2014年12月21日日曜日

【第18回】 怒涛の生活立ち上げ、その後

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>


8月17日にエカテリンブルクに到着してから4ヶ月ほど経過しました。ロシア到着後は怒涛の忙しさでブログを更新する時間もとれませんでしたが、ようやく日々の生活も少し落ち着いてきました。前回以降の生活の状況をダイジョストでまとめてみることにします。

まず大学寮での生活ですが、当初の話では月々の家賃が水光熱費込みで7,600ルーブルという話だったのですが、この費用を大学が負担できるか検討してくれた結果、めでたく家賃と水光熱費は大学が負担するということで話がまとまりました。さらに、インターネット環境も無料で整えてくれることになり、住環境も少しまともになりました。ただ問題もまだいろいろと残っています。

9月に新学期が始まって以降、共同キッチンの冷蔵庫に保存していた食料や私物の食器類が紛失するなどのトラブルがありました。おそらく学生が私たち夫婦が冷蔵庫に保存していた食料を勝手に持って行ったり、食器を失敬していったのでしょう。これ以上共同キッチンを使い続けるのはさらなるトラブルを生む可能性があるので、冷蔵庫、電子レンジ、電気コンロを買い込んで部屋にミニキッチンを作りました。部屋には洗面台が2つあるのでそのうち一つをキッチン用に使っています。

ミニキッチンを作るための電化製品の買い出しは少し大変でした。小さなものは手でぶら下げて持って帰れますが、冷蔵庫など大きなものは自分で持って返ってくることもできませんので配達してもらうしかありません。しかし、基本的にエカテリンブルクの家電店で英語が通じるような店はありません。結局、職場の同僚に相談し、あちこち探してもらって英語の話せる店員のいる家電店を見つけてもらいそこで大学寮への配達を依頼しました。ただ、なんとなくボッタクられている感もあり、より信用できる家電店を見つけることは今後の課題です。(ロシア語を話せるようになれば問題はないのですが。)

大学寮にネット回線をひいてもらうまでは、MTCという地元の通信会社の4G Wifiルーターを購入し、4Gネットワークを介してネット接続するようにしていました。1ヶ月の通信料が通信料上限30GBで1000ルーブルです。地元の物価からすると必ずしも安い費用ではありませんが自室でネットが使えないのは英語の通じないロシアにおいては不便を通り越して致命的ですらあるのでこの出費はしょうがありませんでした。現在は大学が部屋までLANを引いてくれたので快適なネット環境が確保されています。

居住環境においてはほとんどの問題は解決されたのですが、ひとつ残っているのがシャワーの水量不足です。入居しているのが10階のためもともと水量が少なかったのですが、新学期が始まって学生が寮で生活を始めて以降水量不足がより深刻な状況になってきました。時間端によっては一滴も水がでないことがあります。技術的にはポンプを設置すれば改善できるようですが、いろいろと手続き的に大変のようで当面は水の出る時間帯にシャワーを使うしかない状況です。

UrFU天文測地学科メンバーの誕生会にて

職場の環境の方は、赴任して最初の一ヶ月は机の空きがなかったために、ゲスト用のオフィスや、実験機器の物置部屋の隅っこなどを転々としましたが、最終的に自然科学研究所長のオフィスを使うということで落ち着いています。自然科学研究所の所長は、大学の中枢機構の入っている建物にもオフィスを持っているため、主にそちらに滞在していることが多く、研究所の方のオフィスは新メンバーの私に使わせてくることになったようです。

職の手続きの方は未だに続行中です。私は大学天文台の特別研究員(Distinguished Researcher)と、自然科学研究所の教授という2つのポストを与えられることになっているのですが、今のところ特別研究員の給料しかもらっていません。ロシアの連邦大学のテニュア付き教授職の手続きはとてつもなく大変らしく、昨年の1月から開始してまだ完了していません。最終段階まで手続きが来ていて1月末までには辞令が出されるとのことです。ロシアでは手続きが遅れることはよくあるようですが、ロシア語の全くできない私には詳細が全くわからないので気長に待つしかありません。ロシアで焦りだすとキリがありません。

そんなこんなで、とりあえず少し時間もとれるようになってきたので、また折を見てブログを更新していこうと思います。

UrFUメインビルティンのエントランス