2022年5月31日火曜日

【日記】2022年5月30日(月) 、市外に出るための下調べ、学生さんの研究がYouTubeチャンネルに登場

来月、パスポートの更新のために広州へ出かけなくてはいけないので、それに関する様々な下調べをしている。中国でパスポートを更新すると事後の手続きが大変であることは有名であるが、これに関してはかなり前から分かっていたので、既におおよその情報は集め終わっている。問題はコロナ規制関連で新たに発生している問題だ。

防疫規制についてはルールが頻繁に変わるので、まだ実際に広州へ行くときにどのような状態になっているか不明だが、おそらく珠海から離れる前に職場へ届け出て許可を貰う必要があるはずだ。あと、移動経路上や宿泊施設でPCR検査の陰性証明の提示が求められる可能性もある。移動手段によって、陰性証明等のチェックの厳しさが変わってくる可能性も考えられる。その辺の状況を少しづつ調べつつ、最適な移動方法と宿泊場所を探っているところである。

一つ心配だったのが、出先でのPCR検査の受け方だ。普段であれば近所の無料検査ポイント場所を地元政府の広報等を通じて把握しているので問題ないが、出先の地元ニュースは日常的にチェックしていないので情報がない。しかし、これにはとても簡単な解決方法があることをSNSでしった。百度マップで「核酸」と検索すればよいのだ。そうすると、付近の無料検査ポイントが位置情報とともにズラッと表示される。小規模な検査ポイントで標示されないものもあるようだけど、まずまずこの情報で問題はなさそうだ。

うちの研究グループの学生さんが筆頭著者として出版した論文に関する解説記事がphys.orgに出たという話は先日の日記に書いたが、英語の有名科学メディアに解説記事が出た影響は大きいようで、それ以来あちこちのメディアに記事が転電されている。同僚によると、CosmoQuestというYouTubeチェンネルの番組でも取り上げられたようだ。以下に動画を貼り付けておく(10:45あたりから)。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年5月30日月曜日

【日記】2022年5月29日(日) 、最近は暇そうな検査官、中国で飛行禁止となったロシアの飛行機、語学力は命綱

遅めの朝食を食べた後、明日の出勤に備えてPCR検査を受けに行ってきた。広東省のコロナ規制はかなり緩くなってきたとはいうものの、教育機関に入構するに際しては未だに48時間以内の陰性証明が必要な状態が続いている。つまり、一日置きにPCR検査を受けなくてはいけないということだ。私はどちらかというと出不精な質なので、週末の一日くらいは一歩も外に出ずに家に引き持っていたいのだけど、出勤に際して陰性証明が要求される状況が続いている限りはどうしても週末に検査を受けに出ていかなくてはいけない。

2-3ヶ月ほど前には、市内のいたるところで陰性証明が求められていた関係で、市当局が設置した無料PCR検査場はどこもかなり混雑していたが、最近では検査場の係員も暇そうに携帯をいじっていたりする。現状でせっせと検査に通っているのは教育機関の関係者くらいだろう。

Twitterを眺めていたら、TLに「ロシアの航空会社所有のボーイング機とエアバス機、中国への乗り入れ禁止」という記事が流れてきた。欧米のリース会社がロシアの航空会社にリースしていた飛行機をロシアが「接収」した例の飛行機のことのようだ。さすがに、このレベルの盗難に加担するのは中国もまずいと思ったのかもしれない。西側諸国が同じことをすれば当然ロシアは報復するのだろうけれど、相手が中国の場合どのような態度に出るのか大変興味深い。


今日もいつも通り、ルーティンの語学トレーニングをこなした。週末や祝日でだらけているときも、語学の勉強だけは、なぜかかかさず続けている。基本的に外国語学習が好きではないし、受験科目の英語も嫌いだったのだけど、ここ7-8年くらいは英語と、生活している現地語のトレーニングを欠かさず毎日続けている。やっている内容としては、絶対に欠かさずやっているのが単語と例文の暗記、あとできる限り音読とヒアリング(シャドーイングを兼ねる時もあり)もやっている。

なぜ、私が語学トレーニングをひつこくやっているかというと、一番大きな理由は、多分「語学力=命綱」だからだと思う。仕事で必要という面はもちろんあるのだけれど、ここでいう「命綱」は、よりリアルな意味での「何か緊急事態が発生した時に自分を助けてくれる能力」という意味での、文字通りの「命綱」という意味だ。なので、日本にいて語学を勉強するのとは違う種類のモチベーションが私には働いているように思う。

そんな訳で、今日もアプリを使って中国語の単語を暗記していたのだけど、相変わらず「声調」と意味を結びつけるのがとても難しい。ピンインが同じ綴りで声調だけ異なる単語は、声調の違いで意味を区別できなければいけない訳だけど、この暗記が本当にやっかいなのだ。一度区別できるようになってもすぐに忘れる。おそらく、音の上がり下がりと意味を結びつける脳内の回路をこれまでの人生で全く使用していないため、その部分の能力が著しく未発達なんだろうと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年5月29日日曜日

【日記】2022年5月28日(土) 、連日のように行なわれるディフェンス試験、初めて経験した配送事故

年度末ということで連日のように大学院生のディフェンス試験(学位審査の最終口頭試問)が行なわれている。土曜日の今日も3つのディフェンス試験が予定されている。中国では年々大学院生の数が増えており、うちの大学も例外ではない。もはや平日だけではディフェンス試験が収まりきらず、土曜日まではみ出している状況だ。

昨日、博士課程のディフェンス試験の発表の時に聴衆が集まらないのでもっと積極的に参加してほしいという通知が来た。しかし、こう連日ディフェンス試験が続いたら、聴衆が集まらないのもある程度は仕方がないような気もする。とにかく、中国ではどんどん新しい博士が誕生している。

夕方、デリバリーの配送員が商品を届けないでステータスを配達済みにするという状況を初めて経験した。店の方に中国語でメッセージを送ったら「うちに言われても困る」みたいな対応で、なんだか面倒な状況になってしまった。

さらに「住所をちゃんと書かないから届かないんだろ!電話にもあなたは中国語できちんと対応できないし」と店は責任逃れのSMSメッセージを送ってきた。しかし、今まで同じ住所表記で数多の配送員が問題なく荷物を届けてくれているので、なんとも自分勝手な言い草である。

店から送られてきたメッセージがあまりにも身勝手で頭に来ていたが、驚いたことに注文から約3時間後に商品が届いた。何が起こったのか良くわからないが、商品を持ってきたのは配送会社ではなく店員(おそらく店長)らしき人物だった。冷蔵保存が必要な商品だったが、中身が完全に常温に戻っていた。

おそらく、配送会社の配送員が商品を店に戻して、それを店員自ら再び持ってきたのだろう。配達してきた店員は謝っていたので、身勝手なメッセージを送ってきたのは、おそらく別の店員だと想像される。店の中でなんらかの話し合いがあって「やっぱり放置しないで商品を届けたほうがよい」という判断になったのかもしれない。とりあえず、一番悪いのは配送会社の配送員だとは思うが、店の対応もひどかった(とくにメッセージの内容)。この店は二度と利用しない。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年5月28日土曜日

【日記】2022年5月27日(金) 、いよいよ雨季が始まる、「金=困难」とは!、矯正治療中の晩酌

5月末となり、いよいよ雨の日が多くなってきた。珠海を含め、中国ベイエリアは空気質が良いし、冬はカラッとしていて最高の気候なんだけれど、雨季となる6ー8月ごろは、半分水中で暮らしているような気分になるくらい雨が降る。これからしばらくは自転車で通勤するのが大変な時期だ。もっとも夏休みの時期と雨季のピークが重なるので、猛烈な土砂降りの日に無理して出勤する必要がないことが多少の救いではある。

仕事のログに「金」と曜日をタイプしようとしたら、中国語ピンイン入力になっていたのを忘れていて、そのまま「kinn」とタイプしたところ「困难」と変換された。「金=困难」とは気が付かなかった。しかし、「困」のピンインは「kun」のハズだけど、「kin」と打っても「困」が出てくるのは、どういうことなんだろうか。キーボード上で、"u" と "i" が隣どうしのキーなのでミスタイプを自動で修正しているということなんだろうか。

今日は定例のファカルティー会議の日だった。ファカルティー会議のような「定足数」が設定されている会議をオンラインでやるとき、会議の最後に全員でカメラをオンにして、参加証明のスクリーンショットを撮るのだけ、今日は傘をさして外を歩きながら会議に参加している人がいて、とりまとめの秘書さんから「いったいどこから会議に参加されているんですか!」とツッコミが入っていた。

このファカルティー会議、以前は学期に2回ずつ、年4回開催されていたのだけど、このような開催ペースだと議題が溜まりすぎるて、会議が長くなるため、毎月一回開催するように最近スケジュールが変更された。それでも1時間半ほどかかる。しかし、毎月開催になると、出席率は落ちている感じではある。

金曜日ということで、夕食時にちょっと一杯。目下歯列矯正の真っ最中のため、食べられる「ツマミ」が限定されるのだけど、あまり噛まないでも食べられる旨いものを妻が見繕ってくれて、矯正中でも週末の晩酌を楽しめている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

2022年5月27日金曜日

【日記】2022年5月26日(木) 、突然グルチャに登場した羽衣フルタッチ、集中が切れたら勉強に切り替え

物理天文系教員のグループチャットに、講義室備え付けのチョークを「羽衣フルタッチ」チョークに替えてほしいという要望が出ていた。中国人教員から羽衣フルタッチの名前が出てくるとは思わなかった。現在教室に備え付けられているチョークもそれほど品質は悪くないと思うのだけれど、直径がやや細く、私が手持ちのチョークフォルダーが使えないのと、あと若干折れやすいのとで、私は自腹で羽衣フルタッチを購入して使用している。確かに羽衣フルタッチチョークは使いやすい。

