2022年5月4日水曜日

【日記】2022年5月3日(火) 、休日読書「中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで」

5連休の4日目。とくに何をやるという訳でもなく、午前中に語学勉強のルーティンだけこなして後はのんびりと読書するなどして過ごした。TwitterのTLを眺めていたら、たまたま「中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで (星海社 e-SHINSHO)   西村晋著」という本へのリンクが流れてきたので、Kindle版の電子書籍をポチッて一読してみた。

上述の本の表紙画像

この本の著者は中国の大学で勤務した経験を持つ経営学者で、中国の企業改革が専門とのこと。現在は日本の大学に勤務されているようで、中国について客観的に語る語り手としてはうってつけの人物だと思われる。実際、この本は中国共産党を賛美するわけでもなく、またこき下ろすわけでもなく、客観的に淡々と事実関係を解説している。

中国の大学で働く時、組織の「動作原理」が西側の大学とは大きく異なるために、予備知識がないと西側社会から来た研究者は戸惑うことが多いように思う。この本を予め読んでおくと、中国の職場環境への適応が比較的スムーズに進むのではないかと思う。中国で働いたり生活したりする上で必ず知っておくべき言葉や概念、例えば「党委書紀、社区、居民委員会」等々について、中国共産党という組織の中でどのような意味合いがあるのか、また、それらに対して外国人がどのようなスタンスをとれば良いのか、といったことを詳細に分かりやすく説明してくれている。

私も中国関連の日本語の本はいろいろと読んできた。しかし、この本の著者が「結」の部分で述べているように、この本で扱われているような内容、つまり、中国で生活している人間や中国人にとっては「ごくごく当たり前」の中国共産党の組織論に関する基礎知識について、客観的に詳しく説明した日本語の本はほとんど存在しないと思う。また、日本語の出版物には、反中国的な論調のものが多く、中には反中国が過ぎて、情報が不正確であったり虚偽であったりするものも少なくない。その点この本は、中国を専門とする日本在住の日本人研究者によって、中国での就労や生活の経験をベースとして書かれたものなので、情報源としての価値が高い。

実際、現在中国の大学で働いている私の目から見て、自分の経験と照らし合わせても、書かれた内容は信用できるものだと思う。これから、中国への移籍を考えている日本人研究者や、既に中国への移籍が決まっている日本人研究者の方には特におすすめである。研究者以外にも、ビジネス方面で中国への進出を検討されている人にとっても役立つ内容だろう。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)