2022年2月28日月曜日

【日記】2022年2月27日(日) 、ロシアに対するより厳しい経済制裁、電波望遠鏡を使うこととその動作原理を教えることの違い

今日は日曜日だけれど、月曜日の講義の準備のために休日出勤。講義内容は既に作ってあるので、過去に準備したスライドを見直したり、後になって思いついた内容を少し書き足したり、というような作業を行った。しかし、作業の途中でふとネットニュースに目をやると、ロシアに対して非常に厳しい経済制裁が課されるとう記事が目に入り、つい気になって関連記事をいくつも眺めるなどしてしまった。

どうやらロシアの銀行がSWIFTから切り離されるらしい。SWIFTからロシアの銀行を切り離すということは、つまりロシアを世界の決済システムから切り離してしまうということらしい。この制裁を発動するとルーブルと他国通貨を交換できなくなるそうだ。仮にロシアの中央銀行に対してこの制裁を課すと、ロシア中銀が為替相場に介入できなくなるので、ルーブルが値下がりしてもコントロールできず、暴落につながる可能性があるらしい。いったいどれくらいの影響があるのか想像がつかないが、専門家の話では極めて強い制裁となるそうだ。

ウクライナ侵攻関係のニュースが気になって仕方ないのだけれど、本業は疎かにできないので、なんとか頑張って講義の仕上げ作業を終わらせた。明日の講義では、電波望遠鏡の仕組みについてざっと説明する予定で、講義の後半では電波干渉計の原理を解説する。

私は長年電波望遠鏡を使って観測しているのだけど、研究で電波望遠鏡を使うことと、講義でその動作原理を教えることは全く感覚が異なる作業だ。研究で電波望遠鏡を使う場合、要所要所、ポイントとなる知識さえ押さえておけば問題はないが、講義で電波望遠鏡の動作原理を教えるとなると、連続したストーリーとして知識を提供する必要がある。

電波干渉計も自分の研究ではこれまで何度も用いているのだけれど、いざ電波干渉計の原理を他人に説明するとなると、これがなかなか一筋縄ではいかない。自分で分かったつもりになっていても、いざ説明しようとすると上手く伝わっていないということがしばしば発生する。そして、上手く教えられない部分というのは、よく考えてみると自分の理解が甘い部分でもあることに気がつく。干渉計の動作原理は、厳密に説明しようとすると多くの数式を並べ立てることになってしまうが、それでは講義としては成立しない。結局のところ本当に理解するためには、自分で専門書の数式を丹念に追いかけて勉強する必要があるのだけれど、講義というのは、初心者が専門書で勉強できるようになるための橋渡しをしてあげるのが主な役割なのだろうと思っている。

そんなこんなで、日曜日の今日も一日頑張った(半分ほどの時間はニュースを眺めていたけれど)。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年2月27日日曜日

【日記】2022年2月26日(土) 、あいかわらず健康報告を提出する日々、ゼレンスキー主演のドラマ

相変わらず週末でも毎日職場に「健康状態の報告」を行っている。この健康報告、コロナ勃発直後から職場で義務化されており、報告を怠ると年末のボーナス査定に影響するそうだ。内容は、過去2週間以内にリスク地域に行ったかどうか、あとは体調が悪くないか、発熱していないか等の情報を自己申告でアプリに記入して提出する。前日から変化がなければただ単にボタンを一つ押すだけの簡単な作業だ。私は自分の記憶の上では一度も欠かさず提出しているのだけれど、職場のシステムに残っている記録では2回提出し忘れていることになっているようだ。ときどきサーバーの反応が異常に遅いときがあって、そういう日に記録ミスが発生したのだろうと思われる。しかし、「ボーナスの査定に響く」というのであれば、もう少しきっちりと管理してもらいたいものだ。

ここしばらく寒い日が続いていたが、今日の午後くらいからようやく気温が上がってきた。しかし、まだ建物が冷え切っているせいか屋内にいると寒く感じる。むしろ、外に出た方が温かい。昨日来た今月の電気代の請求額を見たら初めて1000元を超えていた。夏場に一日中クーラーを使っても1000元を超えることはないので、暑い夏を涼しく過ごせるように作られた南国の建物を逆に温めようとすると余計なエネルギーが必要ということのようだ。

土曜日ということで、夕食は恒例の出前をとった。先週くらいまでコロナ規制の影響でデリバリーアプリに表示される店の数が少なくなっていたが、今週はかなり復活したようだ。生ものを扱う寿司屋も営業を再開していた。今晩は妻のリクエストで飲茶風に小さな点心をいろいろ注文して、それをつつきながらウイスキーで一杯やった。お店で食べると飲めるお酒が限られてくるが、自宅だと好きな料理を好きなお酒に合わせることができてとても楽しい。

ウクライナのゼレンスキー大統領が元コメディアンで、連続ドラマで大統領役を演じていたという話は有名だけれど、実際に彼が役を演じているところを見てみたいと思い検索してみたところYouTubu上にドラマの動画が公開されているのを見つけた。ドラマの名前は英語名で「Servant of the People」というようだ。YouTubu上に公開されているものには英語字幕が付いている。5話まで見たが、日本人が見ても楽しめる内容だった。

Servant of the Peopleの1シーン

ちなみにServant of the Peopleで役者が話している言語はロシア語だ。中国に移籍して以降一切ロシア語を勉強していないので、ロシア語はもう完全に忘れたと思っていたのだけど、ドラマを見ていると意外にまだ単語やら短い日常の言い回しやら聞き取れる(ような気がする)部分があるので我ながら驚いた。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年2月26日土曜日

【日記】2022年2月25日(金) 、理不尽極まりないウクライナ侵攻、来週はハードウェアに関する講義

ロシアの軍事侵攻に対して「ロシアの国民は今回の軍事侵攻をどう見ているのか? 街で市民に話を聞くと、軍事行動を称賛する声が多く聞かれました」という内容の報道が出てた。これに対して、「だろうなぁ」というコメントつけて記事をツイートしたところ、「私はロシアに住んでいるが、そんな人は身の回りにいない」というリプが返ってきた。もし本当にロシアに住んでいる人なのだとしたら、ものすごく狭い範囲でしか人付き合いがない人なのだろう。

私はロシアに住んでいる間、現地の大学に勤務していたので、「大学に関係する人」というバイアスはかかるものの人数的にはかなり多くのロシア人と接する機会があった。そして、ウクライナに対する現政権の態度を支持する人が相当数いるであろうこと(おそらくこちらがマジョリティーだ)、その一方で政権に反対する人も一定の割合はいるだろうことを実体験を通して理解している。ロシア人の意見が、これのどちらか一方だと考えるのは全く馬鹿げた意見だと言っておきたい。

しかし、いずれにしてもロシアのウクライナ侵攻は理不尽極まりない行動だと思う。今日のニュースを見ていても、ウクライナ側、ロシア側の双方で、分かっているだけでも数百人の単位で犠牲者がでているようだ。これから様々な理屈をつけてロシアはこういった犠牲を正当化するのだろうけれど、どのような理屈をつけたところで完全に正当化できるとは私には思えない。今の政権はこの暴挙の責任を取ることになるだろう。愚かなことだ。

昨日からウクライナ関係のニュースを追うことにメンタルなリソースを奪われてしまい、講義の準備があまり進んでいない。ニュースを見なければ良いのだろうけれど、どうしても住んでいた国と関わる話なのでついつい気をとられてしまう。しかし、そろそろ自分の日常生活に集中しないといけない。

来週の講義は、電波望遠鏡、受信機、分光器等の電波天文学のハードウェアの話をする予定で準備を進めている。最近はコロナの影響で、なかなか学生さんたちが実際の望遠鏡に接する機会を作ることが難しくなってきている。どんなに上手く講義したところで実際に電波天文台に行って装置を見学したり、望遠鏡を使って観測したりする経験を上回るような知識を与えることはできないが、それでもできるだけ臨場感のある講義をしようと思って一生懸命無い知恵を振り絞っている。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年2月25日金曜日

【日記】2022年2月24日(木) 、ロシアのウクライナ侵攻、思い出すN君の言葉

今朝のニュースを見て本当に驚いた。なんと、ロシアがウクライナに対して全面侵攻を始めたとのこと。武力を背景に一部地域をロシアに編入するくらいのことをやるのかと想像していたのだけど、完全に想像の遥か上を言っていて、唖然としてしまった。こんなことが今の時代にあってよいのだろうか。5年間住んでいた国が始めた戦争ということもあって、どうしても状況が気になり、今日はどうにも仕事が手につかなかった。