今月くらいから、徐々に秋学期の講義の準備を始めている。次の秋学期は昨年と同じ講義科目を受け持つ予定なのだけど、昨年は学期開始直前に担当を打診され、ほとんど準備する時間をとれずに毎回自転車操業で講義する羽目になってしまった。一応講義は最後までやり通したのだけれど、話の順番が後から考えると非常に効率が悪く、学生の立場からするととても勉強しにくかっただろうと思う。そこで、今年は話の順番を変更したり、さらに内容をいろいろと付け足したりと大幅な改訂を行っている。そんな訳で、2年目なのに、全く講義準備が楽になっていない。

どうも、同僚たちを見ていると、私は講義準備が遅いようだ。同僚の中には同一学期に2-3科目担当しているような人もいて、いったいどうやって準備をしているのか私なんかには想像もつかない。なんというか、普段何気なくフレンドリーに付き合ってくれている同僚たちであるが、仕事の能力を見ていると、やはり「選ばれし中国人の超人たち」という感じなのである。

ところで、講義の準備にしても、研究関係の仕事にしても、仕事が煮詰まって生産性が落ちる時間というのが必ず発生する。これは人間なのである程度は仕方がない。若い頃は煮詰まってもなお必死に仕事に取り組み続ける、みたいなことをやっていて、それはそれでペースが落ちながらもなんとか仕事を進めることができていたが、最近はどうも年齢からくる変化なのか、そういう働き方が難しくなってきている。

この変化にどう対処したもんかと、ここ何年か試行錯誤していたが、最近は生産性が落ちてきたら「勉強に切り替える」ということをこまめにやっている。「あ、集中力が落ちてきたな。そうだ講義のネタ本を読み進めよう」みたいな感じだ。これが案外調子良くて、勉強しているうちにまた集中力が回復して仕事に戻れたりする。そういえば、子供の頃に読んだキュリー夫人の電気に「仕事に集中できなくなったときには幾何の問題を考えた」みたいなことが書かれていた記憶がある。電気を読んだ当時は「仕事に疲れたときに数学を勉強するとは、なんて超人なんだ」と思っていたが、今はその気持が少しわかる。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月26日木曜日

【日記】2022年5月25日(水) 、犬の散歩のマナーで荒れるグループチャット

1月に自宅マンションがコロナ規制で封鎖された時に、マンション住人のWeChatグループに加入し、それ以来チャット上での住民間の交流の様子を興味深く眺めさせてもらっている。さまざまな意見やら、要望やら、問い合わせやら、皆さん活発に発言するので、見ていてとてもおもしろい。

今朝は犬を散歩させる時のマナーについて、喧々諤々の論争が起こっていた。小区内の地下駐車場で犬を散歩させる人のマナーが悪いということで、ときどき苦情が出ていたのだけど、ついに自分の車に犬の糞便をひっかけられた人の堪忍袋の緒が切れたようだ。

うちのマンションには巨大な地下駐車場がある。この駐車場、本当に巨大で、一つの区画ないに建っている40棟ほどの高層マンションを全て地下でつなぐような形で駐車場が設置されている。つまり、地下を通って小区内の全てのマンションと行き来することができるのだ。このような構造になっているので、雨天時や夜間など、小区外に出るのが億劫なときに、外に出ずに地下駐車場内で犬の散歩を済ませる人が相当数いるのだ。

問題は犬の糞便の始末で、私が見ている限り、飼い主たちのマナーはかなり悪い。駐車場の中で犬が糞をしても始末しない飼い主が相当数いる。ひどい人になると他人の車に犬がオシッコをひっかけても放置したり、帰り道にマンションのエレベーター内で犬にオシッコさせて放置するような飼い主もいる。管理会社が再三注意しているようだけれど一向に状況が改善されない。

ただ、飼い主たちのマナーの悪さも相当ひどいが、マナーの悪い飼い主に苦情をいう他の住人のパワーも相当なものだ。犬に糞便をさせている現場の証拠写真を撮って、飼い主を特定してグループチャットに流したりして、なかなかの大騒ぎになっている。まぁ、中国人というのは何かにつけてエネルギッシュでパワフルな人たちだと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月25日水曜日

【日記】2022年5月24日(火) 、英語化されるグループ会議、記事として取り上げられた共同研究

大学構内に入るために48時間以内のPCR検査陰性証明が必要な状態がまだ継続しているので今朝も近所の無料検査場によってから出勤した。以前は、万が一検査に行けない突発事案が発生した場合に備えて毎朝検査に行っていたが、毎日少しづつ検査に取られる時間が地味にスケジュールを圧迫するので、今週くらいから一日置きに検査に行くようにしている。

職場に到着して、セミナー室の横を通ったら、メンバーが中国人のみの研究グループが英語でセミナーをやっていた。最近、大学院生の英語力を強化するようにとの通達が「上」の方から出たせいだろうと思われる。この件がスタッフ会議で議題になったとき、対応策として「グループミーティングの英語化」が真っ先に出ていた。もっとも、うちの研究グループは私が所属しているので、英語教科のお達しが出る前からグループミーティングは、一部の全く英語を話さない学生を除いて、ほぼ英語でやっている。

うちの大学の場合、学部生と大学院生を比較すると、平均して大学院生の方が英語力が低いことは以前の日記にも書いた。問題なく英語でコミュニケーションがとれる学生は入学初年次の大学院生の講義を受け持った感覚からは、おそらく10%程度かそれ以下だろうと思われる。8割くらいはギリギリなんとか意思の疎通がとれるレベルで、本当に全く意思の疎通がとれない人も1割程度いる。

しかし、入学時点で英語力に相当問題がある大学院生のその後の様子を職場で観察していると、外国人教員が所属する研究グループの学生は、その他の中国人教員のみの研究グループの学生に比べると、多少英語力が改善されている印象を受ける。なので、やはり例え週に1-2回であっても、ちょっと緊張するグループ会議やセミナーの場で、英語を使い続けるということは大学院生の英語力向上のために意味があるだろうと思う。

夕方、とある方面から、共著論文が「phys.org」の記事に取り上げられていることをしり驚いた。既に数カ国のメディアに転電されているようだ。記者会見をやったわけでもないし、プレスリリースすら出していないのに、よく記事になったもんだ。

参考リンク:Research sheds more light on the properties of young planetary nebula IC 4997

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月24日火曜日

【日記】2022年5月23日(月) 、蟻の歩みのデータ解析環境整備、暗記先行型の外国語学習

中国赴任以降、ティーチング関係の仕事をこなすのに必死でなかなか自分自身でデータを解析する体制を作れていなかったのだけど、自分でデータを解析せずに学生に研究の指示を出すばかりでは感覚が鈍るので徐々にそのための環境整備をしようとしている。本当に酷い話だが、データ解析をしようとして、すぐにデータを眺められる状態にすらなっていない。解析ソフトを動かすために必要なOSがインストールされたパソコンすら手元にないという体たらくだ。

という訳で、ここ一ヶ月ほどの間、少しづつ合間の時間を見つけてはデータ解析に向けての環境整備を行っている。正確に言うと、環境整備に必要な情報を収集して試行錯誤を繰り返している。幾つかの問題は解決できたのだけど、もう一つ、一週間以上解決できていない問題が残っていて困っていたのだけれど、昨日、帰り道に「もしかするとこれで上手くいくかも」という方法が思い浮かび、検索して状況を確認したところ、その方法でうまく行った人が多くいるようだ。明日試してみるつもりだ。こういう思いつきを夕食後に試したりすると、失敗しても成功してもその日の寝付きが悪くなり次の日のQOLが下がることが経験上分かっているので、仕事は適当なところで次の日に先送りするのが吉である。

毎日のルーティンとして、きっちりと中国語学習を行うようになってから1年以上が経過した。学習アプリの記録によると、今日現在、完全にマスターした(つまり、聞き取りと発音の両方ができる単語)の数が1000程度、暗記した例文の数が260程度である。受験勉強を必死にやっている人なんかから見ると、「1年勉強してその程度なの?」と思われるような少ない進捗に見えるかもしれないが、日常業務の間に絞り出した数分を積み重ねてこの数値に達しているので、自分としてはよくやっている方だと思う。

以前、ロシアに住んでいた時にもロシア語を勉強していたが、私の語学学習というのはとにかく暗記先行型である。現地に住みながら外国語を勉強する人の中には、私と同じパターンの人も少なくないのではなかろうか。必要に応じて必要な例文を覚えて、それをすぐ実践で使う。これの繰り返しだ。

それで、以前ロシア語を勉強していた時、ある程度の数の例文を覚えた時点で、ふと思い立って文法書を読んでみたら、例文を急に暗記しやすくなったことを思い出した。文法を学ぶことで、単なる丸暗記だったのが、暗記する時の手がかりが増えたからだろうと思う。それなら最初から文法を勉強すれば良いだろうと思われるかもしれないが、これが私の場合まったく上手くいかないのだ。文法書は、ある程度頭の中にその言語の文章が入っていないと、全く興味が持てないようだ。しかし、数百程度のさまざまな種類の例文をガッツリと暗記し、諳んじて言えるようになってから文法書を読むと、とたんに文法書が面白く感じられてくるから不思議だ。

中国語に関しては、上述のように、そろそろ文法書を読んで面白く感じられる段階に入りつつある。そんな訳で、適当な文法書を見繕って、昨日の夕食後から読み始めた。やはり想像通りというか、頭の中に既にインプットされた例文が文法知識により再整理され、さらに記憶が固まっていく感じがしている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し、文法書

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年5月23日月曜日

【日記】2022年5月22日(日) 、悪いところを凝縮した夢、さらに強化される移動規制、卒業生からの近況報告

最近、朝方に夢を見ることが多い。今朝は、ボロボロの「ソビエト団地」に中国式の封鎖管理で閉じ込められて、食料も医療も提供されず、人々が次々に倒れていくという夢を見た。今まで自分が見てきた中国とロシアの悪いところを全て凝縮したような世界観の夢だった。以前読んだ何かの本に、ネガティブな出来事の方が、ポジティブな出来事よりも強く記憶に残るということが書かれていた。ロシアにも中国にも良いところはいろいろとあるのだけれど、悪いところが抽出されたような夢を見たのはそのためか。

