2022年9月11日日曜日

【日記】とある中国人が決めた驚きの進学先

2022年9月10日(土) 

今日は「教師の日」なので、朝WeChatを覗いたら、現在や過去の学生さんたちからお祝いのメッセージがチラホラと届いていた。届いたメッセージの中に、以前少し関わりのあったよその大学の卒業生のものがあり、どうしているのだろうと思って「最近元気にしてますか?」という返事を送った。この学生さん、かなり優秀な人なのだけれど、運悪く欧米の大学院への進学に失敗し、現在中国内で働いている人だ。

返事がすぐに返ってきて、なんと驚いたことに、ロシアの某大学に大学院留学(物理系)することを決めたそうだ。その大学は、私が内部事情をよく知っている大学で、ロシアがウクライナに侵攻する以前の状態でも決して良い環境とは言えない状態の大学だった。それに加えて、現在はウクライナ戦争に関連する様々な問題があるのだから、ロシア現地での研究が必須の分野を除いては、ロシアへ留学することが賢明な人生の選択だと私にはとても思えない。

もちろんこれは西側諸国に国籍を持つ人間の考え方だとは思う。中国人の場合は、今のところロシアと中国の間の二国間関係に問題はないので、法的なトラブルに巻き込まれる可能性はすくないのかもしれない。しかし、そうであったとしても、研究環境は最悪の状態と言わざるをえないだろう。ロシア外の研究者との交流も非常に制限されるだろうし、論文誌への投稿や閲読を行うことも難しいかもしれない。生活面も、おそらくこれから先の数年は、さらに不便になっていくことだろう。

正直なところ、現在の状況で欧米進学がだめだった場合のバックアップの進学先として中国人によってロシアの大学が選ばれることに驚きを隠せない。この件に関して、上記の本人と突っ込んだ話をしようと思うと、どうしても政治的な話になってしまう。それに、大学院の修士課程まで出て既に社会人として働いている人なので、私がとやかくいうことでもないだろうとも思う。ただ、かなり優秀な人なので、こういう人が日本に進学できていたら良かったのにと思わなくはない。しかし、残念なことに我が母国の大学も問題山積である。本当に世界は混沌としている。

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)