SNSを見ていると当然ながらロシアに対する批判がたくさんTLに流れている。私もロシアの政権が選択した武力行使という方法は強く非難されるべきだと思う。その一方で、TLにはロシア人をひと括りにして非難してはいけないという意見も流れている。それはそれでまた正しいと思う。しかし、私は5年の間、多くのロシア人と日々接しながら生活していたので、ロシア政府に賛同しているだろう具体的なロシア人の顔も思い浮かぶし、反対しているであろうロシア人の顔もまた思い浮かぶ。なので、私のように、ある程度ロシアに対して近い距離感にいたことがある人は、今日のこの場面で「ロシア人」という言葉を主語にして話すことはしない(または、できない)のではないかなというふうに思う。

私は2019年の8月にロシアを離れたのだけど、今考えてみると本当に絶妙のタイミングだったと思う。私がロシアを離れた半年後からコロナパンデミックの世界的な混乱が始まり、その混乱が収まらない中、今度はウクライナへの武力侵攻だ。もともとロシアはずっと軽い混乱のような状態が日常的に続いている国だという印象はあったのだが、もはや今は軽い混乱ではなく、完璧な騒乱状態に入ってしまっているように思う。この先、あの国はいったいどうなっていくのだろうか。

ロシアに住んでいたとき、私達夫婦のサポート役として職場が付けてくれたN君という大学院生がいたのだが、彼はことあるごとに「外国から嫌われる政策を取り続ける現政権は嫌いです」ということを私達に言っていた。彼なんかは今一体どうしているんだろうかと思う。私はロシアを離れるとき円満に離れたわけではなく、職場とのさまざまなトラブルを経て脱出するようにロシアを去ったので、もはや以前の職場との連絡はなく、現在の現地の状況が全くわからない。ロシアを去る時になんとなく心のなかで「この国の将来は厳しいだろうな」という予感を持っていた。そして、今日、その予感がそのまま現実になってしまっている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年2月24日木曜日

【日記】2022年2月23日(水) 、まだまだ続く寒い日、実習室は意外に温かい、極めて良くできる学生

今日は実習科目の日ということで例によって朝5時に起床。今朝も珠海の気温は低く霧のような雨が降っていたのでレインコートを着て出勤した。もういい加減そろそろ暖かくなってほしいものだ。こう寒いと早朝の自転車通勤は辛い。

中山大学珠海キャンパスの教室には基本的に暖房施設がない。そんなわけで実習室もきっと寒いだろうと思っていたのだけれど、これが意外にそれほど寒くはなかった。おそらく計算機室に並んでいる100台ほどのパソコンから発せられる熱のせいだろう。

実習の方は、本格的なデータ解析に入る前に、初日の今日はウォーミングアップとして予め準備しておいた簡単な問題を解いてもらうということをやったのだけれど、事前に聞いていたとおり、4-5人ほど突出して良くできる学生がおり、他の学生が50問ほど問題を解いている間に彼らは用意していた約100問を全部解いてしまった。普通の講義だと教員のペースで話をすすめるので、全学生が同じペースで学習するのだけど、実習の場合、よくできる学生はあっという間に課題を終わらせてしまうという状況になってしまうので、個別の対応が必要となる。早くできた学生がさっさと帰れるのであれば話は簡単なのだけれど、うちの大学では、ルール上すべての学生が講義終了時刻まで教室に滞在する必要がある。このあたり対応が難しいところだ。

あと、簡単な問題をたくさん解いてもらうというスタイルの実習が良いのかどうか(ウォーミングアップの課題ではあるのだけど)、まだ自分の中で明確な解答が出ていない。ティーチングアシスタントをやってもらっている大学院生に意見を聞いたところ「このやり方で良いと思います」という話だったので、今回は彼の意見を受け入れてとりあえず安心しておくことにした(今さら内容を変更する訳にも行かないので)。

実習科目ということで、学生を見て回るために実習室内をウロウロしていたら講義時間の後いつもよりお腹が減った。実習科目は教員のダイエットに良いのかもしれない。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年2月23日水曜日

【日記】2022年2月22日(火) 、思い出す2013年の面接、踏ん切りがつかない実習準備

ここ数日、毎朝ニュースを確認するたびにウクライナ侵攻危機がエスカレートしている。今朝は、ロシアがウクライナ東部の親ロ派支配地域を独立国として承認したというニュースが流れていた。いったいどこまでエスカレートするのか。欧米が軍事介入するとはとても思えないし、そうなるとウクライナが完全にロシアに統合されるところまで行ってしまうのかもしれない。まったくもって不穏な世の中だ。

2013年にロシアの前職場の面接を受けたとき、当時の副学長は「これからのロシアは研究機会を外国人に提供する側になるのです」と言っていた。しかし、もう駄目だろう。外国との交流が減り、経済も悪くなると、もはや基礎研究どころではないだろう。ロシアにはポテンシャルの高い若い研究者大勢もいるだけに、もったいない話だ。

今日も珠海は冷え込んでおり、なおかつ雨ふりの一日だった。寒い日の雨はなかなかに過酷だ。しかし、講義の準備があるのでカッパを着込んで頑張って出勤した。自動車が欲しいところだけれど、各種手続きを中国語で行うことを考えるとどうしても躊躇してしまう。アメリカに住んでいたときは、車であちこち旅行して楽しかったので、あれと同じようなことが中国でできると素晴らしいだろうと思う。それをモチベーションにして、もう少し中国語の勉強を頑張る必要がありそうだ。

明日の実習の課題は一応既に作ってあるのだけれど、今日はもう一日かけてさらに内容を見直した。初めて担当する実習科目なので、どのくらいの準備をすれば良いのか感覚がつかめず、時間をかけてもなかなか気分がすっきりしない。いざ「やれ!」と号令がかかればいつでもできる程度の準備は既に終わっているのような気もするが、自信を持ってやれるかと言うと、そこまでの準備ができている訳でもない。このあたり、どの程度まで準備をするかというのはなかなか難しい問題だ。最終的にはどこかでストップをかけないと時間がいくらあっても足りないので、最後はえいやっと決断するしかない。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年2月22日火曜日

【日記】2022年2月21日(月) 、早朝の講義、アシスタントの以外な一面、風呂のありがたみを感じる日

1コマ目の講義のために朝5時に起床。起き抜けにWeChatを確認したら教務担当者から再び講義のリマインダーが入っていた。学期始めの一コマ目だし、コロナ規制で色々面倒だし、しかも雨降っているし、寒いし、早朝の講義だし、何度もリマインダーを送ってくる教務担当者の気持ちも分からなくはない。学部講義の無断欠勤や遅刻は「教学事故扱い」なので、教員もボーナス減額等の罰則を課せられるが、おそらく教務担当者も何かペナルティーがあるのだろう。

今学期担当している科目が実習科目のため、パソコンの並んでいる実習室で講義を行うのだけれど、実習室は個別に施錠されており、実習室の管理人が出勤してくるまでは中に入れない。初めて講義で使う部屋なので、早めに行って機材のテストをしようと思い、開始時刻の30分前に到着したのだけれど、管理人が開始時間の直前まで現れず、寒い中、20分ほど外で待たされる羽目になってしまった。

講義の方は初回ということもあって、コースのアウトライン、成績の付け方等をざっと説明し、その後はイントロダクション的な話をして1日目は終了した。次回からはもう少し詳しい話に入っていく予定だ。

講義は、アシスタントの大学院生が想像以上に頑張ってくれて、頼もしかった。普段、研究を見ていると少し頼りない感じの学生さんなのだけれど、人間、見る場面が異なると見え方が大きく変わるものだ。彼がティーチングの場面で頼りになることが分かったのが今日の大きな収穫だった。

午後からは卒検の学生さんと打ち合わせ。彼の実家はコロナの規制区域が乱立しているとのことで、移動がかなり面倒だったようだ。しかし、優秀な学生さんで研究の方は全くもって順調。その点は良かったと思う。手のかかる学生さんとの間でコロナ規制等コミュニケーションに制限ができてしまうと指導する側としては大変だ。

