2022年9月22日木曜日

【日記】研究グループ会議で使用する言語、中国はスパコン大国

2022年9月21日(水) 

人種的な共通性もあるのだろうけれど、身の回りの中国人を見ていると日本の有名人に似ている人をちょくちょく見かける。昨日も、職場に「里見香奈女流五冠」と「一青窈」のそっくりさんがいることに気がついた。

まぁ、それはさておき、今日は今学期2回目のグループ会議の日だった。前回は初回ということでメンバーそれぞれが自己紹介して終わりだったが、今週は通常通りに当番制の論文紹介を行った。うちのグループでは、大学院生とポスドクが毎週二人づつ論文紹介を行うことになっている。

二人のうちの一人は複数の論文の要旨をかいつまんで報告する「速報」を、もう一人は一本の論文を選んで詳しく報告する「詳報」を行う。残りの時間は自由討論として、各自の研究で出てきた新しい結果を検討したり、行き詰まっている問題をみんなで考えたりする。

発表で使用する言語は「英語を推奨、ただし強制はしない」ということになっている。しかし、中国語で発表しても私が理解できるまで何度も英語で質問するので、結局英語を全く話さないで済ますということはできない。中国語で発表すると、結局英語で同じことを説明することになる。手間を考えると、最初から英語での発表を準備しておいた方が楽である。そういう状況なので、多くの学生は一年くらいたつと、だいたい英語で発表するようになる。

昨年、結局最後まで英語で発表しなかった学生は一人だけだった。今回は新年度初回のグループ会議だったので、「今の発言、英語で要点をもう一度言ってくれる?」というセリフを10回以上は言ったような気がする。まぁ、しかしこれを言うのも外国人教員の勤めである。学科としては大学院教育のために研究グループでの英語使用を推奨しているが、中国人教員のみのグループだと、なかなかグループ会議の英語化は難しいだろうと思う。

今日の詳報で紹介された論文は、中国の研究グループが行った星団の重力多体シミュレーションの論文だった。非常に重厚仕事で、単に星の運動をシミュレーションしただけでなく、星団に属する一つ一つの星の進化や、連星が形成される過程、連星になってからの進化過程までを計算に取り込んでおり、そうとうな計算機資源が必要な研究だと推測された。

最近の中国は「計算機大国」となってきている。スパコンの計算速度ランキングではまだ米日の方が勝っているものの、「国内に存在するそこそこ速いスパコンの数」ではおそらくダントツの一位なのではなかろうかと思うくらいあちこちにスパコンが存在する。そんな状況なので、今日の詳報で出たような研究も中国から量産されているわけだ。

今日の詳報論文は、明らかに中国宇宙望遠鏡を使った観測的なフォローアップを意識している内容だった。今の中国は、スパコンによるシミュレーションから、宇宙望遠鏡によるシミュレーション結果の確認までを全て国内リソースで行うことができる状況になりつつある。こういうなかで非常に優秀な研究者がしのぎを削って研究しているのだから、これから面白い結果が出てくるであろうことは私の目からは必然だと思われる。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)