2021年10月31日日曜日

【日記】2021年10月30日、土曜出勤、大学運営方針に関する学長演説、7年で4倍になった研究費、初めて入った人文系ビル

土曜日だけれど午前中に会議があるので出勤。今日はオフィスには行かず、会議場のある人文系のビルへ直行した。初めて訪れる不慣れな建物な上に、週末の朝というイレギュラーな時間のため「ぼぉ~っ」としていたら、知らぬ間に別の会議にチェックインしてしまっていて慌てて本来の会議場へ移動した。しかし、入り口で「名簿に名前がありませんねぇ」とか言われて気づかない自分も抜けているが、「名簿の余白にサインして入ってください」と言って部外者を会議に入れてしまう受付の人もなかなかのものだ。いったい何の会議だったんだろう。

今日の会議は、人材集めに関する大学のポリシーを学長が説明するというのが主な目的で、基本的には出席して学長の演説を聞いていれば良いだけ。こういう完全トップダウンの演説会のような会議が年間に3-4回ほど開催される。中国的といえば中国的なイベントだが、大学が進もうとしている方向性を外国人にも詳しく説明してくれるのは悪いアイデアではないと思う。

学長の演説によると、2014年と今年を比較するした場合、大学全体の研究費が約4倍になっているとのこと。7年で4倍というのは、なかなか凄まじい増加ぶりだ。さらに、中央政府は世界中から優れた人材をさらに中国に集める方針のようで、「国力というのはつまるところ人材力のことである。国際競争とはつまるところ人材の獲得と与える待遇の良し悪し、そして人材を育てる教育の競争である」というような国の方針が講演の中で説明されていた。こういう方向で動いている限り、中国はまだまだ発展しそうな感じがしてしまう。

今日は初めて人文系のビルに初めて入ったので、ビルの内部を興味深く眺めていたのだけど、人文系のビルの施設も非常に立派だ。学長の話では、中文系や哲学系などの学問らしい学問をやっている部門についても、まだそうとうな人数の教員を新規に雇用する予定らしい。理工系の学部学科だけではなく、あらゆる学部学科が増強されていっている感じだ。

下の写真は玄関に張ってあったセミナーのポスター。阿Qって書いてあるから魯迅の話なのか。中国語がもう少し理解できるようになったら、こういう人文系のセミナーを気分転換がてら聞いてみるのも面白そう。

中国文学関係のセミナーの案内

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年10月30日土曜日

【日記】2021年10月29日、早朝から会議、なかなか投票できない日本の選挙、職場ビル横の豪邸

今朝は8時20分から教員全員参加の会議があるためにいつもより早起き。全員参加の会議は投票が伴うことが多い。今回もそれ。この手の会議は早朝や週末に行われることも多く、参加するのが大変なのだけど、外国人教員にも管理職の選出や評価のための権利を与えているところは今の職場の良い点の一つに挙げられると思う。

日本の方でも国政選挙の投票日が近いわけだけど、ここしばらく、まったく日本の選挙権を行使できていない。理由は簡単で、実際的に投票する手段がないから。近所に在外公館がない場所で日本の選挙に投票するのは本当に大変。早くオンラインで在外投票できるようにしてほしい。

自宅マンションのの賃貸契約の期限が近づいてきたので、契約更新の交渉を始めた。とりあえずできるところまで一人でやってみる。ダメそうだったら同僚にヘルプを求める予定。初めてアパートを借りるときは一人では何もできなかったが、さすがにこの2年間中国語をそれなりに勉強してきたので、まぁ、大きなトラブルがなければなんとかなるんじゃないかという気はしている。

職場ビルの横に「豪邸」が建っていて、以前から誰が住んでいるのかと思っていたのだけど、今日、学内地図に掲載されている建物の名前を見てようやく状況が分かった。あれはどうやら「院士」用の住宅のようだ。

学内地図の一部

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年10月29日金曜日

【日記】2021年10月28日、今年は温かい、講義は自己研鑽、厳しくなるゲスト講演者の審査

朝の気温が20℃を切る日がしばらく続いたので、もうすっかり秋に入ったと思っていたら、ここ2-3日は一転して毎朝温かい。今年の秋口の気温の推移は明らかに去年とは異なる。

今日も今日とて講義の準備。来週は中間試験週間で講義しなくてもよいのだけど、コマ数が多い講義をかかえているため、講義のある週は講義内容を準備するペースよりも教えるペースの方が早くなりがちで、予め作りためている講義スライドがどんどん減っていってしまう。なので、連休や行事で講義のインターバルが空いたときに必死こいて「貯金」を作らねばならない。本来数人で分担する予定だった講義科目を一人で教えているのだから自転車操業になるのはある程度仕方がない。

しかし、考えてみると私は天文学科の設置されていない大学出身なので、まともに天文学関係の講義を受けたことがない。天文学の基礎は、基本的に全て本を読んで自分で勉強してきた。なので、講義しながら内心は「こんなことは自分で勉強したら理解できるやろ」と思わないこともない。ただ、講義していると自分の知識が整理されたり理解が深まったりするという感覚は確実にあるので、私にとっての講義の意義は「自己研鑽」という意味が大きかったりする。まぁ、その上で学生にも多少なりとも役に立っているのなら幸いな話である。

ここしばらく職場のコロキウムはオンラインで行われているが、オンラインの場合でもゲストスピーカーを呼ぶとき、事前に職場から許可をもらわなくてはいけないようにルールが変更されたようだ。特に外国人のゲストスピーカーに話して貰う場合は事前の審査に時間がかかる模様。欧米メディアによる中国バッシングに対する対策だと想像されるが、まぁ、どんどんと学術交流が面倒くさくなっていく。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月28日木曜日

【日記】2021年10月27日、強化される防疫対策、レベルの高い卒論テーマ、早朝週末に行われる会議

講義の日ということで朝のスケジュールは早めの進行。毎朝のルーティンをさっさと済ませて8時半までにはオフィスへ。今日が終われば来週は中間試験期間ということで、次の講義の準備までに少し時間的なゆとりができる。学期直前にいきなり想定外の分量のティーチングを割り振られて、最後まで乗り切れるかどうかかなり不安だったが、達成度が50%まで来るとゴールが少し見えてきた感じがしてくる。

最近、国内のコロナ感染者が若干出ていることから職場の防疫体制が一段階強化されるようだ。全学規模の実体会議を開催する場合は事前のPCR検査が義務付けられるとのこと。基本的に新規感染者がゼロになるまで徹底的に抑え込むのが中国式防疫対策で、一人でも新規感染者が出ると対策が非常に厳しくなる。

夕方、学部生の卒検テーマの一覧が配布されてきたのだけれど、これを本当に短期の卒論でやるのかという高度な内容がずらっと並んでいて驚く。私のところの卒研生は査読論文出版希望で既に一年前から研究を始めているのでそれなりに高い水準だと思うけれど、他のテーマもレベル的にそんなに変わらないように見える。中山大学の学部生には非常に能力が高い人がそれなりの割合でいるので、実は学部生の卒検を上手く利用して自分の研究を進めようと思っている教員は少なくないのかもしれない。

金曜日の早朝と土曜日の朝に投票を伴う教員全員参加の会議が行われる旨、連絡が回ってきた。この手の教員全員参加型の会議が講義期間中に開催されるときは、期日が土日だったり時間が早朝だったりする。そうでないと全員参加できないので理解はできるんだけど、生活が乱される感が強くあまり気分は良くない。まぁ、とは言っても、外国人教員にも諸々投票権があるのは良いことだとは思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年10月27日水曜日