さて、明日は出勤日なので午前中にPCR検査に行かなくてはいけない。相変わらず職場では48時間以内の陰性証明の提示が求められる。コロナ禍勃発直後には、PCR検査に行くと、検査官が喉の奥をグリグリと念入りに綿棒で擦るもので、何度も「おぇっ!」とえずいたものだけど、最近は検査官も慣れてきたというかダレてきたというか、口の中の一部にちょこっと「さわるだけ」の検体採取が多い。

報道を見ているとヨーロッパなんかではコロナの移動規制がどんどん緩和されているようだが、その一方で今朝のニュースによると、日本から中国への移動についてはさらに規制が強化されるようだ。これまで出発前一週間の間に3回の検査が課せられていたのが、5月30日以降、出発前48時間以内、24時間以内、12時間以内の3回検査を行って陰性を確認するようにルールが変更されるとのことだ。

1,2回目はPCR検査、3回目は抗原検査が課せられるらしく、しかも、1回目と2回目のPCR検査は別の検査機関で行なわなくてはいけないらしい。もし陽性の場合、完治してから2ヶ月間は中国への入国が禁止されるそうだ。今の日本の感染状況を考えると、出発前の3回の検査で陽性になる可能性は低くないだろうし、陽性になったら最低でも2-3ヶ月は中国への入国ができないことを考えると、今一時帰国するのは本当にリスクが大きいと思われる。

夕方、以前の職場の卒業生(天文とは関係ない普通の会社に就職した人)から久々に近況報告のメールが来た。メールによると「Miyoshi et al. (2022)をSNSで見かけて気になって読んでます」とのことだった。卒業しても天文学に興味を持ち続けているようで大変結構だと思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月22日日曜日

【日記】2022年5月21日(土) 、歯列矯正中の出前、欠かせない添削指導、中国語学習の新しい取り組み

土曜日は毎週「出前の日」ということにしていて、本来は夕食をどの店であつらえるか考えるのが楽しみの一つであるのだけど、ここ1-2週間は矯正治療を始めた直後で歯の咬み合わせが極端に悪くなっており、出前と言っても食べられるメニューが限られている。しかし、不幸中の幸いは、中国では「お粥」の選択肢が多いことだ。海鮮、野菜、モツ等々、本当に様々なお粥を出前で楽しむことができる。

7月に行なわれる大学院生の研究発表会の登録締切が明日とのことで、日中は指導している学生さんのアブストラクト原稿の添削指導をこなした。多少面倒ではあるのだけど、私は原稿に「赤入れ」しながら何度も学生さんとやりとりして、学生さん自ら手を動かして原稿を改訂してもらうようにしている。こちらが直接原稿に手を入れて文章を修正すれば作業はすぐに終了するのだけれど、そういうやり方をしてしまうと、学生さんが自分の文章のどこが悪かったのかを把握しにくくなるため、また同じミスを繰り返すことになってしまう。なので、面倒でも「赤入れ」は必要だと考えている。もっとも最近は「赤入れ」もパソコン上で行うことができるので、ペンで赤入れしていた頃に比べると指導する方もだいぶ楽にはなっている。

学生さんとやり取りしている合間の時間は、将来担当するであろう講義科目の予習のために天文学関係の教科書を読み進めた。英語の本で一度一通り勉強したことのある内容なのだけど、ここ数年の間に日本語の良い教科書が出たので、それを使って再び勉強し直しているのだ。もう四半世紀を超えて仕事で英語を使っているので、英語が分からないというわけではないし、英語で講義する準備としては英語の本で勉強する方が都合が良い場合もあるのだけど、それでも日本語で書かれた教科書はありがたいと思う。日本語で専門書を読める喜びみたいのが確実に存在するのである。

先週くらいから、中国語学習の新しい取り組みとして中国語で短い日記を書き始めた。自分が言いたいことをすぐに言えるようになるトレーニングとして、日記はかなり後があるそうだ。日記と言っても能力的に限界があるので今のところ「今日は暑かった。気温は30℃だった。早く寝た」とかそんな感じの内容だが、少し続けてみて、これは確かに良い勉強になるという手応えを感じている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年5月21日土曜日

【日記】2022年5月20日(金) 、口内粘膜が辛くなってきた歯列矯正、同僚の昇進セレモニー、洒落た研究会の記念品

歯列矯正の装置を装着してから今日で12日目。ワイヤーで歯が引っ張られている痛みは想像していたよりも大したことはない。ワイヤーを掛け直した直後の2日ぐらい痛みがあるが、その後はほとんど違和感がなくなる。私の場合、問題は装置と接している口内粘膜の痛みだ。この痛み、装置をつけた直後には大したことはないと思っていたが、わずかな刺激でも長期間続くと粘膜にダメージが来るようで、一週間を過ぎた頃からちょっと辛くなってきた。2日ほど前から「歯列矯正用ワックス」というものを使って、装置からの刺激を緩和することで痛みに対応している。

歯列矯正用ワックスは、可塑性の素材で作られており、例えて言うと、無味無臭の粘土のようなものである。これを適当な大きさにちぎって、矯正装置の尖っている部分を覆うように貼り付けることで口内粘膜に対する刺激を軽減することができる。歯科クリニックで一つ無料でもらったのだけど、これがないと生活できないことが2-3日の間に明確になったので通販で大量に追加購入した。ちなみに歯列矯正用ワックスは中国語では「正畸蜡」と呼び、この言葉で通販商品を検索すると大量にヒットする。

今日は、赴任当初からお世話になっていた職員さんが昇進されるとのことで、職場で行われた「昇進セレモニー」に参加した。この手の学内行政系の会合には、種類に応じて、各学科の教員の半数以上とか、6割以上とか、8割以上とかの出席率規定が設定されている。しかし、すべて中国語で行われることもあって、一部の高い出席率を求められる会合以外は、外国人の出席はそれほど強くは期待されていない空気がただよっている。

そういう感じなので、学内行政系の会合に行くと「来ると思ってなかった」と言われることもある。ただ私は、生の中国語が聞けて語学学習の観点から役に立つのと、参加して見ると案外いろんな発見があって面白い(こともある)のとで、外国人の割にはまめに参加している方だと思う。

夕方、1月に参加した研究会の実行委員をやっていた同僚から研究会の記念品を受け取った。この研究会、今年が9回目の開催ということで、これまでに研究会を開催した大学のエンブレムが入った9つの湯呑。なかなか洒落ている。

研究会の記念品

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年5月20日金曜日

【日記】2022年5月19日(木) 、ゲートで守衛にいきなり怒鳴られた、次学期に向けて講義スライドの大改訂

今朝は近所の無料PCR検査場で検査を受けてから出勤した。先月に市当局から出ていた通知によると、近所の無料検査場は5月15日まで継続する予定だったようだが、15日以降は規模を縮小して継続している。まだ市内のあちこちで陰性証明が要求される状況が続いているため、この状況で近所に検査場がなくなると生活がとても不便になる。もっとも陰性証明が要求される状況がなくなってくれるのが一番良いのだが。

職場の入り口では、相変わらず48時間以内の陰性証明の提示が求められる。昨日ぐらいから「自転車を一旦降りて、しっかりと証明書類を見せる」というルールが追加されたようだ。私は状況を知らなかったので、帰り道、これまで通りに自転車にまたがったまま証明書を見せて通り抜けようとしたら、守衛のおっさんが怒鳴ってきて「自転車を降りろ」と言ってきた。何事かと思って聞き返して状況を把握した。マスクをしていると、向こうも学生か教員かの区別がつかず、学生対応モードで怒鳴りちらしてきたらしい。いきなり怒鳴られたもんで中国式に「あぁ~~?」と言いながら目を睨んで反応したら守衛のおっさんの目が泳いでいた。

春学期も終盤に差し掛かり、私は既に次の学期の講義の準備にとりかかっている。去年、初めて教えた講義科目をもう一度今年も教える予定なのだけど、初めて教えた去年の経験を踏まえて、教える順番や内容の大改訂を行っている。内容的には、博士課程から天文学に専門を変更してきた学生に対して学部で行われている一般天文学の内容を講義するというものだ。

渡された教科書は、天球座標やら単位の定義やらそういうことから始まっているので、去年はその順番で教えたのだけどどうもしっくりいかなかった。座標系やら天文学独特の単位等ももちろん大切ではあるのだけど、昨年講義しながら、相手が博士課程の学生なので、もう少し違ったより実践に即した天文学への導入があるだろうと考えていた。

そんなわけで、今年は放射過程の基礎的な知識を最初に導入して、それを踏まえて他の天文学がらみの古典的な項目もよりプロフェッショナルな感覚で話そうと思い、現在スライドの大幅改訂を行っている。最初に、放射に関する量を定量的にきっちりと定義しておくと、他の天文学独特の項目を教える場合ももう少し見通しが良くなる気がしている。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

2022年5月19日木曜日

【日記】2022年5月18日(水) 、卒研生の口頭試問終了、秋学期の担当講義調査開始、もっと時間がほしい

昨日、卒研生の「口頭試問」が行われた。本来、卒研生との仕事は口頭試問が終われば終了なのだけれど、今年の卒研生は査読学術論文の出版を目指しているため、まだもうひと頑張りしないといけない。

そんな訳で、今日は卒研生と口頭試問明け初めての研究ミーティングを行った。とりあえず冒頭に口頭試問がどんな感じだったか聞いてみたところ、発表も質疑応答も上手く行ったようで指導教員としては一安心だ。口頭試問の審査員は2人だと思っていたのだけど、実際は3人いたそうだ。どういう質問が出たのか卒研生に聞いてみたが、基本的に全て想定内の質問だったようだ。

