2018年8月16日木曜日

【第59回】外は地味でも中は綺麗

エカテリンブルクに引っ越してきて初日に抱いた感想の一つに「店や役所の場所がわかりにくい」ということがあります。職場の担当者や同じ学科の同僚に街の中を案内してもらったのですが、どこのお店もとにかくわかりにくい。「え、ここに合鍵屋があるの?」「え、ここが肉屋?」「え、ここが本当に役所なの!!」といった驚きの連続でした。

なぜこんな事態になるかというと、この街のお店や役所は、多少の例外を除いて、どれも外観がとても地味なのです。小さな商店や役所は特に地味です。日本のお店だと電飾を使って派手な外観を作り、遠くからでもお店の存在が一目瞭然ですが、エカテリンブルクの小さな商店にはまずほとんど電飾がないですし、看板が出ていても小さかったり地味な場合が少なくありません。

また下手すると看板すら出ていないお店もあり、最初は目的のお店や役所を見つけるのになかなか手こずりました。移民局などの役所も、ソ連時代に建てられた団地の一部をオフィスとして利用していたりする場合は、本当にわかりにくいです。

しかし、その地味な外観の一方で、これも驚いたことの一つなのですが、「中は普通に綺麗」な場合が多いのです。お店にせよ、役所にせよ、外観がすごく地味だったり汚かったりしても、中は案外綺麗に整っています。

これは後でわかったことですが、お店や役所以外にも、建物の外観が地味なのに中は綺麗という建物がとても多いです。これまでに何度か地元のロシア人のお宅にお邪魔したことがあるのですが、外観はソ連時代に建てられた古い住宅でも、中はまるでヨーロッパの小洒落たコンドミニアムように綺麗にリフォームしているお宅も少なくありません。

参考までに、エカテリンブルクの目立たない建物の写真を掲載しておきます。上は職場近くの靴修理と合鍵のお店です。ここに同僚に連れて行ってもらったときは本当に驚きましたが、同僚は「え、なんかおかしい? ここの合鍵は評判が良いよ」と、逆に驚いている私に驚いている様子でした。

下の写真は移民局の入り口です。ここはソ連時代に建てられた団地の一部を役所のオフィスとして使っており本当にわかりにくいです。最初はどこに役所があるのか全くわかりませんでした。しばらく近辺を観察して季節労働者らしい中央アジア風の外国人の一団が入り口に入っていったのを見てようやく移民局だとわかった次第です。

ただ、エカテリンブルクは、今年サッカーW杯が開催されたり、2025年万博の開催都市に立候補している関係で、ここ1-2年の間に都市開発が進み、外観も中も両方綺麗なお店が増えてきたことも事実として付け加えておきます。

職場近くの合鍵と靴修理の店。腕が良いと近所では評判の店だ。
(2015年6月撮影)
移民局の入り口。(現在は別の場所に移転。)
(2017年7月撮影)

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