とにかく「しんしん」と冷える一日で、講義で疲れていたこともあり、夕方は仕事を早めに切り上げて帰宅した。帰宅後、暑い風呂に浸かってさっさと就寝。珠海近辺ではバスタブのない賃貸物件が多いが、やはり日本人には風呂はあった方が良い。特に今日みたいな寒い日には風呂に浸かりたくなる。バスタブのある物件にこだわって部屋探しをして正解だった。




中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年2月21日月曜日

【日記】2022年2月20日(日) 、冷たい雨、マッハ5の超高音速ミサイル、学部講義のリマインダー

本来日曜日はオフィスで仕事することにしているのだけど、中国ベイエリアが今年一番の冷え込みとなり、なおかつシトシトと冷たい雨が降っているので、今日は家にいることにした。月曜日の早朝から学部講義が始まるので、こういう寒い雨の日に無理して休日出勤して風邪でもひくと面倒なことになる。大学院講義と違って、中国の大学における学部講義を教える教員の責任は重い。5分の遅刻ですら教学事故扱いとなり、ボーナス減額の対象になったりする。なので、なるべく風邪をひくような行動は慎みたい。

相変わらずウクライナ侵攻関係のニュースが煩いことになっている。まぁ、私が気にしても仕方のない話ではあるのだけど、最近まで自分が住んでいた国が関わっている問題なので、どうしても少し気になってしまう。今日は、ロシアが大陸間弾道弾や超高音速ミサイルの発射実験を実施したというニュースが大きく出ていた。「うちは世界中どこでも核攻撃できるんだよ」という威嚇なんだろうけれど、まぁ、あんまりいい感じはしない。

ロシアの軍事行動の政治的意味はともかくとして、ロシアが持っている超高音速ミサイルの速度は「マッハ5」らしい。普段、私の研究分野では速度の単位としてはkm/sをよく使うので、何気なくミサイルの速度をkm/sに換算してみたところ、マッハ5は1.7km/sに相当するようだ。km/s単位の速度が出てくると、職業柄ついつい晩期型星の星風の速度と比べてしまうのだけど、晩期型星周りの「比較的ゆっくり」と広がるエンベロープの膨張速度は10-15 km/s程度の速度を持っている。
この膨張速度は、さまざまな理由で100km/sを超えることが稀にあるの。したがって、100km/sを超えるような高速の恒星風に比べて、10-15 km/sの普通の恒星風は比較的「ゆっくりとした」膨張速度という印象が頭の中にある。しかし、これをミサイルの速度1.7 km/sと比べると、ミサイルがあまりに遅いので「あれ?」という感じになってしまった。恒星の周りでゆっくりと広がっている現象であっても、実際はロシアの超高音速ミサイルの10倍くらいの速度で広がっているのだから、宇宙に見る速度というのは、やはり人間が作り出せる速度なんかと比べると桁が違うのだなということを再認識した。

夜寝る前にWeChatのメッセージを確認したところ、「明日、あなたは講義する日なので、ちゃんと準備して時間通り講義するように」というリマインダーが大学から届いていた。うちの大学は(おそらく、中国の他の大学でも同じだと思うが)政府からの通達により、学部教育の品質管理が極めて厳密に行われている。そのため、講義の時間管理も学部講義についてはとても厳しい。同じ講義でも、大学院講義のときはこういうリマインダーは来ない。いったこの差はなんなのか。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年2月20日日曜日

【日記】2022年2月19日(土) 、密越境その後、生活圏にちらほらと現れる防護服、いつもと違う出前事情

香港から密越境してきた感染者が原因で珠海で感染者や濃厚接触者が確認されて以降、学内でビルごとの全数PCR検査が行われたり、夜間に海沿いをパトカーが行ったり来たりしていたり、少し不穏な空気が漂い始めている。これまで、香港での感染状況にはあまり関心を持っていなかったのだが、ここ数日意識して香港のニュースを見ていると、確かにかなり大変な状況になっているようだ。各病院は完全に病床が満杯になっており、ストレッチャーに載せられたまま病院の前に放置されているコロナ感染者の様子が繰り返しニュースで流されている。あの状況だと、大陸側に密越境したくなる人が出てしまうのも無理はない。

今日は土曜日なので私はオフィスには行かなかったが、職場のWeChatグループを見ていると、今日オフィスに出てきた人全員に対して、玄関先でPCR検査を実施したようだ。検体採取を担当する医師は当然ながら防護服を着ているのだけど、1月に封鎖管理を経験して以来、自分の生活圏内で防護服を見ると、また閉じ込められるんじゃないかと思ってドキッとする。

毎週土曜日は出前をとることにしているのだけれど、今日は出前のアプリを開いたときに、いつもと状況が異なっていることに気がついた。まず、私が住んでいる区(高新区)内の寿司屋が全て営業を停止していた。そういえば、1月に感染者が増えたときにも、生ものの出前が禁止されたので、おそらくコロナに関連して寿司屋が営業停止になっているのだと思われる。

また、それ以外にも、いつも利用しているお店の多くが出前アプリの営業中店舗リストに出てこなかった。これらのお店は、現在封鎖管理されている地区、もしくはその近辺の店なので、これらのお店も営業停止になっているのではないかと想像される。結局、私が住んでいる区の外の、少し遠目の店から出前を取ることになった。生活のこういうところに防疫規制の影響が出てくるとはちょっと想定外だった。

先週末から、職場でちらほらと防護服を見かける機会が増えており、いつ何時職場が封鎖管理下に置かれるか分からないので、万が一、オフィスに閉じ込められてもなんとかやりくりできるように、普段使っている洗面用品等のスペアをオフィスに持っていくことにした。今日、リスク地区のリストを確認したら、また広東省に数箇所のリスク地域ができているようだ。私の記憶では、オミクロン株の流行が始まってからは、まだ一度もリスク地域ゼロを達成していないはずだ。このオミクロン株っていう奴に対しては、ゼロコロナ政策はなかなか難しそうだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年2月19日土曜日

【日記】2022年2月18日(金) 、再び近くに濃厚接触者が、全職場を思い出す米国務長官の発言、新学期の講義はマスク着用で

朝、オフィスビルに出入りしていた人から濃厚接触者が出たという知らせが職場から入った。もしかするとビルが封鎖管理されるのではないかと一瞬ヒヤッとしたが、その後の事務からの続報では、どうやら封鎖管理の対象にはならないとのことでほっとした。しかし、この封鎖管理になるかならないかの判断の基準が良く分からない。1月に自宅で封鎖管理されたときは、同じ建物の中に濃厚接触者が見つかったことが理由だったので、今回のオフィスの件も基本的には同じだと思われる。どうも違いが良く分からない。

今朝のネットニュースの記事を見ると、アメリカのブリンケン国務長官が「ロシアは条件を付けたり、あいまいな言葉を使ったり、はぐらかしたりせず、ウクライナに侵攻しないときょう表明せよ。明確に、世界に向けて率直に述べよ」と発言したそうだ。まぁ、話のレベルは全く異なるが「条件を付けたり、あいまいな言葉を使ったり、はぐらかしたり」という言葉を見て、ロシアの前職場のことをいろいろと思い出した。私が働いていたロシアの地方国立大学の学内行政も「条件を付けたり、あいまいな言葉を使ったり、はぐらかしたり」とそんなことばかりで満ち満ちていた。

昨日の香港からの密越境者の報道が出て以来、どうも珠海市の防疫レベルが少し上がったようで、職場やら、マンション小区やら、市政府やらから、いろいろと通達がくる。先程、大学から「講義をするときにマスクをするように」との通達が来た。講義のときにマスクをするように言われるのはコロナ禍勃発後、おそらく初めてではないかと思う。(コロナ禍勃発直後の一番規制が強い時期には講義はオンラインだったので、マスク着用の必要はなかった)。

新学期二日目ということで、帰省先から戻って来た大学院生と学期はじめのキックオフの打ち合わせを行った。今学期中に達成するべき目標とかこれからのスケジュールとかを細かく話し合っていたら、今日中に提出しなくてはいけない某書類のことが完全に頭から飛んでしまい、秘書さんからの督促のSNSメッセージを貰って慌ててアドレナリンを出しながらとあるプロジェクトの概要を5分で書き上げて提出した。しかし、その後返事が来ないので、間に合ったのか間に合わなかったのかは不明。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年2月18日金曜日

