2022年3月23日水曜日

【日記】2022年3月22日(火) 、ロシアの研究者に対する規制、若手の努力を妨害し続けたソ連世代、ロシア研究者のこれから

朝、起き抜けにTwitterのTLを眺めていたら、ロシア政府が自国の研究者の国際学会へ参加を禁止するというニュースが流れてきた。国際学術誌への出版履歴も今後業績として評価しないそうだ。このニュースが本当であれば、アカポス市場としてのロシアはこの世から消滅してしまったも同然である。このニュースをリツイートしたところ、ロシア語が読める人からリプが付き、そのリプによると、原文のロシア語の記事には禁止とまでは書かれていないようで、国際的な活動を「評価しない」ということらしい。まぁ、しかし、多少ニュアンスが異なるにしても、研究者に与える実質的な意味は同じようなものだろう。

私が中国の現職場に移籍する前にロシアの大学で働いていたことはこの日記にも何度も書いているけれども、ロシアの職場はウクライナの問題以前に、長く働くにはあまりにも問題が多すぎて私は5年で離脱した。その辺の事情は、このブログのコラムを見てもらうとある程度は理解してもらえると思う。

ただ、ロシアの職場が問題だらけだったとはいえ、ロシアの若い研究者や大学職員が大学を良くしようとして一生懸命努力していたことは間違いのない事実である。そして、いつも若者の努力を妨害するのは「ソ連世代」のロシア人たちだった。今回のウクライナ侵攻を決定したのも、プーチンをはじめとするソ連世代の政治家たちだ。ソ連崩壊から30年たち、ようやくロシアの大学にも発展の兆しが見えてきていたのに、すべてをソ連世代の政治家たちがぶち壊してしまった。ロシアの大学がウクライナ侵攻以前の状態まで国際的な信用を取り戻そうとすると、これから世代を超えた努力を、再びゼロから積み上げていかなくてはいけないだろう。今回のウクライナ侵攻、ロシアの若い大学職員や研究者たちにとってはさぞ無念だろうと思う。

現在ロシアの大学に所属する研究者、特に基礎科学分野の研究者がまともな研究を継続したければ、ロシア国外に出るしかないだろう。しかし、ロシアの信用が完全に地に落ちてしまった状況では、外国の大学や研究機関で研究職を見つけることは容易ではないだろう。ロシア人が現時点で国外移籍しようと思うと、今のところ候補は中国くらいだろうけれど、中国も特に選り好んでロシア人を雇用するということはないだろうし、状況は厳しいと思われる。

私は個人的にはウクライナ侵攻に賛成のロシア人は自業自得だと思うし、ロシアに留まって自分の意見に対する責任をとってもらいたい。しかし、ウクライナ侵攻に明確に反対しているロシア人研究者についてはどうしても気の毒だと思ってしまう。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(10分程度)