【日記】2021年10月26日、霧深い朝、先を越された研究テーマ、相変わらず多忙のティーチング

今朝は 晴れてはいるが水蒸気量が多いのか自宅バルコニーからみる外の景色の見通しが悪い。見通しが良い日は、珠海から香港へと続く大橋がくっきり見えるのだが、今日は橋が霞の向こうに隠れておりその存在すら確認できない。このような大気の状況を天文学者は「光学的に厚い」という。ちょうど「光学的厚さ」についての講義を近々する予定なので、見通しが悪い景色を写真にとって講義資料に使おうと思いたち、日光浴の途中にスマホで写真を何枚かと撮った。学校の先生は日常生活のなかで教材に使えそうなものがあるとすぐに仕事モードに入ってしまうという話を聞いたことがあるが、講義をやっているとその感じは良く分かる。

明日が講義の日なので出勤後はひたすら講義の準備を進めた。講義の前日は、既に準備した講義資料の読み返しや計算の確認等を行う。この作業をやっているうちに新しい説明を思いついたり、論理の構成を変えたくなったりして、あちこち修正しているうちにあっという間に時間が経過してしまう。

夕方、ポスドクさんからから連絡があり、先日の研究会議でもしかすると新しい研究ネタになるかもしれないという議論をしていたテーマが既に先をこされていたとのこと。まぁ、こういうことはよくある話で仕方がない。自分が思いついたことは、もうだいたい他の人も同じことを思いついているものだ。

今学期はティーチングが非常に忙しいために、自分で研究をすすめる時間がなかなかとれないのだけど、講義の準備のために勉強だけはたっぷりやっているため、そのためか、やたらとアイデアだけは良く出てくる。来学期はとある手続きの関係で講義を入れない(入れられない)予定なので、その分研究を進めようと思っている。とりあず、今学期のヘビーデューティーを乗り切らねば。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月26日火曜日

【日記】2021年10月25日、電気ストーブ投入、海外移籍希望者への対応、学生発表オリエンテーション

ここ数日、毎朝コンスタントに気温が20℃を下回るようになったので、今朝はこの秋初めて電気ストーブに火を入れた。うちのマンションもそうなのだが、夏仕様に設計された南国の建物は、20℃を切ると体感的にシンシンと冷えてくる。プラス気温になったら暑いとか言っていた数年前までのロシアでの暮らしがうそのようだ。

今日は講義の日ということで8時半ごろには職場に到着。ざっと講義内容を見直した後、教室へ。基本的に私は人前で話すのがそれほど得意ではないので、講義というのは何度やってもなかなか慣れない。それでもなんとかなっているのは、中国の学生さんたちの性質のせいだろう。彼らの多くは、こちらの教え方がたどたどしくても一生懸命聞いてくれる。教員としてはやりやすい学生さんだと思う。

ここ数年、日本で職を得られないので海外での就職を考えているという人の話が直接間接に伝わってくることが多くなってきた。最初のうちは自分の職場へ来ないかと声をかけることもあったのだけど、こちらから声をかけて上手くいった試しが実はほとんどない。私が思っている以上に、日本にずっといる日本人が外国へ移籍するに際しては分厚い精神的バリアーが存在するようだ。

今担当している講義科目では、学期の後半に、学生さんそれぞれが各自の専門分野についての基本知識をまとめて発表することになっている。今日は、そのオリエンテーションと順番決めをやった。このプレゼン期間が始まったら講義の準備も少しは楽になる。学生さんたちも優秀な人が多いので、どういう話をしてくれるのか楽しみでもある。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

2021年10月25日月曜日

【日記】2021年10月24日、薬膳スープの朝食、日曜出勤、ヘビーデューティー、忙しいときに買ってしまう数学書

ひんやりとした朝。今日も朝から気温が20℃を下回っている。今朝は、昨夜薬膳スープ専門店から出前でとったスープと煮物を朝食にした。中国の薬膳はなかなか良い。週末の晩酌で胃が疲れ気味でも不思議と食が進む味だ。

今日も例によって講義の準備のために日曜出勤。できるだけ早く準備を済ませて帰ろうと思っていたのだけど、下準備で作った講義資料を見直していたら色々と問題点が見つかり、一次資料の教科書に戻って計算過程の確認をする羽目になり、黒板に向かって一生懸命考え事をしていたら日曜なのに8時間フルに働いてしまった。

まぁ、なんとか明日の分の準備は終了したので良いのだけど、やはり今学期のティーチングの負荷は強すぎる感じがしなくもない。新しい単元を作るための勉強と、講義自体の準備を並行してやらねばならず、しかも本来5,6人の教員で分担することになっている講義なのでコマ数が多い。本当に毎週ギリギリの状態で作業を回している状況だ。

私はめちゃくちゃ忙しくなると、どういう訳か読みもしない物理学書とか数学書を買ってしまうくせがある。「ゆっくりとこういう本を勉強したいな」という願望の現れなのかもしれない。タイミングが良いのか悪いのか、Kindle開始9周年の記念割引セールをやっていて、それに釣られてついつい10冊ほど買い込んでしまった。これを読める日はいつおとずれるのか。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月24日日曜日

【日記】2021年10月23日、9時までルール、職域運動会の選手募集、賃貸契約の更新時期、上海蟹

最近、週末に家で晩酌するとき、飲む量には特に制限はつけず「9時までに寝る」というルールを設定している。このルールの良いところは、時間を切ることで飲む量が実質的に制限されることと、アルコールを分解する時間が十分にとれるので次の日の午前中から動けるという2点。飲み方を変えてから明らかにQOLが上がった。

職場の「運動会」が近づいてきたので、職域のSNSグループに選手の募集が出ているけれど、400メートルリレーとかバスケットボールとか「ガチ競技」の選手枠がなかなか埋まらない模様。どうも、中国の「職域運動会」というのは、どこの組織の運動会も非常に「ガチ」らしく、かなりの本気度で競技に取り組むようだ。うちの職場も学院(日本の学部に相当)や学院相当のセクションごとにユニホームを作って、まるでオリンピックの開会式のような入場行進までやる念の入れようだ。

賃貸契約の更新時期が近づいてきたという話を同じ小区に住んでいる同僚にしたら「ここ1年は地価が下がっているから家賃値上げに応じたらあかんで」という情報を得た。地価の変動は全く気にしていなかった。ベイエリアの東側の地域は地価が高いけれど、今のところ西側はそれほどでもない。深圳や広州からの交通の便が悪いのが原因だと思われる。将来的に広州から地下鉄が延伸されたり、深圳と鉄道橋で結ばれたりすれば地価が上がりそうだけど。

北京ではコロナワクチンのブースター接種が始まったようだ。2回目の接種から半年経過すると抗体が減ってくるそうだ。うちの職場では7月に集団接種があったので、ブースター接種が行われるとしたら日程は年明けくらいか。

参考リンクJ:新型コロナワクチンのブースター接種が始まる 北京市

どうやら珠海とマカオの間が隔離無しで行き来できるようになったようだ。しかし、再び大陸側で感染者が出ているので、またすぐに状況が変わる可能性はあるが。

参考リンク:珠海 マカオとの国境を再開

土曜日恒例の出前、今週は「上海蟹」を頼んでみた。少し上等なのを選んで6匹で約260元。珠海の物価から考えると少々お高いが、日本で上海蟹を食べることを考えると安いのではないか。しかし、上海蟹は味は確かに美味しいのだけど、食べられる場所が少ない上に、解体がかなり大変。リピ有りかどうかは微妙なところ。