【日記】2022年2月17日(木) 、新学期初日にいきなり全数PCR検査、後を絶たない香港からの密入国者

中山大学珠海キャンパスのある珠海市高新区内で感染者が1名見つかったため新学期初日から区内全数検査が行われた。新学期初日とあって、学生と教職員のほぼ全員が大学に戻ってきているため、学内の検査場は大混雑だった。これまで10数回程度学内でPCR検査を受けてきたが、今回が一番順番待ちの列が長かったと思う。ただ、列は長くても待ち時間はそれほど長くはない。今日の待ち時間はおそらく30分くらいだったと思う。

PCR検査の順番待ちの列

新学期が始まり、私が担当する講義を履修登録してくれた学生さんたちの名簿が出てきたので、とりあえず全員分のピンイン(名前の読み方)を確認した。大学が配布してくれる名簿には当たり前だけど、漢字表記の名前しか書かれていない。したがって、私みたいな中国語初心者の教員は、事前に学生の名前のピンインを調べておかないと、教室でコミュニケーションがとれなくて困ることになる。多少手間はかかるのだけど、ピンイン調べは良い講義をするためには必須の作業だったりする。

今回珠海市で見つかった感染者は、どうやら香港からの密入国者(密越境者と言うべきか)が広げたものらしいということが香港系のメディアによって報じられていた。不要なパニックを避けるためなのか、このニュースは大陸系のメディアではあまり報じられていないようだ。しかし、地域のSNSグループを見ていると、大陸側の人も香港系メディアのニュースもよく見ているようで、かなり怒っているニュアンスのメッセージが流れていた。

昔は、密入国というと、大陸から香港に行く場合がほとんどだったため、香港側は簡単に密入国できないように、海沿いの警備がかなり厳重なのだそうだ。しかし、大陸側は密入国してくることを想定していないため、セキュリティーが非常にあまいらしい。実際、うちの家の前のビーチなんかを見ていても、警備なんて言うものはほぼ何も存在しない。も香港側からボートで来たら簡単に上陸できてしまうだろう。報道によると、最近、香港でオミクロン株によるコロナ感染が急速に広がっている関係で、香港から大陸側に逃げてくる人が後をたたないそうだ。かなりメジャーな感染経路となっているそうで、大陸側の地元政府が手を焼いているということが報道に出ていた。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年2月17日木曜日

【日記】2022年2月16日(水) 、隔離は有給で、通販でトラブル、経済成長できないロシア

明日から新学期が始まるのだけど、休暇中に国外に出ていた教職員の中には、まだ隔離されている人がいる。このような隔離下にある教職員は、明日以降仕事に復帰するまでの間の期間、有給休暇を申請するようにとの通知が来た。隔離費用も自腹とのこと。これではなかなか一時帰国は難しい。隔離だけで1年分の有給休暇がなくなってしまう。

春節休みの前に通販でペヤングのインスタント焼きそばを注文したのだけど、なかなか届かず、配送ステータスを確認したらなんと配達済みになっている。本当に困ったもんだ。2年と少しの間中国の通販を利用していて、商品が届かない、問い合わせにも返事がないという店にこれまで4-5回ほど遭遇している。中国語が堪能であれば対処の仕方があるのだと思うが、店が私の下手くそな中国語チャットに応じてくれないと、中国語初心者としてはもうお手上げである。同僚に頼めばもちろん解決できるのだろうけれど、インスタント麺ごときで忙しい同僚たちを煩わすのも気が引けてしまう。まぁ、こういう事態に自分で対応できるように頑張って中国語を勉強しようと思う。

相変わらずロシアのウクライナ侵攻関係のニュースで連日メディアが騒がしい。今日はロシアの軍関係者の中からプーチン大統領へ辞任要求が出ているという記事が目についた。「プーチンは戦術的には勝利をおさめたが、戦略的には負けている」ということらしい。ウクライナに侵攻すると、欧米から経済制裁を受ける。そうすると既にボロボロのロシア経済が、確実に今以上にボロボロになる。それを大統領は考えていないということのようだ。

中国を見ていると、やはり順調に経済成長することが国民や対外的な信用を得るためには必須なように思われる。ロシアはプーチンの1期目2期目(2000年~08年)までは、年平均7%の経済成長をつづけていたそうだ。確かにクリミア侵攻後に欧米の制裁が始まる前までは、天文学みたいな基礎研究分野にもロシアはそこそこの予算を割り当てていたし、地方都市の大学にまで外国人研究者を招聘しようとする動きがあった。実際、私はそのようなお金の恩恵を受けて、ロシアから教授職のオファーを貰ったわけだ。

しかし、その後のロシアの陥落ぶりは見てのとおりである。経済が落ち込むと大学へ配分される予算が減る。そうすると、選択と集中が始まる。私が働いていた大学は選択と集中から漏れてしまい、予算が削減されることになった。そのような状況になると外国人が軽く扱われるのは当然の成り行きである。私の場合、突然給料の50%カットを言い渡され、そんな条件で働けるわけがないので、即刻移籍のための就活を始めたわけである。

ロシアは潜在的には文化的な国だともう。予算が十分にあれば基礎科学研究で相当な成果をあげるだろう。天文学分野のロシアの研究者を見ていると、優秀な人が揃っているし、安定した平和な社会と、そこそこの経済成長を維持していけば、きっと文化的にも豊かで、科学技術的にも優れた魅力的な国になるだろうと思う。しかし、今の状況を見ていると、そういう理想からはどんどん乖離していくばかりのようだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年2月16日水曜日

【日記】2022年2月15日(火) 、情報が早い軍事オタクアカウント、元宵节快乐、学生さんからのギフト

エカテリンブルクに住んでいた時、ロシア周辺の動向を確認するために様々なTwitterアカウントを毎日ウォッチしていたのだけれど、その中に数人の軍事オタクさんたちのアカウントが入っていた。軍事オタクと言うと「オタクだから、どうせ趣味の範疇でしょ」という受け止められ方をしてしまいそうだけれど、私が毎日ウォッチしていた数人の軍事オタクさんたちは明らかに趣味の範囲を逸脱しており、はっきり言ってどの報道機関よりも情報が早かった。

エカテリンブルクのすぐ隣の町で発生した放射性物質漏洩事件みたいなローカルなニュースも、軍事オタクさんたちのツイートで気づいたくらいだ。ここしばらくのウクライナ問題の緊迫で、軍事オタクアカウントを再びよく見ているのだけど、相変わらず皆さんすごい。日本で流れるニュースの半日から1日先の情報を知ることができる。

今日は旧暦の1月15日ということで「元宵节快乐」のメッセージがたくさん流れてくる。目下北京オリンピックが開催中ということで、職場から送られてきた元宵节のグリーティングはオリンピック風のデザインだった。元宵节は旧正月15日目に当たる日で、この日をもって旧正月のお祝いは終了ですよ、という打ち止めの日である。中国では元宵节には団子を食べる習慣があり、職場やらマンションやら、あちこちで甘い団子が振る舞われているのを見かける。

職場から送られてきた元宵节のグリーティングイラスト

秋学期に私のクラスを履修していた学生さんから年末のギフトをもらった。「成績を付ける前に渡すと賄賂と思われると良くないので遅れて渡すことにしました」とのこと。細やかな気の使いようだ。ギフトは月の立体模型だった。スマホをかざすと地形の説明が出てくる。うちの学生さんは講義に対してポジティブな評価をしてくれる人が多いのだけれど、正直なところ自分のティーチングがまだまだなのは良く自覚している。今学期はさらに質をあげられるように頑張ろうと思う。

月の実体模型(3Dプリンターで作成されたとのこと)

スマホをかざすと解説が現れる

今日もせっせと実習科目の課題作りをすすめた。課題を考えるのは比較的簡単なんだけど、実習手順書きの執筆とか、計算やプロットの見本を作るのにとても時間がかかる。今学期はめちゃくちゃ忙しくなるのが分かっているので、学期が始まるまでに実習科目の準備は全部終わらせておきたいのだけど、さてどうなるやら。(などと言っているうちにグラントの〆切も迫ってくる…)


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年2月15日火曜日

【日記】2022年2月14日(月) 、活発化する新学期の準備、時間割の変更、電波天文学の学部講義

今週の後半から新学期が始まるということで、オフィスに出てきている教職員の数も増えてきた。各講義科目のティーチンググループではオンラインでの打ち合わせが活発化してきている。私は実習科目を担当するのだけど、実習科目は特に事前の打ち合わせが必要な科目なので、たくさんのメッセージがWeChat上を飛び交っている。

