない程度には論文に手を入れないとなぁ、と少し反省。

夕方、同僚の一人が観測天文学関係の学部講義を担当しないかという話を持ってきてくれた。うちの大学の業績評価では学部講義が非常に重視されており、学部講義を受け持たないと下手するとクビになる可能性もあるのだけど、言語規定の関係で外国人教員はなかなか学部講義を担当させてもらえない。今回は、講義の一部を受け持つという形をとって大学側に「超法規的措置」を求めるということのようだ。さてどうなるか。

自分のティーチング評価という点でも学部講義を担当することはメリットが大きいのだけど、それ以外にもいろいろとメリットが有るようだ。例えば、中山大学の学部生が「非常に優秀」という点だ。学部生は優秀かつ学習へのモチベーションが高く、教えていて楽しい、という感想を述べる教員は非常に多い。大学院生は、既にこの日記でも何度か書いているが、玉石混交で、駄目な人は本当に駄目で基礎学力もなければモチベーションが低いという人も相当数紛れている。この手の人が教室にいると、教員としては講義していてあまり良い気分にはならない。

中山大学の学部生が中山大学の大学院へ進んでくれれば良いと思うのだが、中国では学生さんの向上心が極めて強く、進学するときにはかならず学部より上位のランクの大学を目指す。したがって、中山大学の学部生のほとんどは、外国の一流大学か北京や上海の国内最上位の大学の大学院に進学する。代わりに、外部から(主に下位の大学から)中山大学の大学院へ大量の学生が進学してくるので、学部と大学院では学生の雰囲気が全く異なることになる。中国政府としては、優秀な学部生にもう少し国内の大学院に目を向けてほしいようで少しづつ政策を調整しているようだが、今後どうなっていくのだろうか。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年11月22日月曜日

【日記】2021年11月21日(日) 、日曜出勤、学生セミナーの準備、要点ノートの執筆を開始

日曜日だけれど、月曜日の講義の準備等々のために出勤した。学期の前半は、博士課程から天文に編入してきた人向けの天文学入門的な講義を行っていたが、後半は院生が既に持っている知識や経験をシェアしてもらうことを目的に(あと英語で発表する練習も兼ねて)、学生セミナーを行うことにした。今日はその下準備を行った。具体的には、成績をつけるためのスコアリングシートや、学生の質問回数を記録するための用紙の作成等々。

残った時間を使って、前半に行った講義の要点ノートを書き始めた。今回の講義は、博士課程から天文に編入してきた学生が天文学の研究を始めるための必要な基礎知識を教える、ということが目的で、もともとは学部の天文学の教科書の内容を教えてほしいと言われて教え始めたのだけど、講義を進めているうちに、学部の教科書は研究の観点からあまり実践的ではないので、結局いろんな本から少しづつ内容を寄せ集めて、それを編集して話すという形に落ち着いた。そうしているうちに、学生さんから「教科書がなくて勉強しにくい」というコメントをいただいてしまった。そこで、なんとか読んで勉強できるような冊子を作りたいと思って書き始めたのだけど、やりはじめると、なかなか大変な作業である。しかし、できれば、期末試験までには簡易版が作ってしまいたい。

夕方、頭が少々つかれたので、物理学の教科書読みにスイッチした。今は外国人がルール上学部講義を担当できないことになっており、しかたなく大学院生向けの講義のみを担当しているが、将来的には外国人も学部講義を担当する可能性は大きい。外国人が学部講義を担当できるようにルールが改正された場合、うちの大学のカリキュラムから考えて、おそらく物理学の基礎的な科目を教えることになると思われるので、今のうちに復習をしておこうと思っている。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年11月21日日曜日

【日記】2021年11月20日(土) 、海辺を散歩、増える基地局、ピークアウト、物理教科書を読みながら考え事

メンタルヘルス関連の本によると、朝起きて一時間以内に日光を浴びることの意義は大きいとのことで、ここしばらく毎日朝起きたら日光を浴びている。平日は外に出る時間が取れないので自宅のバルコニーで体操しながら日光を浴びているのだが、今日は休養日なので、いつもより少し朝の日光浴の時間を長めにとって海辺に散歩にいてきた。

2002年に日本を離れてから、海から離れている場所と、海まで歩いていける場所にそれぞれ10年ほど住んだけれど、両方を比較してみて、私は海辺の方が好きなようだ。朝、海辺を散歩しているだけで寿命が伸びる気がする。

今朝の格力海岸

久々に自宅近所を散歩してみて、携帯電話の基地局がまた増えていることに気がついた。2年前に引っ越してきたときは自宅で携帯電話のシグナルが弱くて困っていたのだけど、あっというまに基地局が立ちまくって、今では5Gがサクサク使える。

自宅に戻ってきて、いつも通り職場に健康報告を提出した。健康報告アプリに表示されるリスク地域情報によると、どうやら今回の波もピークアウトしたようで、順調にリスク地区数が減っているようだ。

TLに流れてきた本棚に一杯の紙版の物理学書の写真を見て、紙の本も良いなぁなどと思う一方で、国際引越する際のとんでもない見積もり額を思い出してしまった。(私は、ロシアへ引っ越す時のウン百万円の引越代金の見積もりを見た瞬間に、持っていた物理学書は全てPDF化してしまった)