上海蟹

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月23日土曜日

【日記】2021年10月22日、研究グループのミーティング、確実に英語が上達する大学院生、マグロで日本酒

ようやく金曜日。今学期は非常に多忙のため一週間が長く感じる。あまりに忙しくてついつい週末も仕事してしまいがちだが、メリハリをつけないとメンタル的なコンディションが悪化するのは分かっているのであえて週末は何もしない時間をできるだけ作るようにしている。それでも突発的な用事が入り、予定していた「何もしない時間」が吹き飛んでしまうことも珍しくはないのだけど。

今学期、金曜日は研究グループのミーティングの日だ。ティーチングに追われる日々が続いているので研究のことを考える貴重な時間でもある。今日は博士課程大学院生のH君が入学後2回目となる論文報告をやってくれた。中国人の指導教員についている学生さんは中国語で発表することが多いが、私についている学生さんは自動的に英語で発表することになる。今回H君はまだ2回目だけど、1回目よりも確実に上手に発表できていた。若いときは上達するのも速い。学科にもうひとりいる外国人教員についている学生さんたちも、中国人の教員についている学生さんたちと比べると平均的に上手に英語を話す。やはり語学は使用機会を増やすことが上達の近道だと思う。

研究グループのミーティング以外は、今日も相変わらず講義の準備に追われる一日だった。後半からは学生発表主体の講義内容にするつもりで、その順番決めや採点基準等を考えていたらあっというまに時間が過ぎてしまった。しかし、どうも、今週は体のコンディションがベストではないようで集中力が続かない。

学生さんが、NASAの某Webサービスで作業中に何度試してもエラーが出るとのことでヘルプデスクに質問を送ったら瞬時に丁寧な返事が返ってきたとのこと。アメリカのこういうところはすごいと思う。

金曜日ということで、夜は定例の晩酌。今週は金曜日に向けて注文しておいた日本酒とマグロの刺し身で一杯。通販で買うマグロの刺身は冷凍だけど、そこそこ旨い。冷凍なのでアニサキスの心配が無いのも利点だ。

通販で買ったマグロの刺身

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月22日金曜日

【日記】2021年10月21日、重力波検出実験、定期試験の案内、20℃で厚着する南国の人々

今朝も気温高め。2日連続で半袖シャツを着ての通勤となった。

Twitterを眺めていたら、日本の重力波検出実験(KAGRA)の話題で盛り上がっているようだった。投資額が巨額なのに科学目標を達成することができないということを週刊誌がスクープしたみたいな話のようだ。しかし、タイムラインに流れてくる関係者のツイートを見ていると、急速に感度が向上してきているようだし、投資額も他国の重力波検出実験と同程度であるようだ。よく分からないけれど、このスクープから伝わってくるのは、政府に「ケチり潰され」かけているプロジェクトの悲鳴みたいなもののような気がする。

私は重力波の仕事には直接は関わっていないけれど、中国が国家の威信をかけて推進している重力波検出実験(天琴プロジェクト)のセンターが私の職場に設置されており、私のオフィスが天琴プロジェクトセンターの中にあるため、天琴プロジェクトに対する中国政府のサポートの手厚さを日々間近で目の当たりにしている。それだけに、日本におけるKAGRAの扱われ方が本当に気の毒に思えてくる。

分野によっては、日本で研究できなくなったら、中国への移籍がおすすめな場合もあるのだけど、重力波検出実験みたいな分野だと「中国に移籍すればよいのに」とは単純には言えないところはある。移籍した後に、これまでと同じ立場(移籍前の仕事内容)でプロジェクトに関わることは、まず不可能だから。

天琴プロジェクトの情報統制の厳しさを間近で見ていると、「重力波検出実験に直接関わる職」に外国人が直接雇用されることはかなり難しそうだと思われる。ただ同じ重力波関係でも、天琴プロジェクトとは少し距離をおいて、天文学科や理論物理グループ等の別の組織で「重力波関係の研究」を行う外国人研究者は逆に歓迎される状況だと思う。

夕方、定期試験に関する案内が回ってきた。定期試験を実施するとき、作問するのは良いとして、その他の部分の解答用紙や問題用紙の体裁とか学生の個人情報欄のフォーマットとかどうするんだろうと思っていたら、大学で統一されたテンプレートがあるようだ。本試験用と追試験用の問題2セットを作って教務に提出したら、あとは教務担当者が問題解答用紙、試験室、試験官等のアレンジを集中的にやってくれる模様。

帰宅時間になって急激に気温が20℃まで下がった。これくらいの気温だと私はまだ半袖シャツでもなんとか大丈夫だが、南国の人たちは温度に敏感なようで皆さんすぐに厚着をする。帰り道、交差点で信号待ちをしていたら、周りの人たちが真冬仕様のジャケットを着込んでいるので驚いた。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月21日木曜日

【日記】2021年10月20日、再び気温上昇、ハーバード分類、頑張る卒研生、日本の小さなメーカーのお菓子

講義のある日なので少し早めに起床。昨日は肌寒かったので、このまま一気に秋が深まるのかと思ったら今日は一転して30℃近くまで気温が上がった。仕方なく、しまいかけた半袖シャツを引っ張り出して再び真夏の服装で出勤。

今日は講義で恒星のスペクトル型にふれる予定だったので、講義の途中で小話をするために、ハーバード分類の覚え方のバリエーションを調べていた。最近はいろいろと面白いものがあるようだ。例えば「Only Big Astronomy Federal Grants Keep Money. Research Needs Support!」とか「Official Bureaucrats At Federal Government Kill Many Researchers' National Support」みたいな風刺が効いたのもある。

参考リンク:Mnemonics for the Harvard Spectral Classification Scheme

今日は、講義後に質問に来た学生さんの講義ノートがポイントをおさえてすごく綺麗にまとめてあって感心した。地味だけど、講義で聞いた内容を自分流にノートにまとめ直すのって、講義を活かした学習方法の王道だと思う。

講義後は、当日の資料を学生に配ったりした後に次の講義内容の予習をすることにしているのだけど、90分間を全力で講義すると、なかなかの疲労具合で次の仕事に移るまでに時間がかかる。それでも、最近は少しなれてきたので、30分ほどソファーで横になって濃い緑茶を飲めば動けるようにはなってきた。

夕方、卒検指導の学生さんと研究の打ち合わせ。あと一歩のところで難しめの問題が発生しているが、あれやこれややっているうちに少し方向性が見えてきた感じ。この学部生さん、最近はかなり実力がついてきたので、外国の天文台のヘルプデスク等とも直接やりとりして問題を自力で解決できる場面が増えてきた。頼もしい限り。

寝る前になんとなく通販アプリを眺めていたら、日本の地方の小さなお菓子メーカーのスナック菓子が美味しそうだったので注文。中国の通販アプリを見ていると、日本ではあまり見かけない小さなメーカーの商品をたまに見かける。どういう経路で商品が中国に来ているのか興味深い。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

2021年10月20日水曜日

【日記】2021年10月19日、卒業研究のテーマ、ショパンコンクール、津軽海峡、中国におけるロシアの存在感

卒検のテーマの募集が回ってきた。卒研生の受入人数は教員一人あたり4人までとのこと。基本的に学部生は教員が提出したテーマ一覧から卒検テーマを選ぶのだけど、留学対策として査読論文を出版したいような学生は1年以上前から教員に直接交渉して研究を始めていたりする。私のところには既に査読論文を書くつもりの卒研生がいるので、今年のテーマ提出はスキップする予定。