事務から流れてきたメッセージによると、休憩時間を適切に取るようにとの「お上からの通達」に従って時間割を調整するとのこと。時間割の調整によって何かが多少は楽になるのかと期待して新しい時間割を眺めたのだけれど、講義の間の休憩が20分から30分になって、その分昼休みが短くなるという、ただそれだけのことだった。実習科目の実習部分は2コマ+2コマ(合計4コマ)の時間割になっているので、時間割変更の影響は受けるのだけど、実習の4コマは通常の講義と違って教員がぶっ続けで話をする訳ではないので、休憩時間が10分長くなってもさほど状況は変わらないように思われる。

実習科目は毎週6コマで、2コマが理論説明と科学的背景の講義、4コマが実習ということになっている。私は4週間分、つまり合計24コマを担当する。うちの大学では、電波天文学がまだ独立した学部講義科目として認められていないので、実習科目の理論講義の時間を利用して電波天文学のダイジェストをやってほしいというリクエストを学科から受けており、昨年から徐々に準備を進めてきた。

電波天文学の歴史から初めて、受信機や干渉計の原理等の技術論、さらに実習科目に係る科学テーマの背景等を8コマに詰め込まないといけないので割と大変だ。最初に話すべき項目をざっと列挙して、それを一つのストーリーとしてつながるように並べて講義を作っているのだけど、どうしても一部時間的に入り切らない部分が出てきてしまう。偏光観測の話なんかも入れたかったのだけれど結局割愛せざるを得なかった。まぁ、しかし、今回の講義で電波天文学講義の土台を作って、後々正式に電波天文学を学部講義科目へ昇給させる道を作れるとよいなと考えている。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、中級III

2022年2月14日月曜日

【日記】2022年2月13日(日) 、新しく導入された防疫システム、知的精神的に西欧と対等でありたいロシア

防疫規制が強くなってくると、これまでだと大学のゲートで「健康コード」(健康吗)というアプリを起動して、リスクが少ない証拠である「グリーンの画面」を見せるという手順を踏んでいたのだけど、昨日から「公共场所通行打卡」という新たな防疫システムが導入された。

この新システム、外国人居住者にとっては鬼門となっている。登録画面で外国のパスポート番号を入力できないので、外国人がアプリを起動することができないのだ。SNSを見ていると、広東省のあちこちの街で問題が発生しているようだ。今日のところは、門衛に「このアプリ、外国人は登録できないですよ」と中国語で言って通してもらえたが、このシステムがしばらく続いて、毎回門衛に説明しないといけないと思うとちょっと面倒くさい。

職場に「なんとかなりませんか?」と相談したところ、大学の門衛と小区の門衛に外国人であることを言えば通してくれるように状況を説明しておいてくれるとのこと。大学の門衛は職場なので分かるが、私の自宅のある小区の門衛にまで説明をしておいてくれるとは親切な話だ(事務職員の人の多くも同じマンション小区に住んでいるので、ついでといえばついでなのかもしれない)。

さて、ここのところ、連日ウクライナ危機についての緊迫した報道が続いている。私は5年間ロシアに住んでいたということもあり、どうしてもこのニュースは気になってしまう。Twitterを眺めていると、現在のロシアの状況に対して以下のようなコメントが流れていた。

ロシアについて、自分たちが知的精神的に西欧と対等な存在であるのを西欧に認めさせることが数百年の宿願なのにひたすら無下にされ続け、いいかげん限界だぞ! というのが最近の状況の背景のひとつです。

このコメントを見て、ロシアで生活していた時に身の回りにいたロシア人たちの言動をいろいろと思い出した。私の日常的な経験では、ロシア人も色んな国の人を見下しているように見えたし、とても全ての国を対等に見ているとは言えない言動が日常に満ち溢れていた。特にソ連を構成していた中央アジア系の国々に対してはあからさまな差別発言をする人がたくさんいたし、中国に対しても罵詈雑言を吐くロシア人をあちこちで見かけた。なので、例え上記のような心理が背景にあったとしても、ロシアが武力行使で現状変更することをサポートしようとは微塵も思えない。


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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、リードシートIII

2022年2月13日日曜日

【日記】2022年2月12日(土) 、ロシア人YouTuberの声、思い出すソ連世代のロシア人たち

土曜日はよほどスケジュールが切羽詰まっていない限りは基本的には休養日としている。カツカツのスケジュールながらも新学期の準備はなんとか予定通りに進んでいるので、まぁ、この土曜日は休んでも大丈夫だろう。前学期は、学期開始前に予定していない講義の担当を突然打診され、学期の半分ほどの期間を土日無しで講義の準備に取り組むはめになった。しかし、やはり週末に休み無しの日々が長く続くとメンタル的に辛くなる。今学期はなんとか上手にやりくりしたい。

ロシアがウクライナに侵攻するかどうかという問題が連日報道されているが、現地のロシア人の声が西側メディアの報道ではあまり聞こえてこない。一方のウクライナ人の方は街頭インタビューの映像なんかを度々見かける。西側のメディアは、ロシアよりの見解等はフィルターアウトしているだろうから、報道内容にこのようなアンバランスが出てくるのは自然なことではある。

YouTubeを検索してみると、英語や日本語を話すロシア人YouTuberがかなりの人数いて、けっこう活発に政治的な発言をしているのを見かける。当然だけどロシアの立場にたって発言する人が多い。私はクリミア侵攻のあたりから5年間ほどロシアに住んでいたので、ウクライナに関してのロシア人の言い分もある程度は分かっている。ウクライナの現政権がクーデターまがいの方法で以前の政権転覆させた人たちで、ロシア側からみたらろくな連中ではないという認識も理解している。しかし、そうは言っても、武力を行使してしまったらロシアの地位が急落するのは目に見えている。
ウクライナにロシアが侵攻したとして、その後のロシアはどうなるんだろう。素人的には今よりも何かが良くなるとはとても思えない。あの国が大国意識を捨てて、軍事中心の政策をやめ、芸術、音楽、基礎科学研究等の文化的な方面に国のリソースを全振りすれば、おそらくすごく魅力的な国になれるような気がするが、ロシアに住んでいた時に出会ったシニア世代の保守的な人々の顔を思い出すにつけ、あの国が国家として大国意識を捨てるというのは、少なくとも当面は不可能だろうなという気がする。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、中級III

2022年2月12日土曜日

【日記】2022年2月11日(金)、健康コードの提示義務再び、アルファベット表記のネームプレート

10日ほど前、地域順民のグループチャットに「うちで飼っている犬が年越しの花火の音に驚いて逃げ出して行方不明になりました。誰か見かけませんでしたか?」という知らせが出ていたのだけど、今朝、発見されたという知らせがグループチャットに出ていた。近所の人が見つけて保護していたようだ。このあたりの地域社会はWeChatグループでほぼ全員がつながっているので、保護した人が飼い主を探す作業もスムーズだった模様。

ここしばらく、大学のゲートを通るときに健康コードの提示は求められなかったのだけど、新学期が近づいてきたせいか、今日は提示を求められた。しばらく健康コードのアプリを使っていなかったので、コードを表示しようとすると認証作業が必要となり、どういう訳か認証しようとすると携帯がフリーズしてしまいゲート前でしばらく立ち往生してしまった。

携帯を再起動していると門衛のおっちゃんが話しかけてきたので、二言三言会話してみた。「市の要求で、今日から健康コードを確認する必要があるんだよ」的なことを言っているのがはっきりと理解できた。あと、門衛のおっちゃんが私の携帯を覗き込みながら中国人用の健康コードのボタンをタッチしようとするので、「外国人はこちらのボタンを使うんですよ」みたいなこともスラスラと中国語で言えた。職場で会議なんかに参加していると、大意がつかめないわ何も発言できないわで自分の中国語は微塵も上達していないように感じるけれど、門衛のおっちゃんと二言三言簡単な会話を交わすみたいな場面では、多少は上達していることを実感できる。

Twitterを眺めていたら、中国のよその大学で働いている日本人教員が、漢字表記の名前が入ったオフィスのネームプレートをツイートしているのを見かけた。うちの職場では、外国人の名前の表記には一律アルファベットが用いられているのだけれど、郵便物や宅配便の宛先が漢字表記だったりすると、配達員がオフィスを見つけられなくて荷物がなかなか届かないことが時々ある。アルファベットと漢字を併記できないか一度事務に聞いてみようかな。

アルファベット表記のオフィスのネームプレート

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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

