2017年12月24日日曜日

【第45回】無機質な建物と観葉植物

私の職場には至るところに鉢植えの観葉植物が並んでいます。中には枝葉が大きく伸びて、まるでジャングルのように生い茂っている場所もあります。この観葉植物は大学が管理しているものではなく、個々の人の好みでおいているようです。

私の職場の建物はソビエト時代、フルシチョフという政治家が最高指導者だったときに建てられました。フルシチョフは質素な建物を好んだようで、その時代に建てられた建物はどれも飾り気がなく殺風景な外観を呈しています。

フルシチョフ時代に建てられた建物をロシアでは「フルシチョフカ」と呼びますが、しばらくロシアに住んでいるとどれがフルシチョフカなのかすぐに見分けられるようになります。

さて、フルシチョフカは基本的に外観も内部も殺風景な造りの建物なのですが、建物を使う人たちはいろいろな創意工夫を施して、案外快適な空間を内部に作り上げています。冒頭に紹介した観葉植物もその工夫の一つです。無機質なフルシチョフカも、室内に植物を置くことによって、少しホッとした雰囲気に変わります。

私が現在住んでいる大学寮は数年前に古いフルシチョフカを取り壊して新築された新しいビルなのですが、とはいっても、どうもデザインにフルシチョフカの伝統が残っているようで、建物は新しいものの、なんとなく殺風景な雰囲気が未だに漂っています。

何か上手い工夫はないものかと考えていたそんな折、サラダで食べたアボカドの種を好奇心で水栽培してみたところ、数個の種のうち一つが見事に育ちました。以降、うちではこのアボカドを観葉植物代わりに部屋の中で育てています。

アボカドの原産地は比較的温暖な地域のようで、流石にエカテリンブルクでは上手く育たないだろうと当初は思っていたのですが、実際に栽培してみると、どうやらセントラルヒーティングが効いた室内がアボカドの生育条件にピッタリ合っているようで順調にスクスクと育っています。

室内で順調に育つアボカド

前の記事へ