2022年4月1日金曜日

【日記】2022年3月31日(木) 、附属病院の耳鼻咽喉科、充実の福利厚生、厳しい病院内の防疫管理

3日ほど前から、なんとなく聴覚に違和感を覚え始め、昨夜は明確に右耳で低音が聞き取れないことを自覚したので、今日は大学付属病院で診察してもらってきた。中山大学には附属病院が8つほどあるらしいが、珠海にあるのは付属第五病院だ。第五病院には国際医療センターという部署が存在し、外国人が診てもらうときにはこの部署を通して予約を入れるとなにかと便利だ。

国際医療センターを利用すると、症状から必要な医師を判断して予約を入れる、病院内の外来や検査室を回る時に英語の通訳がついてくれる等のサービスを受けることが出来る。国際医療センターの利用料金は1回100元だ。

これまで私は、5カ国・地域で20年間生活する中で医療機関には何度もお世話になってきたけれど、率直にいって、(外国人からみた)医療サービスの利用しやすさという観点では中山大学付属第五病院がダントツのベスト・オブ・ベストだと思う。ほとんど日本の病院と同じような感覚というか、もしかすると不遜な態度を取ってくる医師がいない分、日本以上に医療を利用しやすいとさえ感じることもある。

中山大学の教職員は大学附属病院の医療を2割負担で利用することができる。中山大学の医学部は中国でも屈指の名門で、中山大学が教職員に提供している福利厚生の中でも、この附属病院の医療サービス提供は目玉中の目玉のようだ。しかも、規定を読んでいると、どうやら定年退職後も継続して大学附属病院を2割負担で利用できるらしい。つまり、中国人スタッフが珠海で余生も過ごすようなケースでは、中山大学に一度就職すれば生涯を通じて医療費を8割補助してもらえることになる。

今回は耳のトラブルということで、国際医療センターを通して耳鼻咽喉科に予約を入れてもらった。待合室のモニターを眺めていたら、プライバシー保護のため名前の最初と最後の1文字だけ表示されていた。病院の患者管理システムには、漢字で名前を登録しておいた方が何かとスムーズという話だったので、私も漢字で患者登録をしている。したがって、順番待ちの画面には「中*一」と表示されるのだけれど、「中*一」に当てはまる中国人の名前って存在するのだろうか、などと考えながら順番を待っていた。順番待ちは5分程度。これも100元を支払って国際医療センターを利用している場合は、通常の待ち時間よりも短くなるようだ。

耳鼻咽喉科の待合室のモニター

診察の流れは基本的には日本の病院と同じで、まず最初に医師に診察してもらう。そこで、どのような検査を行うか指示があり、検査室に行って検査をする。その後、検査結果をもって診察室に戻ると、投薬やら治療やらのアドバイスを医師がくれるので、院内の薬局やその他処置室等に行って治療を受ける。私は国際医療センターを通して申し込んでいるので、この間ずっと英語を話せる看護師が付き添ってくれた。

日本の病院と異なるのは支払い方法だろう。各項目ごとに前払いでこまめに料金を払う。例えば、診察の前に17元、検査の前に170元、耳掃除の前に300元とかそんな感じだ。支払いは病院の中のあちこちに設置されている自動支払機もしくは料金支払い窓口で行う。今回の料金は、国際医療センター利用、聴力と耳の内圧の検査、耳のリンパ液の循環を促進する薬、耳の掃除、コロナのPCR検査で合計831.36元だった。私は2割負担なので、実際に負担する金額は約166元ということになる。

聴覚検査室の看板

目下、コロナの厳戒態勢がしかれている関係で、今日は検査室や診察室に入る度にあちこちでPCR検査の陰性証明の提示を求められた。私は職場から常に24時間以内の陰性証明を維持するように言われているので問題なかったけれど、PCR検査を怠っていると病院を受診する時に問題が出そうだ。中国内の他所の街では、陰性証明がないために病院の受診を断られ命を落とした人もいたと聞く。ルール上は急患には陰性証明を求めないことになっているらしいが、行政と現場の連携が上手くいかず、トラブルになることもあるのだろう。
72時間以内陰性証明を求める掲示

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)