2022年6月3日金曜日

【日記】2022年6月2日(木) 、卒業旅行のシーズン、中国の電子書籍市場

卒業研究関係の公式の審査は全て終了したけれど、査読論文として結果を出版したいという学生さんと、今度は英語論文出版に向けてまとめの作業を行っている。言うまでもなく、査読論文を出版するとなると卒論よりも遥かに大変で、もうしばらく継続して努力してもらう必要がある。この学生さんの場合、卒業後は天文分野の大学院への進学が決まっているので、おそらく最後まで頑張ってくれるのではないかと期待している。

卒業が決まった学部生さんたちは、今の時期、卒業旅行に出かける人が多いようだ。中国の若い人がどのような場所に卒業旅行に行くのか興味があったので、研究グループの学生さんに行き先を聞いてみたところ「雲南省」へ行くそうだ。雲南省と言うと美味しいキノコとかお茶とか農産物のイメージが強いが、どういう目的で行くのか聞いてみたら「自然の景色を楽しみに行く」とのことだった。

Twitterを見ていたら、中国市場からKindleが撤退するということに驚いている人がいた。しかし、中国の電子書籍市場を見ていたら、Kindleがやっていけるとはとても思えないので撤退は自然なながれだろうと思う。私も中国語の勉強をかねて、電子書籍サービスの「微信读书」とか、オーディオブックサービスの「微信听书」といったアプリをを使っているけれど、とにかくとても良いのだ。

何が良いって、とにかく無料で利用できるコンテンツが多いのだ。私みたいな中国語初心者だったら十分以上の量が無料で利用できるし、おそらく中国人であっても、無料の範囲内でそうとう楽しめるはずだ。例えば、電子書籍であれば、部分的な試し読みではなく、全文読める書籍が多数揃っているし、オーディオブックにいたっては毎日90分間無料で聞くことができるという大盤振る舞い具合だ。課金するにしてもKindle書籍やオーディブル等の西側サービスに比べると激安の値段設定となっている。こんな感じなので、何をやるにしても課金が前提のKindle型ビジネスモデルではちょっと太刀打ちできないだろうと思う。

私の推測ではあるけれど、中国語の電子書籍やオーディオブックが安く提供されているのは国の戦略なのではないかという気がする。国が本当にこういったサービスを影でサポートしているのか、もしサポートしていたらどの程度のサポートをしているのかまったく不明ではあるが、国(党)の方針に沿わないサービスが存在できないこの国のことだから、この安い電子書籍も、まず間違いなく国の方針に基づいたものだろう。国民一般にたくさん本を読んでもらって、教養をつけてもらうというのは、多少コストがかかったとしても、国としては意味のある投資のように思える。

中国語学習

単語と例文の暗記(10分程度)、ラジオ聞き流し(20分程度)