2022年8月14日日曜日

【日記】ちょっと特殊な講義の準備、多様な博士課程新入生

 2022年8月13日(土) 

夏休み期間中は学期中と違って悪天候のときなどにはあまり無理して出勤せず、家にいることにしているので、溜まった仕事をこなしつつもやはり少し夏休みっぽい気分になってきている。溜まった仕事の大きなものとしては秋学期の講義の準備と、年末に控えているグラントプロポーザルの準備がある。あと大学院生の論文の仕上げの面倒も見なくてはいけない。

6月末から7月にパスポート更新とその後の各種手続きで予想外に多くの時間を取られてしまい、結局夏休み期間を使って辻褄を合わせる羽目に陥っている。外国人として中国で暮らすということは、いろいろと余計な手間がかかるものだ。

秋学期には今年で2回めとなる大学院博士課程向けの「ちょっと特殊な講義」を担当することになっている。何が特殊かというと「天文学の基礎知識」を扱う講義なのだ。通常、博士課程の大学院生に対しては、ある特定の分野に的を絞ったレビュー的な講義を行うことが普通で、天文学の基礎知識を大学院生に講義することは珍しいと思う。

なぜこのような講義が必要になるかというと、中国では博士課程から専門分野を変える院生が相当数いるからだ。うちの大学院に博士課程から入ってくる人の入学前の学歴や職歴は実に多様だ。天文学に鞍替えしてくるのだから、修士課程の専攻はせいぜい物理学周辺だろうと想像されるかもしれないが、はっきり言って予想を遥かに超えている。IT系の会社で働いていた人とか、学校の理科の先生をやっていた人とか、薬学で修士号をとった人とか、まぁ、とにかく色んな人がいるのだ。

博士課程の入学者数は例年30人程度だが、学部と修士課程の両方が天文学だった人は1-2人程度で、大部分の学生は博士課程に入るまで天文学と関係のない分野を専攻していた人たちだ。既に天文学以外の分野で研究経験こそあるものの、天文学の研究を行うのは初めてという人が多い。2年前までは、このような天文学の基礎知識を持たない学生に対して特別なケアは何も行わずに、各学生に自主的に勉強して足りない知識を補ってもらうという方針だった。しかし、多くの教員から「必修科目として博士課程新入生に天文学の基礎を教えるべきだ」という声が上がり、この講義を立ち上げることになった。

そういう状況の中、新しく赴任してきた私がこの講義を担当することになった訳だ。昨年は一回目で、なおかつ学期開始直前に担当を割り振られたために、とにかく一学期間の講義をやりとげることに必死だった。それで、最近昨年の講義を資料を見直しているのだけれど、1年経って改めて見てみると、修正しなくてはいけないところや、付け加えるべき項目が山のようにあり、ほとんどの講義資料や宿題をゼロから作り直している。

当初、「学部向けの天文学入門講義と同じ内容を教えてくれ」という話だったので、基本的に学部生向けの教科書に沿った内容を教えていたのだけれど、やはり相手は博士課程の大学院生なので、どうもしっくりこないのだ。昨年は、講義の途中で少し方針を変えて、学部では扱わないような放射過程の話を盛り込んだのだけど、途中から方針を変えたために全体としてはどうもチグハグな感じの講義になってしまった。そこで、今年は教える内容は基本的には変わらないのだけど、教える順番を工夫して、博士課程大学院生向けの「少し大人な天文学入門」にしようと教材を作り直しているところである。

中国語学習

単語と例文の暗記(25分程度)

ピアノ練習

SimplyPiano、エリーゼのために