これで大学が行う卒研関連の公式の審査は全て終了で、あとは卒業論文の本編を卒研生が提出し、指導教員がオンラインシステムから「合格」ボタンをクリックすれば全て終了である。

卒研生の話では、口頭試問が終わった後の学生寮では、もう既に「卒業ムード」が漂っているそうだ。帰省したり、友達と旅行に出かける学生が増え、学生寮の人口が減少し始めているとのこと。しかし、今年の卒研生さんは上述のような理由で、これから卒業ムード返上でもうひと頑張りしてもらわなくてはいけない。卒業式まで残り一ヶ月程度。さて、どこまでできるか。

5月中旬になってくると、秋学期の講義の担当希望調査が始まる。私は今学期、学部の講義を担当したので、秋学期は再び昨年担当した大学院生向けの講義を希望する予定だ。天文学系教員グループの希望で昨年から始まった講義科目なのだけど、直前になって担当を打診され、あまり準備しないで初めたのでかなり全体としてまとまりのない話になってしまったので、今年は全体の構成を作り直して、もう少し勉強しやすいコース作りをしたいと考えている。

最近、「もっと時間が欲しい」と思うことが多くなってきた。忙しいという意味もなくはないが、単純にそれだけの意味ではない。それよりも、むしろ「残りの人生の長さ」を意識して、「もっと時間がほしい」と思うようになって来ているのだ。天文学の研究にしても教育にしても、やればやるほど、さらに「あれもやりたい、これもやりたい」という思いが次から次に湧いてくる。天文学や物理学は深くて果がない。そして、理解すればするほど分からなくなるし、さらなる面白さが見えてくる。そして、それを全部こなせる時間も能力も自分にはないことを悟って焦ってくるのだ。困ったもんだ。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

2022年5月18日水曜日

【日記】2022年5月17日(火) 、歯科クリニックのフォローアップ、中国で中国語を学ぶ利点、「已打疫苗」Tシャツ

今通っている歯科クリニックは、とても対応が丁寧で、治療に行った次の日に必ず「その後、何か問題有りませんか?」とWeChatで尋ねてきてくれる。治療してくれる歯科医の先生は英語を話すのだけど、受付や看護師の人たちは英語をはなさないので、やりとりするには中国語を使った方が良い。

そういう訳で、毎回中国語を使って一生懸命WeChatでやりとりしているうちに歯科関係のボキャブラリーが少しづつ増えて来ている。最近では、短い文を書くだけならば、暗記済みの例文をフル活用して、知らない単語は辞書や機械翻訳で調べて、なんとか一応最低限の意思を伝えることはできている。もっとも、発音しろと言われると急に怪しくなるのだが。今日は治療後の近況を次のように伝えた。

拔牙后的地方是完全没问题的。没有疼痛,也没有肿胀 新安装的矫正器对我的舌头有点不舒服。但是,我觉得问题并不严重。矫正蜡用于处理这个问题。

文法的にはおそらく相当でたらめだと思うのだが、一応は「抜歯のあとは全く問題ないです。痛みも腫れもありません。新しく装着した矯正器具が舌にあたって少し不快ですが、それほど深刻ではありません。矯正用ワックスで対処しています」ということを頑張って私なりに中国語で書いている。

上の文の中で使っている「矫正蜡」という単語は「矯正用ワックス」という意味だが、ここ数日の間に新しく覚えた単語だ。歯医者に限らず、新しい行動を起こす度にボキャブラリーが増えていく。これが現地に住みながら言語を勉強する最大のメリットだろう。もし中国語圏以外に住みながら中国語を勉強していたら「矫正蜡」なんていう単語は一生覚えないかもしれない。

先日Twitterを眺めていたら「已打疫苗」(ワクチン接種済み)と書かれたTシャツの写真が流れてきて、なんだか気に入って、つい衝動がいしてしまった。しかし、よく見ると「已打两针疫苗」とある。「ワクチン2回接種済み」という意味だ。私は既に3回接種しているので、このTシャツを着ると嘘になってしまう…。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)

2022年5月17日火曜日

【日記】2022年5月16日(月) 、歯科医で抜歯、かろうじてクリアーした血圧規定、顎や唇がしびれない麻酔

今日は朝一から歯医者に行った。前回、ワイヤー矯正の装置を上下の前歯に取り付けてもらったのだけれど、今日は矯正のために必要な抜歯とワイヤーの調整を行った。以前の日記にも書いた通り、抜歯の前に、最近受けた健康診断の結果の提示を求められ、担当歯科医から「高血圧症との診断があるので、抜歯は午前中に行いましょう」という話があった。

そんな訳で、今日は午前中にクリニックに行くことになった。高血圧と言っても、私の場合、病院で治療を受けてコントロールしているので、普段は基本的に120/80mmHg前後で推移している。歯科医の話では、規定により抜歯前に血圧が140/90mmHg以下であることを確認しなくてはいけないとのことだったが、それは多分問題ないだろうと思っていた。

しかし、その血圧測定のタイミングがなかなか微妙だった。「麻酔しますよー、リラックスしてっくださいねー」と言われながら、数カ所に麻酔の注射を打たれて、「痛っ、痛っ、痛っ」となった直後に、「では、血圧測りますねー」とのことで測ったら、なんと138/91mmHgで、最低血圧が1mmHgだけ規定オーバーとなり、「これでは抜歯できませんねぇ」ということになってしまった。

規定オーバーなのは分かるけれど、歯医者で麻酔をかけられて、これから抜歯ってなったら、普通の人は多少は血圧が上がるのが当然なんじゃなかろうか。その辺は、歯科医も分かっているようで、「抜歯前は血圧が上る人が多いです」とのこと。そらそうでしょう。それで、一度インターバルを開けてもらって、トイレに行って、水を飲んで、5分ほど休んで血圧を再び測ったら、120/84mmHgと、だいたい普段の血圧まで下がり、歯科医からOKの判断がでた。

抜歯自体はなんということはなく、あっという間に終了。一つ興味深かったのは、麻酔を打たれているのに顔の表面の感覚がなくならかったこと。私の記憶では、日本の歯医者で麻酔されると、唇や顎の感覚がなくなって、自分で顔を触ると違和感がある状態になったものだが、今回はそれが全くなかった。

それで、麻酔が効いていないのではないかと思って心配になり、「普通、麻酔を打ったら、あご周りの感覚が無くなりますよね?全く普通に感覚があるんですが、これ、麻酔が効いていないんじゃないですか?」とたずねたところ、「それは、多分使っている薬剤が違うのだと思います。今使っている薬剤だとこれで普通です」との返事。

ホンマかいなと思って、かなりビビりながら抜歯に望んだのだが、確かに麻酔が効いているようで全く痛くなかった。歯科で麻酔を受けて、その後しばらく顔がしびれた状態になるのは鬱陶しいものだけど、それが全く無いというのは治療の後は快適だ。麻酔薬も日々進化しているようだ。

抜歯の後、出血も殆どなく、痛みも腫れもなく、「上手く抜けたので、抗生物質も必要ないと思います」とのことだった。念のため痛み止めはもらったが、もしかすると、痛み止めも必要なかったかもしれない。ただ、抜歯した上に歯列矯正の装置が入っているので、夕食の時は全く噛むことができず、出前でとったお粥を流し込むのがせいぜいだった。

次回は、一ヶ月後に再び抜歯とワイヤーの調整だ。今度は下顎の親知らずを抜歯する。しばらくハードな治療が続く。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年5月16日月曜日

【日記】2022年5月15日(日) 、いつもより遠くまで行ってPCR検査、悪天候と低気温で海辺のテント減少

昨夜ちょっと飲み過ぎてしまい、午前中はエンジンがかからなかった。数日前の天気予報では今日も天気がぐずつく感じだったが、いざ今日になってみると自転車でなんとか出かけられそうな天気になっており一安心。というのも、今日はPCR検査のために自転車で約25分かかる場所まで出かけなくてはいけないのだ。

最近、コロナ規制が若干ゆるくなりつつあるが、それでも公共の場所や教育機関では、48時間以内や72時間以内のPCR検査陰性証明の提示が要求される。しかし、規制がゆるくなり始めている関係で、困ったことに検査場の数が減少しつつある。過去一週間は大雨警報が続いたてために余計に検査場の閉鎖が加速してしまった。というわけで、明日からの出勤と月曜日の歯医者に備えて今日は絶対にPCR検査に行かなくては行けないのだ。

自転車を20分強こいで、えっちらおっちらと現時点で最寄りの検査会場まで来てみたら、検査会場が減少しているせいもあってけっこう混んでいた。日曜日の午後は、月曜日からの出勤に備えてPCR検査を受ける人が多くなる関係で、平日に比べると検査場がこむ。結局、15分ほど並んでなんとか検査を受けることができた。

夕方、久々に妻と海沿いの道を散歩した。散歩の途中、近所のPCR検査場が再開していることに気がついた。「これで明日から便利になるね」と妻と話していたのだけれど、よく考えてみるとPCR検査を受けなくて済む方が良いに決まっているのだ。長く続くコロナ規制の影響で、既に「便利」の感覚が麻痺しだしている。

唐家湾沿いの海辺の海浜公園には、普段であればテントやターフを張ってくつろいでいる人が多くいるのだけれど、大雨の後ということでコンディションが悪く、今日は人手が少なかった。寒気が急に流れ込んできたせいで、気温も低い。5月初旬ごろには、一度は夏のような気温になっていたが、再び季節が春先に戻った感じだ。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し