ショパンコンクールの動画を眺めつつ朝食を食べて、その後いつも通り10分間ピアノの朝練習をやったのだけど、中国人の中国語と自分の幼稚園児レベルの中国との差と類似したものをピアノについて感じた。ショパンコンクールに出ているピアニストたちははピアノの「ネイティブ」なんだなと思う。

日本語メディアから「津軽海峡を中露の軍艦が通った」というニュースが出ているのをみていて、数年前、知り合いの中国人夫婦と食事に行ったときに、人民解放軍で働いている旦那さんと媒介となる言語がロシア語しかなく、お互い超カタコトのロシア語で会話したことを思い出した。しかし、当時はロシアに住んでいるときで毎日ロシア語を勉強していたので、片言のロシア語で会話することになったけれど、今だったら中国で話すことになるだろう。

しかし、エカテリンブルクに住んでいるときには、日常生活の中で「ロシアと中国って関係が深いんだ」と実感する場面がしばしばあったけれど、今の珠海の生活ではロシアを感じることは皆無に近い。

お昼過ぎに流れてきたWeChatメッセージによると、どうやら中国天文学会の年会はコロナ禍の影響で延期が決まった模様。中国国内の研究会や学会が延期・中止になる確率って、体感的に5割は軽く超えている気がする。最終判断が前日とかになる場合も普通にあるので、実行委員会の人は大変だろうと思う。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月19日火曜日

【日記】2021年10月18日、秋到来、涼しくなってクラスが活性化、即答できる質問できない質問

今朝は一段と気温が下がった。手元のスマホの気温表示は午前6時の時点で19℃を示していた。天気予報によると、どうやら東アジアに寒波が流れ込んでいるようで、日本でもこの秋一番の冷え込みになっているというニュースが流れていた。

今日は講義の日だったけれど、気温が下がって快適になり、こころなしか教室の学生さんたちも表情が緩んだ感じがした。講義中の質問の回数もいつもより多めだった感じ。これから涼しくなっていく時期に新年度が始まるのは大変理にかなっているように思える。

いつも基本的に朝晩の二食で過ごしているのだけど、講義の日は退勤時間前に腹が減ってくる。私はけっこう教室内を動き回りながら話すので消費カロリーが多いのかもしれない。最近は、小腹が減ったとき用にオフィスに「帯皮腰果」という皮付きナッツを置いていて、お茶のお供にしている。これがなかなか旨い。

学生からの質問を聞いていると、大まかに言って7割くらいは、単純に講義内容が伝わっていないことに起因する質問で、こちらとしてはその場で即答できる内容なのだけど、3割くらいは講義内容を理解した上でさらにその先を知りたいという深い内容で、これについては即答できないことも少なくない。特に私のクラスは博士課程の学生が対象なので、「さらにその先を知りたい」の「その先」が「遙か先」だったりする場合が多い。その場で答えられないときは、オフィスに帰ってから論文を調べたりして考えるのだけど、こういう作業を繰り返していると、学生よりも私の方が勉強しているような気もしてくる。

徐々に講義のペースには慣れてきた気もするが、私が担当している科目は最もコマ数が多い科目であることには変わりがなく、相変わらずの自転車操業が続いている。あまり先を考えてもゲンナリするので、とりあえず次のことだけ考えならがボチボチやっている。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

2021年10月18日月曜日

【日記】2021年10月17日、秋到来、近くて遠い香港、厳しくなる新任教員研修、日曜出勤

朝7時頃、日光浴のためにバルコニーに出ると空気にヒヤッとした冷たさを感じた。気温は22℃。ここ一週間ほどで一気に秋が深まった感じだ。

今朝は遠くの港珠澳大橋が綺麗に見えていた。2年前に着任したときは、この橋を渡って時々香港に買い出しに行くつもりだったのだけれど、コロナ禍が勃発した影響で未だに一度も香港に行けていない。本来、珠海は香港に日帰りできる場所にあるのだけど、近くて遠い場所になってしまっている。

今朝の港珠澳大橋

Twitterで中国の大学の新任教員向けの研修の話がでていた。うちの職場も新任研修が今年から大幅に増えた。うちの場合は教育実習的な内容で、具体的には学部の基礎物理コースの準備会合に1学期間通して参加することと、さらに18時間の講義参観と毎回のレポート提出が要求される。さらに、仕上げとしてベテラン教員の前で基礎物理の模擬授業をやり審査を受ける。審査はかなり真剣なもので、合格点がとれないと、とれるまで模擬講義をやりなおす、といった内容だ。

コース準備会合では、一応模擬講義を行うに際しての注意事項なんかを話してくれるのだが、会合は全て中国語で行われるので外国人教員は手探りでやるしかない。私も模擬講義で一度不合格を出され、そのときに英語でコメントをもらって初めて何を要求されているのかが分かったといった状況だった。

研究環境が何かと注目される中国だけど、最近で教育が重視されるようになってきている。うちの大学では「教育に貢献できない人は研究業績が多くても雇わない」みたいな雰囲気が既に出てきている。

今日は日曜日だけれど、明日が講義の日なのでオフィスに行って軽く講義内容の見直しを行った。軽くとはいっても、2学時(90分間)分の講義内容を見直すには、最低でもその倍以上の時間はかかる。本当は金曜日にこの作業をやってしまって土日は休みにしたいのだけど、見直しと講義の間に2日間休みが入ると詳細を忘れてしまうので、月曜日に講義するときは仕方なく日曜日に出勤して確認作業を行うことにしている。しかし、日曜日はやはり日曜日で休む時間はしっかりとりたい。というわけで、集中して一気に仕事を終わらせてさっさと帰宅。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月17日日曜日

【日記】2021年10月16日、専門書を復習とザッピング、トレッドミルに乗りながら中国語と世界史、香港式飲茶

今日は休養日。朝起きてルーティンと日光浴をこなしたあとは、天文学の教科書を開いて、ボチボチとリラックスしながら偏光の復習。近い将来、講義で偏光を扱う予定があるので、ストークスパラメータやらポアンカレ球やらミューラー行列みたいな項目の数式を追っていた。偏光については一応知識としては知っているけれど、考えてみると今まで一度も自分で偏光観測をやったことがない。勉強していると面白くなってきたので、そのうち偏光観測を考えてみようかと思い始めている。

普段の日はノルマを達成するために、ただひたすら、まっすぐに目的に向かって仕事をするのだけど、休みの日は気が向くままに専門書とか論文を開いていろいろ眺める。テレビで言うとザッピングのような行為。これをときどきやらないとスコープが狭くなる。仕事といえば仕事だけれど、面白がってやっているので半分は趣味みたいな感じでもある。

夕方、最低限の運動量を確保するためにトレッドミルに1時間ほどのった。トレッドミルのよいところは運動しながらタブレットで読書したり動画を見たりできるところ。今日は中国語講座とオンライン予備校の世界史の講義を視聴。

高校当時は世界史には全く興味がなかった上に、受験科目としても世界史は選択しなかったので、以前は本当に基礎的な知識を知らないことが多かったと思う。しかし、外国で働くようになってからは、自分の身を守るための基本的な知識として、ある程度は世界史を知っておかなくてはいけないと感じることが多くなり、世界史関係の本やテレビ番組に目が行くようになった。そんなこんなで20年生活しているので、今では案外日本人の同世代平均よりは世界史に詳しくなっているかもしれない。