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2022年2月11日金曜日

【日記】2022年2月10日(木) 、ロシア選手のドーピング、急増する教員、不足する講義室

朝起き抜けにニュースを眺めていたら、北京オリンピックに参加しているロシアのフィギアスケート選手がドーピング検査で陽性になったというニュースがトップに出ていた。本来は心疾患の治療のために使う「トリメタジジン」という薬物が検出されたとのこと。報道に出ていた医師のコメントでは、トリメタジジンを健康な人に使用すると、理論的には通常のレベル以上に血流を促進できるかもしれないうことらしい。このニュースを見て、数年前、ロシアのテニス選手が、同じように心疾患系の治療に用いられるメルドニウムという薬物の使用でドーピング検査にひっかかり、人気選手だったこともあって大きく報道されたことを思い出した。メルドニウムはロシアでは普通に薬局で買える薬で、現地の人は元気がないときなどに薬局で買って気軽に服用するような類の薬だと聞いたことがあるが、トリメタジジンはどうなんだろうか。

新学期が近づいてきたので、講義準備もより具体的かつ細かなアレンジに気を回す段階に入ってきた。春学期は実習科目を担当することになっている。実習科目に対しては、普通の競技室ではなく「実習室」が教室として割り当てられる。しかし、天文学データ解析実習で使う実習室というのは、パソコンがズラッと並んだ部屋で、プロジェクターもなければ黒板もない。実習科目とは言っても、3分の1くらいの時間は理論背景の説明を行うよていである。90分間フルに学生に対して話をするときは、実習室よりも通常の講義室の方が遥かに使いやすい。そこで、理論講義を行うときには普通の講義室を割り当てて欲しいと担当者にお願いしたのだけど、「もう空きがない」とのことで断られてしまった。中山大学珠海キャンパスの講義棟のキャパは最大2万人と聞いていたので、もう少しゆとりがあるのかと思っていたが、そうでもないらしい。

最近、講義等の中を歩いているときに、一部の区画が教員のオフィスとして使われていることに気がついた。目下、うちの大学は教員を大増員中で、全学だと毎年数十人から年によっては100人以上のペースで教員が増えている。したがって、オフィス棟だけでは既に部屋が足りなくなっている学部学科も相当数あるだろうと想像される。そういう訳で、一部オフィス転用の影響で、講義室スペースが設計値よりも少なくなっているのかもしれない。

今日もオフィスに行って一日仕事をしていたのだけど、春節も10日目となり、職場でもぼちぼちと同僚の姿を見かけるようになって来た。春節明けに同僚と初めて会うと、話すことは大体二つ、「グラント申請書の調子どう?」と「今学期は何時間ティーチングするの?」である。

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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、中級III

2022年2月10日木曜日

【日記】2022年2月9日(水) 、無人ゲートの封鎖管理、異臭騒ぎその後、「技」が求められる教育現場

春節も10日目となり、そろそろ中国でも職場や学校に人が戻り始める時期となってきた。休暇先からマンションに戻ってくる人を厳密に管理するため、マンション小区の出入りを、門衛がいる有人ゲートに限定するという通知が管理会社から入ってきた。通知の中に「封鎖管理」という文言が入っており、先日のマンションロックダウンを思い出して一瞬ドキッとしたが、今回はロックダウンの知らせではなくてほっとした。

昨日のエレベーターの異臭の件、犬の小便の匂いだというもっぱらの噂だったが、その後マンション管理会社から「規則に沿って厳密にペットを管理するように」との通知が来た。うちのマンションは、比較的住人のマナーは良い方だと思うが、それでもたまにはおかしなことをするひとはいる。まぁ、人間とはそういうものだとは思う。

生徒の興味を引くためにさまざまな「技」を繰り出す中国の先生たちの話題がTwitterに流れていた。「技」というのは、例えば理科系科目だと、日本でいうと米村でんじろうとか、アメリカだとMITのウォルター・ルーウィンがやっているような類の授業の「演出」のことである。

Twiitterに流れていた話題は初等中等教育での話だったのだけど、うちの大学でも日本の予備校の講師がやるようなテイストの講義をする教員は少なくない。うちの大学の場合は、講義に「創意工夫」を常に求められるし、教員どうしでの授業参観や、教育技術の検討会への参加を義務付けられたり等々、「講義技術」を向上させろという上からの圧力が半端ではない。想像するに、初等中等教育でも事情は似ているのではないだろうか。

大学の場合、これまでは基本的に研究業績が重視されてきたのだけれど、1-2年ほど前から研究以外の業務も業績評価で重視されるようになってきた。うちの大学の場合、学部教育への貢献が業績評価で現在最も重要な項目となっている。このあたり、中国の中央政府としてもいろいろと思惑があるのだと思うが、研究業績重視の大学教員の業績評価は、大学の現場を歪ませていた面もあると個人的には考えているので、ティーチングへの重心移動は私は比較的好意的に受け止めている。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

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2022年2月9日水曜日

【日記】2022年2月8日(火) 、よく出来た問い合わせシステム、もしコロナ禍前の状況に戻ったら、つい解析ソフトで遊んでしまう

春節前に注文していた「日式インスタント麺」がまだ届いていないことに気づいてすぐにチャットで問い合わせた。業者から早速返事があり「2月7日まで春節休みで8日から通常業務に戻る」とのこと。確か「1月31日までに発送する」と商品ページには書かれていたような記憶があるのだけど、まぁ、発送してくれるのなら細かいことはどうでもよい。

しかし、京东の問い合わせ用のチャットシステムはなかなか良くできている。当てずっぽうの中国語を断片的に書き込むと、問い合わせ内容を予測して定型文をいくつか提示してくれるので、顧客側は、その中から自分が言いたいセンテンスを選べば良い(もちろん、定型文をテンプレートにして文章を編集することも可能)。中国語以外の言語表示こそ対応していないものの、多少なりとも中国語を勉強している外国人に対しては、可能な限りのサポートしてくれている感じはする。

コロナ禍が勃発してからの2年と少しの間ずっと(実質的に)一時帰国できない日々が続いており、最近では一時帰国できないことを前提に仕事の予定を組んでしまっている。ふと考えたのだけど、もしコロナ前の状況に戻ったとして、いざ一時帰国することになったらスケジュールのやりくりでいろいろ無理が出てきそうだ。

夕方、「エレベーターの中が臭いので掃除してください」というメッセージがマンション住人のSNSグループに流れていた。その後、「生臭い匂いだ」とか「なかなか匂いが消えない」とうの発言が流れた後、犬を飼っている住人が「この匂いは犬の小便に違いない」と発言していた。エレベーター内で犬に小便をさせる人がいるとは…。

今日も講義の準備を進めていたのだけど、新学期開始までの日数が少ないのにも関わらず、とある理由で時間をロスってしまった。実習科目なので、設定した課題の作業時間に一応の目星をつけるために、自分で設定した課題に取り組んでいたのだけど、その過程で面白い解析ソフトを見つけてしまい、ついついそのソフトで遊んでいたらあっというまに2時間たっていた。

まぁ、しかし、こういう時間もたまには必要なのだと思う。大学院生のときは、新しい解析技術やら解析ソフトやらに出会うと、2時間とは言わす、何週間もそれに没頭することも日常茶飯事だった。そういう中からオリジナルな解析のアイデアを思いついたりしたものだ。結局のところ、時間的ゆとりがないとなかなか新しい発想での仕事はできないのではないかと思ったりもする。


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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

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2022年2月8日火曜日

【日記】2022年2月7日(月) 、講義の準備が遅い私、チラホラと戻りつつある学生さんたち、立ち机で仕事

今日も一日オフィスにて講義の準備を進めた。私はどうも講義準備のペースが遅いようで、かなり早くから取り掛からないと間に合わない。同じグループの同僚なんかは年間200校時(1校時は45分)近く講義を担当していて平気な顔をしているが、私はそこまで講義を入れると、講義以外のことが何もできなくなりそうだ。ただ、同僚たちに話を聞いていたら、着任後の最初の1-2年は、講義準備だけで全ての仕事時間が潰れていたという人が多いので、始めて担当する科目の準備に時間がかかるのはやむを得ないことなのかもしれない。

オフィスからの帰り道、チラホラとスーツケースを持った学生さんたちとすれ違った。まだ春学期の開始までには10日余りあるのだけれど、最近、防疫規制の状況が急変することが多いので、おそらく安全のために早く戻ってきているのだろう。学生の姿をみると、若干の焦りを覚える。早く講義の準備を進めなければ。