散歩から返ってきて以降は、今日はゆっくりと物理の教科書を読み返しながら考え事をしていた。天文学の講義内容を組み立てるときに、もう少し分かりやすい説明がないものかといつも考えているのだけど、やはり天文学の基本は物理学なので、ときどきは基本を見つめ直した方がよいと考える今日このごろである。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年11月20日土曜日

【日記】2021年11月19日(金) 、研究グループミーティング、玉石混交の大学院生、言い訳ばかりする人、

金曜日ということで今日は研究グループのミーティングの日だ。私が所属している晩期型星研究グループは、現在、教員2名、ポスドク1名、博士課程大学院生3人、修士課程大学院生1人、学部生1人の合計8人で構成されており、中山大学天文学科の他の研究グループと比べると小さなグループだ。ミーティングは、学生さんが研究の進捗を報告するか論文を紹介し、それについてみんなで議論するというフォーマットで行っている。

今日は院生さん3人が進捗報告を行い、ポスドクさんが論文を紹介してくれた。中山大学に入ってくる院生さんたちは玉石混交で、非常に良くできる人もいれば全く駄目な人もいる。中山大学は、学部入試では中国内でも屈指の難関校の一つとされているが、それは学部の話で大学院については様々な入学方法があるため、多様な学生さんが入ってくる。中国では大学院進学ブームのため、必ずしも研究熱心ではなかったり基礎学力が怪しい学生さんも大学院に入ってくるのだけれど、そういう学生さんで入学後に苦労する人も少なくないようだ。駄目な学生さんをできるだけなんとかしてあげるのが教員の役目ではあるが、簡単な仕事ではない。

まぁ、毎年のことではあるが、やたらと言い訳をするタイプの学生さんは一定の割合でいる。このタイプの学生さんに対しては、私は基本的に言い訳したいだけしてもらうことにしている。言い訳するなと言ったところで、そういうベーシックな性格傾向は大学院生くらいの年齢になったらもう変わるものではないだろう。学生さんの言い訳は、こちらが何か研究の進捗や理解について質問し、それに答えられない時に出始めることが普通なのだけれど、私は学生さんが言い訳しても、ひたすら質問浴びせ続ける。何一つ満足に質問に答えられない自分をまずしっかりと認識してもらわないと何も始まらない。

私は言い訳そのものはあまり気にしない。なぜかというと、言い訳しない学生さんが優秀とは限らないからだ。しかし、言い訳タイプの学生さんはだいたい駄目な学生さんの場合が多い。これは、言い訳というのは、結局のところ進捗が出ないときにでてくるので、研究のパフォーマンスと言い訳の頻度が連動しているからだ。なので、言い訳だけを減らさせようとしても無意味であって、言い訳がでる根本的な原因に商店を当てなくてはならない。

順調に仕事をすすめている学生さんは、こちらがアドバイスしたことをしっかりと覚えているか、もしくは忘れないように記録を残している。一方で、言い訳タイプの学生さんはアドバイスしたことを覚えていないし、記録もとっていないことが多い。この辺の態度が進捗にでてくるようだ。したがって、言い訳タイプの学生さんとミーティングした後は、必ず次に何をやるべきかを「復唱」してもらうことが大切だ。この作業は非常に重要で、自分の口から発言してもらうことでミーティングの内容をどの程度理解しているか、学生さん自身も教員側も双方で確認することができる。そして、やってみると分かるが、言い訳タイプの学生さんは、ミーティングの直後でも見事なまでにたった今アドバイスしたこと覚えていない。覚えていても6割り程度といったところだ。この点をどこまで改善できるかが言い訳タイプの学生さんを御するためのポイントだというのが院生指導をはじめて十数年たった今の私の考えである。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年11月19日金曜日

【日記】2021年11月18日(木) 、予算の繰越が突然可能に、WeChatの認証方法の変更、高まる物理書読書欲

大学院生の講義が来週からセミナー形式になるので少し楽できるかと思っていたらどうもそういう訳にもいかないようだ。結局の所、年度末に向かって講義以外の仕事の忙しさが加速していくので、なにか一つの負担が減っても、トータルで見た場合、単調増加的に年末に向かって忙しくなっていく感じである。

ここ数日、来年度に持ち越せない予算を消化するために(ものすごく)高いパソコンを買う準備を進めていたが、ギリギリになって秘書さんが予算を来年度に持ち越すための裏技を見つけてくれたため、どうやら当初の予定通りに観測時間を購入するための資金として来年使えそうな状況になってきた。パソコン調達のためにいろいろ動いてもらった同僚の院生さんたちには申し訳ないが、研究費はできるできるだけ科学的に意味のある使い方をするべきだろう。

2-3日前に突然厳しくなったWeChatペイの認証方法が在中邦人コミュニティーで話題となっていたが、今日になって突然元に戻ったようだ。セキュリティーを強化する目的で、銀行カードを2枚紐付けないとWeChatペイにチャージできないというのが強化された認証ルールだったのだけど、さすがにカード2枚の紐付けを必須にするのには無理があったようだ。外国人だけではなく、中国人でもカードを2枚持っていない人は少なくないだろう。

