2022年8月6日土曜日

【日記】2022年8月5日(金) 、どちらが先に挑発?、「重力波とはなにか」を一読

連日の雨天で、今日も自宅で仕事することにした。しかし、やはり自宅にいるとあまり仕事の効率は上がらない。コロナ前なら雨の日はタクシーで職場まで乗り付ければ良かったのだけど、現在はコロナ規制で大学敷地内にタクシーが入れないので通勤手段が自転車しかない。雨の日はレインコートを着て自転車にのるのだけど、今の季節、レインコートを着ると猛烈に暑い。雨ではなく汗をかいてずぶ濡れになるので、なんのためにレインコートを着ているのかよくわからなくなる。そんなこんなで、真夏の雨天は職場に行く気がなかなか起こらない。

ペロシ米下院議長の台湾訪問を受けて中国が台湾周辺で軍事演習を行ったことに対して「中国は挑発行為をするな」という声明が周辺国から出ている。しかし、戦闘機や空母まで従えて米下院議長が台湾を訪問するという「明確な挑発」を最初にやっているんだから、中国の演習は当然の帰結としか思えない。韓国の大統領は、休暇を理由にペロシ氏との面会を断ったらしいが、この大統領には政治的な「知恵」が備わっているような気がする。

「重力波とはなにか」(安東正樹著)を一読。職場に重力波検出実験のナショナルセンターがある関係で、重力波関係の話を聞く機会は少なくないのだけど、基本的なことを知らないので一度啓蒙書でも読んでみようと思ってこの本を手に取った。読み始めたら非常に面白くて一気に最後まで読んでしまった。特に後半部分で展開される重力波天文学の将来的な展望には本当にワクワクするような面白さがある。今後、順調に装置の安定度と感度が増していけば、重力波関係だけできっと幾つもノーベル賞が量産されるだろう。

あと、興味深かったのは重力波検出を確認する確認システムの厳密さである。プロジェクトの研究者がきちんと本物の信号を選別できるかどうかを、「偽信号」を人為的に検出器に送り込むことで確認するのである。偽信号を検出器に送り込むことは「信号インジェクション」と呼ばれるが、研究者たちは今自分が解析しているデータが信号インジェクションによるものかどうかを最後の瞬間まで知らされない。場合によっては、信号インジェクションによる偽信号で論文まで書き上げてしまい、投稿する最後の瞬間に「偽信号でした」と知らされたケースもあったようだ。本当に「ここまでやるのか」と思ってしまうような厳しい信頼性確認を行っている。天文学の他の観測プロジェクトも、重力波プロジェクトの検出確認システムから学ぶことが多いのではないかと思う。


中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)