夕食は土曜日恒例の出前。今晩は香港式の飲茶をとった。飲茶は晩酌のあてに最高なのだけど、明日は講義の準備があるのでアルコールの方は軽めにした。最近、多忙な日々が続いているので、コンディショニングのためにも9時過ぎにはさっさと就寝。

中国語学習

単語と例文の暗記(5分程度)

2021年10月16日土曜日

【日記】2021年10月15日、遅くなる日の出、研究打ち合わせ、弁当付きの研究費不正使用防止教育

いつも通り朝6時すぎに起きてルーティンをこなしながら日が昇ってくるのを待ち、日が昇ったらバルコニーでいつもとおり海を眺めながら日光浴というのが最近の朝の行動パターンだ。夏場は6時に起きてすぐに日光浴できていたのが、最近は6時半ごろまで待たなければ十分明るくならない。まだ気温は高いが日々遅くなっていく日の出時刻から季節の移り変わりを感じる。

今日は会議が2つあった。一つは研究グループのミーティング。この会議は会議と言っても研究の議論を行うので、基本的に楽しい時間である。今日はもうひとりの教員が出張で留守だったので全体でのセミナー形式にミーティングはお休みになり、自分が指導している学生と個人的に議論した。あと一歩のところで少し苦労しているようだけど、前回のミーティングで私が思いついた作業をやってみたら少し問題が整理できたとのこと。あともう一歩。

研究打ち合わせの後は、お弁当を食べならが、「研究費の不正使用はいけませんよ」という話を聞く会議に参加。こういうお上からの指示で行われる全員参加の会議にはお弁当がつくことが多い。今日も飯付きだった。会議中、不正使用の実例が色々示されたのだけど、規模が大きい方では旅費を継続的にちょろまかして合計30万元を懐にいれたというのから、些細なやつでは研究費で月餅を買ったとかいうのまで色々。

会議が終わった後は例によって講義の準備をやっていたが、全日の睡眠の質が悪かったせいか、どうも集中力が続かず、演習問題の解答例を1問分だけ作ってさっさと撤収。帰ったらすぐに風呂に入って晩酌してさっさと就寝。疲労が溜まっているときはさっさと寝るに限る。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月15日金曜日

【日記】2021年10月14日、ひたすら講義の準備、便利な黒板、授業評価の時期、研究費不正使用防止教育

台風一過で晴れてはいるが、湿度が再び高くなった。今年は本当になかなか乾季に入らない。

今日は講義も会議も無い日なので、出勤後はひたすた、ただひたすら講義の準備をすすめた。少し数式が多めな単元に入るので、学生が寝ないよう、数式で表された概念をできるだけ視覚化した図を作ろうと頑張っているが、工夫をすればするほど時間がかかる。

最近、講義の準備をするときに、オフィスに導入した黒板が非常に役に立っている。例えば、簡単な概念図等を作るとき、以前はイラストレーター等のパソコンソフトを使ってパソ音の中だけで作っていたのだけど、最近は黒板に手書きでおおまかな図を書いてそれを写真に撮り、写真に撮った黒板の図をもとに作画ソフト等で加工を加えるという方法で講義用の作図をしている。この方法だと、分かりやすくて、見た目にも綺麗な図を案外短時間で作ることができる。

それ以外にも、スライドのアウトラインを考えたり、計算を確認したりするときにも黒板はとても便利。今年買って一番良かったものは間違いなく黒板だと思う。

講義準備中の黒板

夕方、教務担当者から連絡があり、学生から授業評価を集める時期なので、アンケート用アプリのQRコードを講義中に学生にスキャンさせるようにとのこと。今学期は自転車操業状態で講義を進めており、自分でもあまり完成度が高くないことは分かっているので、どんな評価が出るか心配ではある。まぁ、あまり考えてもしょうがないのだけれど。

事務からの連絡によると、明日は研究費の不正使用防止のための教育プログラムとかいうものが行われるらしい。このクソ忙しいときに本当に勘弁していただきたい。この手の教育プログラムを見るたびに、研究費を不正使用したヤツを粛々と罰しておけばそれでいいんじゃないのかと思ってしまう。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月14日木曜日

【日記】2021年10月13日、台風でも日光浴、台風でも講義、為替相場に連動する望遠鏡時間、研究打ち合わせ

台風が接近しており、朝起きた時点では休講になるかどうか際どい状況だったが、休講の知らせは来ていなかったので、とりあえず出勤の準備をすすめた。いつもとおり、6時に起きて、バルコニーで外の様子を見ながら日光浴しつつ体操。日光浴と行っても台風の影響で悪天候のため外はそれほど明るくない。しかし、雨の日でも外に出て日光を浴びることで体内時計がリセットされるそうだ。

そうこうしているうちに、「台風で天気が荒れていて交通が麻痺する可能性があるので、講義に間に合うように早めに出勤してください」という通知が職場から回ってきた。もう今日は休講でいいんじゃないかとも思うが、講義に関して中国の大学は非常にストイックだ。

結局、最後まで休講の指示が出なかったので、台風の影響で雨風が強い中、レインコートを着着込んで講義棟に自転車で向かった。日本だったら学生が講義に出てこなさそうなくらいの天気だったけれど、中国の場合学生はキャンパス内に住んでいるので、休講になる閾値が高く設定されているのも理解できなくはない。

学生の出席率はいつもよりも若干少ない感じがしたが、それでも9割の学生は出席していたと思われる。講義に関して大学もストイックだが学生もストイックだ。私は講義で出欠を全く確認しないのだけど、それでもほとんどの学生はサボらずに講義に出席してくる。こうなると、教員の方も頑張って準備するしか無いといった感じになる。

昼下がり、某望遠鏡の観測時間を購入するための手続きを進めてくれている同僚から連絡が入った。手続きの途中、対米ドルで中国元が値上がりしたので観測時間が少し増えたとのこと。天文観測のSN比が為替相場連動していて面白い。

夕方、学生さんと研究打ち合わせ。もう一歩のところで作業が上手く行かない様子。状況から判断して、確実にどこかで手順が間違っているので「もう一回、最初から見直してみぃ」と言って一週間考えてもらうことにした。こういうときは、基本に戻って自分の作業を見つめ直すのが実は近道だったりする。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

2021年10月13日水曜日

【日記】2021年10月12日 、寝たら分かった、急に緑になった池、台風接近、優秀な知り合い

今朝はさらに一段と気温が下がった。朝、日光浴をするために、いつもの調子でノースリーブで自宅のバルコニーにでたら上着が欲しくなった。

昨日、ある天文学の教科書に載っている数式の意味を帰宅前の1時間ほど考えて理解できなくて、とりあえずいったん放置していたのだけど、朝起きた瞬間に意味がわかった。睡眠の効果は偉大だ。数式内の速度に注目していたのが失敗だった、同じ数式の中の加速度が問題だった。分かってしまえばなんということはないのだけど、こういうのは分からないときには全く分からない。

朝出勤して、ふと職場前の池をみたら、急に緑っぽい色合いに変わっていた。プランクトンが湧いたのか、何かの色素でも撒いたのか、いったいどういう理屈なんだろうか。まぁ、それほど汚い色合いではないので見た目は悪くはないのだけれど。

急に緑色になった職場裏の池

今日は一日中ひたすら明日の講義の準備を進めた。講義の一日前には、既に用意した講義ノートを隅から隅まで計算を追いながらもう一度丁寧に見直すことにしている。これをやっておかないと、なかなか上手く教えることができない。本当は、もう明日分の見直しを早く済ませて新しい単元の準備を行う予定だったのだけど、どうも集中力が続かずに時間がかかってしまった。集中力が出るか出ないかは、前日の睡眠の質と密接に関係している。分かって入るのだけど、睡眠の質は完全にはコントロールしきれていない。

夕方、WeChatで回ってきた情報によると、台風が接近しているので明日講義する予定教員は気をつけて出勤するようにとのこと。市内の中学高校は既に休校が決まっているようだ。大学は学生がキャンパス内に住んでいることもあり、もう一段上の警報が出ないと休講にはならない。しかし、かなりの風雨でも講義が行われる状況は、私のように自転車しか交通手段を持たない人間にとっては辛いものがある。

近隣の大学に勤める知り合いの天文学者が、学生の講義評価ランキングで学内一位になったそうだ。教えている科目は熱学とのこと。彼の研究分野だと、熱学はあまり普段使うことはなさそうだが、それで学内一位になるとは大したもんだと思う。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月12日火曜日

【日記】2021年10月11日、涼しい朝、講義の日の朝は早い、イギリス製の食器

3日間振り続けた大雨が止み、今朝は快晴。大雨がやんだ途端気温が下がって涼しくなった。今学期は超多忙だけれど、気温が下がったら少し働きやすくなると思う。なんとか健康に気をつけながら繁忙期を乗り切りたいところ。

今日は講義をする日なので8時半には出勤。講義スライド等を軽く見直して教室へ。最初の数回の講義は外国人教員の講義という物珍しさも手伝ってか、比較的学生さんたちも寝ないで話を聞いてくれている様子だったが、最近は慣れてきたのか、それとも学期開始一ヶ月半で疲れが溜まってきているのか、明らかに眠そうな学生が多い。できるだけ眠くないように話をしたいとは思っているが、なかなか自分の技量が追いついていかない。そういった話を同僚にしていたら「学生は基本寝る。気にしてもしょうがないよ」とのことだった。

妻が洒落たデザインの食器を通販で見つけて購入していた。中国人の購買力が向上しているせいだと思うが、中国の通販サイト上の外国製品の品揃えは非常に豊富だ。外国製品を個人的に外国から取り寄せることは、中国では支払いの関係で簡単ではないが、国内の通販サイトであれば中国元で直接支払うことができるので話は簡単だ。

新しく通販で購入したイギリス製の食器

Johnson brothersというブランドの製品のようだ

講義の後は、当日学生からでた質問、コメント、要望への対応、資料の配布、さらに先の講義のための準備とひたすらティーチング関係の仕事を進めた。なかなか研究に割く時間がないが、まぁ、こういう学期もある。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2021年10月11日月曜日

【日記】2021年10月10日、良い仕事をする管理会社、週末在宅ワーク、自転車操業の講義準備、気分転換の宇宙論

最近、日曜日にオフィスに行って月曜日の講義の準備をするのが恒例になっているが、昨日が中国恒例の振替平日で出勤だったのと、台風の影響で今朝は風雨が強いのとで今日は家に留まることに決めた。それでも月曜日の講義の準備はせねばならぬので残念ながら完全休業とはいかない。

朝、とりあえず日光を浴びて体内時計をリセットするために傘をさしてマンション小区内を散歩した。昨夜、風が強かったため、植木が折れたり葉っぱが落ちたりして小区内が少し散らかっていたので、管理会社の人が早朝から総出で掃除を行っていた。うちのマンションの管理会社は非常に良く仕事をしてくれる。マンションの管理会社と言うよりも、感覚的にはマンションにホテルのフロント機能がついていると言っても過言ではないくらいの仕事ぶりだ。これで管理費が日本円にして月額7000円ほどなのだから信じられない。

散歩から帰ってきた後は、ひたすら明日の講義内容の復習を行った。講義スライドは既に用意しているのだけど、内容を考えてからかなり日が空いているので一通り復習しておかないときちんと説明ができない。3時間ほど講義内容の復習をした後は、専門書を行ったり来たりしてさらに先の講義内容を検討した。

今受け持っている講義は、講義の目的だけ学科から知らされて「内容は自分で作ってね」ということで学期開始10日前くらいに急に担当を依頼された講義なので、もう完全に自転車操業状態だ。しかし、準備が大変ではあるが中国の学生さんは比較的熱心に話を聞いてくれるので、彼らのためにも頑張って準備しようという気にはなる。

夕方、少し疲れてきたので、気分転換に宇宙論系の専門書を開いてボチボチと数式を追うなどしていた。大学に入る前は宇宙論を専攻したいと思っていたのだけど、結局職業的に宇宙論の研究に取り組む機会がなくこれまで過ごしてしまった。今やっている自分の研究は宇宙論からはかけ離れているので、宇宙論の本は、研究に役立てようといった色気ではなく、純然たる好奇心のみで読んでいる。まぁ、趣味の一つ(兼、講義のネタ探し)といったところ。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月10日日曜日

【日記】2021年10月9日、降り続く雨、振替平日、辛亥革命110周年、西欧のPhDプログラム

昨日からずっと雨が振り続けている。どうやらこの雨は雨季の雨ではなく、近くにいる台風の影響で降っているようだ。そのせいか風も強い。

今日は土曜日だけれど、中国恒例の「振替平日」で通常の勤務日だ。うちの大学は今日は木曜日のスケジュールで講義が行われる。台風直撃で暴風圏内に入っていれば大学は休講になるが、そういう訳ではないので雨風が強くても開講される。幸い、私は木曜日の講義を担当していないので、今日は様子を見ながら、適当に雨風の勢いが収まった自転で出勤することができる。朝WeChatを見たら「プロフェッサー、今日は仕事の日ですよ!」と念を押すメッセージが職場から来ていた。

iOS15にアップデートしてから、電子ピアノとiPadをケーブルで繋いだときのiPad上での認識に時間がかかるようになった。最初、ケーブルの不具合かと思ったけれど、そういう訳ではなさそう。刺してから認識するまでに時間がかかる。体感5-10秒くらい。なんとかならんもんか。

辛亥革命110周年とのことで、何やらいろいろメッセージが流れてくる。党員の人たちは職場の会議室に集まって、国政放送で流れている政治家の演説を視聴しているようだ。

西欧のPhDプログラムって、かなり熱心に中国にプロモーションをかけてくる感じ。今日もドイツの某大学のPhDプログラムが中国との提携を始めるとのことで「良い学生を紹介してください」というメッセージが回覧されてきた。と言っている間に、さらに今度はイタリアの大学のPhDプログラムのプロモーションが回覧されてきた。どこも熱心だ。しかし、うちの大学の学部生の話を聞いていると、天文や物理の学生の場合、とりあえず第一志望はアメリカって感じの人が多く、トップレベルの学生はイギリス以外の西欧にはなかなか行かないのではないかと思う。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III




2021年10月9日土曜日

【日記】2021年10月8日、レインコートを着て自転車通勤、長引く雨季、研究グループ会議

朝からシトシトと雨が降っている。珠海の年間降水量の9割程度は6月から9月の雨季に集中しており、10月に入ると通常なら乾季に入って毎日晴天が続くはずなのだが、今年はどうも雨季が長引いているようだ。雨の日に講義があると自転車通勤の私としては大変なのだけど、今日は講義がないので問題はない。

というわけで、今朝はレインコートを着ての自転車通勤となった。通常なら大学のゲートで健康コードとIDをチェックされるが、大雨のせいか守衛さんがどこかに引っ込んでおり今朝はノーチェック。

