2022年8月18日木曜日

【日記】「宇宙で一番強い力はなんだと思う? 重力じゃなくて嫉妬なんだ」

 2022年8月17日(水) 

以前は朝起きたらニュースのヘッドラインを見る習慣があったのだけれど、ここしばらくそれを意図的に中断している。なぜかというと、バズり狙いの「煽り記事」に辟易しているからだ。自分からニュースメディアに積極的にアクセスしなくなってもう数ヶ月程度経つのだけれど自分の生活には全く支障がない。特に自分からメディアのサイトにアクセスしなくても、SNS等を通じて勝手に耳に入ってくる。心の平穏を保つためには、メディアからは適当な距離をとったほうが良いのかもしれない。

新学期前ということで、職場の管理職人事が発表された。新しく選出された副学院長(日本の副学部長に相当)は、まだ三十代だ。学部事務のトップも選ばれたのだけれど、こちらも非常に若い(はっきりした年齢は存じ上げないがおそらく三十代前半)。とにかく、うちの職場は管理職の平均年齢が若い。もちろん管理職の中にはベテランもいるが、我が母国のように管理職の会議が「シニアのおっさんばかり」という感じではない。若手もいるし女性も多い。

職場のグループチャットを眺めていたら、学部の「物理学実験」科目の全国教材開発コンテスト的なイベントで同僚が上位入賞したらしくお祝いのメッセージが乱れ飛んでいた。年度末の活動報告等を聞いていると、物理学実験科目には毎年日本円で億単位の教材開発予算がついているようだ。担当している教員は豊富な予算を使ってあれこれ楽しんでいるらしい。

天文系の同僚にも物理学実験を担当している人がいるが、小さな電波望遠鏡を作って実習に使っている。あれなんかも工事費を入れると日本円で一千万円では収まらないだろう。豊富な予算は教育の質を上げるだけでなく、教員のモチベーションも上げることは同僚たちの様子をみているとよく分かる。

ベテルギウスの超新星爆発 加速膨張する宇宙の発見 (幻冬舎新書) Kindle版、野本陽代 (著)」を一読した。この本、ベテルギウスという名前がタイトルに入っていたため、ベテルギウスについて詳しく書かれた本なのかと思って読み始めたのだけれど、内容がタイトルからかなりズレていた。ベテルギウスの話というよりは、天文学入門に近いような内容で、かなり広範囲の話題を取り扱っている。


特に、後半部分に出てくる超新星探査観測を利用した宇宙の加速膨張の発見を扱った章は読み応えがあった。この分野で2チームが競り合っていたことは知っていたけれど、その背景にある人間事情についての記述が秀逸である。それぞれのチームのリーダーどうしが犬猿の中であったり、しかしそれぞれのチームに属しているポスドクどうしは親友だったり、そういったことが相まって、結果として両チームがノーベル賞を受賞したというのは、何か奇跡的なものを感じる。発見を競い合った2チームのリーダーのひとり、ロバート・カーシュナーの言葉を引用しておこう
「宇宙で一番強い力はなんだと思う? 重力じゃなくて嫉妬なんだ」

 

中国語学習

単語と例文の暗記(20分程度)、ラジオの聞き流し(20分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、リードシートIII