今学期、講義の準備のためにいろんな物理の本を読んでいるうちに、物理書読書欲が高まってしまい、学部教科書レベルの物理の本(電子本)をいろいろと買い込んでいる。物理の基本については、正直な話、熱心に勉強したのは大学院入試のための受験勉強のときが最後くらいで、その後はひたすら専門分野である天文関係の専門書や論文を勉強してきた。しかし、最近必要が生じて最近出版された物理の教科書を見ているうちに、知識のアップデートが必要だなと思うようになってきた。物理学の場合、古い教科書にも良いものがたくさんあるのだけれど、新しい本では最近の研究動向を踏まえて新しい内容が取り入れられていることも少なくなく、この辺の変化を追っておかないと、講義の内容も古めかしくなってしまうような気がする。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年11月18日木曜日

【日記】2021年11月17日(水) 、授業形式最後の日、WeChatペイの認証問題、年度末の予算消化、高額パソコンの調達

講義の日ということで例によって早めに出勤。次回からは学生が発表するセミナー形式に講義形態を切り替えるので授業形式は今日が最後。天文学の経験がゼロの博士編入生に天文学の研究に必要な基礎知識をいろいろと話しをしてきたけれど、授業最後は「偏波」を扱うことにした。しかし、学部生と違って基本的に既に学部レベルの物理は一通り勉強して大学院入試で一定の点数をとっている人たちなので飲み込みが早い。天文学で使う偏波の指標に「ストークスパラメータ」というものがあるが、ストークスパラメータの数値がどういう条件を満たせばどの偏光パターンになるか、パラメータの定義を見せた次の瞬間には理解しているようで、何も説明する必要ないなと思ってしまった。

WeChatペイの使用にあらたな認証が課せられるとのこと。どうも銀行カードを2枚紐付ける必要があるようだ。今しがた確認したら、確かにWeChatにチャージしたお金が使えなくなっている。紐付けたカードからの支払いはできるので買い物はできるけれど、人からお金を受けとれないので、そのうち困ることがでてきそう。

学生さんが見つけてきた直線偏波と円偏波を説明するビリビリ動画。なかなか良いのでメモとしてリンクを張っておく。

参考リンク:如何理解电磁波Circular偏振?

年度末までの予算消化をどうしようかと思って色々考えたけれど、研究グループ全体で使えるものということで、オプション「全マシマシ」で解析用のデスクトップパソコンを買うことにした。こんなクソ高いパソコンを未だかつて買ったことがないので発注するのに緊張が伴う。メモリー不足で解析ソフトがクラッシュするとかいう事象とはこれでもう金輪際おさらばできるかな。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年11月17日水曜日

【日記】2021年11月16日(火) 、減らないリスク地域、卒論指導スタート、長い昼休み、中国現地サービスの利用

目下うちの職場では、国のコロナ対策関連の要請により、毎朝健康状況の報告を行う義務がある。健康報告用のアプリには最新の中高リスク地区の情報が表示されるので毎日最新の状況をチェックしているのだけれど、今日もリスク地区数が微増しているようだ。今回は複数地点から感染者が出ているため、収束までもう少し時間がかかりそうだ。しかし、前回の波に比べると職場での対策が緩いように思われる。おそらく、広東省にリスク地域が少ないためだろう。

公式に4年生の卒論指導が始まったので、大学から卒論管理システムのアカウントが通知されてきた。ざっとみたところ、この卒論の管理のオンラインシステムはとても良くできており、中間報告書や卒論原稿の提出、審査員の選出、審査会のスケジューリング、審査報告の提出等々すべてWeb上で処理できるようだ。あと審査過程の説明を見ていると、学部生の卒論にも関わらず、審査はかなり厳密なようで、テーマ設定審査、中間審査、最終審査と博士論文並みに3回の審査が課せられるようだ。

午前中に某事務室に用足に行こうとしたら、12時までに事務室に到着できず長いお昼休みに手続きを阻まれてしまった。キャンパスが広すぎるために、少し移動時間の見積もりを謝るとこういう失敗をしてしまう。中国では「昼寝」の習慣が広く残っており、昼寝をするために昼休みの時間が長く設定されていることが多いそうだ。うちの職場の場合、公式のお昼休みは12:00から14:30までの2時間30分。この間、すべての事務室が閉まってしまう。

事務室の業務時間

今月珠海で開催される予定だった中国宇宙望遠鏡(CSST)関係の研究会がコロナ禍の影響で延期になるとのことで連絡がきた。ただ正直言って、11月以降学期末まではかなり忙しい時期なので、延期になってくれて助かったという面も無きにしもあらずではある。

夕方、自宅トイレの水が止まらなくなってしまい修理業者に修理を依頼。ロシア語でこういうことができるまで5年かかったが(というか、5年かかっても満足にはできなかったが)中国語だと2年目で現地サービスをかなり使いこなしている。WeChatで文字ベースの会話(つまり漢字で筆談)ができるのが大きい。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII