2022年10月6日木曜日

【日記】やる気にスイッチが入らない連休明け、驚愕の超高精度時間計測技術

2022年10月5日(水) 

連休5日目だがそろそろ仕事を再開しないと連休明けの講義に準備が間に合わなさそうなので今日は休日出勤した。コロナ前は、長期連休に職場に行くとほとんど誰も人がいなかったものだけれど、コロナ禍勃発以降は、大学に居残る院生が一定数いるので休暇中の職場もそこそこ賑やかである。教員の方は流石に休んでいる人が多いが、それでも一部の教員は連休中もオフィスやら実験室にこもって仕事しているようだ。

四日間、フルにボーっとしていたので、なかなかやる気にスイッチが入らなかった。濃いお茶をすすり、しばらくSNSを眺め、休み前にどこまで仕事を進めていたかを徐々に思い出し、オフィスに来てから2時間後にようやく仕事に着手した。一度始めれば集中力が一気に高まるので、あとは一気呵成に作業を進めることができる。3時間ほど作業して一応今日の目標ラインまで作業を終えることが出来た。

今日講義スライドを準備していた単元は「天文学で使用する時間システム」に関するもので、その中で「1秒の定義」について触れる予定だ。国際単位系における「1秒」は、現在はセシウム原子を使った原子時計に基づいて定義されている。より具体的に言うと、セシウム133原子の基底状態にある超微細構造線の周波数が基準となっている。

このあたりの話は、天文学的な観点からもいろいろと話を派生させることができるので、天文学入門講義で扱うのにはとても良い教材だと思う。セシウム133の超微細構造線から派生して、天文観測で扱う超微細構造線の話をしてもよいし、原子時計の話から超長基線干渉計観測について話すこともできる。とにかく「1秒の定義の話」は天文学の教材としてなかなか便利なのだ。

今日のノルマを達成した後は、いろいろとスライドに書いたことの発展事項や裏付けをとるための調べごとをして過ごした。一つ面白かったのは「現在の最先端の原子時計はどの程度の精度を達成しているのか?」という疑問について調べた結果だ。この問題はなかなかに興味深くて、現在は「光格子時計」という技術を使って10のマイナス18乗秒という精度を達成しているようだ。

上述のセシウム133の超微細構造線を使った原子時計の精度は10のマイナス18乗秒程度と言われているので、それと比べて実に1000倍もの精度を達成しているわけだ。光格子時計もストロンチウム原子を用いた原子時計の一種なのだが、私のざっぱな理解では、光格子時計の中では、100万個程度の原子時計を一度に使って平均をとるようなことが行われている。平均をとることによって計測精度が上がるというわけだ。精度の凄さもさることながら、アイデアがとても面白い。この技術もきっと近い将来ノーベル賞をとることだろう。


光格子時計の概念
(上記リンク先より引用)

中国語学習

単語と例文の暗記(5分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、ジャズコードI