2022年10月25日火曜日

【日記】台湾有事が近い?、中露を一括りにする荒い言説

2022年10月24日(月) 

一時20℃程度まで気温が下がり、もうこのまま秋が深まっていくのかと思っていたら今日は一転して29℃まで上がった。衣替えしたはずだったのが、再び半袖シャツを引っ張り出すことになってしまった。なかなかすんなりと夏は終わってくれない。

今学期の講義の後半は、時間の一部を同僚とシェアし、残りは学生セミナーの時間に当てる予定なので、自分が行う講義の準備もあと約4回分を残すのみとなった。しかし、そうは言っても秋学期が忙しくなるのはこれからである。

自分の講義が終わったら、期末試験の準備、実行、採点、そして成績評価、それから、グラント申請書の準備、卒業生が放置して出ていった論文の仕上げ等の仕事が待ち構えている。それ以外にも、年度末にかけては、各種の会議や大学院入試の試験管等の業務も次々に入り込んでくる。来年の春節は1月22日ということなので、講義終了後の日程は少し詰まり気味になりそうである。

最近、SNSを眺めていると「台湾有事が近い」みたいな言説が増えているように思う。数日前に報道されたアメリカ政府関係者の発言がその発端だろうと推測している。これに関連して、「今は中国に留学するべきではない、旅行するべきではない、出張するべきではない等々」の発言もSNS上に多く流れているようだ。

しかし、本当に中国への留学や就職を諦めるような状況なのかは甚だ疑問である。アメリカが「台湾有事」を仄めかす背景には、ロシアが不安定化させている世界の状況を利用して、ロシアと中国を一括りにし、自分たちに有利な反中国的な国際世論を形成しようとする意図があるように思う。

私はロシアでも今と同様に地方国立大学で教授として働いた経験を持っている。2つの国を、ほぼ同等な社会的地位から観察してきた私の経験から言えることは、中露は全く異なる国で、一括りにはできないということである。

率直に言うと、ロシアは私が働いていた2014年から2019年にかけての時点で、既に相当危うい国であるという印象を持っていた。例えば、給料の支払いが遅れる、契約書に書かれている内容が履行されないといったことが日常的に発生していた。

日常生活においても、ロシアではインフラ周りのトラブル、社会システム的なトラブル等々、様々な問題が非常に高い頻度で発生する国だった。そして、ロシア語を自由に話せるロシア人であってもそれらの問題を解決することはしばしば容易ではないのである。

SNSを見ていると、中国に住んでいる日本人が、中国で生活する上での様々な問題について投稿しているのを見かけるのだけれど、ロシア生活を経験している私から見ると、どれもそう大した問題ではない。正直なところ、中国の現在の居住環境や職場環境では、ロシアで経験したような「本当の不安定さ」はほぼ全くと言っていいほど感じない。

SNSの日本語コミュニティでは「中露」を一括りにした粗い言説をしばしば見かけるが、中国とロシアは似て非なる国ですらなく「全く異なる国」であることは認識しておいた方が良いだろう。もちろん中国は、日本にとっていつも協力的に動いてくれる国ではないのは確かである。しかし、それと同時に、現時点で中国への留学や就職を躊躇するほどのリスクがあるとは全く思えないのである。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)