2022年9月14日水曜日

【日記】宿題が講義室にもたらしたポジティブな効果、天文学初心者セミナー開始

2022年9月13日(火) 

今日は、午前中に講義、午後から研究グループの学生とのセミナーがあった。昨年から秋学期には大学院博士課程向けの講義を受け持っている。大学院生向けの講義ということで、学生も忙しいだろうとの配慮をして、去年は宿題を出さなかったのだけれど、どうも中国の学生からは「宿題を出してほしい」という要望を聞くことが多い。そこで、今年はできる範囲で宿題を出している。「できる範囲」というのは、大学院講義で宿題を出すのは実はけっこう大変な作業なのだ。

学部講義の場合はティーチングアシスタント(TA)を雇用することができる。TAには宿題を出したかどうかの確認をやってもらったり、採点後の宿題の点数の集計などを手伝ってもらうことができる。簡単な宿題の場合には採点や学生への指導を手伝ってもらうこともある。このTA制度がなければ、宿題をコンスタントに出すことはかなり大変な作業となる。TAには通常、大学院博士課程の学生を雇用することになっている。つまり、大学院博士課程対象の講義を行うに際しては、TAとなってくれる人がそもそもいないのだ。これは教員としてはけっこう辛い。

まぁ、しかし、ものは試しと、多少忙しさが増すことを覚悟の上で、今学期は宿題を出してみている。結果としては良い感じに作用しているように思う。宿題を出した後、次の回の講義で宿題の答え合わせをするのだけれど、自分たちが考えて提出した宿題に関する話なので、学生さんの方も講義の他の部分よりも高い集中力で答え合わせの部分を聞いてくれるようだ。

やはり、学生に「主体的に講義に参加している」という意識を持ってもらった方が講義の質は良くなるようだ。主体的に参加してもらうというと、講義中に学生を指名して質問に答えてもらったり、教室で学生間の議論を喚起したりという手法をまず思いつくが、これは今の職場の講義室ではなかなか上手くいかない。なぜかというと、言語の問題があるからだ。

すべての学生が流暢に英語を話すわけではないし、そこそこ英語が話せる学生であっても、大勢の同級生の前で発言をするとなるとどうしても身構えてしまうようだ。昨年は、講義室で頻繁に学生に話しかけて、講義に主体的に参加してもらおうとしたのだけで、案の定上手くいかなかった。去年の段階では、予想もしていなかったことだが、今年は宿題が講義室の空気を変えてくれている。異国で悪戦苦闘している外国人教員としては僥倖である。

午後からは、学生さんとのセミナーを行った。今日のセミナーは、天文学の学習経験を持たない修士課程新入生を対象とした「天文学基礎トレーニング」セミナーだ。基本的に、私と一緒に研究する学生さんが対象なので、英語のトレーニングも兼ねている。中国語で書かれた天文学の教科書を読んで、その内容を英語で発表するということを繰り返していく予定だ。私としては、このセミナーを通して、天文学の基礎知識と英語力の両方を身に着けてほしいと思っているのだけれど、果たしてどうなるだろうか。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)