じっと座って仕事をしていると腰が痛くなってくるので、立って仕事できるようにと昨年「立ち机」をオフィスに買った。しかし、この立ち机、今までは秘書さんが持ってきた書類にサインしたり、黒板で考え事をする時のチョーク置き場にしたりと、本来の使い方からずれた用途にのみ用いていた。昨日、始めて立ち机の上にマウスとキーボードをおいて、本来の立ち机として使ってみたのだけど、立って仕事をすると想像以上に生産性の向上が感じられた。腰が痛くなるのが予防できるだけでなく、立って仕事をしていると集中力が増すようだ。ただ、立ち机の構造が若干不安定で、タイピングの時に机のふらつきが気になって入力の速度が落ちるという問題が発生してしまった。もう少し、しっかりした作りの立ち机を買うと良いのかもしれない。

夕方、香港に住んでいた時に作った銀行口座の登録住所をようやく中国の住所に変更した。香港の銀行口座は何かと便利なので、香港を離れた後も維持しているのだけど、これまで登録住所は日本の住所にしていた。しかし、コロナの影響で日本へ一時帰国できる頻度が低くなっており、いろいろと実際的な問題が出てきたのでこの際登録住所を変更することにした。昨年末にも一度変更を試みたのだけど、そのときは漢字による住所登録が出来ずに途中であきらめてしまった。英文表記での住所登録は可能だったのだけれど、クレジトッカード等の重要な郵便物を英文表記の住所で受け取るのはどうも不安だ。今日再度確認したところ、中国語表記の住所登録を受け付けるオプションを見つけたので、早速変更申請を行った。今までは、年に1-2度日本に一時胡国することを前提にいろいろな予定を立てていたが、昨今はもうそういう前提が成り立たなくなってきている。


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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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2022年2月7日月曜日

【日記】2022年2月6日(日) 、PayPalを使った中国外への支払い

職場で作ってもらった「ビジネスカード」をPayPalに紐付けてから色々と便利になった。ビジネスカードというのは中国語で「公务卡」と呼ばれるクレジットカードで、研究費等の公的な予算を執行する場合にこのカードを用いいると払い戻しの手続きをスムーズに行うことができる(ただし、ビジネスカードを介しての予算の執行は、1決算あたり1000元までという制約がある)。このカードは職場の給料支払口座と紐付けられており、とりあえず一度は自分で費用を立て替えるのだが、予算の使用が認められると、後から給料支払い口座にその分のお金が振り込まれるという仕組みになっている。

上述のような公費の使用がビジネスカードの本来の目的ではあるのだけれど、このカード、個人の買い物で使用しても構わないことになっている。支払い後に職場に対して払い戻しの手続きを行わなければ、そのまま自分の銀行口座から買い物したお金が引き落とされるという仕組みである。中国では外国人がクレジットカードを個人的に作ることが非常に難しいため、このビジネスカードが中国で保持している唯一のクレジトッカードだという外国人は少なくないはずである。

ただ、このビジネスカードは「銀聯カード」なので、VISAやMasterと比べると中国外で使える場面は限られてしまう。それでも、上述のようにPayPalに紐付けることで、かなり多くのWebサービスに対して支払いを行うことができる。ただ、見かけ上カードをPayPalに紐付けられても、いざPayPalで支払う段階となったらトラブるのではないかと内心若干心配だった

実際、外国への送金規制が非常に厳しい中国では、海外企業への支払いに関するトラブルは日常茶飯事である。PayPalにビジネスカードを紐付けるときにも、複数の住所証明を要求され、申請を受け付けてもらうまでに3回ほどPayPalの担当者とやりとりした。というわけで、本当に中国外の企業に対して支払いができるのか疑心暗鬼だったのだけど、これまで4種類ほどの西側Webサービスに対して支払いを試してみて、今のところ問題なくPayPal払いができている。(ただし、これまで支払いを試したWebサービスは、いずれも中国からのアクセスが公に認められているものであることは付記しておく。)

「自由がない」としばしば避難される中国であるが、大学教員として中国に住んでいる限り、個人レベルでは、さほど不自由さは感じないし、むしろこれまで働いてきた国よりも自由だと感じる場面も少なくない。そんな状況にあって唯一明らかな不自由さを感じるのが外国への送金だ。外国へ送金することは不可能ではないが、非常に手続きが煩雑でめんどくさい。外国送金がもう少し便利になれば、中国に住むメリットが爆上がりするのだけれど。


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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

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SimplyPiano、リードシートIII

2022年2月6日日曜日

【日記】2022年2月5日(土) 、家にいると仕事のスイッチが入らない、晩酌しながら「一私小説書きの日乗」を読み返す

新学期に担当する新しい講義の準備がまだ終了していないので春節休暇中も基本的には毎日出勤しているのだけど、連勤し過ぎるとメンタル的な活力が下がってしまうので土曜日の今日は家で休養していた。私はどうも休養をとるのが下手くそで、家にいるときも「気が向いたら仕事しよう」とどこかで仕事のことが頭から離れないのだけど、家で「気が向いた」ためしがない。どうも私の体は、通勤で20分ほど自転車をこがないことには仕事のスイッチが入らない仕組みになっているようだ。

朝食を食べながらネットのニュースを見ていたら、作家の西村賢太さんの訃報が目に入ってきて驚いた。享年54才とのこと。私は西村さんが書く日記(一私小説書きの日乗)が好きで、電子出版として刊行されている日記本は全て持っている。とにかく生活が不健康的かつハチャメチャでダメダメなのだけど、それがなんともいえず良い雰囲気なのだ。あのようなハチャメチャな生活はとても自分にはできないし、恥ずかしい部分をあそこまで開けっぴろげに日記として綴ることもとても自分にはできないが、それでも彼の日記を読んでいると、なんとなくあのような生活に憧れを抱いてしまう自分に気がついたりする。


「一私小説書きの日乗」表紙

私が日本に戻らず外国で働き続けている理由の一つとして、日本社会でいつまでも続く「学校歴差別」が我慢ならんということがあるのだけれど、西村さんの日記を見ていると、私の1万倍くらい差別されそうな状況にいるにも関わらず、そんなことは全く問題にしておらず、まぁ、自分との器の違いを感じさせられると同時に、彼の作品を眺めているだけで少し元気を分けてもらった気分にもなる。なかなかあのようには生きられないし、生き方を真似しようとも思わないのだけど、それでいてなんとなく憧れてしまうという、なんとも不思議なキャラクターの作家さんだった。今日は、そんなこんなで久々に「一私小説書きの日乗」を眺めながら、焼酎のお湯割りを傾けている。西村賢太さんのご冥福をお祈りしたい。


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単語と例文の暗記(10分程度)、管理人や医師と会話実践

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2022年2月5日土曜日

【日記】2022年2月4日(金) 、いつもより寒いオフィスビル、北京冬季オリンピック開会式、中露首脳会談

今日もオフィスに出てきてぼちぼちと仕事を進めていたのだが、どうもオフィス内がいつもより寒く感じられた。実際ここ数日低めの気温が続いているのだけど、それ以外に建物内にいる人の数が少ないことも室内温度に影響を与えていたりするような気もする。ちょっと検索してみたところ、人間の発熱量は一人あたりだいたい100Wらしい。普段は建物内に200-300人くらいは人がいるはずなので、春節の間は2万-3万Wくらい普段よりも建物内の発熱量が少ない勘定となる。

今日は北京オリンピックの開会式が行われる日だ。開会式は午後8時開始だけれど、夕食を食べながら少し早めから中国国営放送のネットストリーミングを眺めていた。開会式が始める前にも中国各地でプレイベントのようなものが行われているようで、その様子が各地から中継されていた。

開会式に登場する習近平

コロナ禍中の大規模イベントということで、どの程度の演者や観客が参加しているかが当然きになるところである。中国国営放送の画面を見る限り、各地方で行われたプレイベント、北京の開会式の両方に観客が入っており、演出についても、かなり大勢の演者が動員されていた。放送からは「ゼロコロナ政策」をとっている中国だからこそ(また、それがある程度成功しているからこそ)できる演出だという印象を持った。

報道によるとプーチン大統領が開会式に参加しているとのこと。開会式への訪問ついでに中露首脳会談行われたそうだ。ウクライナの件、中国はどういうスタンスをとるのか気になるところではある。