2022年5月15日日曜日

【日記】2022年5月14日(土) 、土曜日だけど全教職員会議に参加、大変立派な大セミナー室

今日は土曜日だけれど、参加義務付きの全学教職員会議が午前中に開催される関係で出勤した。この会議、会議と言っても発言が要求されるような類の会議ではなく、大学全体の活動やら、これからの人材採用計画やらについて学長が行う報告をただひたすら聞くだけの会合である。この全教職員会議、うちの大学では年に2回、春と秋に開催される。講義のある平日には全教職員を集めることは不可能なのでだいたいは土曜日が開催日となる。中山大学は4つのキャンパスに分かれているので、学長がいる広州キャンパス以外のキャンパスでは、大きな部屋に教職員が集まって、スクリーンに映し出される演説を聞く。まぁ、演説のパブリックビューイングといった感じだ。

全教職員会議の珠海キャンパス会場

楽章の演説は当然中国語で行われるので完全には理解できないのだけれど、スクリーンに映し出される資料を頼りに話を聞いていると、おおよそのことは理解できる。まぁ、話の内容を一言でまとめると「世界トップレベルの大学を目指して大学をもっと発展させる」という感じである。前回の全教職員会議では欧米の有名大学と中山大学を様々な角度から比較して、どこを見習うべきかという話が出ていたが、今回は日本の大学、特に東大と京大について細かな分析が行われていた。

今回の全教職員会議は、最近完成した大気科学学院ビルの大セミナー室で行われただけど、非常に立派なセミナー室だった。これくらいの大セミナー室があれば、かなり大規模な国際会議でも十分に開催できそうだ。もっとも今はコロナ禍で外国から中国に人が自由にこれるのは相当先の話になりそうではあるが。
大気科学学院ビル入り口の表札

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、会議で中国語演説をヒアリング(2時間)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年5月14日土曜日

【日記】2022年5月13日(金) 、ようやく始まりつつある科学的な議論、惑星状星雲から見つけた水素ガス

EHTグループによる「大発見」の記者会見が昨夜行われたせいで、朝Twitterを開けたらドーナツみたいな画像が沢山タイムラインに流れていた。とりあえず、昨日の日記にも書いた通り、私個人の意見としては、研究者の間で十分な検証が行われていない真偽不明の研究結果が世間一般から「大発見」としてもてはやされる状況はあまり良いとは思えない。これに関して一つ良いニュースは、水曜日の日記に書いた「EHTグループの結果に対して異論を唱える論文」がこの2日ほどの間に世界中の研究者の間に出回り、ようやく科学的な議論が行われる雰囲気が出てきたことだ。

さて、研究成果というと、うちの研究グループの学生さんが新しい論文を出版した。私も観測戦略立案や解析手法、データの解釈等でアドバイスさせてもらった関係で著者の一人として名前を入れてもらっている。中国の500メートル固定球面望遠鏡(FAST、中国語名「中国天眼」)を用いて、惑星状星雲から中性水素21cm線の吸収線を検出したという内容。


惑星状星雲は、中小質量の星(太陽程度の重さの星)が進化してできる天体だ。星は惑星状星雲へと進化する過程で、その質量の大部分を宇宙空間へと放出することが知られている。質量が宇宙空間に放出されるのだから、惑星状星雲の周りをよく観察すれば放出された物質が見つかるはずだ。しかし、これがどういう訳かなかなか惑星状星雲の周りに放出されたはずの物質が見つからず、天文学者の間では「ミッシングマス問題」と呼ばれている。ミッシングは「行方不明の」、マスは「質量」といった意味である。

今回のFASTの観測は、この行方不明の質量、ミッシングマスを探すことが目的である。惑星状星雲から吹き出された物質には多くの水素ガスが含まれるはずなので、水素ガスが放つ電波をFASTで検出しようというアイデアだ。できれば、どれくらいの量の水素ガスが宇宙空間に放出されたを計測したいという野心もある。

ただこの観測、技術的に困難な面も多く、なかなか大変な研究ではある。とりあえず手始めとして、今回は数個の惑星状星雲を観測し、そのうちの一つから水素ガスらしきものを見つけたというわけだ。派手ではないが、確実な研究の前進である。論文を出版した学生さんもやる気満々で、さらなる惑星状星雲から中性水素21cm線を見つける観測を計画している。今後の研究の発展が楽しみである。

論文から抜粋した図

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年5月13日金曜日

【日記】2022年5月12日(木) 、2日連続の大雨警報、自宅で解析環境構築、研究当事者が行う記者会見について

今日も大雨警報が継続して発令されており、職場は2日連続の休講となった。依然として雨脚が強く、同僚から送られてきた写真を見ると相変わらず職場構内は冠水しているようで、とても自転車で出勤できる状態ではない。そんな訳で、今日も家にこもって、昨日やり始めた解析環境構築の続きを行うことにした。

冠水状態が続く職場構内

私が普段使う解析ソフトは、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)上で動作が保証されているものが多いので、有料のRHELを購入して使うか、RHELに互換性のあるLinuxディストリビューションを使うかのどちらかになる。今まではFedoraというRHEL互換ディストリビューションを使っていたのだけれど、こいつはどうもトンガリ過ぎていて(つまり、新しい技術を取り入れすぎていて)、バージョンが上がるごとにトラブルが発生するので、代わりになるディストリビューションを探ってみた。

2-3年解析から離れている間に、いろいろと新しいRHEL互換ディストリビューションが発表されたようだ。自分が使う解析ツールが動けばなんでも良さそうなもんだが、中国で使うにはインストール用ISOファイルの配布用サーバーが中国国内にあることが望ましい。昨日、以前使っていたScientific Linuxのインストール用ISOファイルを中国外のサーバーからダウンロードしようとしたが、サイズが大きすぎてどうにも上手くいかなかった。

経験的に、中国では国外から大きなファイルをダウンロードしようとすると、上手くダウンロードできないことが多い。まぁ、よく調べれば大抵は抜け道があって、なんとかなることが多いのだが、それでもこの辺のネット事情は中国で研究する場合にストレスとなってくる点ではある。色々と試行錯誤した結果、最近メジャーになりつつあるAlma LinuxというRHEL互換ディストリビューションを使うことにした。Alma Linuxは中国国内にサーバーがあるようだ。とりあえず、Linux環境ををVMware playerにインストールして、必要な解析ツールを入れて動作を確認したら動いたので一安心。ロシアの悪研究環境で滞った仕事の遅れを徐々に挽回していきたいところだ。

夜、EHTグループが「大発見」の発表をするということで、冒頭15分ほど記者会見のストリーミング配信を眺めた。発表された結果が本当に大発見なのか、正直言って私にはなんとも言えない。率直に言って、少なくとも現時点で大発見と言い切れる代物ではなさそうだ。これから少なくとも数年、もしくはそれ以上の時を経て、さまざまな研究者の厳しい検証を経て研究の価値が決まっていくだろう。それが科学の営みというものである。

今回のEHTの研究はさておき、一般論として、私は研究を行った当事者が自らの発見を「大発見」と称して大規模な記者会見を開き、研究者間の十分な検証を経ぬまま世論に影響を与えることには反対である。場合によっては、反論する人に対する無用な圧力を与えることになり、科学の健全な発展が阻害されるおそれがあるように思う。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III

2022年5月12日木曜日

【日記】2022年5月11日(水) 、大雨で休講、家で解析環境の構築、ブラックホールの影は本物か?

朝から大雨警報が発令され「本日は休講」との通知が職場から来た。私は今学期後半は講義を受け持っていないので休講は関係ないのだが、自転車しか足がないので安全のため今日は家にいることにした。しかし、外に出られないとなると、一つ問題なのが、通勤に際して必要なPCR検査陰性証明の維持ができないことだ。

大学構内に入るためには相変わらず48時間以内のPCR検査陰性証明が必要で、これは大雨でも代わりがない。今週は金曜日と土曜日に会議があるので、木曜日にPCR検査を受けておかないと予定通りに会議に参加することができない。しかし、滅多なことでは休講にならないうちの大学の講義が休講になるほどの大雨の中、PCR検査を受けに行くためだけに、自転車で30分もかかる遠方の検査場まで出かけるのは無茶という話だ。

昨日今日は大雨警報のため最寄りのPCR検査場は閉鎖されており、大雨でも開場している遠くの検査場まで行かないと検査が受けられない。大雨の問題は、通常なら雨が止めば終わりなんだけれど、ゼロコロナ政策が続いている状況だと問題がより複雑になる。

大雨で冠水したキャンパスの様子

とりあえず、今日は大雨警報で職場に行けないので、少し気分を変えて、長年解析が進まず放置していたデータを解析するための解析環境を、自宅のパソコン上に構築する作業を行った。この解析、ロシアにいるときに始めた研究なのだけど、当時は研究費がつかないわ給料は安いわでろくなパソコンが買えず、パソコンの能力不足という大変くだらない問題で解析が滞っていたのだ。中国に来て、パソコンの問題は即座に解決したが、他の仕事が忙しすぎてなかなか解析を再開できずにいた。細切れ時間を使って少しづつ作業を進めたいところだが、そのためには、まず最初に解析環境を準備せねばならない。これが結構時間がかかるのだ。

そんなこんなで、久々に解析環境のインストールを試みたのだけれど、あまりにも久々にやる作業だったので細かなノウハウを忘れてしまっており、想像以上に時間がかかった。ある程度の年令になると、自分で解析をせずアイデアだけ提供して実際の解析作業は学生やポスドク等の若い人に任せてしまうベテランは少なくないと思う。しかし、例え少しづつでも自分で解析作業をやり続けないと研究の感が鈍ってしまう。私の場合、本当にもう最近は自分で行う研究は、まるで蟻の歩みのように進捗が遅くなってしまっているが、それでも止めるつもりはない。なぜかというと、自分でデータ解析を行って研究を進めるほうがやはり面白いからだ。