職場についてWeChatを開いたら「今朝の講義、学生の出席が異常に少ない」というメッセージが職場の教員グループに流れていた。大雨だったので講義棟に移動するのが億劫な学生の気持ちはわかる。しかも、大型連休明け一日目の午前だし。

その後「学生の出席が少ない」とうことで、人がいない教室の写真をWeChatに流していた教員に対して、すかさず教務から「講義時間中の教室での携帯電話の使用は禁止です」という注意が飛んでいた。教室での規則に関しては非常に厳しい。

午前中は研究グループの会議があった。学生さんの研究進捗報告や外部の研究会で話すプレゼンの練習等々。相変わらず、英語を話さない学生さんにもお構いなく英語で大量に質問している。まぁ、これは外国人教員としての役割の一つだと思ってやっている。中国人教員が中国語を無視して英語で質問しまくる訳にもいかないだろうから。

その後は、ひたすら講義の準備。まだまだ先は長い。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月8日金曜日

【日記】2021年10月7日、連休最終日、今日も出勤、黒板を使って復習

いよいよ今日が国慶節連休の最終日。明日から通常勤務が再開する。金曜日に有給休暇をとると連休が3日伸びそうな気がしてしまうが、そこは中国なのでそうは問屋が卸さない。今週の土曜日(10月9日)は国慶節の連休を捻り出すために週末としての土曜日は他の日付に移動させられおり、次の土曜日は「振替平日」となる。こんどの振替平日は、うちの大学では木曜日のスケジュールで講義が行われることになっている。

連休最終日の今日もオフィスに行って講義の準備。何度かこれまでにも書いているが、今学期、私が担当しているのは講義は、博士課程から専門を天文学に変更した学生向けの天文学の入門講義だ。しかし、どういう訳か天文学の経験がある学生も必修科目として一緒に受講することになっており全員に興味を持ってもらうように内容を組み立てるのが非常に難しい。

一応学科から指定された教科書があるので、それに沿って話を進めているのだけど、分野を変えてきたとはいえ既に何らかの理工系専門分野で修士号を持っている博士課程の大学院生が相手なので、毎回かなり突っ込んだ質問が出てくる。こういう質問に答えるために、学生から出た質問を土台に深めの解説を加える時間を随時とっている。前回、少し電波天文学に関連した話をしたところ、電波干渉計の原理についてかなり深い質問が出たので、次回は少し詳しく解説を行う予定だ。

その後は、教科書を内容を黒板で確認しながら、さらに先の回の講義のアウトラインを検討。学生のころ一度は勉強したことがある内容だが、最近の自分の研究では使わない知識なので、一度しっかりと復習しておかないと講義が組み立てられない。

黒板を使って教科書を復習

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)、音読(5分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月7日木曜日

【日記】2021年10月6日、意外なノーベル物理学賞、勤務再開前のPCR検査、整備された職場の池

昨夜、ノーベル物理学賞の発表があり、今年は今まで物理学賞の対象にならなかった新しい分野(複雑系の物理?)が受賞したため職場のWeChatグループでもかなり話題になっていた。

日本だと真っ先に受賞者の国籍と人柄が注目されるが、うちの職場では「この受賞分野が、次のグラントプロポーザル選考に与える影響」「一般向けの解説記事を頼まれているが理解できないので誰か助けて」みたいなことが議論されていた。もっとも、中国人が受賞したら様相が一変する可能性は大だが。

その後「誰か学内向けにノーベル物理学賞の解説会をやってくれない?」という上からの打診が流れてきたが、誰も手をあげる人がいない。今年はうちの学院の守備範囲外だと思われる。

連休中に珠海市の外に出た教職員は勤務再開前に、行き先により様々なパターンでPCR検査を受ける必要がある。PCR検査のための検体採取場が明日キャンパス内に設置されるとのこと。福建省と黒龍江省に行った人は、キャンパスに入る前に外部の検査機関で1回、講義を始める前にキャンパス内の検査所で2回の検査を行って全ての陰性を証明する必要があるとのこと。相変わらず厳重である。

職場裏の池の整備が進みすっかり綺麗になった。普段は忙しすぎて目が行かないが、連休中で職場ものんびりしているので写真をとってみた。池の向こう側に見えている山の頂上と地下に天琴プロジェクトの実験施設がある。

職場裏の池

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月6日水曜日

【日記】2021年10月5日、連休中も講義の準備、そろそろ仕事を再開する人も、大学に居残る学生さんたち、賑わうビーチ

 昨夜はどういう訳か職場で読んでいた教科書の内容が寝ている間に頭の中で何度もリフレインしてしまい「あ、これ、こうやって話を膨らませば講義ネタとして面白いかも」みたいなことが勝手に頭の中に連続的に思い浮かんできて、あまり良く眠れなかった。というわけで、まだ連休中でもあるので、いつもより1時間ほど起床時間を遅らせた。

まだ連休中だけれども、講義の準備を進めるために出勤。しかし、あんまり根を詰めすぎると疲れ切ってしまうので、途中で音楽を聞いたり、通販で買い物したり、なんやかんやしながらのんびりと仕事していた。そうはいってもオフィスに来るとそこそこ進捗が出せるもので、なかなか着手できなかった単元のスライドを完成させた。

国慶節ということで道路には国旗が掲げられている。

廊下を歩きながら職場の様子を見ていると、今日ぐらいから出勤してくる同僚がチラホラと出てきたようだ。今週の金曜日から講義が始まるので、金曜日に講義する教員なんかだと、今日くらいから戻ってきて準備を始める場合もあるのだろう。

大学院生の部屋を見ていると、三分の一くらいの学生は学外に出ないで残っているようだ。今の時期、どこかに出かけて出先で感染者が出たりすると、封鎖管理に巻き込まれて大学に戻ってこれなくなる可能性もある。そうなると卒業や学位取得が遅れることも考えられるので、慎重になる学生がいることも理解できる。

職場からの帰り、5分ほど遠回りしてビーチ横の道を通ってみた。連休ということで大勢の人がビーチで思い思いの時間を過ごしていた。こういう場所でも出前アプリは大活躍のようで、たくさんの配達員が料理をビーチに運んでいた。しかし、大混雑のビーチで発注者を探すのは結構大変な作業だと思われる。

連休で賑わう大学前のビーチ

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(10分程度)、音読(5分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月5日火曜日

【日記】2021年10月4日、体重微増、オフィスで仕事、研究にも少し時間を割く、中国語音読のテキスト

朝の計量で体重が少し増えていることが発覚。三日間連続で出前でご馳走をとって酒を呑んでいたらさもありなんといったところ。しかし、平常運転に戻れば体重も戻るだろうからよしとする。

今日も休日だけどオフィスに出て仕事したり考え事をしたり。午後に入って少し集中力が落ちてきたので、とある教科書の目についたページの数式の変形をホワイトボードで丁寧に追っていたら、他のプライオリティの高い仕事のことを忘れてついセクションの最後まで読んでしまった。せっかくなので、これこのまま講義のネタに使おうかな。簡単な話なので天文学入門講座にちょうどよいかも。

ホワイトボードでやった計算

この連休中も基本的には講義の準備を進めている。以前から頼まれている研究上の仕事がいくつか溜まっているのだけど、今学期はティーチングのノルマが多く、なかなか研究に手が出せない。しかし、どうしても外すことのできない学内の共同研究に関しては必死で時間を絞り出して対応。切羽詰まった状態で研究をしようとしてもなかなか良いアイデアが出てこない。

