2022年10月3日月曜日

【日記】在中日本人研究者に関する新聞記事、久々に眺めたロシアのローカルニュースサイト

2022年10月2日(日) 

また日本の新聞に「在中日本人研究者」に関するインタビュー記事が掲載されたらしく、今朝はSNSに多くのリンクが流れてきた。日本のメディアが在中日本人研究者を扱う時は「日本人研究者が中国で働くことが日本の国益にならないから、なんとかしなくてはいけない」といった論調になることがほとんどである。私はこの論調に全く同意しないので、「在中」を理由にした日本メディアからの取材依頼には一切応じないことにしている。しかし、相も変わらず、同じような記事が何度も出てくるものだ。

どうせ、こういう記事を書くのであれば、在中の日本人研究者だけさくっとインタビューするのではなく(もうそういう記事は既にたくさん出ているし)、中国の人材計画で招聘された様々な国籍の研究者をじっくりとインタビューして、さらに中国の大学の様子も現地に来てしっかりと時間をかけて取材して、中国の人材計画の全体像を浮き彫りにするような重厚な記事を書いてほしいものだ。

連休ということで時間があったので、久々にe1.ruの最近の記事をざっと眺めてみた。e1.ruというのは、ロシアのエカテリンブルクという都市の地元ニュースサイトだ。私がエカテリンブルクに住んでいた5年間の間、毎日眺めていたサイトである。

プーチンが部分動員を発表する以前に一度e1.ruを見たときには、戦争を意識させるような記事は少なめだったが、今日見てみたら様相が一変しており、「動員」に関連した記事が大量に掲載されていた。私はこのニュースサイトの「平常時のトーン」を知っているだけに今のロシアの混乱ぶりが非常に生々しく伝わってくる。

動員に関しては、対象外とされているはずの重篤な病気の人や高齢者、子供の多い家庭の男性等も無差別に招集されていることが記事から見て取れる。近隣の小さな村で「アル中患者以外、男性は全員招集された」といった記事も出ていた。他にも、男性社員の多くが招集されたため中小企業の経営が行き詰まっているといった記事や、持病持ちの人が徴兵された場合に薬は携行できるのか、何を持っていくと役に立つか、といった動員された人の心配事に関する記事も出ていた。

正直なところ、私はプーチン政権を支持しているロシア人に同情するつもりは全くない。私がロシアに住んでいるときにも、年配のロシア人に領土問題に関して絡まれたりもしたものだが、そういう連中については、これから衰退(そしておそらく崩壊)していくロシアの中で、じっくりと責任をとっていただきたい。ただ、反政権的なロシア人が多くいるのも事実で、そういう人たちが招集されて命の危険にさらされることは本当に不憫で仕方がない。まったく、不幸な状況になってしまったものだ。



中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)