2014年6月29日日曜日

【第6回】 エカテリンブルクの家賃相場と住居探し

<<<筆者注:この記事はウクライナ侵攻前に執筆したもので、現在のロシアの状況を反映したものではないことにご注意ください>>>


順調に行けばあ、あと1週間ほどで就労ビザがおりそうな状態になってきたのでボチボチと引越とエカテリンブルクでの新生活の立ち上げについて検討を始めています。

まず重要な問題の1つがエカテリンブルクでの住居探しです。私がこれまで住んだことのあるアメリカ、台湾、香港では、英語もしくは日本語が通じる不動産屋があったので、特に職場の力を借りずとも自分で住居を探すことができました。しかし、日本語どころか英語もほとんど通じないエカテリンブルクでは自力で住居を探すのは難しそうです。ウラル連邦大学の担当者もその辺の事情はよくわかってくれていて私達の住居について検討してくれているようです。

とりあえずネットでエカテリンブルクにおける賃貸アパートの相場を調べてみたところ、予想外に家賃が高そうで驚きました。私と女房の希望は2-3ベッドルームの物件なのですが、例えばNUMBEOというサイトの情報によると、3ベッドルームの物件で一ヶ月の家賃の平均が約44,000ルーブルとなっています。2014年6月現在で1ルーブルが約3円なので、家賃は日本円に換算すると12-13万円ということになります。

エカテリンブルクでは比較的給料の良いIT系の企業で平均月収が100,000ルーブル程度ですから、家賃12-13万円は安い金額ではありません。実際には家賃に加えて水光熱費等のランニングコストが乗るわけですから月々の住宅費用は結構な額になってしまいます。

大学担当者にもエカテリンブルクの家賃相場について確認しましたがだいたいネットの情報と同様の答えでした。私の場合、給料は現地のIT系の企業等よりは若干良いものの、現地の不動産業者や大家とのコミュニケーションに問題があることを考えると一般のアパートに入居するのには若干の不安があります。大学担当者の話でも、ロシア語を話せない状態で一般のアパートに入るのは相当大変だろうということでした。

そこで別の可能性として大学から提案されたのが「大学寮」に住むという話です。大学寮なら何かトラブルがあっても大学の担当者と英語でやりとりできるので安心ですし、入居費用も格安です(一ヶ月の入居費用が7,800ルーブルという説明でした)。ただし、大学寮というのは基本的に学生用の居住施設なので、トイレ、シャワールーム、キッチン等が共同ですし、設備的にはあまり住みやすい住居とはいえないようです。

大学寮以外の可能性としては、大学の国際化のために配分された予算で外国人スタッフ向けのアパートを現在建築中らしいので、そちらに入るという手もありそうなのですが、今のところいつ工事が終わるのか不明のようです。

このような状況なので、当面は大学寮に入るしかなさそうです。とはい言うものの、いろいろと不安があるのも確かなので、なんとかならないか交渉してみたところ、通常6人の学生でシェアする1ブロック全てを私達夫婦専用の居住エリアとして使ってはどうかという提案がありました。

大学寮の1ブロックの中にはトイレとシャワー室が含まれているので、少なくともトイレとシャワーに関しては専用のものが確保でそうです。ただし、キッチンは他のブロックと共同です。ロシアの大学寮に住んでいた人の経験談を人伝えで聞いたところ、共同キッチンの冷蔵庫で食料が紛失したり、学生が夜な夜な酔っ払って大騒ぎするなど、共同キッチンは何かとトラブルが多そうです。

キッチンに関して大学側に相談したところでは、「現在入居者のいないフロアーの1ブロックを貸すので次の入居者が来るまでは当面の間キッチンはあなた達専用だ」という説明が返ってきましたが、やはり長期的には問題は解決されていません。

現地に行かない間にあまり細かな交渉もできないので、とりあえず大学が提示する条件で大学寮に入居し、建築中の外国人向けアパートが完成次第転居を検討するというのが現実的な方法ではないかと考えています。大学の説明では外国人アパートの設備は悪くないという説明でしたがこれもロシア人の価値観と自分たちの価値観にはかなり乖離があるように思うので、現地で自分で確認する必要があると思っています。大学から学生寮の写真が何点か送られてきたので以下に貼り付けておきます。

大学寮外観
大学寮のエントランス
入り口にはガードマンがいる。
廊下
寝室
広いタイプの寝室
トイレ兼シャワー室
バスタブ付きの浴室
学生が勝手に洗濯機を置いたらしい。
共同キッチン
談話室