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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

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2022年2月4日金曜日

【日記】2022年2月3日(木) 、春節3日目も仕事、学部講義の罰則規定、実習教室での講義

春節といっても特に何かイベントがあるわけでもなく、世間的にもコロナ禍でどこかに出かけるのも憚られる雰囲気なので、私はというと、普段と変わりなく土日以外はオフィスに出て仕事をこなしている。

目下の課題は新学期に担当する実習科目の講義と実習課題の準備だ。新しく担当する科目なのでゼロから準備を始めなくてはいけない点がまず大変なのだけど、この講義が学部生向けの講義なのでさらに気を使う。「学部生向けの講義」を教えるのは、大学教員ならあたりまえだと思われるかもしれないが、うちの大学(おそらく中国の他の大学も状況は似ていると思われる)の場合、学部生の講義に関する規定が非常に厳しく、違反した場合の罰則規定もあるので大学院講義とは教える側の緊張感が桁違いなのだ。

例えば講義開始時刻が5分以上遅れたり、逆に講義終了時刻が5分以上早すぎたりすると「教学事故」と認定され、名前が学内に回覧されるわ、年度末のボーナスが20%カットになるわとなかなかのダメージを食らうのだ。おそらく、学部講義における成績が進学に影響してくることが、規定の厳しさと関係しているのではないかと推測している(最近の中国社会における大学院進学熱は半端ではない)。

大学院統一試験の試験科目を教える講義なんかはさらにルールが厳しく、教員は隔週くらいのペースで模擬講義をやらされたり、講義技術の研究会や教材開発会議等に参加する義務をおる。そういう科目に比べると、私の実習科目はまだ状況はましなのだけれど、とはいえ、始めて担当する「罰則規定付き」の学部講義なので不安を感じていないというと嘘になる。

実習科目は全部で72時間のコースだ。毎週2時間の理論講義と4時間の実習がワンセットで、1学期で合計12セット、72時間でコースが構成される。私はこのうちの4セットを担当する。内容は、学科から「電波天文学の実習」と指定されている。普通の講義と違って、パソコンの並んだ実習教室で行うのだけれど、この教室の計算機システムが複雑で、今だに完全に使い方を理解していない。今までの経験上、事前に全てを把握することは不可能なので(言葉の壁が主な原因)、発生しうるあらゆる問題を想定しながら、どのように転んでも講義が成立するように周到に準備しておくしかない。そんなこんなで、春節3日目の今日も出勤である。

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単語と例文の暗記(10分程度)、管理人や医師と会話実践

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2022年2月3日木曜日

【日記】2022年2月2日(水) 、山東省の農村からの新年挨拶、中国の貧困村対策、年越しの迷子犬

起き抜けにWeChatの着信を確認したら、山東省の農村に帰省している同じ研究グループのポスドクさんから新年の挨拶が届いていた。「是非いつかうちの村に遊びに来てください」というメッセージとともに、実家の地図まで添えられていた。ほんと、こういう観光で外国人が絶対行かないような村に是非いつか行ってみたい。

いつも件のポスドクさんから話には聞いているのだけど、彼の故郷は中国の典型的な貧困村とのことで、親戚の中で字が読み書きできるのが彼のみだそうだ。しかし、彼のように貧困村からでも大学院に進学して研究者になる人が出てくるところが中国のすごいところだ。貧困対策というと、日本なんかだと地方自治体に多少のバラマキをする程度で終わりそうだが(中国もそういうこともやっているとは思うが)、それ以上に若い世代の教育を強力にサポートしているところが中国らしいと思う。その後も、同じ村から大学院に進学する人がさらに出ているそうで、今後村の教育レベルが継続的に向上していけば、村の様子も相当変わっていくように思われる。都会の大学に進学すると、地方には戻らない人も一定の割合で出てくるのだろうけれど、中国では高い学歴を持った人が地方都市に就職することに対して各種のインセンティブが設定されているそうで、隙のない政策には感心するばかりだ。

お昼ごろ「犬を連れて年越しの花火を見に行ったところ、犬が花火の音に驚いて逃げ出し行方不明になりました。誰か見かけませんでしたか?」という迷子犬探しのメッセージが地域SNSグループに流れていた。中国の年越しには花火と爆竹がつきものなのだけれど、確かにあの音を聞くと犬はパニックになるかもしれない。どういうわけか、うちの近所では犬をリードに繋がないで散歩させている人が多く、あのような状態で爆竹がなったら犬が行方不明になっても不思議ではない(件の人がリードを使っていたかどうかは不明だけれど)。

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単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)


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2022年2月2日水曜日

【日記】2022年2月1日(火) 、3回目の春節、とりあえず今日はお休み、激増したWeChat上の知り合い

中国に赴任してから3回目の春節を迎えた。新学期に向けてやるべきことが目白押しで、若い頃だったら休み返上で働くみたいなことを平気でやっていたのだけど、カレンダー上の節目をシームレスに過ごしてしまうと、どうも後でしんどくなってくることが多いので、最近は、節目のときには節目っぽく休むことにしている。

中国に来て最初の春節のときは赴任からまだ2ヶ月ほどしか経過していなかったのでWeChatを交換した中国人の数も限られており、知り合い全員に新年の挨拶を個別に送っていた。しかし、3年目ともなるとWeChatを交換した中国人の数も激増したので、流石に個別にメッセージを送るのはやめることにして、WeChatモーメンツに妻が描いてくれた新年イラストを流して新年の挨拶にかえることにした。

妻が描いた新年イラスト

モーメンツに挨拶を流すとすぐに近くやら遠くやら、様々なところから返事が来て、この2年数ヶ月の間に知り合った中国人の多さに我ながらちょっとびっくりした。2年目からティーチングを本格的に始めたので、学生さんたちとアカウント交換をたくさんしたことも大きいのだけど、ティーチングをやっていると研究上はあまり関わり合いのない人たちとも一緒に仕事をするので、これまたWeChatアカウントが増える原因となる。もう少し研究上の知り合いが増えるかと赴任当初は思っていたのだけど、コロナで市街に移動できない(もしくは、移動しづらい)こともあり、専門分野が近い中国人の知り合いは実はまだそんなに増えてはいない。もう少し自由に移動できるようになったら、中国内の研究者をあちこと訪問してみたいと思っているが、コロナ禍はいつごろ落ち着くのだろうか。


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単語と例文の暗記(10分程度)

2022年2月1日火曜日

【日記】2022年1月31日(月) 、大晦日もぼちぼちと仕事、鶏鍋とシャンペンで年越し

朝WeChatを確認したら某方面から「共同研究者から返事が返ってきません。明日までに書類を提出したいのですがどうしましょう?」というメッセージが入っていた。今日は旧暦の大晦日だし、返事なんか返って来るはずがない。しかも〆切は明日。この件、早く仕事を進めるように9月から何度も督促してきていたので、今になってこのような状況になるのは本当に困ったものである。

今日は大晦日ではあるけれど、進めておきたい仕事があったのでオフィスに行った。通勤路沿いに街の様子を眺めていたら、昨年よりも街が静かな感じがした。昨年は市からの強い要請で遠方に出かけずに街に留まっていた人が多かったようだけれど、今年は、依然としてコロナ規制が強い状態なのにも関わらず多くの人が街から出たようだ。最後の最後に珠海から中リスク地区が消滅し、PCR検査なしで街から出られるようになったことは要因の一つだろう。あと、中国外のメディアは、2年間帰省しなかったので流石に今年は帰省したいという人が相当数いたというようなことも報じていた。

旧暦の大晦日ということで、夜は鶏鍋をあてにシャンペンで妻とささやかな年越パーティーを催した。今年、中国に来てから3回目の春節を迎える。1回目の春節前に赴任し、その直後にコロナ禍が勃発したため、私は中国でのこれまでの時間のほとんどをコロナ禍とともに過ごしたことになる。今年は封鎖管理なども経験はしたが、それでも中国内にいる限りは新型肺炎自体の危険というものはあまり感じない。やはり問題なのは移動だ。特に国際移動が難しく一時帰国できないことがそろそろがなかなかに厄介だ。ロシアから中国に移籍したときは、居住地が日本に近くなるので今までよりも頻繁に一時帰国できるかと思っていたのだけど、むしろロシアに住んでいたときよりも日本を遠く感じる日々が続いている。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、管理人や医師と会話実践