2018年8月8日水曜日

【第53回】ワールドカップの影響

今年、ロシアではサッカーW杯ロシア大会が開催されました。エカテリンブルクも会場の一つで、日本代表が試合を行ったため、多くの日本人がエカテリンブルクを訪問したようです。ウラル連邦大学の日本語専攻の学生も、日本語の通訳ボランティアとして大会に参加し、多くの日本人との交流が生まれたようです。

さて、それなりに盛り上がったサッカーW杯ロシア大会ですが、地元で働く外国人労働者には大きな影響がありました。まず、近隣の国からエカテリンブルクに来ている低賃金労働者については、大会期間中(5月25日から7月25日の間の2ヶ月間)、ロシアの外に出るように非公式の勧告が出されたという報道がありました。

私はHQS(Highly Qualified Specialist、高度技能専門家)という区分の労働者なので、近郊から来ている労働者とは若干扱いは違いましたが、それでも大きな影響がありました。私の場合、大会期間中に一度ロシア外に出ると、その後7月25日まで特別の許可がない限りロシアに再入国できないという通達が職場を通じてありました。

ちょうど大会期間に国外出張する予定が入っていたので「特別の許可」をもらう可能性を探りましたが「許可申請を行ってもおそらく許可はおりない」とのことで、今年はやむを得ず国外出張した後に、日本でのバケーションを早めに取ることにしました。

エカテリンブルクの空港の入国管理を見ていると、特段のイベントがない通常時でも処理が大変遅いので、海外からの観戦客が殺到する状況では複数のビザを区別しながら入国管理手続きを行うことが現実的ではないのは想像がつきます。

とはいうものの、大きなイベントが行われるたびにこのような不都合が発生すると、なかなか外国人労働者がロシアに定着しないのではないかという懸念も抱きます。

ドバイ空港で乗り継ぐ際に見かけた
W杯ロシア大会のマスコット「ザビワカ」
(2018年6月撮影)

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