夕方、気分転換にKindleショップで電子書籍を物色。面白そうな中国語のテキストを発見したのですぐに購入した。中国語の音読をしたいと思っていたのだが、いかんせん、まだまだ語彙力が足りないので、辞書をひいているあいだに音読どころではなくなってしまう。今日見つけたテキストは、音読用にピンインの振り仮名が付けられた文章が多数掲載されていて、ポッドキャストで音声も聞けるのでとても良い。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)、音読(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月4日月曜日

【日記】2021年10月3日、休日出勤、キャンパスに居残る学生さんたち、大学構内での飲酒、黒板で考え事

大型連休ということで、久々に3日も連続で酒を呑んだ。とりあえず2日間しっかり休んで満足したので、今日はオフィスに行って仕事を再始動する。

職場に来てみたら、かなりの割合の学生さんたちが帰省しないでキャンパス内にとどまっているようだ。学生寮のほとんどのバルコニーに洗濯物が干してあるし、院生部屋にも電気がついている。

そういえば、Twitterのタイムラインに、大学構内で学生と教員が飲み会を開くと今は問題になりそう、といったツイートが流れていた。私が学生の時は大学構内で教員や学生どうしで酒を呑む機会はしばしばあった。研究室に鍋やら酒やら一揃い常備されていたし、週1-2回は大学で呑んでいたような記憶がある。

ちなみに今の勤務先のオフィスで飲酒している人は見たことがない。はっきりとした規則は知らないけれど、多分職場での飲酒は禁止されているのではないかと思う。ロシアの大学にいたときは、オフィスにズラッと酒瓶を並べている教員がいたし、実際に勤務時間中にお酒付きのパーティーが頻繁に開催されていた。「適度にアルコールが入った方が良い理論ができる」とか言っている理論物理学者もいたりもした。文化の違いといえば文化の違いだが、私にはロシアの大学がパッとしない現状を象徴している風景にも見えた。

オフィスでは、連休明けに向けた講義の準備と、平日には手がつけられない研究関係の仕事を少し進めた。仕事と言ってもそこは連休中なので平日よりは1時間ほど早く切り上げて帰宅。

しかし、職場に来ると考え事が捗る。私は黒板にチョークで落書きしながら考え事をするスタイルが好きなのだけど、これが自宅ではできない。黒板は粉が飛び散るので、流石に自宅に黒板を設置するのは躊躇してしまう。という訳で、オフィスに黒板を設置してからは休みの日もオフィスに来ることが多くなった。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2021年10月3日日曜日

【日記】2021年10月2日、連休二日目、ALMAのアンテナの名前、南十字星のImai星

連休二日目。一応今日までボケっとして、明日からボツボツ仕事をする予定。なかなか2日連続で休める機会がとれなかったので、ゆっくりしようと思う。

近所に買い物に行った妻によると、マンション小区内の商店街が非常に混んでいてレジに30分ほどならんだそうだ。例年だと帰省したり旅行したりと遠出する人が多い時期だが、今年は政府から可能な限り遠出しないようにとのお達しが出ているため、マンションにとどまっている人も少なくないのだろう。

南米チリにあるALMA電波望遠鏡のアンテナの一つ一つに名前を付けるというキャンペーンが最近行われたが、つけられた名前の一覧表を見ていると、長年一緒に研究している知り合い天文学者の名前がついているアンテナがあって驚いた。

参考リンク:Winning names for antennas after popular poll

しかし、ネーミングの理由をよくよく見てみると人名にちなんだものではなく、星の名前にちなんだ名前のようだ。南十字星の星の一つ(δ Crux)には「Imai」という日本人の名前としか思えないような名前がついているらしい。ハワイ語のように、音の響きが日本語に似ている言語もあるので、日本語以外に起源を持つ名前でも日本語の響きに近くなる場合もあるのだろう。

「Imai」の謂れ

このImaiという星、「脈動変光星」というタイプで、私の専門分野の星だったりする。何か面白いテーマを見つけてImaiさんと一緒にImaiアンテナを使って研究してみると面白いかな、などということを考えていた。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2021年10月2日土曜日

【日記】2021年10月1日、国慶節の連休開始、連休中も働くポスドクさんと学生さん、教科書を読み返し、亀ゼリーのダークラムがけ、大学の仮眠室

今日から国慶節の連休が始まった。講義の準備を進めないといけないので連休全部は休めないが、今日明日くらいはゆっくりしようと思う。

考えてみると、3年前の今頃は転職活動で必死だった。中国の知人に「管理職にアプローチするのは国慶節の後にした方が良いよ」みたいなアドバイスをもらったことを思い出す。確かに状況を知らずに国慶節直前や最中に連絡をとっていたら中国とは縁がなかったかもしれない。

連休に入ったのだけど、研究グループのポスドクさんと学生さんが観測プロポーザルの準備に関してWeChat上で活発にやりとりしているので少しコメントした。しかし、中国人を見ていると、働く人は本当によく働く。しかし、それと同時にメンタルヘルス的に問題を抱えている人も決して少なくないようだ。教員としては学生の様子を観察して、場合によっては休むようにアドバイスするようなことも必要かなとは思う。

久々に家でゆっくりする時間が取れたので、今日は電波天文学の教科書を読み返すなどしていた。学生のころはなかなか教科書の内容が理解できなくて自分の頭の悪さを嘆いたものだけど、今読み返すと印象がかなり違う。数学の公式等の記憶は怪しくなっている一方で、教科書の記述の大筋みたいなものは若いときよりも上手く捉えられる。

夕食後、妻のアイデアで亀苓膏(亀ゼリー)にダークラムをかけて食べてみたらとても美味かった。これはおすすめ。

亀ゼリーのラム酒がけ


亀ゼリーとダークラム

Twitterをみていたら、日本の大学に仮眠室がないことを嘆いているツイートが流れていた。私は、中国に来てから大学に昼寝するスペースはあっても良いと思うようになった。うちの職場では、同僚たちも院生もかなり多くの人がオフィスに昼寝用の簡易ベッドを置いている。集中力が落ちた時に少し昼寝すると効果抜群。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2021年10月1日金曜日

【日記】2021年9月30日、明日から国慶節の連休、ようやく乗り切った繁忙期、やる気が行方不明

とりあえず国慶節前の怒涛の日々が一応一段落。今日も平日で仕事だけれど、昨日までの障害物競走のような日からは開放されて、やっと普通の一日になりそう。そうこうしているうちに珠海の日の出時刻も遅くなってきた。今日の日の出は午前6時17分。

いつも通りの朝のルーティンをこなして出勤したが、どうにもこうにも今日は集中力がでない一日だった。最近の1-2週間ほどの忙しさが異常だったので、気力を一時的に使い果たしたような状態になったと思われる。

本来は講義の準備を進めるつもりだったが、まったくやる気がでないので、気分転換のために電波天文学の専門書を読み返していた。長く電波観測をやっていて論文もそこそこ書いているのだけど、教科書を読んでいると、まだまだ理解していないことだらけ。人に教えるために勉強し直していると、この年になって初めて理解するような事柄もあったりする。

中秋節から国慶節にかけての時期は、連休を作るための振替平日が頻繁に入るためスケジュールが変則的になる。同僚たちの様子を見ていると、皆さんこの時期を乗り切るのは大変なようだ。

オフィスにいても生産的ではないので、いつもより1時間ほど早く仕事を切り上げてさっさと帰宅。まぁ、明日から連休なので今日くらいは良かろう。少し休んで、英気を蓄えて、また頑張る。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III