2022年9月5日月曜日

【日記】娘の進学に口を挟む親、ナショナリズムの盛り上がりに思うこと

2022年9月4日(日) 

親が娘の進学やキャリアに関して口を挟むという話は日本のSNSでも最近良く話題に上がっているが、似たような話は中国にも存在する。例えば、私の職場環境では、「外国に行っちゃだめ」とか「省の外に出たらだめ」と親が言うので遠くの大学院に進学できないといった話を、女子学部生から聞くことが多い。細かな話を聞いていると、中国の場合、娘に対する親の影響力は日本以上に大きいよに思われる。

ただ、中国の場合、国が多くの大学に広く投資する政策を取っている関係で、北京や上海の有名大学以外にも、世界ランキングで上位に食い込んでいる大学が各地に多く存在する。省内の大学院なら親と揉めずに進学できるという女子学部生は少なくないので、国内に水準の高い大学が多数存在するという状況は、親との問題を抱える女子学部生の助けになっているように思う。

多くの大学に分散投資するメリットは、もちろんそれだけではない。基礎研究の水準を上げるためには、研究の裾野を広げることが必要で、そのためには多くの大学に様々な分野の研究者を多く抱えることこそが、研究水準を向上させていくための基本だということは、ノーベル賞受賞者を含む多くの日本の研究者が主張している内容である。

中国の政策はおおよそこの方針に沿ったもので、全国各地の多くの大学に対して分散的な投資を行っている。そして実際に基礎科学分野の論文数が近年非常に増えてきている。Twitterの日本語タイムラインには、中国の基礎科学分野の論文数が著しく伸びていることに関して「数が多いのはわかりましたが質はどうなんですか?」という質問がしばしば流れて来たりもするが、これに対する答えは簡単で「数が増えているということは、質の高い論文も増えている」ということになる。基礎科学を発展させようと思ったら多くの資金を幅広く投資するのが正解なのである。

そういえば、話は変わるが、今日のトレンドワードを見ていたら、中国人が日本の風俗店で起こしたとある犯罪に関して反中ナショナリズムが盛り上がっているようだった。犯罪は犯罪として法に基づいて裁かれなくてはならないことは当然であるが、そこからナショナリズムが盛り上がってしまう状況を見ると複雑な心境になる。

私が住んでいる地域でも、しばらく前に日本企業が起こした性風俗絡みの大事件があり、一部では根強く反日感情が残っている。ナショナリズムというのは通常は相対的なものである。ある国が絶対正義で、別のある国が絶対悪ということは通常はまずありえない。

コロナ禍で国際移動が制限されている状況が長く続いていたり、移動規制が緩和されて国際移動できたとしても長引く不況で海外旅行するお金がなかったりといった状況があり、一般の人が国際関係を客観視できる機会が減り続けているのだけど、こういうこともつまらないナショナリズムの盛り上がりと関係しているのだろうとは思う。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために