2018年8月22日水曜日

【第61回】市内で見かける多様な自動車

エカテリンブルクでは実に様々なメーカーの車をみることができます。あまりに多様なメーカーの車を見ることができるので、街全体が「自動車の博物館」のように思えてくることさえあります。

日本メーカーの車は「壊れにくい」ということで人気が高く、新車も中古車も多く走っています。中には、日本の社用車や公用車として使われていた車が、日本の会社名のペイントが入った状態そのままで走っていたり、日本の神社の交通安全祈願のお守りがぶら下がっていたりする車も見かけます。しかし、割合としては、日本車は街で走っている車全体の1割も満たないように思います。この点「走っている車のほとんどが日本車」というロシア極東の状況とはかなりことなります。

エカテリンブルクでは、日本車以外に、ヨーロッパや米国製の車も多く走っており、韓国メーカーの車も頻繁に見かけます。各国のメーカーの割合に極端な偏りは見られず、かなり綺麗に分散している感じがしますが、日本人にとって特に目を引くのは中国車とソビエト車でしょう。中国車は、近年かなり増えてきているようで「Great Wall」(万里の長城)といった中国的な名前の車をよく見かけます。中国車は他のメーカーに比べると故障は多いようですが、そもそも購入費用も修理費用も安くあがるため人気があるようです。

ソビエト時代に作られた車もしばしば見かけます。もちろん現在では生産はストップしているわけですが、自分で修理しながら長く乗っている人が多いようです。以前、同僚に「ソビエト車は故障は多いのではないですか?」と聞いたら、「非常に故障は多い。でも安心感がある」という不可解な返答が返ってきました。

「安心感がある」理由を聞くと「自分で修理できるから」という返事でした。同僚は「最近の外国メーカーの車は構造が複雑で自分では修理できない。冬場の気温が低いときに街外れで故障したら命取りになる。その点、ソビエト車は自分で修理できるので安心だ」というような説明をしていました。ソビエト時代の学校では、自国制の自動車を教材として「車の修理方法」を教えていたそうです。したがって、ソビエト時代に教育を受けた年代の人にとっては、ソビエト車の「自分で修理できる安心感」というのは他のメーカーの車でもって替えがたい大きな利点のようです。

(左上)ソビエト車、(右上)日本製中古車
(下)中国車

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