さて、今日は一つ面白い論文がSNSに流れてきた。しばらく前に、メディアで大きく取り上げられた「ブラックホールの影の写真」が、実はサンプルバイアスによる間違いであると結論づける論文が出版されたのだ。私はブラックホールに関しては素人だけれども、ブラックホールシャドーの撮影に用いられた「電波干渉計技術」は自分の研究で使用しているため、この研究にはそれなりに興味がある。ざっと見た感じ、今回の論文で行われている議論は、私にはかなり説得力があるように思える。ブラックホール写真を発表したグループがどのような反応を返すのかが楽しみだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年5月11日水曜日

【日記】2022年5月10日(火) 、歯列矯正装置装着1日目、明日から来る近年最大級の大雨

昨日、歯列矯正の装置を歯に装着したのだけど、想像していたほど口の中で邪魔にはならないようだ。歯列矯正を行うに際して一番心配だったのが「講義に支障を来さないか」という点だったのだけど、装着後1日目の体感としては、講義は問題なくできそうだ。

歯列矯正の方法は大きく分けて、ワイヤー矯正とマウスピース矯正がある。ワイヤー矯正は歯の表側に装置を装着する表側ワイヤー矯正と、裏側に装着する裏側ワイヤー矯正の2つにさらに細分される。歯科クリニックで受けた説明によると、マウスピース矯正は痛みが最も少なく、状況により自分で装置を取り外せるというメリットが有る。また、装置をつけた状態でも話しやすいとのことで、講義のことを考えて最初はこれを選択しようと思ったのだけど、ワイヤー矯正に比べると治療期間が長くなるという欠点もある。

裏側ワイヤー矯正は、矯正治療を行っていることが外見的に分かりにくいというメリットがあるが、この方法では装置が舌の動きを阻害するため、最も「話し難い」とのことで、仕事上話すことが多い私としては真っ先に選択肢から除外せざるを得なかった。マウスピース矯正と表側ワイヤー矯正のどちらにするか最後まで悩んでいたが、実際に今日、表側ワイヤー矯正の装置をつけてみて、予想よりも遥かに違和感が少ないので、これで正解だったと思う。

矯正装置自体の違和感は意外に少なくて良かったのだけど、ワイヤーを歯にかけて動かす時に発生する痛みは想像通りそれなりに痛い。ただ、じっとしているとほとんど痛まないので、痛くて寝られないといったことはない。食べ物を噛もうとしたり、何かの拍子に歯に力が加わると急に痛みを感じる。ただ、痛みの程度は、装置装着後半日くらいがピークで、その後は徐々に収まって違和感がなくなっていく。

さて、天気予報によると、明日から中国ベイエリアで近年最大級の大雨が降るらしい。大雨警報が発令されると休講になるが、そうでない場合は講義や会議は通常通り行われる。目下、大学キャンパスに入るためには48時間以内のPCR検査陰性証明を提示する必要があるのだけれど、陰性証明を維持するためにはPCR検査を受けないといけない。暴風雨が来ている中、陰性証明を維持できるかどうか定かではないが、まぁ、考えてもしょうがないので維持できなかったらできなかったで、そのときに考えることにする。

今日の午前中は、まだ天気がなんとか持ちこたえていたので、出勤前にPCR検査に行ってきた。暴風雨の予報が出ているせいだと思うが、検査会場では家族に付き添われた車椅子のお年寄りを多く見かけた。病院へ行く場合にも陰性証明が必要なので、介護が必要なお年寄りも定期的にPCR検査を受けないといけない。なかなか大変な状況だ。

歯科で説明に用いられた模型
左から表側ワイヤー矯正、裏側ワイヤー矯正、マウスピース矯正

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し

2022年5月10日火曜日

【日記】2022年5月9日(月) 、オフラインに戻りつつある学内行政系の会議、いよいよ歯列矯正開始

院生全員参加で行われる夏の研究発表会、当初の計画ではホテルの豪華なホールを借りて、学会のようにフォーマルな雰囲気でやる予定だったのが、急遽学内の大セミナー室で行うように計画が変更された。最近のコロナ規制の状況を見ていると、ホテルのホールを借りておおっぴらに大規模イベントをやるのは時期尚早かもしれない。結局は感染者が出た場合に「誰が責任を取るんの?」っていう話になってくるし。

家の書類入れを確認していて、いくつかのワクチンの2回目や3回目をまだ受けていないことをふいに思い出した。中国移籍の前に一時日本に滞在した時、B型肝炎やら狂犬病やら日本脳炎やらのワクチン接種を受けたのだが、間隔を長く開けて2回目やら3回目を打つ必要のあるいくつかのワクチン接種を最後まで終了できていないのだ。コロナのドサクサがあったので完全に忘れていた。さてどうするか。

学内行政系の某会議、どうやら今回はオフラインで行うようだ。コロナ規制が緩くなってくると、規制中はオンラインでやっていたアレやコレやの会議がオフライン開催に戻されるものが増えてくる。しかし、一度オンラインでやってみると「オフラインよりもオンラインの方がよいんじゃないの?」っていう会議も少なくない。例えばアレとかコレとか、未来永劫オンラインでやってくれれば良いのに。

Twitterを眺めていたら、ウクライナ関係のニュースで出ずっぱりだった某大学教授がクモ膜下出血で突然亡くなられたとのことで大きなニュースになっていた。脳血管系、心血管系の病気は突然来るだけに恐ろしい。しかし、普段から血圧や血糖値を計測する週間があれば、全部とは言わないまでも、かなり多くの場合、異変に気づくことができるのではないかとも思う。ある程度の年齢になったら、どんなに忙しくても、血圧と血糖値は定期的に測っておくべきだという思いを新たにした。

さて、今日からいよいよ歯医者で2年以上に及ぶ長い治療が始まる。長年気になっていた歯の咬み合わせを治すために「歯列矯正」を始めるのだ。歯列矯正に関する情報を可能な限り集め、歯科医とも綿密に相談し、まず治療するのかしないのか、するとしたらどういう方法でするのか、しばらくじっくりと考えたが、今、この年令とこの時期を外したら、二度と治療できるチャンスが訪れないかもしれないと考え、思い切って治療を開始することにした。

私が選択したのは「表側ワイヤー矯正」という最もスタンダードな方法で、余剰になっている歯を抜歯してそのスペースを利用して歯列を整えるというものだ。初日の今日は、まずワイヤーを装着するためのブレースと呼ばれる器具を装着した。次回はスペースを作るための抜歯を行う予定。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月9日月曜日

【日記】2022年5月8日(日) 、少しづつ進む防疫規制の緩和、なかなか使える「西瓜视频」

歯科クリニックから「明日予約日なのでお忘れなく」というメッセージが届いた。こういうリマインダーが毎回キッチリ来るところを見ると、予約をすっぽかしてしまう人がけっこういるのだろう。これから年がかりの治療が始まるのだけど、長年気になっていたところをようやく全て治療できるチャンスが巡ってきてホッとしている。任期付きの研究者としてあちこちの職場を点々としていると、腰を据えて歯を治療することがなかなかできない。これから基礎科学分野で研究者を目指す人は、金銭的なゆとりがあるのであれば、博士号をとる前に時間のかかる歯科治療は全て終わらせておいた方が良い。そうしないと、次にチャンスが訪れるのが私のようにパーマネント職をとってからということになってしまう場合もある。

少しづつ防疫規制が緩和されてきており、明日からキャンパス間を結ぶシャトルバスが再開するという通知が来た。ただし、到着後その日のうちに到着地でPCR検査を受ける義務がある関係で最終バスは早い。珠海の場合、公共の検査ポイントは午後7時に終了のところが多いので、最終バスはその時間に間に合うように設定されるようだ。

明日は歯医者の予約日ということでPCR検査に行ってきた。今のところ、医療機関を受信するために48時間以内の陰性証明を提示しなくてはいけないという規則に変わりはない。

今日、地域のWeChatグループに流れてきた動画のリンクを見て「西瓜视频」という動画サイトの存在を知った。このサイト中国版のYouTubeという感じのサイトだ。中国の動画サイトというと、日本語コンテンツの多さから私は「bilibili動画」を見ることが多いのだけれど、bilibili動画に上がっている日本語コンテンツは著作権的に問題があるものも少なくない。一方、「西瓜视频」の方は、違法アップロードされた日本のテレビ番組なんかもあるにはあるが、それよりも合法的に公開されている日本の映画コンテンツが多いことに感心する。徐々に中国の動画サイトもコンプライアンスを気にするようになってきているのかもしれない。
「西瓜视频」の日本映画のトップページ

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年5月8日日曜日

【日記】2022年5月7日(土) 、恒例の振替平日、同僚受賞で盛り上がるWeChatグループ、日本の文豪の名前と空目した曲タイトル

今日はカレンダー上では土曜日だが、中国の世の中は「平日」である。いわゆる「振替平日」というやつだ。中国では連休の前後の土日に振替平日が設定されることがある。土曜日もしくは日曜日を移動させることで連休を作り出すというシステムになっているからだ。日本人の感覚からすると、土日もそのまま休みで良いじゃないかと思うのだけれど、とにかく中国ではそういう決まりなので個人で文句を言ったところで仕方がない。とにもかくにも、今日は平日なので出勤せねばならない。

朝めしをかき込みながらWeChatを眺めていたら、学生さんが面白いタイトルの曲のリンクを投稿していた。WeChatのモーメンツに気に入った曲へのリンクを投稿する人は多くいて、こういうところから中国で今流行っている曲を知ることができる。で、その曲だが「夏日漱石 (Summer Cozy Rock)」というタイトルで、一瞬「夏目漱石」と空目してしまった。夏目漱石を意識してタイトルをつけたのかと思って検索して少し調べてみたが、関係があるのかないのかはっきりとは分からなかった。


