2022年5月12日木曜日

【日記】2022年5月11日(水) 、大雨で休講、家で解析環境の構築、ブラックホールの影は本物か?

朝から大雨警報が発令され「本日は休講」との通知が職場から来た。私は今学期後半は講義を受け持っていないので休講は関係ないのだが、自転車しか足がないので安全のため今日は家にいることにした。しかし、外に出られないとなると、一つ問題なのが、通勤に際して必要なPCR検査陰性証明の維持ができないことだ。

大学構内に入るためには相変わらず48時間以内のPCR検査陰性証明が必要で、これは大雨でも代わりがない。今週は金曜日と土曜日に会議があるので、木曜日にPCR検査を受けておかないと予定通りに会議に参加することができない。しかし、滅多なことでは休講にならないうちの大学の講義が休講になるほどの大雨の中、PCR検査を受けに行くためだけに、自転車で30分もかかる遠方の検査場まで出かけるのは無茶という話だ。

昨日今日は大雨警報のため最寄りのPCR検査場は閉鎖されており、大雨でも開場している遠くの検査場まで行かないと検査が受けられない。大雨の問題は、通常なら雨が止めば終わりなんだけれど、ゼロコロナ政策が続いている状況だと問題がより複雑になる。

大雨で冠水したキャンパスの様子

とりあえず、今日は大雨警報で職場に行けないので、少し気分を変えて、長年解析が進まず放置していたデータを解析するための解析環境を、自宅のパソコン上に構築する作業を行った。この解析、ロシアにいるときに始めた研究なのだけど、当時は研究費がつかないわ給料は安いわでろくなパソコンが買えず、パソコンの能力不足という大変くだらない問題で解析が滞っていたのだ。中国に来て、パソコンの問題は即座に解決したが、他の仕事が忙しすぎてなかなか解析を再開できずにいた。細切れ時間を使って少しづつ作業を進めたいところだが、そのためには、まず最初に解析環境を準備せねばならない。これが結構時間がかかるのだ。

そんなこんなで、久々に解析環境のインストールを試みたのだけれど、あまりにも久々にやる作業だったので細かなノウハウを忘れてしまっており、想像以上に時間がかかった。ある程度の年令になると、自分で解析をせずアイデアだけ提供して実際の解析作業は学生やポスドク等の若い人に任せてしまうベテランは少なくないと思う。しかし、例え少しづつでも自分で解析作業をやり続けないと研究の感が鈍ってしまう。私の場合、本当にもう最近は自分で行う研究は、まるで蟻の歩みのように進捗が遅くなってしまっているが、それでも止めるつもりはない。なぜかというと、自分でデータ解析を行って研究を進めるほうがやはり面白いからだ。

さて、今日は一つ面白い論文がSNSに流れてきた。しばらく前に、メディアで大きく取り上げられた「ブラックホールの影の写真」が、実はサンプルバイアスによる間違いであると結論づける論文が出版されたのだ。私はブラックホールに関しては素人だけれども、ブラックホールシャドーの撮影に用いられた「電波干渉計技術」は自分の研究で使用しているため、この研究にはそれなりに興味がある。ざっと見た感じ、今回の論文で行われている議論は、私にはかなり説得力があるように思える。ブラックホール写真を発表したグループがどのような反応を返すのかが楽しみだ。


中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)