オフィスについて、お茶を飲みながらメール等を確認していたら、突然大量のWeChatメッセージが着信しだした。WeChatに突然大量の着信がある時は、ほとんどの場合、原因は新しいスタッフの着任か、受賞や大型グラント採択等のお祝いごとのどちらかだ。今回は、同僚の一人が数学関係の学会から学術賞を授与されたということで「お祝いの嵐」が起こったのだった。うちの職場のスタッフは基本的に物理学者か天文学者なのだが、理論物理グループの中には数学よりの仕事をしている人もいる。自分が数学があまりできない(のに嫌いではない)ということもあって「数学っぽい研究」には実はちょっと憧れるところがある。いつか、もう少し理論っぽい仕事をしてみたいという気持ちをいつも薄っすらと持っているのだが、若い頃のトレーニン不足でなかなか具体的には行動できていない。

4月末に日本に送金した件は日記にも書いたが、一週間以上経過しても日本の銀行口座にお金が振り込まれずに少し心配になっていた。今日、日本の口座残高を確認したところ無事送金完了していた。あらためて、よく考えてみると日本と中国の両方が大型連休だったので、双方が営業日の日を数えると、送金にかかった日数は1-2日程度だったようだ。

仕事の方はというと、やはり本来今日は土曜日ということもあって、今ひとつ生産性があがらず、前半は今書いている論文に関係した文献を探して眺めたり、教科書を眺めたり、メールの処理をしたりしてウダウダとした時間を過ごしてしまった。「土日は休む」という、長年体に染み付いた生活のリズムはなかなか変えることができない。最後の1時間ほどだけ、ようやく集中して論文の執筆を進めることができた。まぁ、しかし、上手く集中できると1時間でもそれなりに仕事は進む。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月7日土曜日

【日記】2022年5月6日(金) 、外国人は置いてけ堀の出入管理、学部生の初めてのセミナートーク

職場キャンパスのゲートに、自動改札のような出入管理用の機械が設置されたことは先日の日記に書いた。この機械によって、多くの人(中国人)にとってはキャンパスの出入りが楽になったと思われる。しかし、いつものことではあるが、新しいシステムが導入されると、だいたいにおいて外国人は「おいてけ堀」を食らうことになる。この出入管理マシンも然りである。

出入管理の機械を通る手順は、まず「公共场所通行打卡」という名前のアプリを使って入口前に掲示されているQRコードをスマホでスキャンし、スマホに表示されたQRコードを出入管理マシンのカメラにかざす。そうするとマシンのカメラが作動するので自分の顔を撮影する。その後、職員IDでセンサーをタッチすると門が開くという仕組みだ。

しかし、「公共场所通行打卡」アプリは相変わらず外国のパスポート番号を使ったユーザー登録ができないので、外国人は上述の出入管理システムを利用することができない。したがって、私は毎回、門衛に状況を拙い中国語で説明する羽目に陥っている。

他の西欧から来た外国人同僚に話を聞くと、彼らはどうやら私のようにいちいち「説明」はしておらず「顔パス」で通してもらっているようだ。確かに、西欧から来た同僚たちは外見ですぐ「外国人」と分かるので、門衛も対処しやすいのだろう。黄色人種だと、外国人であっても見た目で中国人とは明確に区別できないため、毎回門衛との会話が必要となる。まぁ、中国語の練習だと割り切ってしまえばよいのだろうけれど。

金曜日は恒例の研究グループのミーティングということで、今日はお昼から終業時間までずっと研究に関する議論を行った。来週から学部生のディフェンス試験(卒論の内容に関する口頭試問)が始まるので、今日はグループの学部4年生に、練習がてらセミナートークをやってもらった。初めて行う1時間のセミナートーク、しかも英語で行うということで終わった後にはかなり疲れていた様子だったけれど、きっと得るところは多かったと思う。自分が学部生だった頃のことを考えると、英語で卒研についての1時間トークをできるというのは大したものである。

連休中、仕事から離れていたせいもあると思うが、昨日今日と良い感じで仕事に集中できている。私は、予定が立て込んでいて忙しいときほど「休んではいけない」という気持ちが強くなり、実質的に土日も祝日もなく仕事し続けてしまったりするが、そういう期間が長くなりすぎると、仕事の効率が悪くなり、それがさらなる焦りを生んだりすることも少なくない。たまにまとめて休むと、連勤で作業効率が落ちていたことに改めて気づいたりする。しかし、実際に連勤しているときには、休むと作業効率が落ちるような気がしているのだから人間の精神というのはやっかいなものである。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月6日金曜日

【日記】2022年5月5日(木) 、連休明け恒例の全数PCR検査、マンション内に設置された隔離区画

5日間の連休が明けて、今日から仕事。最近ではもはや恒例行事となりつつあるが、連休が明けた最初の日には学内全員に対してPCR検査が行われる。全員に対するPCR検査が行われる際、以前は学内の検査場で検査を受けていたが、最近は街の中のいたるところに公共の無料検査場が設置されているため、学内全数検査だからといって、必ずしも学内の検査上で検査を受ける必要はない。公共の検査場は早朝から深夜まで、もしくは場所によっては24時間開いているので、学内で検査場よりも便利な場合が多い。うちの近所の検査場は朝8時から開いているので、私も最近ではもっぱら公共の無料検査を利用している。

私は連休中もずっと珠海市内にいたので、特に行動に対する制限はかからないが、連休中に市外に出て戻ってきた人は3日間の自宅観察を経てからでないと出勤できない。また、自宅観察の最初の日と最後の日にPCR検査を受けて陰性を確認する必要がある。連休が明けると、この自宅観察に該当する人がいるかどうかの内部調査が行われる。以前は、このような調査の際、証明アプリのスクリーンショットの提出が義務付けられていたが、最近は自己申告制に落ち着いている。表面上は相変わらずゼロコロナ政策が続いているが、細部を見ると緩んでいるというかダレているというか、そういう面もないことはない。

仕事の方は相変わらず「やらねばならぬ仕事」が山積みなのだが、連休明けのせいかどうもエンジンがかかるのが遅く、本来一番急がねばならぬ仕事に着手できぬまま、慌てて読まなくても良いはずの論文を眺めてみたり、いま試さなくても良いはずのコードを走らせてみたり、そんなこんなで就業時間の2時間前になって、ようやく本丸の論文執筆にとりかかった。やりはじめると不思議なものでグっと集中力が出てくる。これを作業興奮と呼ぶのだろう。とりあえず、一気呵成にサブセクションを一つ書き上げた。

自宅に戻ってWeChatを眺めていると、マンションのグループチャットに「マンション内に隔離区画が設定された」という通知が回ってきて一瞬ヒヤッとした。辞書を引きながら通知を通読したところ、どうやらホテルで集中隔離を受けた人が、その後の7日間の自宅隔離に入ったということのようで、建物内の他の家には影響はないようだ。現行の防疫ルールでは、高リスク地域や外国に行って戻ってくると、最初の2週間はホテルで集中隔離され、その後7日間は自宅で隔離されることになっている。上記の通知は、このルールに基づいた隔離で、隔離されている本人はPCR検査でずっと陰性とのことらしい。とりあえず大ごとにならなくて良かった。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII

2022年5月5日木曜日

【日記】2022年5月4日(水) 、5連休最終日、再びPCR検査、急ピッチで開発が進む唐家湾

今日は連休最終日。中国に来る前はロシアに住んでいたのだけど、どうも中国に来てから休暇中の時間の流れが早いように感じる。ロシアにいた時は、休暇と仕事の区別が曖昧で、職場に行っても身の回りに「サボり気味の人」が多く、全体的にゆっくりと時間が流れていた。一方、中国では仕事中のスケジュール密度が高く、なおかつ休み中も学生からの問い合わせのメッセージがしばしば舞い込んできたりするので、ノンビリとした感覚があまり味わえない。むしろ休暇中は「ここで休んでおかないと、次の休みまで休めない」みたいな切羽詰まった感覚があり、ノンビリと休むというよりも「必死に休む」みたいな気持ちになる。

そんなこんなで明日から再び忙しい日々が始まるわけだけれど、コロナの防疫レベルの方は相変わらずのようで、明日と明後日は職場に入るに際して24時間以内のPCR検査陰性証明、その後も基本的に48時間以内の陰性証明の提示が求められる。そんな訳で、今日は朝起きて朝食を食べたらすぐに近所の公共PCR検査場で検査を受けてきた。今日は晴天だったので、防護服の検査官は大変だっただろう。

防護服に身を包んだPCR検査場の検査官

5月に入って徐々に日差しが強くなり、小区内の緑が濃くなってきた。私が住んでいるマンション小区は、日本人の建築家が建築物と共有部分のデザインを担当したそうだ。そのせいなのかどうなのかは不明だが、この小区には日本の高度成長期にあちこちに作られた「ニュータウン」の雰囲気が若干漂っているように思う。ただ、日本のニュータウンに比べると緑が多く、建築物のデザインも少し洒落ているような気がする。

緑が濃くなってきたマンション小区

PCR検査を受けた後、そのまま海辺をしばらく散歩した。唐家湾沿いは全長15kmほどに渡って遊歩道が整備されており、海を見ながら散歩やサイクリングを楽しむことができる。海に面した区画には多くのマンションが立ち並んでいる。そのほとんどは最近5年以内に建てられたものだ。このあたりは国の肝入で開発が進められており、マンション以外にも学校やショッピングモール等の公共施設の建築も急ピッチで進んでいる。今はまだ建築中の場所が多いが、数年後にはかなり便利な場所になりそうだ。

唐家湾沿いの遊歩道
(この方向に海を越えて真っ直ぐ行くと香港)

唐家湾沿いに面したマンション小区の一例
(ここはプライベートビーチがついた「豪宅」)

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年5月4日水曜日

【日記】2022年5月3日(火) 、休日読書「中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで」

5連休の4日目。とくに何をやるという訳でもなく、午前中に語学勉強のルーティンだけこなして後はのんびりと読書するなどして過ごした。TwitterのTLを眺めていたら、たまたま「中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで (星海社 e-SHINSHO)   西村晋著」という本へのリンクが流れてきたので、Kindle版の電子書籍をポチッて一読してみた。

上述の本の表紙画像

この本の著者は中国の大学で勤務した経験を持つ経営学者で、中国の企業改革が専門とのこと。現在は日本の大学に勤務されているようで、中国について客観的に語る語り手としてはうってつけの人物だと思われる。実際、この本は中国共産党を賛美するわけでもなく、またこき下ろすわけでもなく、客観的に淡々と事実関係を解説している。

中国の大学で働く時、組織の「動作原理」が西側の大学とは大きく異なるために、予備知識がないと西側社会から来た研究者は戸惑うことが多いように思う。この本を予め読んでおくと、中国の職場環境への適応が比較的スムーズに進むのではないかと思う。中国で働いたり生活したりする上で必ず知っておくべき言葉や概念、例えば「党委書紀、社区、居民委員会」等々について、中国共産党という組織の中でどのような意味合いがあるのか、また、それらに対して外国人がどのようなスタンスをとれば良いのか、といったことを詳細に分かりやすく説明してくれている。

私も中国関連の日本語の本はいろいろと読んできた。しかし、この本の著者が「結」の部分で述べているように、この本で扱われているような内容、つまり、中国で生活している人間や中国人にとっては「ごくごく当たり前」の中国共産党の組織論に関する基礎知識について、客観的に詳しく説明した日本語の本はほとんど存在しないと思う。また、日本語の出版物には、反中国的な論調のものが多く、中には反中国が過ぎて、情報が不正確であったり虚偽であったりするものも少なくない。その点この本は、中国を専門とする日本在住の日本人研究者によって、中国での就労や生活の経験をベースとして書かれたものなので、情報源としての価値が高い。

実際、現在中国の大学で働いている私の目から見て、自分の経験と照らし合わせても、書かれた内容は信用できるものだと思う。これから、中国への移籍を考えている日本人研究者や、既に中国への移籍が決まっている日本人研究者の方には特におすすめである。研究者以外にも、ビジネス方面で中国への進出を検討されている人にとっても役立つ内容だろう。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年5月3日火曜日

【日記】2022年5月2日(月) 、中国がロシアとの研究協力を一時停止?、NHKスペシャル「数学者は宇宙をつなげるか?」

今日は5連休の中日。何か少しでも仕事を進めておいた方が良いような気もしつつ、その一方で、こういう連休の時にのんびりしておかないと、中国ではなかなかゆっくり休む機会がとれないという気持ちもあり、気がついたら結局無為な一日を過ごしてしまった。まぁ、しかし、こういう無為は「有意義な無為」だろうと自分で自分を言い聞かせたりしている。

Twitterをダラダラと眺めていたら「China pauses cooperation with Russian Academy of Sciences」という見出しのタス通信の記事を見かけた。中国がロシア科学アカデミーとの協力関係を一時停止したという内容だ。西側のメディアではなく、ロシアの通信社であるタス通信から出た記事なので目を引いた。今のところ職場からこの件に関するアナウンスは何も出ていないが、そもそもうちの職場でロシアと共同研究している人がそれほど多いとも思えない(多分いない)ので、必要がない状況であえて政治的なアナウンスをしていないだけなのかもしれない。


少し前に放送されたNHKスペシャル「数学者は宇宙をつなげるか?」という番組について、最近SNS上で賛否両論が飛び交っているようだ。連休で時間があったので、ネット上で番組を拝見させていただいた。この番組は、数学の難問「abc予想」に関した内容で、京大数理解析研の望月新一教授が発表した証明の解説と、それに関連した数学者どうしの論争等のサイドストーリーを扱った番組だ。望月教授は「宇宙際タイヒミューラー理論」という理論を使ってabc予想を証明できたと主張されている。しかし、この理論は非常に難解で、まだ数学者の間で証明できたというコンセンサスには至っていないそうだ。

この番組が制作されるに際して、本人の望月教授は取材を拒否されたようなのだけれど、番組に対する感想をご自身のブログに書かれたようで、今日ブログ記事へのリンクがTwitterに流れていた。記事よると、前半の数学的な解説は合格点、後半のサイドストーリーには事実誤認があるということで不合格とのことらしい。私は番組を見ながら、数学的な解説にはきっと間違が多く含まれており、学者間の論争の背景については裏をとって比較的正確に伝えているのだろうと想像していたので、ブログ記事の内容は少し意外だった。この番組制作者は、数理的な能力がそこそこ高い人達だったのかもしれない。ただ、結局のところ数学者のどうしの論争のどちらが正しいと番組内で言い切ることは不可能だったろうから、後半のサイドストーリーの組み立ては難しかっただろうとは思う。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)

2022年5月2日月曜日

【日記】2022年5月1日(日) 、海洋総合科学調査実習船「中山大学号」、ようやく収束フェーズに入りつつあるオミクロン株流行

五連休ということで、しばらくぶりに自宅でのんびりとすごしている。中国語の勉強や運動等の毎日のルーティンを済ませた後、今日は面白そうな論文を物色していた。これまでは、論文を探す時には、タイトルや著者名でキーワード検索していたのだけれど、最近「Elicit」という名前の便利な論文探索ツールを知った。このツールには人工知能の技術が使われていて、自分が知りたい疑問を英語で問いかけると、それに対する答えを与えているであろう論文や、直接答えを与えていないにしても内容的に関連していそうな論文を自動で見つけてリストアップしてくれるのだ。Elicitを使うと、これまで見逃していた興味深い論文が多数リストされて非常に面白い。もはや現代では日々出版される論文の数が膨大で、全ての論文に目を通すことは実際的に不可能である。こういう時代には、Elicitのようなツールは必要不可欠だろうと思う。

参考リンク:Elicit

WeChatを眺めていたら、大学のいわゆる「党員」の人たちの研修会の写真がグループチャットに流れていた。党員の人たちは、中国共産党の歴史上重要な史跡を訪ねたり、党的な観点から重要とみなされる人を招いての勉強会を開いたりといった活動に参加する義務があるようで、週末や休日はなかなか忙しそうだ。いつも研修が行われると、参加者の記念写真がグループチャットに流れてくる。まぁ、外国人にはあまり関係のないイベントなので、いつもは気にも止めないのだけれど、今回の研修会はなかなか面白そうだった。

中山大学は海洋関係の研究が盛んで、「中山大学号」という名前の海洋総合科学調査実習船を保有している。研修会はこの中山大学号の見学だったようだ。中山大学号は、現時点で中国で最高の科学調査性能を持つ船らしく、また排水量も中国の科学実習船として最大だそうだ。中山大学が所有している船なので珠海市に母港がある。昨年の暮に初めての調査航海に出て、最近珠海に帰ってきたらしい。この船、なかなか面白そうなので、機会があれば、私も一度見学してみたい。

中山大学号(以下のリンク先の記事から転載)

参照リンク:中国最大の総合科学調査実習船、「中山大学」号が初の任務へ

一方オミクロン株流行の状況はというと、上海の方は相変わらずロックダウンが続いているようだが、中国内の報道を見ていると隔離地域以外における新規感染者がゼロになったとのことで、ようやく収束するフェーズに入ったようだ。大型連休初日にこのような報道が出ることには若干恣意的な感じがしないでもないが、まぁ、細かなことはともかく、規制なく行動できる方向に事態が動きつつあることは歓迎である。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し

2022年5月1日日曜日

【日記】2022年4月30日(土) 、ようやく外国語に対応し始めた防疫アプリ

防疫規制下の中国に住んでいると、幾つかの「防疫関連アプリ」を頻繁に用いることになる。私の住んでいる環境だと、一番良く使うのは「健康吗」(健康コード)で、その次に頻繁に使うのが携帯電話の履歴に基づいて過去2週間の行動範囲を示す「行程卡」である。それから最近、しばしば提示を要求されるものに「公共场所通行打卡」というアプリがある。ショッピングモールやら大学やら公共の場所に入場する前に、このアプリを使って場所ごとのQRコードをスキャンすることが求められる。それからもう一つ、珠海市では市外に出て戻ってきたことを自己申告するための「珠海健康申报」というアプリも必要に応じて使う必要がある。

コロナ災禍中の現在の中国では、これらのアプリを適切に使いこなせないとスムーズに日常生活をおくることができない。そうなってくると、中国には多くの外国人が住んでいるので、これらのアプリもきっと外国語に対応しているだろうと思わえるかもしれないが、実はほとんど全くといっていいほど外国語には対応していない。外国語に対応していないどころか、外国人が使用登録ができないものもある。

では外国人はどうしているかというと、「健康吗」と「公共场所通行打卡」に関しては、広東省では外国人向けの代替アプリの「GHC」(Global Health Code)というものが用意されているのでこれを利用する。しかし、GHCが中国語版アプリの代替になることを知らない係員も多く、その都度状況を説明しなくてはいけない。ほとんどの場合、係員は外国語を理解しないので、中国語を勉強していない外国人にとってはあまり便利とはいえない。

「行程卡」に関しては、外国人に対しての使用制限はなく、携帯電話の番号だけあれば登録できる。しかし、アプリ自体は中国語版しか存在しない。日本人は漢字の知識を使ってある程度中国語のアプリを操作できるので、それほど大きな問題はないと思われるが、漢字を使わない国から来た外国人にとっては難易度が高いだろう。

最後の「珠海健康申报」は、コロナ災禍が勃発して2年半が経過した今、ようやく外国語版が登場し始めた。1-2ヶ月ほど前にまず英語版が立ち上がり、昨日の地元のニュースによると、最近日本語版も出来たようだ。まぁ、コロナ災禍は緊急事態だったので、自国民のためのシステム整備が優先されるのは分かるし、私の場合は中国人同僚たちのサポートと、私自身の中国語学習の努力で、今までのところ大きな問題は経験していないが、もう少し機敏な外国人対応をしてくれても良いのではないかと思わなくもない。

日本語に対応した「珠海健康申报」

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオの聞き流し

ピアノ練習

SimplyPiano、中級III